こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
IT業界は急速に成長しており、その中でも「ネットワークエンジニア」は常に高い需要があります。また、ネットワークを構築・運用する専門職として、その役割はますます重要になってきています。
ネットワークエンジニアとして活躍するには、高いスキルや豊富な経験が必要です。しかし、ネットワークエンジニアに必要なスキル・知識がない場合は、どうすればネットワークエンジニアになれるのでしょうか?
ここでは、未経験からネットワークエンジニアになるための必要なステップや、スキル、知識、心構えなどについて、手順を説明していきます。
未経験からネットワークエンジニアを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
未経験からでも、ネットワークエンジニアになれる
ネットワークエンジニアという職種は、高度なスキル、専門知識が求められる職種です。
しかし、ネットワークエンジニアの仕事は、高いスキルが求められものばかりではありません。スキルや知識がそれほどなくても対応できる、初心者向けの仕事も多数あります。
また、ネットワークエンジニアは、成長するIT業界の中で、需要が高く、今後の需要も見込まれる職種でありながら、人材が大きく不足している職種でもあります。
ゆえに、高度な専門知識が求められる職種であるものの、適切な学習やスキルを身につけていくことで、ネットワークエンジニアは、未経験からでもキャリアをスタートさせやすい職種です。
数あるITエンジニア職種の中でも、ネットワークエンジニアは、未経験から挑戦しやすい職種であると言えます。
ネットワークエンジニアになるためのステップ
未経験者でもネットワークエンジニアになるためには、適切なステップを踏んでいくことがおすすめです。ここではネットワークエンジニアになるための、おすすめのステップについて、説明していきます。
ステップ1:ネットワークエンジニアの仕事内容、役割を理解する
ネットワークエンジニアになるためには、ネットワークエンジニアの仕事内容や役割を、しっかり理解することが重要です。特に仕事内容を理解していないと、採用企業から意欲を疑われてしまうことに繋がります。
ネットワークエンジニアは、企業の通信インフラが安定して使えるように、ネットワーク環境(インターネット、社内ネットワーク、VPN、Wi-Fiなど)を設計、構築、運用し、その信頼性とセキュリティを保つことが仕事です。
主な仕事としてはネットワーク機器の設定やトラブルシューティング、セキュリティ対策やネットワークの最適化などを行いますが、最初に理解すべき仕事内容は、以下4つです。
■(最初に覚えておきたい)ネットワークエンジニアの仕事内容:
・ネットワーク設計
・ネットワーク構築
・ネットワーク運用
・ネットワーク監視
ネットワーク設計
ネットワーク設計では、企業のニーズに応じて最適なネットワーク構成を決めることが仕事です。
具体的には、ネットワーク規模やトラフィック量、接続する機器、セキュリティ要件などから考え、最適なインフラを設計していきます。ネットワーク設計は、ネットワークの安定性などに大きな影響を与える重要な仕事です。
ネットワーク構築
ネットワーク構築では、設計したネットワークを実際に構築していくことが仕事です。
具体的には、ネットワーク機器(ルータ、スイッチ、ファイアーウォールなど)の設定を行い、物理的な接続を行っていきます。ネットワーク構築が完了したら、通信が正しく機能するかをテストしていきます。
ネットワーク運用
ネットワーク運用は、ネットワークが常に安定して利用できるように、維持や改善を行っていくのが仕事です。
具体的には、ネットワーク機器の定期的なメンテナンスやアップデート業務から、トラブル対応やネットワークの最適化を行っていきます。また新しい機器の導入や、セキュリティアップデートも運用の仕事です。
ネットワーク監視
ネットワーク監視は、ネットワークの状態を24時間365日体制で監視し、問題が発生時にすぐに対処する仕事です。
具体的には、監視ツールを使って、ネットワーク機器や通信回線のパフォーマンスをリアルタイムでチェックしていきます。また異常発生時(アラート)には、マニュアルに沿って対応を行っていきます。
上記のように、ネットワークエンジニアは、設計から構築、運用、監視といった幅広い業務を担当し、企業のネットワークを作り、支える重要な役割を果たしています。
ネットワークエンジニアを目指す場合は、「設計」、「構築」、「運用」、「監視」の仕事は、ぜひおさえるべき内容です。この仕事を理解していないと、仕事研究不足と見なされかねません。
