こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
LPICは、Linuxのスキルを証明できる人気資格ですが、受験料が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。また、2024年10月から、LPICの受験料改定により、一部試験の受験料が値上がりとなりました。
「LPICを受験したいけど、受験料が高くて迷っている」
「LPICの受験料が値上げと聞いたけど?、安く受験できないの?」
この記事では、LPIC受験を検討する方に向けて、少しでも安く受験するための割引制度、またLPICと比較検討されやすい他資格との受験料の比較などを説明していきます。
LPIC値上げ後の受験料はいくら?
2024年10月より、LPIC試験の一部で受験料の改定となり、一部の試験の受験料が値上がりとなりました。具体的な変更点は以下です。
■2024年10月からの、LPIC受験料改定:
・Linux Essencials:11,000円(税込) ⇒ 14,300円(税込)
・LPIC level1:16,500円(税込) ⇒ 16,500円(税込) ※価格据え置き
・LPIC level2、level3、DevOps:16,500円(税込) ⇒ 19,800円(税抜)
LPIC-1の受験料は、引き続き価格据え置きですが、LPIC-2以降の受験料が、LPIC試験価格改定により少々値上がりとなりました。
価格変更の背景として、2022年ぐらいからアメリカやイギリスなどではLPIC試験が値上がりしており、現在試験価格が2万円を超えているそうで、受験価格がグローバル価格に近づくよう調整されたとのことです。
LPIC level1の受験料
LPIC-1は、Linuxの基本的な操作やシステム管理の知識を問う試験です。101試験と102試験の両方に合格することで、LPIC-1の認定を取得できます。
試験科目 | 101試験、および102試験 |
受験料 | 各試験 16,500円(税込) |
合計費用 | 33,000円(税込) |
LPIC-1の受験料は、2024年10月の価格改定以降でも、今までと変わらず据え置きの、33,000円です。
LPIC level2の受験料
LPIC-2は、より高度なシステム管理やネットワーク設定、セキュリティなどに関する知識が問われる試験です。201試験と202試験の両試験に合格することで、LPIC-2の認定を取得できます。
試験科目 | 201試験、および202試験 |
受験料 | 各試験 19,800円(税込) |
合計費用 | 39,600円(税込) |
LPIC-2は、2024年の価格改定により、受験料が従来の16,500円から、19,800円に値上げとなりました。LPIC-2は人気資格であるため、受験する人は多いと思いますが、約2割の値上げは金銭的に痛いですね。
特に202試験は、一発合格が難しい傾向があるため、受験を計画している人は、この変更を考慮する必要もあるでしょう。
LPIC level3の受験料
LPIC-3は、特定の専門分野における高度な知識とスキルを問う試験です。LPIC-3は、「300試験」、「303試験」、「305試験」、「306試験」のいずれか一つを合格すると、LPIC-3の認定を取得できます。
試験科目 | 以下の専門分野から、1つを選択 ・300試験(混在環境) ・303試験(セキュリティ) ・305試験(仮想化とコンテナ化) ・306試験(高可用性とストレージ) |
受験料 | 各試験 19,800円(税込) |
LPIC-3も、全ての試験で2割の値上げとなりました。LPIC-3を受験する場合も、計画的に受験準備を進めることが大事と言えるでしょう。
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LPICの受験料は高い?他の主要IT資格と比較
LPICの受験料は、LPIC-1を受験するのみで、33,000円(税込)必要です。受験を検討する時に「LPICは受験料が高いのではないか?」と気にする人も多いでしょう。
ここでは、LPICとよく比較検討されやすい「LinuC」を中心に、「CCNA」、「基本情報技術者試験」、「ITパスポート」と、受験料を比較し、受験料がどれくらい高いか?を検討していきます。
LPICとLinuCの受験料比較
LPIC試験はレベル2、レべル3の受験料が値上がりしましたが、同じようなLinuC試験の受験料はいくらなのでしょうか。
