サーバーエンジニアとはどんな仕事内容?わかりやすく解説

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

サーバーエンジニアという仕事について、「サーバーの管理をすること」「ITエンジニアの仕事」といったイメージを持っていても、詳細な仕事内容はわかりにくく、具体的に仕事を把握している人は少ないかも知れません。また、ひとくちにサーバーエンジニアといっても、実際の仕事の範囲は幅広く、また仕事内容によって難易度は様々です。

本記事では、サーバーエンジニアの仕事内容から、年収、キャリアパス、また混同されやすいネットワークエンジニアの違いなどを幅広く解説します。サーバーエンジニアへの転職を検討している方は、是非参考にしてください。

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サーバーエンジニアの仕事内容とは

ーバーエンジニアは、主にサーバー、OSの設計・構築・運用を行いますが、単純にサーバーといっても、扱う技術範囲が広いのが、サーバーエンジニアの仕事の特徴です。

LinuxやWindows ServerといったサーバーOSから、Webサーバー、DBサーバー、アプリケーションサーバーといったミドルウェアも扱いますし、物理サーバーやストレージといったハードウェアも扱います。また場合によってはAWSやAzureといったクラウドサービスや、コンテナ、自動化などについても扱い、それぞれに求められるスキルや技術知識が異なるといえます。

また、サーバーエンジニアの仕事は「工程(フェーズ)」によって明確に切り分けられており、工程フェーズについての理解が非常に大切です。

サーバーエンジニアの仕事内容(工程フェーズ):
・要件定義
・基本設計
・詳細設計・構築
・運用
・監視

サーバーエンジニアの仕事内容の「工程」については、家の建築の「工程」と比較するとわかりやすいと思いますので、「家の建築の工程」で例えながら、説明します。

サーバーエンジニアの仕事:要件定義

要件定義は、お客さま(ユーザー)にヒアリングをしながら、システム要件を明確にしていく仕事です。サーバーエンジニアの仕事で、一番上流といわれる工程であり、サーバーエンジニアの仕事の中で、もっとも経験・知識が必要とされる工程といえます。

具体的な要件としては、下記があります。

■サーバーエンジニアの要件定義:
・可用性:システムの運用時間や稼働率についての要件
・性能・拡張性:システム性能や、アクセス・データ量に対する拡張性の要件
・運用・保守性:システムの運用・保守のサービスレベルに対する要件
・移行性:移行期間や移行時間などの要件
・セキュリティ:システムのセキュリティに対する要件

要件定義はユーザーにヒアリングをしながら、「ユーザーの希望」を整理する工程となりますので、家の建築に例えると、「お客さま(ご家族)の希望」を確認・整理する工程と考えるとわかりやすいと思います。

家を建てる際に、「支払える金額感から、部屋数、間取り、2階建てなど」といった希望を確認する工程が、サーバーエンジニアの「要件定義」です。

サーバーエンジニアの仕事:基本設計

基本設計は、どんなシステム構成にするかを決め、設計書を作成する工程です。サーバーエンジニアの仕事の中でも上流といわれる工程であり、基本設計もサーバーエンジニアの仕事の中で、経験や知識が強く必要とされる工程です。

基本設計は、要件定義をもとに進めていきますが、具体的な基本設計の仕事内容は「システム構成、ハードウェアの実装方針、OS・ミドルウェアの構成などの方針を決定すること」です。

具体的には、サーバーの台数やスペック、OSやミドルウェアの選定、セキュリティ対策などを行い、システムの性能要件に応じてCPUやメモリの仕様を決めたり、冗長化のためにサーバーをどのように配置するかなどを決めていく作業です。

基本設計を家の建築に例えると、お客さまの希望をもとに、「どんな形の家を建てるか(システム構成)」や「基礎工事をどうするか(OS)」、「必要設備は何にするか(ミドルウェア)」などを決めていき、設計書として書類にする工程と考えるとわかりやすいと思います。

サーバーエンジニアの仕事:詳細設計・構築

詳細設計は、前述の基本設計で決定した方針をもとにして、さらに詳細の設定内容を決める仕事です。具体的には、ミドルウェアをどのようにつなげていくか、パラメータ(設定値)の決定やOSインストールの手順などを決めていく作業です。

また構築は、詳細設計で決定した内容をもとにして、実際に「作る」仕事です。OSやミドルウェアをインストールし、設計通りに設定していく作業を行い、計画通りにシステムが動作するかを確認するテスト作業まで行います。

家の建築に例えると、詳細設計・構築は、設計書をもとに、「家を建てる工程」と考えるとわかりやすいと思います。基礎をつくって柱を立て、壁や部屋を作って、職人さんが「家を形にする作業」のイメージです。

サーバーエンジニアの仕事:運用

運用は、サーバーなどのシステムを止めずに動かす仕事であり、日常業務の維持や最適化などを行います。具体的にはソフトウェアのインストールや設定、また設定変更やバージョンアップ対応、トラブルシューティングなどを行い、パフォーマンスの管理や最適化も行います。

運用は、構築されたサーバーなどシステムが正常に稼働し続け、ユーザーが問題なくサービスを利用できるように「運用」しながら、業務改善を行う仕事です。

運用を家の建築に例えると、「正常な状態で、家を使い続けられるようにする工程」と考えるとわかりやすいと思います。老朽化した柱や屋根を改修し、メンテナンスをしていくイメージです。

