ネットワークエンジニアの勉強ロードマップ|未経験から最短で構築レベルへ【2025】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

ネットワーク構築運用の仕事、またはエンジニアを目指すとき、最初に迷うのが「何から勉強すればいい?」という点です。

結論、ネットワークの学習は 「正しい順番(基礎 → 演習 → ハンズオン → 小規模構築)」 を踏むことで、未経験でも最短で実務(運用・構築)スキルを身につけられます

■この記事でわかること:
・ネットワークの全体像(OSI、TCP/IP)
・初心者向けのおすすめ教材
・Packet Tracerを使ったハンズオン
・小規模構築の練習方法
・CCNA取得から構築フェーズに進む手順

ネットワークの勉強は、ITの世界を広げてくれる「入口」でもあります。

未経験から実務(運用 → 構築)に進む最短ルートを知りたい方は、そのままロードマップとして活用してください。

なお「ネットワークエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。勉強法だけでなく、仕事内容・年収・将来性をまとめています。

ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

▶︎ プロフィールを詳しく見る

目次

ネットワークエンジニアの勉強は何から始めるべきか?【結論:全体像 → 基礎 → 演習】

ネットワークエンジニアを目指すとき、最初の一歩として 「全体像」→「基礎」→「演習」 の順番を意識すると、挫折を減らしながら実力を伸ばすことができます。

とくに未経験者が挫折しやすい理由は、基礎知識、専門用語、実機コマンドが一度に出てくるため消化不良になりやすいためです。

そこで一歩ずつ着実に進みたい人は、難しい参考書に入る前に「ネットワークの仕組みをざっくり理解する(全体像をつかむ)」ことをおすすめします。

もし、あなたが以下に当てはまる場合は、CCNAの学習に入る前に「超入門レベル」の予習を1週間だけ挟むことを強くおすすめします。

■超入門書で予習をおすすめするタイプ:
・IT用語に全く馴染みがない
・ネットワーク/サーバー/クラウドと聞いてもピンとこない
・いきなり難易度が上がる学習は避けたい

この超入門レベルの予習を行うだけで、CCNA白本の理解が圧倒的に早くなり、専門用語のストレスが激減します。また学習途中の挫折リスクを大幅に押さえられるのが最大のメリットです。

予習の目的は、専門知識を細かく覚えることではなく、ネットワークの「おおまかな概要」をイメージできるようにすることです。

(※予習に使う具体的な教材は、このあと別のセクションで詳しく紹介します。)

まず「ネットワークの全体像」をつかむ(OSI/TCP/IP/L2・L3)

ここからは、CCNA教材を本格的に読む前に、事前に押さたい「全体像の理解」 をまとめていきます。

① OSI参照モデル(7層モデル)

OSI参照モデルは、通信の流れを7つに分けた概念モデルです。

上位3層(アプリケーション/プレゼンテーション/セッション)と下位4層(トランスポート/ネットワーク/データリンク/物理層)があります。

特にネットワークエンジニアが扱うのは、「L2(データリンク層)=MACアドレス/スイッチングの世界」、「L3(ネットワーク層)=IPアドレス/ルーティングの世界」の2つです。

この階層構造を理解できると、「どこで通信が止まっているのか?」を切り分けられるようになり、運用・構築の実務でも役立ちます。

② TCP/IPモデル(現場ではこちらが主流)

現場で実際に使われるのは、OSIより TCP/IPモデル(4階層構造) です。

「アプリ → トランスポート → インターネット → ネットワークインターフェース」という流れを理解すると、TCP/UDPなどの役割が自然と見えてきます。

③ L2・L3通信の流れ(PC → ルーター → サーバー)

ネットワーク学習で早期に押さえておきたいのは、「データがどのように流れていくか」 をイメージできることです。

■通信の流れ例:
・PCはMACアドレスを使って同じネットワーク内の通信を行う
・ネットワーク外への通信ではIPアドレスを使う
・ルーターが最適な経路にデータを転送する

この流れを理解しておくと、後の学習が楽になります。

未経験がつまずきやすいポイント(IP/サブネット/VLAN/ルーティング)

ここで紹介する4つのテーマは、CCNAの学習において必ず登場するコアとなる技術です。ここを乗り越えたタイミングから、ネットワークの世界が「つながって見える」ようになります。

■最初につまずきやすいポイント:
・IPアドレス:ネットワーク部とホスト部、クラス、プライベートIP など
・サブネット計算:CIDR表記、ホスト数計算、/24 などの感覚
・ VLAN:同じネットワークを仮想的に分割する技術
・ ルーティング:デフォルトゲートウェイ、ルーティングテーブル

