こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「CCNAを取ったあと、CCNPまで取るべきか?」
「CCNAとCCNPの違いがよく分からず、キャリア設計が決められない、、」
そんな悩みを抱えていませんか?
結論から言うと、CCNPは「全員に必要な資格ではありません」。ただし、あなたが目指すキャリア(運用→構築/設計志向/クラウド志向)によって、価値は大きく変わります。
■この記事でわかること:
・CCNAで十分な人
・CCNPまで取ると年収が伸びやすい人
・CCNPよりAWSを優先した方が良い人
・ネットワーク設計を目指すなら必須となるケース
同じ「ネットワーク寄りのキャリア」でも、最適ルートはまったく異なります。
この記事では、CCNAとCCNPの違い・難易度・費用・需要・キャリアへの影響を比較しながら、あなたが どちらを選ぶべきか「具体的に判断できる状態」 になるように解説していきます。
結論:CCNPは「全員に必要ではない」。あなたのキャリアでは必要?不要?
結論として、CCNPは誰もが目指すべき資格ではありません。
ただし、あなたがどんなキャリアを歩みたいかによって、CCNPの価値は「ほぼ不要」から「必要」まで大きく変わります。
■CCNPの必要性目安:
・ネットワーク構築~設計を目指すなら「CCNPは強力な武器」
・クラウド(AWS/Azure/GCP)へ進みたい人にとっては「必須ではない」
・若手〜未経験なら、まずCCNAで十分
資格そのものより、あなたが希望するキャリアの方向性で「いる・いらない」を決めるというイメージが正確です。
CCNPが必要なケース(上流工程/大規模NW/設計志向)
CCNPが強く評価されるのは、以下のようなキャリアを目指す場合です。
① ネットワークの構築〜設計へ進みたい
CCNPは設計レベルの知識が問われるため、構築から上流工程へ進むための「信頼性の証明」になります。
■CCNPで学べるスキル例:
・OSPF / BGP などの深い理解
・大規模NWの冗長設計
・トラブルシューティング力
② 大規模ネットワーク・Cisco中心の現場で働きたい
通信キャリア/大手SIer/金融系など、Cisco比率が高い現場はCCNPを評価します。Cisco寄りのキャリアを進めるなら、取得価値は非常に高いです。
■求人票によくある記載の例:
・CCNP相当の知識
・CCNA以上、CCNP歓迎
・L3/L4の設計経験+CCNP
③ NWスペシャリスト/アーキテクトを目指す
ネットワーク専門でキャリアを伸ばすなら、CCNP → CCIE へつながる基礎として必須級です。
■専門性を高めるスキル例:
・高度な冗長化設計、トラブルシューティング
・仮想化 / 自動化 / セキュリティ
・VPN / MPLS
専門性を深めて年収800万円以上を目指すルートは、ほぼ確実にCCNPの知識領域と重なります。
CCNAで十分なケース(運用→構築への土台固め/クラウド寄りキャリア)
一方で、以下のキャリアを目指す場合は CCNA止まりで十分です。
① 運用 → 構築 の「ステップアップ」が最初の目標
未経験・若手の場合は、まずはネットワーク基礎(CCNA)+実務経験の積み上げが最優先です。
■構築へのステップアップスキル例:
・ルータ/スイッチの基本
・IPアドレス/サブネットマスク
・VLAN/ルーティングプロトコルの理解
・基本的な障害切り分け
このレベルが身についていれば、「構築アシスタント」として参画できる可能性が十分にあります。
② クラウド(AWS/Azure)に軸足を移したい
クラウド領域では「CCNA → AWS SAA」ルートの方が市場価値が高い です。
またクラウド案件では、CCNAのネットワーク基礎に加えて「Linuxの基礎操作」が求められるため、CCNPよりも「CCNA+Linux+AWS」という組み合わせの方が実務に直結しやすいです。
つまりクラウド方向に進むなら、CCNPは「優先度が低い」と言えます。
③ やりたいことがまだ決まっていない
この場合も、まずはCCNA止まりでOKです。その後、実務や学習を進めながら、以下の方向性が定まってからCCNPを検討する方が効率的です。
■事前に行うべき方向性の検討:
・NW寄りで行くか
・クラウド寄りで行くか
・セキュリティ寄りで行くか
「どっちが正解?」を迷う人向けの3分診断(分岐ロジック付き)
多くの人は「自分はどっち?」で迷います。そこで、3分で答えが出る簡易診断を作りました。
【3分診断:あなたはCCNPを取るべきか?】
回答していくと、あなたの最適ルートにたどり着きます。
■Q1:あなたが目指したいのはどっち?