ネットワークエンジニアの仕事内容について、より詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアとは?仕事内容から必要スキル、年収などを解説」をあわせてお読みください。
■関連記事:ネットワークとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明
ステップ2:ネットワークエンジニアの必要スキルを理解する
ネットワークエンジニアには、ネットワークに関する専門知識や、基本的なIT知識が必要です。未経験者でも、適切に必要なスキルを身につければ、ネットワークエンジニアに挑戦できると言えます。
ここでは、ネットワークエンジニアに特に必要とされるスキルについて、説明していきます。
ネットワークの基礎知識
ネットワークエンジニアになるために、もっとも重要なのは、ネットワークに関する知識です。具体的には、以下のような知識を学ぶ必要があります。
■ネットワークの基礎知識の例:
・IPアドレス、サブネットマスク
・ルーティング、スイッチング
・VLAN(仮想LAN)
・プロトコル
・OSI参照モデル
IPアドレスは、ネットワーク上のコンピュータを識別するために使用されるアドレス(住所のようなもの)であり、サブネットマスクは、IPアドレスの範囲を決めて、ネットワークを管理するためのものです。
またルーティングやスイッチングは、複数のネットワーク間で、データを送信するための技術であり、VLAN(仮想LAN)は、仮想的に分割されたネットワークを構築・管理する技術です。
くわえて、プロトコルは通信を行うためのルールです。例としては、TCP、IP、UDP、ICMPなどがあります。OSI参照モデルは、通信プロトコルを7つの階層に分けた階層モデルのことです。
これらの、ネットワークの基礎知識は非常に重要です。応募する会社によっては「IPアドレスとは何ですか?」、「プロトコルとは?」、「OSI参照モデルとは?」と説明を求められることもあります。
ネットワークの基礎知識については、ネットワークエンジニアになるために、ぜひとも事前に学びたい知識と言えます。
また、ネットワークの基礎知識を勉強法を詳しく知りたい方は、別記事の「初心者でもわかる!ネットワークの勉強法とおすすめ本・サイトまとめ」をあわせてお読みください。
基本的なIT知識
ネットワークエンジニアとして活躍をしていくためには、基本的なIT知識も必要です。PCやサーバー、ソフトウェアやハードウェアに関する基礎知識も必須と言えます。
基本的なIT知識として、コンピュータの仕組みについての理解や、OS(オペレーティングシステム)の操作についての理解も求められます。
特に、LinuxやWindows ServerといったサーバーOSの知識があると、ネットワークエンジニアとしての基礎が固まり、活躍の場も広がるでしょう。
ステップ3:ネットワークエンジニアのおすすめ資格を取得する
未経験からネットワークエンジニアになるためには、ネットワークエンジニアの仕事に役立つ資格を、事前に取得することは、非常に効果的です。
資格の学習をすることで、事前にネットワークエンジニアに役立つ知識を習得することができます。また、資格を取得することで、知識とやる気を採用企業に証明することができます。
また、未経験採用では、有資格者しか採用をしない会社も多いため、資格取得はネットワークエンジニアになるために、非常に有効なやり方と言えます。
ここでは、ネットワークエンジニアになるための、おすすめ資格を説明していきます。
■ネットワークエンジニアになるための、おすすめ資格:
・(一番おすすめ)シスコ技術者認定 CCNA
・基本情報技術者試験
・Linux技術者認定 LPIC/LinuC レベル1
・ITパスポート
一番おすすめ:シスコ技術者認定 CCNA(Cisco Certified Network Associate)
ネットワークエンジニアになるために、もっともおすすめできる資格は、シスコ技術者認定のCCNAです。CCNAは、ネットワーク分野で最も認知されている人気資格であり、ネットワークエンジニアの運転免許証とも言われています。
CCNAは、大手ネットワーク機器ベンダーのシスコシステムズ社が提供する資格であり、ネットワークエンジニアとして必要となる基礎知識を体系的に学ぶことができます。
CCNAの試験内容は、ネットワークの基礎知識から、IPアドレス、サブネットの計算、ルーティングやスイッチング、VLANの設定など、ネットワークの基礎から応用まで、幅広くカバーしています。