ここからは、LPIC試験と同じLinux技術者認定資格である「LinuC試験」と、「LPIC試験」の受験料を、認定レベルごとで比較していきます。
認定レベル | LPIC 受験料 | LinuC 受験料 |
レベル1 | 101試験:16,500円(税込) 102試験:16,500円(税込) | 101試験:16,500円(税込) 102試験:16,500円(税込) |
レベル2 | 201試験:19,800円(税込) 202試験:19,800円(税込) | 201試験:16,500円(税込) 202試験:16,500円(税込) |
レベル3 | 300試験:19,800円(税込) 303試験:19,800円(税込) 305試験:19,800円(税込) 306試験:19,800円(税込) | 300試験:16,500円(税込) 303試験:16,500円(税込) 304試験:16,500円(税込) |
システムアーキテクト (レベル4相当) | SA01試験:27,500円(税込) SA02試験:27,500円(税込) |
LPICとLinuCの受験料を比較すると、LPICの値上げ前までは、同一レベル・同一試験であれば、両方とも受験料は同額でしたが、2024年10月より、レベル2・レベル3試験は、LPICの方が若干高くなりました。
しかし、資格試験の受験料は、国家資格、ベンダー資格も含めて、値上がりしているため、今後のLPIC、LinuCの受験料がどのように変化するのかは不明瞭です。
LPICが更に上がるかも知れませんし、LinuCがLPIC値上げにあわせて、同様の金額になる可能性もあるでしょう。ただ、レベル2以上を視野に入れた受験料のみで言うと、2025年時点では、LinuCに優位性がありそうです。
一方で冷静に、認知度や将来のキャリアなど、受験料以外の部分も考慮して、どちらの資格を取得するかを検討する方がよいでしょう。
■関連記事:LPIC とLinuC、どっちを取るべきかがわかる! 違いを徹底比較、解説
LPICとCCNAの受験料比較
LPICと同様に、初級インフラエンジニアがよく取得するCCNA(Cisco Certified Network Associate)との受験料を比較します。
LPIC 受験料 | CCNA 受験料 |
101試験:16,500円(税込) 102試験:16,500円(税込) | 200-301:46,860円(税込) |
合計:33,000円(税込) | 合計:46,860円(税込) |
CCNAは近年値上がりが続いており、1回の受験料が2025年現在では46,860円です。CCNAは、2020年頃は36,960円だったため、直近4-5年で、受験料が1万ほど値上がりしたと言えます。
また、CCNAは1試験のみで46,860円であるため、1回落ちてしまうと、再受験には再度46,860円必要です。2回受験すると93,720円と、約10万円の受験料が見込まれます。
CCNAも有益な資格であることは間違いないですが、金額感は、かなり高いと言えるでしょう。
LPICと基本情報技術者試験、ITパスポートの受験料比較
ここでは、初級ITエンジニアがよく取得する国家資格の、基本情報技術者試験とITパスポートの、受験料を比較します。
LPIC 受験料 | 基本情報技術者試験 受験料 | ITパスポート 受験料 |
101試験:16,500円(税込) 102試験:16,500円(税込) | 7,500円(税込) | 7,500円(税込) |
合計:33,000円(税込) | 合計:7,500円(税込) | 合計:7,500円(税込) |
国家資格の基本情報技術者試験と、ITパスポートは、同額の7,500円です。この両資格は、2022年に5,700円から値上げされ、7,500円になりましたが、受験料はベンダー資格と比べると、ずいぶん安いと言えるでしょう。
将来描くキャリアによっては、受験料が安い、基本情報技術者試験やITパスポートも選択肢の一つと考えてもよいと思います。
ただし、基本情報技術者試験やITパスポートは、取得時の年齢や、就きたい職種、会社によっては、それ程評価対象とならないこともあるため、自分の望むキャリアなどと照らし合わせて選択することが大事でしょう。
■関連記事:【取得順番はこれ!】インフラエンジニアのおすすめ資格を取得順で解説
LPIC取得に必要な費用
LPICを取得するためには、受験料以外にも参考書・問題集の費用などがかかります。ゆえに、資格の受験料以外にも、参考書・問題集の費用も見積もる方が、適切といえます。
LPICを取るために、必要な費用はトータルでいくら?