① ネットワークを深く極めたい
② クラウド(AWS/Azure/GCP)にも興味がある
③ まだ決まっていない
※回答分岐:
①を選んだ「ネットワーク志向」の場合 → Q2へ
②を選んだ「クラウド志向」の場合 → 答え:CCNA → AWS(SAA)でOK。CCNPは後回し
③の「キャリアビジョン未確定」の場合 → 答え:CCNA止まりでOK。方向が決まってから検討
■Q2:あなたが参加したい案件は?
① 大規模ネットワーク/Cisco中心の現場
② 中小規模ネットワークやクラウド混在の現場
※回答分岐:
①を選んだ「大規模/Cisco志向」の場合 → CCNP取得が最適
②を選んだ「クラウド混在/中小規模志向」の場合 → 「CCNA+Linux基礎+AWS(SAA)」の組み合わせが最適
■Q3(NW深掘り希望者向け):設計や要件定義に挑戦したいですか?
・YES → CCNPは必須級
・NO → CCNA+経験積み → CCNPは無くてもOK
診断のまとめ
診断結果が示すとおり、CCNPが必要かどうかは「資格の難易度」ではなく、あなたがどんなキャリアを歩みたいかで決まります。
■CCNP診断結果まとめ:
・ネットワークを専門的に深めたい人 → CCNP が強力な武器に
・クラウド寄りのキャリアを目指す人 → CCNA+Linux+AWS の方が早く実務に直結
・方向性が決まっていない人 → まず CCNA で十分
まずは「自分の進みたい方向」を明確にすることで、最短でキャリアを伸ばせる資格ルートが見えてきます。
またネットワークだけでなく、AWS・クラウド領域との比較も知っておくと判断が正確になります。
■関連記事:クラウドとネットワーク、どちらを目指すべき?
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
→関連記事:クラウドエンジニアの将来性は?需要・年収・ロードマップを徹底解説
→関連記事:AWS SAAの勉強法|未経験から合格するロードマップ
また、CCNPの結論だけでは判断しきれない方も多いため、関連する基礎知識や比較記事もあわせて確認しておくと、さらに迷いが解消しやすくなります。
■CCNA関連基礎知識、比較記事
→関連記事:CCNAとは?資格の内容・難易度・勉強法・転職メリットを徹底解説
→関連記事:CCNAは難しすぎる?難易度・合格率・勉強時間を徹底解説
→関連記事:CCNAは取るべき?未経験でも挑戦する価値と本当のメリットを解説
→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から合格するロードマップと独学手順
→関連記事:CCNAのネットワーク超入門|OSI・VLAN・ルーティングを図解で解説
CCNAとCCNP Enterpriseの違い(内容・範囲・問われるスキル)
CCNAとCCNPは、学ぶ範囲・深さ・実務適応度が大きく異なる資格です。ここでは、それぞれの役割と違いを分かりやすく整理していきます。
CCNAはネットワーク全体を「広く浅く」理解するための基礎資格です。
一方CCNPは、実務で扱う「幅広い領域」と、プロトコル深掘りなどの「構造的な理解」の両面が求められる資格です。
※この記事で扱うCCNPは、現在主流の「CCNP Enterprise」トラックを前提として解説します。
CCNA → ネットワーク全体の基礎をカバーする「広く浅い」内容
CCNAは、ネットワーク全体の仕組みを理解するための 基礎資格 です。内容は広範囲ですが、深掘りよりも「基本の理解」が中心です。
■CCNAで扱う主な領域(広く浅い):