試験自体はやや難易度がありますが、知識ゼロの未経験者でも独学で取得できるレベルです。CCNAを取得することで、ネットワークエンジニアになるための事前準備は十分と言えます。
■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説
基本情報技術者試験
ネットワークエンジニアを目指すなら、基本情報技術者試験もおすすめです。若手であれば、基本情報技術者試験も評価対象です。
基本情報技術者試験は、IT業界全般に関する基本的な知識を学ぶことができる国家資格であり、ネットワークエンジニアとしての基礎力を身につけることに役立つ資格です。
基本情報技術者試験の試験内容では、コンピュータの基礎から、プログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、幅広い分野がカバーされています。ネットワークというよりも、IT全般を学ぶ試験です。
ネットワークエンジニアにとっては、ネットワークに関する基礎知識だけでなく、IT全般に関する幅広い知識も求められるため、基本情報技術者試験で、IT全般に関する幅広い知識を学ぶことができます。
ただし、基本情報技術者試験は広く浅い試験であるため、ネットワークの深い知識を学ぶことは難しいとも言えます。ネットワークエンジニアになるのであれば、CCNAの方が好ましいと言えるでしょう。
Linux技術者認定 LPIC/LinuC レベル1
ネットワークエンジニアを目指す場合、Linux技術者認定のLPIC(もしくはLinuC)も、おすすめできる資格です。
Linux技術者認定のLPIC/LinuCは、サーバー系の資格ではあるものの、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを築く上で、サーバーOSの操作スキルもあるに越したことはありません。
LPICやLinuCのレベル1では、Linuxの基本的な操作や、シェルの使い方、ユーザー管理やファイルシステムの管理から、基本的なネットワークやセキュリティまで学ぶことができます。
ネットワークエンジニアを目指す場合は、ネットワークを専門的に学べるCCNAの方が好ましいですが、CCNAよりもLPIC/LinuCのレベル1の方がやさしいため、最初にLPICを取得するというやり方も問題ありません。
■関連記事:【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
ITパスポート
最後におすすめする資格は、ITパスポートです。ITパスポートは、ITの基礎的な知識を身につけるための国家資格であり、IT全般の理解を広く浅く深めるために有効な資格です。
ITパスポートでは、ストラテジ系(経営戦略、法務など)、マネジメント系(システム開発、プロジェクトマネジメントなど)、テクノロジ系(ネットワーク、セキュリティなど)を、幅広く学ぶことができます。
特にITパスポートは、今まで紹介した他資格と比較して、難易度がやさしめであるため、入門の資格として適しています。またITパスポートを取得すると、IT全般の基礎知識を学習している、と見なされます。
一方で、ネットワークエンジニアになることを考えると、ITパスポートのみの取得では、学習が足りないという評価になることもあります。ITパスポートは、学生や20代前半の若手におすすめできる資格です。
上記のように、ネットワークエンジニアになるためのおすすめの資格として、「CCNA」や「基本情報技術者試験」、「Linux技術者認定」、「ITパスポート」がありますが、特におすすめは「CCNA」です。
CCNAを取得して、ネットワークエンジニアに必要な基礎知識をしっかり身につけることで、未経験者でもネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることができるでしょう。
■関連記事:ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説
ステップ4:未経験ネットワークエンジニア求人に応募する
ネットワークエンジニアの仕事内容や必要スキルを理解し、おすすめ資格を取得したら、転職活動の準備は十分と言えます。ここからは、未経験ネットワークエンジニア求人に応募し、転職活動を行っていきます。
ネットワークエンジニアの求人は、経験やスキルを重視する求人が多いですが、資格取得を通じて獲得した知識を重視する求人も多いです。知識を持ち合わせていることをアピールできれば、チャンスは大きく高まります。
求人サイトや転職エージェントを活用し、求人情報を得る
