こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「運用保守、正直きつい、、」
そう思いながら、毎日画面の前でモヤモヤを抱えていませんか?
評価はされにくく、何かあれば責任は重い。手順書通りの作業をこなす日々のなかで、「自分はエンジニアとして成長できてる?」、「数年後、40代になったらどうなる?」という不安がよぎるのは、自然なことです。
一方で、「まだ我慢が足りないだけ」、「周りも同じだから」と、自分の気持ちにフタをして今日まで耐えてきた方も多いはずです。
この記事では、運用保守がなぜこれほど「きつい」、「つまらない」、「スキルがつかない」と感じやすいのか。そのリアルを、個人の努力不足ではなく、「運用保守という仕事の構造」と「多くの現場に共通する環境」という視点から整理していきます。
あなたが今抱いている違和感は、決して特別なものでなく、甘えでもありません。まずはその「つらさの正体」を、一緒に紐解いていきましょう。
※この記事では、主に「運用保守(構築・設計を含まない運用フェーズ)」のキャリアに焦点を当てています。夜勤や監視業務(24/365体制)を中心に担当している方は、以下関連記事をご覧ください。
→関連記事:運用監視オペレーターはやめとけ?年収・将来性・脱出ロードマップを徹底解説
結論|運用保守がつらいのは、あなたの努力不足ではない
運用保守の仕事を「きつい」、「つまらない」、「このままで大丈夫なのか」と感じてしまうのは、決してあなたの努力不足ではありません。
むしろそれは、今の仕事に真剣に向き合い、エンジニアとして向上心を持っている人ほど感じやすい、極めてまっとうな違和感です。
■運用保守でよくあるきつさ:
・手順書通りの作業で「決まったこと」しかできない辛さ
・加点でなく「減点」ばかり見られる評価制度
・強いプレッシャーの中でのトラブル対応
こうした環境のなかで、「本当にこのままでいいの?」と立ち止まってしまうのは、決して少数派ではありません。実際、多くのエンジニアが同じ壁にぶつかっています。
これはあなたの能力の問題ではなく、「現場の構造」と「成長したいというあなたの気持ち」が噛み合わない、ズレが起きている状況です。
「自分だけが耐えられていないのかも」、 「もう少し我慢すべきかも」、そう考えてしまう人ほど、実は責任感が強く、これまで誠実に現場を支えてきた人だと言えます。
だからこそ、まずは「つらい」と感じている自分を否定せずに、どうして「つらい」と感じているのかを冷静に整理しましょう。その違和感こそが、次のステップを考えるためのスタート地点になります。
運用保守が「きつい・報われない」と感じやすい3つの理由
運用保守の仕事が「きつい」と感じるのは、特定の現場に限った話ではありません。
多くの現場で共通する、3つの「構造的な不合理」が原因であり、どれも、個人の頑張りでは解決しにくいものばかりです。
トラブル対応で付きまとう「孤独なプレッシャー」
運用保守の評価は、多くは「加点がなく、減点ばかり」という不合理な構造にあります。
平常時:
安定稼働させて当たり前。「ありがとう」と言われることもなく、評価もされない。
異常時:
「原因は?」、「復旧はいつ?」と、強いプレッシャー下で責任を背負わされる。
この「平常時は評価されず、非常時だけ矢面」という二極化にあわせて、「常に気が抜けない緊張感」が続くことで、心身が消耗していく人は少なくありません。
定型作業の繰り返しで「決まったことしかできない」つらさ
安定稼働が第一の現場では、「余計なことはしない」という暗黙のルールになりがちです。
運用保守の現実:
・手順書通りの作業のみが正義(自分の判断や工夫が求められにくい)
・改善案は「リスクが増える」と却下される
・何年も経験を積んだ先輩も、自分と同じ定型作業をしている
真面目に取り組むほど、「この作業の先には、未来が見えない」という虚しさを感じ、エンジニアで居続けることに迷いを生み出すこともあります。
頑張りが「目に見える実績」に変わらない不安
運用保守の最大の成果は「何事もなかったこと」でもあり、これはもっとも評価されにくい成果です。
・「障害を抑えた」は実績としてアピールしにくい