サーバーエンジニアの仕事:監視

監視業務は、システムやサーバーが24時間365日正常に動いているかを、リアルタイムで監視(モニタリング)する仕事です。

具体的にいうと、サーバーのCPUやメモリの使用率、ディスク容量などのパフォーマンスを監視することや、ログデータを定期的にチェックする(ログ監視)など、マニュアルに記載がある通りの内容を作業し、システムを安定稼働させる仕事となります。

監視を家の建築に例えると、「家に問題がないかをチェックする工程」と考えるとわかりやすいと思います。屋根の破損で雨漏りがしているなど、起きている問題をチェックしていくイメージです。

ただIT業界では、「監視専門のエンジニアは、エンジニアではない(オペレータである)」と言われることも多く、監視は離職率も高い仕事です。監視を詳しく知りたい方は、「運用監視オペレーターは、早めに辞めて転職すべき。将来性は低い」をあわせてお読みください。

また、サーバーエンジニアの仕事内容や必要スキルについて、1枚の資料でまとめた内容は下記図となりますので、おさらいとして一読いただければと思います。

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いとは

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、両方ともITインフラを支える重要な仕事ではあり、相互に切り離せない存在ですが、役割や仕事内容が異なります。

・サーバーエンジニア:主にサーバーOSの設計、構築、運用を行う
・ネットワークエンジニア:主にネットワークの設計、構築、運用を行う

具体的には、下記図のように役割や仕事内容を、大枠切り分けることができます。

サーバーエンジニアの仕事の特徴

サーバーエンジニアは、サーバーやOSの設計・構築・運用を専門としており、主にLinuxやWindows ServerなどのOSから、Webサーバー、APサーバー、DBサーバーなどのミドルウェア、また物理サーバーやクラウドサービスなども扱います。

サーバーエンジニアの技術は、ネットワークエンジニアと比べて幅広く、また新しい技術が出てきやすい分野ですので、専門知識の幅広さや、先端技術の学習が求められます。

ネットワークエンジニアの仕事の特徴

ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築・運用に特化し、主にルーターやスイッチ、ファイアーウォールといったネットワーク機器やツールを扱います。

ネットワークエンジニアの技術範囲は、サーバーエンジニアと比べて比較的狭いですが、その分深い専門知識が必要となります。

また、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いについて、もう少し詳しく知りたい方は、別記事ですが「サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いは?どっちがよい?年収、需要など」に詳しく記載しておりますので、こちらをあわせてお読みください。

サーバーエンジニアの将来性は?キャリアパスは?

現在ITエンジニア不足と言われていますが、ITインフラを下支えするサーバーエンジニアも大幅に不足しており、需要は非常に高い状況です。

また、IT社会の進展や、企業のDXの推進によって、今後もサーバーエンジニアの将来性が見込まれています。

特にクラウドサービスの普及に伴い、オンプレミスからクラウドへの移行も含めたインフラ構築の仕事は非常に需要が高く、今後も引き続き成長が見込まれます。

あわせて日本政府もデジタル人材育成を進めており、IT/DXを推進するサーバーエンジニアの将来性将来性が高いといえる職業でしょう。

また、サーバーエンジニアのキャリアパスは幅広く、「インフラエンジニア」、「クラウドエンジニア」、「セキュリティエンジニア」、「プロジェクトマネージャ」、「ITアーキテクト」など、サーバーエンジニアの延長線上に、様々なキャリアパスがあるともいえます。

サーバーエンジニアの将来性やキャリアパスについては、別記事になりますが「サーバーエンジニアの将来、将来性が高いキャリアパスを解説」に記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。

サーバーエンジニアは楽しい?それともきつい?

サーバーエンジニアの仕事は、楽しいともきついとも言われます。ここではサーバーエンジニアの楽しさやきつさについて、説明します。

サーバーエンジニアは楽しい

サーバーエンジニアは最新技術に触れる機会も多く、クラウドやコンテナなどといったニーズが高い技術を学びながら応用できることは、技術好きな人にとってはサーバーエンジニアは楽しいといえるでしょう。

また、専門性が高いため、スキルや経験に応じた年収アップや、幅広いキャリアパスが実現でき、スキルを身につければリモートワークも可能で、柔軟な働き方もできる職業です。

特に、仕事内容としては、設計・構築はとても楽しい」という方は多く、技術好きな方、手に職を付けたい方については、面白味を感じる職業といえます。

サーバーエンジニアの楽しさについては、別記事となりますが「サーバーエンジニアは楽しい?仕事の楽しさと、向いている人の特徴とは」に記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。

サーバーエンジニアはきつい

サーバーエンジニアの仕事のきつさは、仕事内容(上流なのか、下流なのか)によって変わると言えます。

上流工程(構築以上)の場合は、納期前の残業や、技術の複雑さ、責任の重さが負担になり、特に初心者にとっては、上流工程は慣れるまできついと言われることは、業界あるあるといえるでしょう。

一方で、下流工程(運用以下)の場合は、単純作業が多く、スキルが身に付きにくいことで達成感や成長を感じにくく、きついといえます。特に、監視などといったオペレーターの仕事については、単純作業(定型業務)がほぼ全てになることにくわえて、夜勤シフトによる体調管理の大変さも、きつい理由として挙げられます。

サーバーエンジニアのきつさについては、別記事となりますが「未経験からサーバーエンジニアはきつい?大変なときの解決方法は?」に記載しておりますので、興味がある方はあわせてお読みください。

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