求人サイトや転職エージェントを活用するのは、転職活動の基本的かつ一般的な進め方、と言えるでしょう。
特に転職エージェントは、自分の知識レベルや希望にあった求人を紹介してくれ、選考対策などもサポートしてくれるため、効率的に転職活動を進められると言えます。
また、未経験ネットワークエンジニア求人は多数ありますが、求人の見極めも大事です。「未経験者歓迎」や「研修制度充実」という求人には、おすすめできる求人から、避けるべき求人までさまざまです。
具体的には、学習やキャリアアップの環境を提供してくれるようなおすすめ求人もあれば、逆にキャリアアップにつながらない求人や、年収が安く上がらない求人、人が集まりにくい過酷な仕事の場合もあります。
例として、以下のような特徴の求人は、避けるべきと言えるでしょう。
■未経験ネットワークエンジニアで、避けるべき求人:
・エンジニアではない仕事に、配属の可能性がある
・監視オペレータから抜け出すことができない
・給与条件が極端に低い
・研修やフォロー体制がない
・未経験者を一人で客先に派遣する
まず避けるべき求人は、エンジニアではない仕事に配属の可能性がある求人です。エンジニアではなく、家電量販店や電話対応に配属するなど、ITではない仕事への配属も見込まれる場合は、避けるべきです。
また、監視オペレータから抜け出せない求人も避けるべきでしょう。選ぶ会社によっては、手を動かして学び、資格を取得しても、監視オペレータから抜け出せず、塩漬けになることもあります。
あわせて、給与条件が著しく低い求人も避けるべきです。未経験で転職をする際には、最初の給与が低く見積もられるのは仕方ありませんが、極端に年収が低い場合はモチベーションや生活面で不安定になりやすいです。
具体的な金額面で言うと、提示年収が300万円に届かない場合は、再検討を行ってもよいと思います。
くわえて、研修やフォロー体制がない、未経験者を一人でお客さま先に派遣する場合も、体力的にも精神的にも負担になりやすく、仕事に対するモチベーションを失ってしまうこともあります。
未経験者がネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートする際には、求人選びは非常に重要です。どこの会社に入社するか?によって、キャリアが変わってきます。
転職活動を進める際には、慎重に求人を見定め、自分が成長しやすい環境を選ぶことが大事と言えます。
未経験ネットワークエンジニアの転職、求人選定で相談を希望する方は、「まずは転職エージェントに無料相談する」からお気軽にご相談ください。
転職活動の準備を行い、面接を受ける
未経験者としてネットワークエンジニアの求人に応募する際には、しっかりとした準備が必要です。応募書類や面接でのアピール方法を工夫することで、転職の成功率を高めることができます。
特に以下の3点は、しっかりと準備を行うことがおすすめされます。
■転職活動、面接を受けるための準備:
・履歴書、職務経歴書の作成
・志望動機の準備
・面接対策の準備
まず未経験者の場合は、履歴書や職務経歴書に、ネットワークエンジニアに求められる能力や、学習経験を盛り込むことが重要です。
特に取得した資格や学習経験(学んだ内容など)から、ポテンシャルのアピール(成長意欲や成功体験、コツコツ長く続けたことなど)を具体的に説明できるようにすると効果的です。
また、志望動機をしっかり準備することも非常に重要です。特に重要なのは「なぜネットワークエンジニアになりたいのか?」です。
ITエンジニアは多数の職種がある中で、「なぜネットワークエンジニアなのか?」については、面接官が納得感を持てないと、内定につながりにくい傾向があります。
さらに、面接対策の準備も大事です。今までの就職理由・転職理由の説明から、自己アピールまで、基本的な質問にはポジティブな内容で説明ができるように準備をしておくとよいでしょう。
■関連記事:【未経験、例文あり】ネットワークエンジニアの志望動機の作り方
ネットワークエンジニアになるためのステップ、まとめ
未経験からネットワークエンジニアになることは、不可能なことではありません。むしろ数あるITエンジニア職の中で、ネットワークエンジニアになるのは、比較的やさしいと言えます。
特に、成長意欲や学習意欲、貢献意欲をしっかりアピールすることで、内定は得やすくなります。くわえて、求人情報をしっかり見極めることで、転職活動やエンジニアとしてのキャリアを成功に導きやすいでしょう。
ネットワークエンジニアは、今後ますます需要が高まる職種であり、未経験からでも十分にキャリアを築くことができる、魅力的な職種と言えます。
ネットワークエンジニアの年収はどれくらい?