・運用フローを回しても、ポートフォリオに書ける「新しいスキル」は増えない
その結果、「頑張っているのに、市場価値は2~3年前と変わっていないのでは?」という焦りや不安に繋がります。
これらはあなたの働き方の問題ではありません。運用保守という職種が、構造的に抱えやすい問題です。
なぜ「頑張ってもスキルがつかない」と感じるのか?3つの構造的制約
運用保守の現場で「成長実感がない」と感じるのは、あなたの学習意欲が足りないからではありません。その原因は、運用保守という役割が持つ「構造的な制約」によるものです。
①判断権限を持てない(「なぜ」を考える経験が積めない)
多くの運用保守の現場では、役割が「決められた手順の正確な実行」に限定されがちです。
・上流(設計構築): 「なぜこの設定か」、「どう改善すべきか」を考える。
・下流(運用保守): 「なぜ」が分からないまま、指示通りに実行する。
この構造に留まり続けると、例え現場を支える経験年数が積み上がっても、エンジニアとしての本質スキルである「設計・判断スキル」などが育ちにくいという問題が起こります。
②経験範囲が固定化される(「触れられない」環境の限界)
安定運用とリスク回避を優先する現場では、作業ミスを防ぐために物理的・権限的なルールが厳格です。
■経験が伸びない運用保守の例:
・実機(CLI)を触らせてもらえない、または極めて限定的
・新しい技術(クラウド、コンテナ、IaCなど)に触れるチャンスがほぼない
・設定変更は特定のベンダーや担当者しか行えない場合も
つまり、「経験不足」なのではなく、「経験を積むことをルールによって阻まれている」状態です。 これが、「5年経っても1年目の延長線上」に感じてしまう、スキル横ばい状態の最大の要因です。
③学習の継続が難しくなることも(「不規則勤務」の弊害)
夜勤やシフト制など、不規則な生活が続く環境では、個人の努力だけではどうにもならない障壁になることもあります。
不規則勤務の弊害例:
・休みの日も体力の回復(睡眠)で一日が終わる
・生活リズムが不安定で、長期的な学習計画を立てられない
・勉強しようと思っても、慢性的な疲労で集中力が続かない
これは「やる気がない」のではなく、学習を積み重ねるための「土台(健康と時間)」が現場起因で消耗している場合もあります。
ここまでの重要ポイントまとめ
「スキルがつかない」と感じてしまう背景には、「権限の制約」、「経験の制約」、「働き方の制約・影響」という、個人では変えにくい3つの要因が重なっています。
あなたが「このままでエンジニアとしてやっていけるのか」と不安を感じるのは、この構造的な制約を感覚的に感じ取り、自分のキャリアへの危機感を正しく抱いている事実でもあります。
このまま続けた場合に抱きやすい「将来の不安」
今のつらさの理由がわかっても、「じゃあこの先どうなるんだろう?」という不安が、すぐに消えるわけではありません。
ここでは、多くの運用保守エンジニアが、ふとした瞬間に頭によぎる3つのリアルな不安を、例を挙げながら整理していきます。
①3年後も、今と同じ画面を見続けることになるのか?
業務に慣れ、対応スピードは上がっている。一方で、担当している作業の中身や、見ている画面は数年前と本質的に全く変わっていない。
・「慣れ」は増えたが、市場で評価される「スキル」は増えていない気がする。
・「経験年数」は積み上がったが、「語れる実績」は積み上がっていない。
こうした「停滞感」は、真面目に現場を支えてきた人ほど、ふとした瞬間に強い不安として現れることがあります。
②年収や評価が、もうすぐ頭打ちになるのではないか?
運用保守の評価は「問題が起きないこと」が前提であるため、目に見える加点として報酬に反映されにくい構造があります。
■年収の天井を意識してしまうケース例:
・現場を安定させてきた自負はあるが、昇給は微増。
・数年前から年収がほぼ横ばい。
・長く在籍する先輩の給与を聞いて、自分とほぼ変わらないことに気付く。
この状態が続くと、「給与の上げ方が分からない」から「どれだけ頑張っても報われない」に考えがシフトし、仕事への意欲を維持することも難しくなることがあります。
③40代になったとき、今と同じ働き方を続けられるのか?