■ ネットワークの基本構造
・OSI参照モデル
・TCP/IP
・LAN/WANの基礎
■ Cisco機器の基本操作
・ルーティングの基礎
・スイッチングの基礎(VLAN、STPなど)
■ IPアドレス/サブネットの理解
・IPv4 / IPv6
・サブネット設計
■ セキュリティ・自動化の基礎
・ファイアーウォール / ACL
・基本的なオートメーション概念
上記のように、CCNAはクラウド・サーバー・NWどの領域に進むとしても、最初に必要となる基礎力を身につけることができます。
■まとめ:CCNAで目指せるスキルの深さ
・ネットワークの全体像を理解できる
・基本的な設定や構成が分かる
・運用〜構築アシスタントレベルへの「土台」ができる
CCNP → 実務で求められる「幅広さ」と「深さ」を持つ中級〜上級スキル
CCNPは、構築〜設計の実務で必要となる「幅広い知識領域」 と 「プロトコル深掘りのスキル」 の両方を身につける資格です。
CCNAが「基礎の全体理解」であるのに対し、CCNPは「プロフェッショナルとして通用するレベル」の幅と深さが求められます。
■CCNPで扱う主な領域(幅広い+深掘り)
■ ENCOR(コア試験):実務領域の「幅」
・アーキテクチャ(ネットワーク設計の原則)
・仮想化(デバイス仮想化 / ネットワーク仮想化)
・クラウド連携(SD-WAN / SD-Access)
・ワイヤレス
・自動化(API / プログラマビリティ)
■ ENARSI(コンセントレーション試験):設計・実装領域の「深掘り」
・VPN/MPLS
・OSPF/BGP/EIGRP
・セキュリティ(AAA)
・ルーティングの最適化
・トラブルシューティング
つまり、上流工程にも参加できるプロフェッショナルとしての実力を示す資格です。
■まとめ:CCNPで目指せるスキルの深さ
・大規模ネットワークの構築・設計に必要な理解
・複雑な障害を「構造的に」切り分けられる
・プロトコル・冗長設計・セキュリティの実務応用が可能
試験構造の違い(1試験 vs 2試験/難易度ジャンプの理由)
CCNAとCCNPの違いは、扱う内容だけでなく 試験構造 にも反映されています。
■CCNA(1試験):ネットワーク全体を俯瞰する基礎の総まとめ
・学習量:200〜300時間
・試験回数:1回
・試験時間:120分
・内容:ネットワーク基礎を網羅
このように、CCNAは「インフラ基礎を理解できるレベル」 の証明試験です。
■CCNP(2試験):構築〜設計レベルの「幅と深さ」
①コア試験(ENCOR)=広い領域をカバー
②コンセントレーション試験(ENARSI)=深掘りと実務力を評価
このように、CCNPは、ENCORの「幅」+ENARSIの「深さ」で、難易度が大きく上がると言えます。
CCNAは「仕組みを理解する」レベルですが、CCNPは 「実務の現場でどう動き、どう設計し、どうトラブルを解決するか」まで求められるため、学習負荷が大きくなるのが特徴です。
■CCNPの難易度が高い理由:
・理解ではなく「構造理解」が必須
・実務前提のトラブルシュートが多い
・ルーティング・冗長化を本質的に理解する必要がある
・設計・要件定義に近い視点が求められる
CCNPはCCNAの延長線ではあるものの、別物として難易度が上がると言えます。
難易度の違い:CCNPは「中級レベル」。未経験者はCCNAからでOK
ここでは両者の難易度をシンプルに比較していきます。
CCNAの難易度:基礎理解+基本操作(200〜300時間)
CCNAはネットワークの全体像を理解するための基礎資格です。
■ CCNAで求められる理解レベル