ネットワークエンジニアは、企業のネットワークインフラを支える重要な役割を担います。そのため、ネットワークエンジニアは需要が高いと言えます。
しかし年収は、経験やスキル、知識レベルや仕事内容、勤務する会社によって大きく異なります。ここではネットワークエンジニアの年収について、解説していきます。
ネットワークエンジニアの年収相場
ネットワークエンジニアの平均年収は、経験年数やスキルレベルによって異なりますが、経験年数で言うと、以下のような傾向があります。
経験年数 | 年収の目安 |
---|---|
未経験レベル(1-2年) | 約250万〜400万円 |
中堅レベル(3-5年) | 約300万〜600万円 |
リーダーレベル(5年以降) | 約500万〜800万円 |
マネージャークラス | 約800万〜1000万円以上 |
ネットワークエンジニアは実力主義であるため、経験年数のみで年収を図ることは難しいです。しかし、年収の目安としては、上記の金額感になりやすいと言えるでしょう。
未経験者の初年度の年収は、250~400万円
未経験からネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートする場合、年収は一般的には250万から400万円程度が相場となります。
ただし、ネットワークエンジニアになる前に、ネットワークに関する基本的な知識を持っているか否かによって、見込まれる年収は変動しやすいです。具体的には、以下のような範囲になるでしょう。
■未経験ネットワークエンジニアの初年度の年収:
・ネットワークの基礎知識あり:330~400万円程度
・ネットワークの基礎知識なし:250~350万円程度
ネットワークに関する基礎知識(例として、CCNAを取得)があると、高い年収を提示する会社から内定を得やすくなります。一方で知識がない場合は、年収がかなり控えめになる傾向が強いです。
未経験からでも、年収300万円台後半を目指すのであれば、CCNAなどの資格を取得してから転職活動を行うことを、強くおすすめします。
■関連記事:ネットワークエンジニアの年収は?稼げるの?給与の上げ方も徹底解説
ネットワークエンジニアには、何歳までなれる?
ネットワークエンジニアはIT業界の中で需要が高い職種であり、また人材が不足している職種でもあります。ゆえに、未経験からでも目指しやすい職種であることは事実です。
一方で、年齢を重ねると、「転職やキャリアアップが難しくなるのでは?」と不安を抱える人も少なくはありません。現実的に、何歳ぐらいまでであれば、ネットワークエンジニアになれるのでしょうか。
ここでは、20代、30代、40代以降という年齢別で、ネットワークエンジニアになるための機会や、キャリア展望について説明していきます。
20代は、ネットワークエンジニアになりやすい
20代は、ネットワークエンジニアになりやすく、キャリアをスタートするにあたって、もっとも有利な時期です。未経験でも、積極的にネットワークエンジニアとして採用されるチャンスが多いと言えます。
多くの会社が、20代の未経験者を、研修制度を通じてネットワークエンジニアとして育成する求人を出しています。特に27歳以下程度であれば、第二新卒のようなポジションで内定となることも多いです。
また、20代後半からネットワークエンジニアを目指す場合は、未経験でもネットワーク知識が求められる傾向が強くなりますが、ネットワークの学習を行うことで、十分に目指すことが可能です。
30代は、ネットワークの学習がほぼ必須
30代でネットワークエンジニアになるには、採用企業に「20代未経験者よりも活躍できる」と思われる必要があるため、ネットワークの学習がほぼ必須です。CCNAの取得が、ぜひ欲しいと言えます。
しかし30代前半までは、CCNAを取得すれば、IT業界未経験者でもネットワークエンジニアになることは十分に可能です。30代前半でネットワークエンジニアを目指す人も多いです。
一方で、30代後半の場合は、IT業界未経験であると、ネットワークエンジニアになるのは大変です。リーダー・管理職経験や、業務改善経験など、ネットワークエンジニアに活かせる経験をアピールしましょう。
40代以上は、ITエンジニアの経験がほぼ必須
40代においては、ネットワークの豊富な経験や、マネジメント経験が求められるため、IT未経験からネットワークエンジニアになることは、非常に難易度が高く、ITエンジニア経験がほぼ必須と言えます。
ネットワークエンジニアを目指す場合は、年齢が若いタイミングで目指すことを強くおすすめします。
28歳程度を境目に、1歳年齢が上がるごとに、ハードルが上がっていく
未経験職における転職では、年齢が1歳上がるごとに、求められるスキルや経験が増え、選考ハードルが高まるのは、実感しやすい事実と言えるでしょう。
特に、28歳ごろは、一般的には「若手」の枠を超え、中堅社員に差し掛かる年齢でもあります。
ゆえに、未経験者は28歳程度を境目に、1歳年齢を重ねるごとに、転職のハードルが高まっていきます。特に、30歳を超えたタイミングから、1歳差のハードルが、さらに大きくなっていきます。
未経験からネットワークエンジニアを目指すなら、1歳でも若いタイミングの方が好ましいと言えます。可能な限り20代、遅くとも32歳ぐらいまでには、ネットワークエンジニアになることが強くおすすめされます。
ネットワークエンジニアはやめとけ、は本当か?
