こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
ITの世界で必要不可欠な存在のサーバーですが、初めて学ぶ人にとっては「サーバーって何?」と疑問に思うことが多いかも知れません。
名前は聞いたことははあるけど、具体的に何をしているかよくわからない。サーバーについて調べても、イメージがつかない、どんな役割があるのかもピンとこないという人も多いでしょう。
この記事では、サーバーについて簡単に知りたい方向けに、小学生でも理解できるように、例や図解を含めて説明していきます。
サーバーとは何?サーバーの意味とは?
サーバーとは、一言でいうと「サービスを提供するコンピュータ」です。英語を和訳すると、そのイメージがさらにつきやすくなります。
サーバー(server)という言葉は、英語の「サービス(service)を行う者」という意味から来ています。つまり、ITにおけるサーバーは、データや機能などのサービスを提供するコンピュータやソフトウェアのことです。
これに対して、サーバーから受け取る側のコンピュータをクライアント(client)と呼びます。
クライアント(client)を和訳すると、「顧客」や「依頼人」という意味です。つまり、クライアントは、サーバーが提供するサービスを利用するコンピュータのことです。
・サーバー(server):サービスを提供するコンピュータ
・クライアント(client):サービスを受けるコンピュータ
上記のように、サーバーとクライアントは、サービスを提供する側と、サービスを受け取る側の関係になっています。
サーバーを理解するには、クライアントと一緒に理解をする方が、理解は進みやすいので、サーバーとクライアントを下記図にて説明します。
サーバーとは、クライアントとは
クライアント(顧客)とは、ユーザーが直接操作するコンピュータのことです。例えば、あなたが使っているパソコンやスマートフォンも、クライアントの一種です。
クライアント(PCやスマホ)は、サーバーに対して「ウェブサイトを表示して欲しい」、「ファイルをダウンロードしたい」といったリクエスト(要求)を送ります。
そして、サーバーはそのリクエスト(要求)を受け取り、「ウェブサイト情報」や「ファイル」などのデータを、レスポンス(返答)としてクライアントに返します。これにより、手元のパソコンやスマホで、ウェブサイトが見れたり、ファイルをダウンロードできるようになります。
このように、サーバーとクライアントは「クライアントがリクエストを送る」、「サーバーがデータを提供する」という関係性です。サーバーは「データを保存し、他のコンピュータにデータ送信する役割を持つコンピュータのこと」と言えます。
サーバーの用途、役割とは
サーバーはコンピュータの一種ですが、「様々な用途、役割」を持っています。例えば、次のような種類があります。
・ウェブサーバー
・アプリケーションサーバー
・データベースサーバー
・メールサーバー
・ファイルサーバー
・DNSサーバー
それぞれに異なる役割があるので、最初はわかりにくいかも知れません。
そこで、サーバーの役割を「郵便局」に例えて、簡単に説明していきます。
サーバーをわかりやすく「郵便局」として例えると、下記のようになります。
■サーバーの役割・用途:
・サーバー:
郵便局そのものです。郵便局が、手紙を集めて、送り先に応じて振分けし、配送するように、サーバーはデータを受け取り、保存し、他のコンピュータにデータ送信などを行います。
・ウェブサーバー:
郵便局の窓口のようなものです。窓口で手紙を送ったり、受け取ったりできるように、ウェブサーバーは、ユーザーからのリクエスト(ウェブページを表示して欲しいなど)を受け取り、ウェブページを表示するなどの処理をします。
・データベースサーバー:
郵便局の倉庫のようなものです。倉庫には、様々な手紙などが保管されており、データベースサーバーも同じように、ユーザーのデータ(顧客情報や商品情報など)を保管し、必要に応じて取り出します。
・メールサーバー:
郵便局の振分け担当のようなものです。手紙を受け取り、手紙を配達する役割に似ています。メールサーバーは電子メールを受け取り、振分けを行い、送信相手のメールボックスに配達します。
・ファイルサーバー:
郵便局が大きな荷物を保管して、配達する役割に似ています。ファイルサーバーは、ユーザーが必要とするファイルを保管し、必要に応じてダウンロードできるようにします。
上記のようなことを行うコンピュータのことを「サーバー」と呼びます。
サーバーの種類とは(物理サーバー、仮想サーバー)
サーバーの種類は、「物理サーバー」と「仮想サーバー」の2つに分けられます。
■サーバーの種類:
・物理サーバー:
実際の物理的なハードウェア上で動く、サーバーのこと。データセンターなどに設定され、専用のハードウェアを持つサーバーです。
(例:共用サーバー、専用サーバー)
・仮想サーバー:
物理サーバーの中に、仮想的に作られたサーバーのこと。一つの物理サーバーのリソースを分割して、複数の仮想サーバーとして動かすことができる技術です。
(例:クラウドサーバー、VPS)
物理サーバーと仮想サーバーの違い
物理サーバーは、1台のハードウェアをそのまま使うため、安定性が高く、大規模サービスの運用に使われることが多いです。
一方で、仮想サーバーは、物理サーバーのリソースを分割して、効率よく使えるので、コストを抑えることができます。小規模サービスの運用に使われやすいです。
このように違いがある「物理サーバー」と「仮想サーバー」ですが、具体的にどのような種類があるのでしょうか?