・ネットワーク全体の動きをイメージできる
・基本的な構造理解(OSI / VLAN / サブネット)
・ルータ・スイッチの初歩的な設定
CCNAは、未経験でも到達可能な「基礎固め」の範囲です。
CCNPの学習時間(前提:CCNAレベルの基礎がある場合):300〜450時間
CCNPは、プロトコルの動作原理や冗長化など、設計レベルの思考が必要となる中級資格です。
※未経験→CCNPを目指す場合は、CCNAの学習(200〜300時間)+実務経験が必要となるため、実質的な学習総量は 500〜750時間+実務 が一般的です。
■ CCNPで求められる理解レベル
・VPN/MPLS など実務スキル
・OSPF/BGP の深い動作理解
・冗長化や最適化など「設計判断」
・障害の原因を構造的に切り分ける力
またCCNPが難しいのは、CCNAよりも「実務で使う前提の思考」が必要になるためです。
■CCNPの難易度が高い理由:
① 暗記ではなく「構造理解」が必要
→プロトコルの動作を内部まで理解しないと解けない。
② 実務前提のトラブルシュートが多い
→図・ログ・パケットを読んで原因を推測する問題が多い。
③ ENCOR(幅)+ ENARSI(深さ)の両方が必要
・ENARSI → ルーティング深掘り/障害対応
・ENCOR → 設計/自動化/仮想化など「広い領域」
→ 幅広さ×深さの両要求が難易度を押し上げる
未経験者がいきなりCCNPを目指すのは非効率な理由
CCNAを飛ばしてCCNPを受験することは可能です。しかし、未経験でいきなりCCNPに挑戦するのはおすすめできません。
■CCNA飛ばしをおすすめしない理由:
① CCNAの理解がないと内容が難しすぎる
→深掘り内容は「基礎が固まっている前提」。
② CCNA+実務経験の方が市場価値が高い
→「CCNA+実務1年」>「CCNP+実務未経験」 と評価されるケースが多い。
結論としては、未経験者は「CCNA → 実務」が最速ルートです。
基礎力(CCNA)と実務経験を積んだうえで、進みたいキャリアを明確にしてからCCNPを目指すのが、最も効率の良い順番です。
受験費用の違い:CCNPは総額が高いが「投資回収」しやすい
CCNAとCCNPは受験費用にも大きな差があります。
特にCCNPは2試験構成のため総額が高めですが、キャリアの伸びしろを考えると費用対効果は高い資格です。
CCNA(46,860円)の内訳と特徴
CCNAも高額な試験料ですが、CCNPと比べると最初のネットワーク資格として挑戦しやすい価格帯です。
■CCNAの必要費用:
・試験料:46,860円
・必要費用の総額(教材込み):5〜7万円程度
CCNP(100,100円)の内訳と特徴
CCNPは、コア試験+コンセントレーション試験の2試験構成で、費用は以下の通りです。
■CCNPの必要費用:
・ENCOR(コア試験):57,200円(税込)
・ENARSI(コンセントレーション試験):42,900円(税込)
→ 合計:100,100円(税込)
・必要費用の総額(教材込):12〜15万円程度
CCNAと比較して、CCNPは2倍以上のコストが必要となります。
それでもCCNPが「投資回収しやすい」理由
CCNPは費用は高いものの、回収しやすい資格の代表格です。
■CCNPが投資を回収しやすい理由:
・設計・上流の案件単価が高い
・Cisco案件は長期×高単価で需要が安定
・セキュリティ/クラウドなど横展開しやすい
CCNPは年収+50〜150万円の上昇につながりやすく、費用以上のリターンが見込めます。
会社負担や資格手当はどこまで期待できる?