ネットワークエンジニアは、企業のネットワークを支える重要な役割があり、IT業界において需要が高い職種でもあります。
一方で、ネットワークエンジニアとして働くことに対して、ネット上では「やめとけ」という意見も、一部存在します。この「やめとけ」は、どのような理由があるのでしょうか。
ネットワークエンジニアになる前に、働くことのメリットのみでなく、デメリットも正しく理解しておくことが重要です。ここでは、「やめとけ」と言われるデメリットについて、説明をしていきます。
ネットワークエンジニアは、なぜやめとけ?働くデメリット

スキル習得が難しい
ネットワークエンジニアは、企業のネットワークを支える重要な役割があり、専門性が高い職種であるため、ネットワークに関する知識やスキルを習得し続ける必要があります。
しかし、ネットワークエンジニアが学ぶべきネットワーク関連の知識やスキルは幅広く、また非常に奥が深いものです。ゆえに、知識やスキルの習得は、簡単に手にできるものではありません。
高度な知識やスキルを習得するには、時間や労力が必要です。また、学習とスキルの更新を行い続ける必要もあるため、ネットワークエンジニアのスキル習得は、非常に大変です。
夜勤シフトや夜間作業がある
ネットワーク監視の仕事では、企業のネットワークを24時間365日監視し、障害発生時に対応をするため、シフト勤務を求められることが多く、夜勤も含めたシフト勤務が一般的です。
夜勤シフトは、上流工程にステップアップすることで脱却できますが、人によっては、上流工程に行き着く前に、夜勤シフトにて生活のリズムを崩す、体調を崩す人もいます。
また、夜勤シフトを卒業しても、夜間や休日にトラブルが発生した場合は、夜間でも週末でも対応が求められることがあり、プライベートな時間を最優先にしたい人にとって、大きなデメリットになり得ます。
上流工程に進まないと、年収が上がりにくい
ネットワークエンジニアの仕事は、上流工程に進んでいくと、難易度が高くなり、豊富な経験やスキルが求められていきます。また、上流工程に進むと、年収が上がっていきます。
逆に、上流工程に進めないと、ネットワークエンジニアの年収は、なかなか上がりません。ゆえに、スキルを高め、上流工程に進めないと、年収が低いまま、とどまってしまうこともあります。
ネットワークエンジニアは、経験年数が増えれば自動的に年収が上がるわけではありません。スキルの向上や、仕事内容の難易度に応じて、年収が高まっていきます。
ネットワークエンジニアとして働くメリット
逆に、ネットワークエンジニアとして働くメリットも多数あります。
まず、「高い需要と、安定した業界」はメリットと言えるでしょう。ネットワークエンジニアは、ITやインターネットなどを活用する現代の企業にとって、必要不可欠な存在です。
インターネットや、内部ネットワークの構築、運用、維持管理は、どの業界でも必要とされます。また、IoTやセキュリティなど、ネットワーク関連の技術が進化する中で、ネットワークの需要はさらに増加する見込みです。
また、「高収入の可能性」もメリットです。ネットワークエンジニアは、スキルや経験が積みあがるにつれ、年収が高まる職種です。
特に、ネットワーク設計やセキュリティ対策、自動化などの分野では、高い専門性が求められるため、年収も大きく向上していきます。高度なネットワークエンジニアであれば、年収800万~は十分に目指せます。
さらに、「キャリアパスの多様さ」もメリットと言えます。ネットワークエンジニアのキャリアは、構築や運用業務にとどまらず、マネジメントやコンサルタント、セキュリティ専門などのキャリアを描くこともできます。
また、外資系企業への転職や、フリーランスとしての独立も行いやすく、スキルが身につくほど、柔軟なキャリアパスを描くことができます。
■関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけと言われる理由9選、実態と対処法
■関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパスとは?クラウドは目指せるの?