ここでは、LPIC-1を取得するために必要な費用を見積もっていきます。あくまで一般的な学習を行うと、以下の費用が見積もられます。
LPIC-1の受験費用
まず必要な費用が、LPIC-1試験の受験費用です。101試験と102試験の両方を受験する必要があるため、両試験とも一発合格で、受験費用が税抜で30,000円(税込で、33,000円)で必要となります。
試験科目 | 101試験、および102試験 |
受験料 | 各試験 16,500円(税込) |
合計費用 | 33,000円(税込) |
LPIC-1の学習教材の費用(参考書・問題集の購入)
LPICの試験対策では、参考書や問題集を購入することが一般的です。独学での合格者が、よく購入される学習教材で、費用を見積もります。
学習教材 | 価格 |
Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応 | 単行本:4,180円(税込) |
LPICレベル1 スピードマスター問題集 | 単行本:2,750円(税込) |
Ping-t(有料版) | 1ヶ月:2,640円(税込) 2ヶ月:3,300円(税込) |
合計費用 | Ping-t 1ヶ月契約の場合:9,570円(税込) Ping-t 2ヶ月契約の場合:10,230円(税込) |
LPIC-1の取得費用は、学習教材もあわせると、43,230円程度が目安
上記から見積もって、LPIC-1の取得費用は、金額面を抑えた独学でも、受験費用(33,000円)+教材費用(10,230円)をあわせて、「43,230円程度が必要」になると言えます。
もちろん、試験に不合格となり、再受験費用がかかる場合や、その他の教材を追加で購入する場合には、プラスで費用が必要です。
また、学習教材について、可能な限り無料の教材を利用するとしても、「LPICレベル1 スピードマスター問題集」と「Ping-t(有料版)の1か月分」は、合格確率を高めるためにぜひ利用した方がよいでしょう。
学習教材について、可能な限り無料教材を利用して、費用を削ったとしても、LPIC-1取得における学習教材費用として、以下の「5,390円」ほどは必要となるでしょう。
学習教材 | 価格 |
LPICレベル1 スピードマスター問題集 | 単行本:2,750円(税込) |
Ping-t(有料版) | 1ヶ月:2,640円(税込) |
合計費用 | 5,390円(税込) |
ゆえに、金額を抑えても、受験費用(33,000円)+教材費用(5,390円)をあわせて、「38,390円程度が必要」になると考えられます。
LPIC受験料を抑えるなら、問題集には金をかけた方がよい
LPICはLinuxを扱うエンジニアにとって、キャリアアップや将来的な年収アップにつながる、有用な資格です。しかし、その受験料は決して安くはありません。
そこで、受験料をもっとも抑える有効な手段は、初回試験で合格することです。1回の受験で不合格になると、再度受験料が必要となり、レベル1試験でも1回分の追加受験料は、16,500円(税込)です。
この、初回試験で合格するために、もっとも重要になるのが、LPIC試験に特化した問題集の活用です。問題集を通じて、出題傾向を把握し、頻出問題に慣れることで、初回合格の確率が大きく高まります。
参考書は無料の勉強サイトなどを活用することで、どうにかクリアはできますが、問題集だけは無料のものだけでは対策が難しいです。
受験料を抑えるために、また確実に合格を目指すためにも、問題集にはしっかり投資をすることを強くおすすめします。
また、可能な限り無料で学習を進めたい場合は、「【勉強サイトだけで合格】LPIC level1のおすすめ勉強サイト有料・無料を解説」をあわせてお読みください。
LPICの再受験料は?再受験無料はある?