ネットワーク系の資格は企業側のメリットも大きいため、CCNA/CCNPは会社負担制度が比較的整っている資格です。
① 受験料の会社負担は多い
CCNA、CCNPともに受験料会社負担の場合は多いです(再受験料は自己負担の場合が一般的)。
② 資格手当の相場
会社によっては、毎月支給される資格手当として一定金額を付与されることも多いです。
目安としては、「CCNA:3,000〜10,000円/月」、「CCNP:10,000〜20,000円/月」程度が一般的です。
③ 「投資回収」は現実的に可能
月1万円の手当でも年間12万円であり、「初年度で回収」できるケースが多いのが実状です。
また、CCNP取得後に設計構築案件へ進めば年収+50〜150万円のケースもあります。
資格費用は高いですが、回収しやすさで見れば、CCNPはトップクラスの投資価値があります。
需要の違い:CCNPは「設計案件の入口」として評価される
CCNAとCCNPは「できること」だけでなく、求人市場での評価・参画できる案件の幅も大きく異なります。
特にCCNPは、「設計・上流工程の入口」として扱われる傾向が強く、ネットワーク分野でのキャリアアップに直結する資格です。
求人票でよく見られる「CCNP相当の知識」
ネットワーク領域の求人票では、「CCNP相当の知識」、「CCNA以上(CCNP歓迎)」、「L3/L4設計経験+CCNP」のような表現が多く見られます。
これらの表記は、「資格が必須」というより「CCNPレベルの構造理解が必要」という意味で使われています。
例としてCCNPを取得することで「OSPF/BGP の深い理解がある=トラブルを自走して解決できる」、「冗長化・最適化など、設計思考がある」、「研修コストが少なくて済む」などの評価材料になります。
特に 金融系/大手企業/キャリア系 のネットワーク案件は、「CCNPレベルを前提」 とした求人が多いのが特徴です。
運用→構築→設計に進む際の「CCNPの信頼性」
ネットワークエンジニアの典型的なキャリアステップは以下です。
運用 → 構築 → 設計 → アーキテクト
この中で、運用→構築はCCNA/構築→設計はCCNP がよく評価されます。
■CCNPが信頼される理由例:
・ルーティングの内部動作まで理解している
・障害原因を「構造的に」推測できる
・ネットワークアーキテクチャを理解できる
企業側から見ると、「CCNP保持者=構築〜設計を任せやすい」という評価につながります。
またCCNPを取得することで、「L3スイッチ/ルータの冗長化」、「BGPを使ったDC間接続」、「セキュリティ設計(FW/ACL/AAA)」や「仮想化ネットワーク」などに携わりやすくなります。
これが、CCNPが「設計案件の入口」と言われる理由です。
クラウド案件(AWS/Azure/GCP)でも評価される理由
クラウドは「他人のデータセンター」です。CCNPでは、その入口(ネットワーク)と、自分たちの拠点(オンプレ)をどうつなぎ、どう制御するかを実現する技術と設計思想も学べます。
■CCNPがクラウドでも評価される例:
・ハイブリッド構成(オンプレ+クラウド)
・VPN/Direct Connect/BGP の接続設計
・拠点間の冗長ルート設計
一方で、クラウド案件では基本的にCCNAレベルのネットワーク基礎があれば十分であることも多いです。
つまり、以下の位置づけで考えると効率性が高まります。
■CCNPの位置づけ目安:
・クラウド100%志向 → CCNPは優先度低い
・NW寄りクラウド(ハイブリッド)志向 → CCNPが強み
実際に「構築→設計」へ進んだ場合、どんなキャリアを歩むのか気になる方は、ネットワークエンジニアのキャリアパスもあわせて確認しておくとイメージが明確になります。
→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|クラウド・セキュリティ時代の成長戦略
年収の違い:CCNPは「案件の質」で年収が伸びる
CCNAとCCNPは試験の難易度や範囲だけでなく、扱う案件の レイヤー(運用 → 構築 → 設計) が変わることで、結果的に収入が伸びやすい資格です。
※なお同じCCNP保持者でも、勤務する会社の立ち位置(1次請け/2次請け/3次請け)によって年収レンジは大きく変わります。
上流に近い企業ほど、設計・要件定義の案件が多く、年収も大きく伸びやすい傾向があります。
CCNA・CCNPそれぞれの平均年収
一般的な市場相場では、以下のような傾向があります。
■ CCNAレベル(運用〜構築アシスタント)
・年収:350〜480万円
・主な担当:運用保守、監視、基本的な障害対応、構築補助
■ CCNPレベル(構築〜設計)
・年収:500〜750万円
・主な担当:L2/L3構築、BGP/OSPF の設計、セキュリティ設計、冗長化・要件定義など
CCNAとCCNPの年収差の主な理由は「担当するレイヤーの違い」です。
なぜCCNPホルダーは+100〜150万円の差がつきやすい?