下記からは、物理サーバーと仮想サーバーの種類について、もう少し詳細を説明していきます。
サーバーの種類:物理サーバー(共用サーバー)
共用サーバーは、その名の通り「共用する(1つのサーバーを、みんなで利用する)サーバー」であり、1つのサーバーを複数の会社などで利用します。
共用サーバーは、レンタルサーバーとも呼ばれます。共用サーバーの運営元がサーバーを運用するため、サーバーの保守管理は共用サーバーの運営元が行います。ただし、共用で使うため、サーバーを自社都合に設定することが難しかったりもします。
サーバーの種類:物理サーバー(専用サーバー)
専用サーバーは、こちらもその名の通り、「専用する(自社のみで専用する)サーバー」であり、1つのサーバーを自社のみで利用します。
専用サーバーは自社のみで利用するため、サーバーの保守管理を自社で行う大変さがありますが、その代わりに自社のニーズにあわせて、サーバーを設定できるのが可能です。
サーバーの種類:仮想サーバー(クラウドサーバー)
クラウドサーバーは、AWS(Amazon Web Service)やAzureなど、クラウドサービスが提供するサーバーのことであり、Amazonやマイクロソフト、Googleなどが提供するサーバーを、仮想的にインターネット上で利用できる仕組みです。
ただクラウドサーバーは従量課金であり、使った分だけ料金が発生します。ゆえに、コストが急激に上がることがあり、コスト面でのコントロールの大変さなどもあります。
サーバーの種類:仮想サーバー(VPS)
VPS(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)は1台の物理サーバーを、仮想サーバーに分割して提供するサービスです。
VPSは料金が比較的抑えめかつ、OSや設定などを自分でカスタマイズできる自由度がありますが、サーバーの設定や運用などを自分で行う必要があるため、知識が必要かつ運用が大変という特徴があります。
サーバーと、OSとは
サーバーはサービスを提供するコンピュータ(ハードウェア)のことです。一方で、サーバーという言葉と一緒によく聞く「OS」とは何でしょうか?
OSは「Operating System(オペレーティングシステム)」の略で、コンピュータの操作や動作を管理制御するソフトウェアです。例えば、キーボード入力や、画面出力の処理、メモリやCPUの管理など、コンピュータの基本動作は「OSが全て管理」しています。
時々、「サーバー=OS」と混同する人がいますが、実際はサーバー(ハードウェア)とOS(ソフトウェア)は別物です。サーバーはOSがインストールされたコンピュータであり、サーバーとOSが一体となって動作することで、はじめてコンピュータを使うことができます。
よく言われる「コンピュータは、OSが無ければ、ただの箱」という表現の通り、OSがなければ、パソコンやサーバーは機能しません。OSは、コンピューターを動かすために不可欠なシステム、と覚えておくとよいでしょう。
OS(Operating System)の種類
OS(Operating System)には、様々な種類があります。
パソコンで使われる代表的なOSは、WindowsやLinux、macOSがあります。またスマートフォンではiOSやAndroidがOSの種類です。このようなWindowsやiOS、Aodroidなどは、よく耳にするワードではないでしょうか。
サーバーも、これらのOSと一緒に使うことで、サーバーの機能を活用できます。つまり、サーバーが正常に動いて、サービスを提供するには、OSが必要です。サーバーが正常に動くことで、インターネットを使ったさまざまなサービスが利用でき、IT社会が成り立っているといえます。
サーバーやOSを扱う、サーバーエンジニア
サーバーやOSを主に扱う仕事に、サーバーエンジニアというIT技術者の仕事があります。
サーバーエンジニアは、ITの進展とともに需要が拡大しておりかつ、ITが不可欠な現代社会において非常に重要な役割を持っていますが、サーバーエンジニアの需要に対して、なり手が少なく、未経験からでも挑戦しやすい職種です。
サーバーエンジニアの仕事内容とは
サーバーエンジニアは、ITインフラの基盤となるサーバー、OSを中心に仕事を行うエンジニアです。
ただしサーバーやOSの知識やスキルのみでなく、ネットワークやセキュリティの知識なども必要とされ、幅広く学びながらスキルアップができる職種といえるでしょう。
サーバーエンジニアの仕事内容に興味がある方は、別記事の「サーバーエンジニアとはどんな仕事内容?わかりやすく解説」をあわせてお読みください。
サーバーエンジニアに向いている人とは
サーバーエンジニアは専門職であり、技術者でもあるため、向き不向きがある職種といえます。
ここではサーバーエンジニアに向いている人の特徴を説明します。
■サーバーエンジニアに向いている人の特徴:
・ITが好き(PCやインターネットが好き)
・問題解決が好き
・コツコツ学習ができる、知的好奇心がある
・コミュニケーション力がある
・チームワークを大切にできる
・細かな作業が苦にならない
・縁の下の力持ちタイプである
上記のような特徴を持つタイプの方は、サーバーエンジニアに向いている可能性が高いでしょう。
サーバーエンジニアの向き不向きについて、詳しく知りたい方は「サーバーエンジニアに向いている人とは?向いていないときつい?向く性格やスキルなどを解説」をあわせてお読みください。
サーバーエンジニアに未経験からなるには
サーバーエンジニアは企業のITインフラの中核を担うエンジニアですが、未経験からサーバーエンジニアになるには、どのようにすればよいのでしょうか?またどのような勉強をすればよいのでしょうか?
サーバーエンジニアへのなり方について、詳しく知りたい方は、別記事の「サーバーエンジニアになるには?仕事内容、おすすめの資格・難易度、なり方など解説」に、詳細を記載しておりますので、興味があればあわせてお読みください。
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