LPIC不合格時の再受験については、同額の再受験料が必要です。
仮にLPICレベル1の「101試験」、「102試験」のいずれかで1回不合格となってしまった場合は、試験の受験料が1回分増えますので、再受験料1回分の16,500円(税込)が追加で発生します。
またLPICには、再受験料の無料制度は設けられていませんので、受験前にしっかり学習して、万全の体制で試験に臨むことが求められます。
LPICを安く受験する方法(割引制度など)
費用が相応必要となるLPIC試験ですが、全額自費で支払うと、相応の金額になってしまいます。LPICを安く受験する手段として、以下のような方法があります。
会社の資格取得支援制度を利用する
IT業界でエンジニア職として勤務している場合は、勤める会社によっては、LPIC資格取得の費用を補助する制度があります。資格取得支援制度は、以下のパターンが多いでしょう。
■会社の資格取得支援制度:
・受験料を会社が全額負担してくれる場合がある(1回分、もしくは2回分までの会社は多い)
・合格後に受験費用、もしくは合格お祝い金を支給してくれる場合がある(1回分支給の場合が多い)
上記のように、勤務先の資格取得支援制度を事前に確認し、活用するとよいでしょう。
また、自分自身でLPIC試験を安く受験するためには、受験バウチャーの割引購入という手段もあります。
受験バウチャーの割引購入
人によっては、勤務する会社に資格取得支援制度がない場合もあるでしょう。また、未経験からエンジニアを目指す場合は、会社の制度が基本使えないため、受験チケットの割引購入を利用することが、安く受験する手段となります。
LPICは、受験バウチャー(受験チケット)を購入すると、割引が適用されることがあり、通常の受験料よりも安く受験が可能となります。
また、受験バウチャーの販売事業者によって、受験の割引率が異なりますので、事前に見比べて購入をするとよいでしょう。
ここでは、LPICの受験バウチャーを割引購入できるサイトを説明していきます。
バウチャーチケット購入センター:割引率10%(定価との差額1,500円)



https://voucherticket.jp/lpicpurchase/
バウチャーチケット購入センターで購入すると、LPIC-1の受験料が、定価の10%割引(税抜:13,500円)で購入可能です。
バウチャーチケット購入センターでは、会員でなくても、誰でもLPIC受験バウチャーを購入できるため、安く購入するお手軽な手段といえるでしょう。
Ping-t:割引率6.6%(定価との差額1,000円)



https://ping-t.com/modules/ticket/index.php?content_id=14
Web問題集のPing-tでも、LPICの受験バウチャーをディスカウントで購入することが可能です。定価との差額は1,000円ですが、誰でも購入できるため、お得な制度です。
インフラエンジニアリスキリング研修・転職サービス:割引率20%(定価との差額3,000円)



https://infla-lab.com/reskilling-infla-engineer/
当社が運営するインフラエンジニア リスキリング研修・転職サービスは、LPIC-1研修からインフラエンジニア転職支援まで、全て無料で利用ができます。
またインフラエンジニア リスキリング研修・転職サービスの利用者は、LPIC-1の受験料が、定価の20%割引(税抜:12,000円)で購入可能です。
当社の研修・転職サービス利用者限定の割引ですが、LPIC-1を取得して転職を希望する方には、受験費用を安く抑えることができます。
あわせて、当社のご紹介で転職が決定した場合には、2回分の受験料(24,000円)が、「就業応援費」といてキャッシュバックされますので、実質的には受験料が無料となり、0円でLPICが取得できます。
本サービスにご興味がある方は「インフラエンジニアリスキリング研修・転職サービス」からご相談会にお申込みください(LPIC学習中の方でも、申し込み可能です)。
LPICの試験日は?いつでも受験できる?
受験を検討する際に、よくある質問として「試験日」や「受験可能なタイミング」がありますが、LPICの試験日は、テストセンターの予約が取れれば、いつでも受験可能です。
LPICのテストセンター(ピアソンVUE)は全国各地にあり、各都道府県に基本1つはありますので、自分のお住まいや勤務地エリアから、近いテストセンターを予約するとよいでしょう。
ただし、テストセンターによって、受験可能な日程や時間帯がかなり異なります。平日のみのテストセンターもあれば、土曜も開催、土日も開催など、テストセンターによって様々です。
LPICの申し込み時には、テストセンターを選択した中で、受験可能な日程を選択できますので、テストセンターの場所と、開催日程を考慮しながら、LPIC試験を予約するとよいでしょう。
テストセンターの予約は、ピアソンVUEのサイトから、以下のようなカレンダーから日時を選択していきます。



また、LPIC試験の申し込みについて、詳しく知りたい方は、別記事の「【画像で解説】LPIC試験の受験・申し込み方法、割引購入の手順」をあわせてお読みください。
さいごに
LPICを取得するには、試験の受験料+学習費用がかかるため、事前に予算感を見積もることも大事です。
また、費用を抑えるためには、受験バウチャーの割引購入や、会社の資格取得支援制度を使うことも大事ですが、費用を抑える一番のポイントは「試験に落ちずに、合格すること」とも言えます。
初めての受験の場合は、どれくらい学習が進めば合格できそうなのかはわかりにくいですが、LPICの受験料は決して安くはないため、適切な計画を立てて、確実に合格を目指しましょう。
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