CCNPレベルになると任される仕事が「ネットワークの中核部分」に変わり、結果年収が大きく高まります。
■年収が上がる理由:
・設計・上流案件は単価が高い(単価が上がる=本人の年収も上がる)
・任せられやすい大規模案件は単価が高い
・障害対応を自走できる→評価されやすい
・リーダー・サブリーダー経験が積める
特に「構築→設計」 に進むタイミングで一気に+100〜150万円のレンジに到達するケースは多いです。
年収アップを最大化するキャリア設計(設計 → 専門特化/上流)
CCNPの価値を最大化するには、資格を単体で終わらせず、「その後のキャリア選択」と組み合わせることも重要です。
CCNP後に年収が伸びやすいキャリアパスはいくつかあります。
■ 代表的なキャリアパス:
① CCNP → 構築 → 設計(王道)
→設計・要件定義に入ることで、案件単価・年収が大きく伸びます。
② CCNP → ネットワークスペシャリスト/CCIE
→NW専門キャリアは高難度案件に参画でき、高単価=高年収になりやすい。
③ CCNP → セキュリティ領域へ展開(FW/IDS/IPS/ゼロトラスト)
→ネットワークを軸に、セキュリティへ広げるルート。高年収職種の一つ。
④ CCNP → クラウド(AWS/Azure)と組み合わせて「ハイブリッド設計」へ
→クラウド専業ではなく、NW+クラウドの「ハイブリッドアーキテクト」。
どのキャリアパスでも共通して言えるのは、CCNPは「キャリアの伸びしろ」を大きく広げる土台になる ということです。
年収がどれくらい伸びるのか、もう少し具体的に知りたい方は、ネットワークエンジニアの年収相場を詳しく整理した以下関連記事も参考になります。
→関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場と1,000万円超えのキャリア設計
結局、CCNPまで取るべき?ケース別の最適ルート
CCNPは「全員に必要な資格」ではありません。結論はあなたの キャリアの方向性 によって決まります。
■CCNPを「取るべき人」(NW寄り・設計志向)
・ネットワーク設計・要件定義に進みたい
・大規模NW/Cisco中心の現場を目指す
・NWスペシャリスト/CCIEも視野に入る
上記に当てはまる場合、 CCNPは「強力な武器」 です。
■CCNPを「優先しなくてよい人」(クラウド寄り)
・まだ方向性が決まっていない(まず実務を経験したい)
・AWS/Azureなどクラウド中心の仕事をしたい
・SRE/DevOpsに興味がある(Linux+自動化が中心)
上記のタイプは、CCNA+Linux+AWS(SAA) の方が圧倒的に実務直結します。
また、CCNPを目指すベストタイミングは「構築 1〜2 年目」 が最適です。
理由は「基礎(CCNA)が定着している」、「実務と学習内容がリンクして理解が深まる」、「設計レイヤーが視野に入る」時期であるためです。未経験からいきなりCCNPを目指すのは非効率です。
■まとめ:
・NWを極める人 → CCNPは価値大
・クラウド志向 → CCNPは優先度低い
・方向性が未確定 → まずCCNAで十分
FAQ:CCNA・CCNPでよくある質問
ここではCCNA・CCNPでよくある質問について回答をしていきます。
Q1:未経験でもCCNPを目指して大丈夫?
結論として、未経験がいきなりCCNPを目指すのは非効率です。理由は、CCNPの内容が「CCNAの基礎理解ができている前提」で設計されているためです。
最適ルート:CCNA → 実務(1年) → CCNP検討
この順番のほうが習熟度も市場価値も高くなります。
Q2:クラウド(AWS/Azure)を目指す場合、CCNPは必要?
クラウド専業を目指すなら、CCNPは優先度が低いです。
必要とされるのは、「CCNA+Linux基礎+AWS(SAA)」の組み合わせです。
ただし、「ハイブリッド構成」や「VPN / Direct Connect」など「オンプレとクラウドをつなぐ仕事」では、CCNPの深い理解が強みになります。
Q3:CCNPはどれくらい勉強時間が必要?