ネットワークエンジニアの将来性は高い
ネットワークエンジニアは、前述のとおり、企業のITインフラを支える重要な役割を果たしているため、今後ますます需要が高まり、高い将来性を見込める職種でもあります。
特に、IoTや5G、セキュリティなどの技術が急速に進展しており、ITインフラが拡大かつ複雑化している現在において、ネットワークエンジニアの役割は、さらに重要になってきています。
ここでは、ネットワークエンジニアの、将来性の高さを説明していきます。
■ネットワークエンジニアの将来性が高い理由:
・ITインフラの拡大と複雑化
・セキュリティの重要性の高まり
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化
ITインフラの拡大と複雑化
現代社会では、さまざまなサービスが、インターネット(巨大なネットワーク)を通じて提供されています。これは揺らがない事実と言えるでしょう。
例として、リモートワークやオンラインゲーム、キャッシュレス決済やオンライン教育など、インターネットの利用は確実に増加しています。これに伴い、ITインフラの規模も拡大し、ネットワークの重要性も増しています。
一方で、ITインフラの拡大に伴い、ITインフラはますます複雑化しています。そのため、これまで以上に、高度な設計や運用スキルが求められるようになっています。
通信ネットワークが正常に機能しなければ、社会全体も成り立たないと言えます。複雑かつ高度なインフラを支えるネットワークエンジニアは、今後も需要が下がることはないでしょう。
セキュリティの重要性の高まり
サイバー攻撃は年々高度化し、増加しています。そのため、企業の情報セキュリティ対策の重要性は、ますます高まり、今では必須の課題となっています。
情報セキュリティ対策において、もっとも先に守るべきは、常に攻撃のリスクにさらされるネットワークでもあります。ゆえに、ゼロトラスト、ファイアーウォール、IDS/IPSなど、多層的な防御を行う設計が求められます。
このような状況において、セキュリティ設計まで考慮できるネットワークエンジニアの需要は、高まる一方です。特に、大規模かつ複雑なネットワーク構成におけるセキュリティスキルは、さらに重要視されるでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、ITインフラはクラウドの進展とともに、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成が非常に多くなっています。
また、IaC(Infrastructure as Code)といった、新しい技術にも対応できるスキルが求められるようになっており、「ネットワークのみを扱うエンジニア」から「広範囲なスキルを持つエンジニア」が求められています。
ネットワークのみならず、自動化やセキュリティ、またクラウドなど、幅広いスキルや知識を持ち合わせるエンジニアにステップアップすることで、多くのキャリアのチャンスが得られ、将来性が高まると言えるでしょう。
■関連記事:ネットワークエンジニアの将来性とは?需要が高まるスキルも解説
さいごに
ネットワークエンジニアとして未経験からキャリアをスタートすることは、決して簡単なことではありません。しかし、正しい知識やスキルなどを学び、努力を重ねることで、キャリアチェンジは十分に可能です。
また、ネットワークエンジニアになった後も、実務経験を積みながら、手を動かして学習し、必要な資格を取得することで、スキルアップやキャリアアップ、年収アップも、十分に実現可能です。
さらに、ネットワーク技術は日々進化しているため、常に学び続ける姿勢が重要です。継続して学び続けられる人には、未経験からのスタートでも、市場価値が高いネットワークエンジニアになれるでしょう。
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