こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
LPICの試験問題にどれだけ対応できますか?Linuxの資格であるLPIC Level1を勉強している人、勉強するかどうかを悩んでいる人向けに、よくある101試験と102試験の過去問などの試験問題と解説を解説しながら、LPIC Level1のおすすめの参考書・問題集を説明します。
LPIC101の典型的な頻出過去問、試験問題
LPIC101問題1
起動時にカーネルが出力するメッセージをシステム起動後に確認するコマンドを2つ選択してください。
- kmesg
- systemctl
- dmesg
- journalctl
- lsmod
LPIC101問題1の解答、解説
答え、3.4
dmesgコマンドもしくはjournalctlコマンドを使うと、起動時にメッセージなどを確認できます。kmesgというコマンドはありません。systemctlはsystemdの管理コマンドであり、lsmodはカーネルモジュールの一覧を表示するコマンドです。
LPIC101問題2
RPMパッケージ管理システムにおいて、インストール済みのlvパッケージが、どのようなパッケージに依存しているかを表示するコマンドを選択してください。
- rpm –ql lv
- rpm –qR lv
- rpm –aP lv
- rpm –qlp lv
- rpm –qd lv
LPIC101問題2の解答、解説
答え、2
rpmコマンドのパッケージが依存しているパッケージやライブラリの情報を表示するには、-q(もしくは、- -query)オプションに、-R(もしくは、- -requires)オプションを指定します。
LPIC101問題3(コマンド問題)
ファイルの所有者や所有グループを変更するコマンドを、コマンド名のみ記述してください。
LPIC101問題3(コマンド問題)の解答、解説
答え、chown
ファイルの所有者や所有グループを変更は、chownコマンドで実行できます。
グループのみの変更であれば、chgrpコマンドで実行できます。
LPIC102典型的な頻出過去問、試験問題
LPIC102問題1
bashを使っている時に、環境変数を表示できるコマンドをすべて選択してください。
- export
- env
- set
- top
- cat
LPIC102問題1の解答、解説
答え、2.3
bash環境にては、envコマンドで環境変数を、setコマンドではシェル変数と環境変数を表示できます。
LPIC102問題2
一般ユーザーがログインできないようにするために利用されるファイルを選択してください。
- /etc/hosts.deny
- /etc/inittab
- /etc/resolv.conf
- /etc/securetty
- /etc/nologin
LPIC102問題2の解答、解説
/etc/nologinファイルを作成すると、一般ユーザーのログインができなくなります。ネットワークサービスを提供しながらシステムメンテナンスを行いたい場合に有効です。
LPIC102問題3(コマンド問題)
メールアドレスの別名を定義する/etc/aliasesファイルの編集を行ったあとに、変更を有効にするための実行コマンドを記述してください。
LPIC102問題3(コマンド問題)解答、解説
答え、newaliases
/etc/aliasesファイルの変更を有効にするコマンドは、newaliasesコマンドです。
101試験と102試験問題の頻出問題を6問提示しましたが、いかがでしたでしょうか?
上記6問は本試験でも出題される過去問レベルではありますが、本試験の中では比較的やさしい部類の問題だと思われ、LPIC level1の合格には約65%程度以上の正答率が必要となるため、このあたりの問題は高い確度で正答が必要になるかと思われます。
※正直、個人的な印象としては、本試験はLPICの有名参考書や問題集に全く載っていないような問題が1-2割くらい出題された印象もありますので、正解を選べる力だけでなく、不正解を除外する力(消去法)もできるようになる必要があるかとも思います。
また、先述の試験問題において、コマンド問題(記述式)も2問記載しましたが、コマンド問題はどのくらいの割合で出題されるのでしょうか?次にコマンド問題の割合を説明します。
LPIC level1のコマンド問題割合
コマンド問題(記述式)の割合は、一般的に1-2割程度と言われており、101試験も102試験も60問出題されますので、コマンド問題は101試験も102試験も6~12問程度と想定されます。
私が本試験を受験した際には、101試験はコマンド問題が10問程度、102試験はコマンド問題が7-8問程度出題されましたので、コマンド問題はおおむね1-2割の出題でおちつくのではないかと思います。
ただ、仮にコマンド問題の出題が1-2割だとしても、コマンド問題を全て捨てるのは非常に危険だとも思いますので、頻出のコマンド問題だけは、絞ってでも勉強をした方がよいと考えます。
このような試験問題を見て、解けそうだなと思う人はもちろん、勉強してキャリアアップしたい人やインフラエンジニアになりたい人にとっては、LPIC level1は有効な資格だと思いますので、興味がある人は受験をチャレンジするのは有益かと思います。
以下からは、LPIC level1の試験概要などについて説明します。
LPIC level1の試験概要
合格基準 | 101試験と102試験の両方を合格すること |
試験時間 | 101試験、102試験ともに、各90分 |
出題数 | 各おおむね60問 |
合格ライン | 各おおむね65%以上(試験時の変動あり) |
受験タイミング | 101試験と102試験は、別日に受験可能 |
LPIC level1のおすすめ参考書、問題集
私がLPIC level1を取得する際に使って、よかったと思う参考書・問題集をご紹介します。
3つ紹介しますが、この3つがあれば合格までは十分だと思います。
Ping-t
独学型のIT学習サイトであり、スマホでもPCでも学べるweb問題集です(1ヵ月で2,400円)。Ping-tをやりぬくだけも、LPIC level1は合格レベルになると思いますが、少々問題が多すぎて、頻出問題が絞れない所はあると思います。
Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応
通称白本と呼ばれる問題集であり、本試験よりも少々難易度が高い問題が多い傾向ですが、試験の的中率は高いと思います(私の場合は、スピードマスターから2-3割程、同じような問題が出たと思っています)。最後の仕上げの問題集として最適だと考えます。
個人的な所感としては、Ping-tとスピードマスターという2つの問題集だけで、未経験者でも合格レベルになる(正答率7-8割は狙える)と思っていますが、参考書を使ってしっかり勉強したい場合は、下記もよろしいかと思います。
Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応
通称「あずき本」と呼ばれるLinuxの教科書であり、LPICを提供する「LPI日本支部の認定テキスト」です。LPICの出題範囲をカバーしており、知識を一通り学べる教科書だと思います。
さいごに
LPIC level1は、1-2割くらいは重箱のすみをつつくような問題(問題集や参考書にも載っていないような問題)が出題されると言われますが、私の場合も、101試験は1割ほど、102試験は2割弱ほど、Ping-t・スピードマスター・あずき本で見た事がないような問題が出た印象です。
ただ、Ping-tやスピードマスターをしっかり勉強していれば、十分に合格できるレベルだと思いますので、LPIC受験者の方の参考となれば幸いです。
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