個人差はありますが、目安は以下です。
■勉強時間目安:
・CCNA → 200〜300時間
・CCNP → 400〜600時間(実務者は短縮可)
特にENARSIの深掘り領域(OSPF/BGP/トラブルシューティング)は、基礎がないと時間がかかるため、CCNAからの積み上げが必須です。
Q4:CCNPを活かすには、どんなキャリアを選べばいい?
CCNPを活かして価値を最大化したいなら、以下のようなキャリアパスが相性が良いです。
■CCNPと相性がよいキャリア:
・NW構築 → 設計 → アーキテクト(王道)
・ネットワークスペシャリスト/CCIEで技術を極める
・NW × セキュリティ(ゼロトラストなど)
・NW × クラウド(ハイブリッド構成)
共通するのは、「ネットワークを軸にしつつ、どこに強みを伸ばすか」を明確にすることです。
Q5:CCNPは取れば必ず年収が上がる?
資格そのものだけで年収が急に大きく上がるわけではありません。
しかし、CCNPを取得すると「参画できる案件のレイヤー」が変わり、結果的に年収が伸びやすくなります。
特に「構築→設計」へ進む、「大規模ネットワーク」を担当できると、年収+100~150万の伸びは珍しくありません。
なお、CCNPだけではすぐに年収が上がらなくても、「CCNP+転職」を組み合わせると年収が伸びるケースは非常に多いです。
他の資格も比較したい方はこちら
CCNPだけでなく、他のインフラ系資格との組み合わせでキャリアを広げたい方は、以下の関連記事も参考にしてみてください。LPIC・LinuC・AWSなど、目的別におすすめ資格をまとめています。
→関連記事:インフラエンジニアのおすすめ資格一覧と取得順番・難易度を徹底解説
まとめ:CCNPは「キャリアの伸び幅」で判断するのが最適解
この記事では、CCNAとCCNPの違い・難易度・キャリア価値について整理してきました。
結論として、CCNPは「全員に必要な資格」ではありませんが、取るべき人が取れば最強クラスに価値を発揮する資格です。
1. 年収アップを狙うなら「CCNP → 設計」が最短ルート
CCNP取得だけで年収が急に上がるわけではありませんが、参画できる案件のレイヤーが変わるため、結果的に年収が伸びやすくなります。
| 軸 | CCNPが有効 | CCNAで十分 |
| 年収の伸び幅 | 大(+100~150万円も可能) | 小〜中 |
| 担当レイヤー | 構築 → 設計 → 上流 | 運用 → 構築補助 |
| 投資回収 | 費用は高いが回収しやすい | 費用は低いが回収は緩やか |
「設計・上流に進みたい」ならCCNPが圧倒的に有効です。
2. 年収を決めるのは「資格」よりも「現場選び」
CCNPの知識を活かせる環境に入れるかどうかで、年収の伸びやすさは大きく変わります。
特に伸びるのは以下のような環境です。
■年収が伸びる現場選び:
・一次請け/上流に近い企業
・大規模ネットワークやCisco中心の現場
・ハイブリッド環境(オンプレ+クラウド)の設計案件
「CCNP保持 × 設計フェーズに入れる環境」がそろうことで、一気に市場価値が高まります。
3. 迷うなら「あなたの状況」から判断すべき
最適な資格ルートは、次の3つで大きく変わります。
■まず判断したい3つの状況:
・今のスキルレベル
・目指したいキャリア(NW/クラウド/セキュリティ)
・希望する年収レンジ
CCNPが正解の人もいれば、AWSやセキュリティが正解の人もいます。
もし方向性がまだ曖昧なら、一度プロに相談するのが最短で確実です。
\ あなたに最適な「資格×キャリア」ルートを診断! /
CCNPを優先すべき? それともAWS・セキュリティ?
今のスキル・年収・キャリアから、この先描けるキャリアパスまで具体的にご提案します。
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→関連記事:AWS資格おすすめ一覧と取得順番|難易度・勉強時間・費用を解説