夜勤やシフト制、突発的な障害対応。今はこなせていても、10年後、20年後も同じ働き方を維持できるでしょうか。
・「この働き方を、5年・10年後にも続けられるのか?」
・「結婚・子育てなどライフステージが変わっても、現場に居続けられるのか?」
「このまま働き続けるイメージが持てない」というのは、よくある転職理由です。また将来について考えるのは、あなたが自分の人生を真剣に考えているからこその、まっとうな反応です。
不安を感じることは、異常ではありません
ここで挙げた不安は、あなたがネガティブだから生まれるものではありません。むしろ、「自分のキャリアを真剣に考え始めたからこそ、自然に浮かぶ問い」です。
大切なのは、今すぐ白黒つけることではありません。この不安が「自分自身の問題」なのか、それとも「環境(現場)の問題」なのかを見極めること。これが次の一歩を考えるための出発点です。
補足:知っておいてほしいこと
なお、この不安を上司や営業担当に相談すると「あなたの努力不足」、「ウチで通用しないなら、どこでも通用しない」などと返されるかもしれません。
しかし、それはあなたの感覚が間違っているのではありません。会社は「大事にしている視点」が違うだけです。
個人の努力では突破できない「権限・役割・環境」の問題がある以上、一度それを「環境要因」として切り分けて考えるのは、キャリアを守るうえで極めて健全な進め方です。
今はまだ、無理に「結論」を出さなくてもいい
ここまで読んで、「今すぐ転職しないと」と結論を急ぐ必要はありません。大切なのは、すぐに辞める・続けるを決めることではなく、「今のつらさの原因」を正しく整理することです。
判断すべきなのは「あなた」ではなく「環境の可能性」
運用保守で「成長できない」と悩むとき、その原因の多くはあなたの努力不足ではなく、「環境(現場)の構造」にあります。
「運用保守」という同じスタート地点でも、数年で設計構築へ進める人と、10年同じ作業から抜け出せない人がいます。
この決定的な差を生むのは、個人の意欲の差よりも、その現場や会社に、次の一手につながる役割やプロジェクトがあるかどうかという、環境そのものの違いです。
ゆえにまず考えるべきなのは「自分はまだまだか?」ではなく、 「この環境で、自分の成長機会が手に入るのか?」 という視点です。
「立ち止まって考えること」は、逃げではない
この時点での選択肢は、「我慢」か「退職」の二者択一ではありません。他にも、戦略的な選択はたくさんあります。
■戦略的な選択例:
①静観する:今の現場に残りながら、状況を観察し、内部でチャンスを探る。
②現状を可視化する:自分のスキルや市場価値を客観的に把握してみる。
③小さく行動する:学習を始める、勉強会に参加する、無料キャリア相談を利用してみる。
これらはすべて「逃げ」ではなく、キャリアを守るための冷静な戦略です。一番のリスクは、違和感を無視して「あえて我慢」を続け、気づいた時には選択肢や意欲を失ってしまう状態です。
「このままでいいのか?」と感じた瞬間が、あなたが次のステージへ進む最高のきっかけでもあります。まずは、「今の悩みは、自分では変えられない要因(環境)なのか?」を切り分けることから始めてみてください。
自分の現場が「脱出すべきか」迷っている方へ
「運用保守がつらい」と感じても、一時的なつらさなのか、居続けることでキャリアが止まる環境なのかを、自分一人で判断するのは非常に難しいものです。
上司や営業担当に相談しても、「どこも同じだよ」、「もう少し頑張ろう」と、個人の努力の問題にすり替えられてしまうケースは少なくありません。しかし実際には、「残るべき現場」と「早めに抜け出すべき現場」には明確な違いがあります。
「頑張れば報われる現場」と「消耗するだけの現場」
同じ運用保守からスタートしても、数年で構築やクラウドへ進める人と、10年経っても同じ作業を繰り返す人がいます。この差を生むのは、個人の根性ではなく「現場の質」です。
■頑張れば報われる現場の例:
・実機や改善に関われる余地があるか
・次に繋がる役割(設計・構築)が見えるか
・成長しているロールモデルの先輩がいるか
これらがない環境でいくら我慢を続けても、スキルは積み上がりません。
判断を誤ると「気づいた時には手遅れ」になることも
多くの運用保守エンジニアが後悔するのは、「もっと早く、環境そのものを疑えばよかった」という一点です。
つらさを我慢でやり過ごしているうちに、年数だけが増え、いざ動こうとした時に「実務経験不足」と見なされてしまう。そんな状態に陥るケースは、決して珍しくありません。
だからこそ大切なのは、漠然とした不安への我慢ではなく、「客観的事実に基づく環境診断や判断」です。
「残るべきか」、「抜け出すべきか」の判断軸を、専門家視点で整理
以下の関連記事では、インフラエンジニア専門エージェントの視点から、今の現場をどう見極めるべきかを体系的に整理しています。
■関連記事でわかること:
・運用保守が「やめとけ」と言われる本当の理由
・キャリアが「積み上がる現場」と「詰みやすい現場」の決定的な違い
・今すぐ動くべき人・まだ残ってよい人のチェックリスト
「自分の現場はどちらに近いのか?」、「このままでよいのか?」という漠然とした疑問を、「今の現場をどう判断すべきか」という具体的な材料に変える一歩として、以下の関連記事も是非ご覧ください。
→関連記事:運用保守はやめとけ?底辺と言われる理由と後悔しない判断基準
まとめ|「つらい」と感じるのは、真剣に向き合っている証拠
運用保守の仕事を「きつい」、「つまらない」と感じるのは、決して甘えでも、努力不足でもありません。
それは、今の仕事に向き合い、この先のキャリアをちゃんと考え始めたからこそ、自然に生まれる感情でもあります。
そこで大切なのは、その違和感を無理に我慢で終わらせず、「自分の問題なのか」、「環境の問題なのか」を一度立ち止まって整理してみることです。
その判断が、エンジニアとして次に進むための土台となります。