1日の学習量と必要な勉強時間の目安(初心者200〜300時間)

ネットワーク学習は「暗記」も重要ですが、「理解」も大事です。未経験者がCCNA取得を見越した勉強時間の目安は以下です。

■学習の目安:
・未経験 → CCNA合格レベル:200〜300時間
・1日1.5〜2時間 × 3〜6ヶ月が現実的

■学習ペースの例:
・平日:参考書や動画で理解を進める(1時間)
・休日:Ping-tやPacket Tracerで演習・ハンズオン(2〜3時間)

このペースで進めれば、ネットワークの基礎は確実に身につきます。

ネットワーク学習は、「全体像 → 基礎 → 演習 → ハンズオン → 構築」という順で進めるのが最短ルートです。

次からは、未経験者がこのルートを迷わず進むための 「おすすめ教材」 をわかりやすく整理していきます。

ネットワークエンジニアの勉強に使うべき教材(本・サイト・問題集)

ネットワークの勉強は、「どの教材を、どの順番で使うか」で学習効率が大きく変わります。

とくに初心者の場合、レベル違いの教材をいきなり使うと、理解が進まないまま挫折してしまうケースも多いため、「初心者 → 資格(CCNA) 中級 」という順番での学習がもっとも効率的です。

以下の教材マップをそのままロードマップとして活用してください。

体系理解に強い本・勉強サイト(初心者〜予習レベル)

まずは、「ネットワークはどう動く?」を理解する段階です。ここで「挫折しにくい教材」から選ぶと、その後のつまずきも減らせます。

教材名レベル / 費用役割・特徴
1週間でCCNAの基礎が学べる本超入門 / 有料図解中心でわかりやすい。初心者が挫折せずに「全体像」をつかめる1冊。
3分間ネットワーキング(3minutes networking)入門 / 無料OSI/TCP/IPなどを「わかりやすさ最優先」で解説した有名コンテンツ。
Udemy(動画)入門〜 / 有料動画で理解できるため、文字が苦手でも進めやすい。インプットの補助に最適。
Youtube(動画)入門〜 / 無料ネットワークの雰囲気をつかむのに役立つ補助教材として活用可。まずは無料で進めたい人向け。

ポイント:
この段階では完璧に覚える必要はありません。「全体像の雰囲気」をつかむだけでOKです。また、おすすめの勉強サイトは以下関連記事で詳しく説明しています。

→関連記事:CCNAおすすめ勉強サイト|無料・有料の比較

資格(CCNA)学習に使う教材と問題演習

ネットワークエンジニアの基礎知識を証明し、転職市場で評価されるためにはCCNAが最もコスパの良い資格です。

教材名特徴
CCNA白本(シスコ技術者認定教科書CCNA)・CCNA(200-301)に完全特化した参考書であり、試験範囲を網羅
・知識ゼロからでも学習可能な教材
CCNA黒本(徹底攻略Cisco CCNA問題集)・CCNA(200-301)試験対策に特化した問題集
・CCNA試験の類似問題が多数掲載
Ping-t(Web問題集)・CCNA、LPIC、LinuCなどに対応したWeb問題集
・豊富な問題数と丁寧な解説で、試験対策ではほぼ必須な存在

CCNAのおすすめ教材については、以下の関連記事に購入リンクも含めてまとめています。

→関連記事:CCNAおすすめ参考書|初心者に最適な教材・問題集・勉強サイト

また、CCNAの学習について詳しく知りたい方は、以下をお読みください。

→関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップと独学手順

実務で差がつく「現場視点」の教材(中級レベル)

次は一つ上にステップアップし、中級レベルも含めた教材で理解を深めましょう。

単なる用語の暗記ではなく、「なぜこの仕組みが必要なのか」、「どのように動作するのか」を掘り下げることで、知識を実務で使えるスキルへと変えられます。

教材名レベル / 費用役割・特徴
ネットワークエンジニアとして(Webサイト)初級~中級 / 無料CCIEホルダー執筆の学習サイト。CCNA学習者は特に必見、キャリア意識が高まる。
マスタリングTCP/IP 入門編中級 / 有料技術の背景を体系的に理解できる定番。白本より実務寄り。
ネットワークはなぜつながるのか中級 / 有料仕組みを例え話と図解で直感的に理解できる名著。

教材がそろってきたら、次は 「どの順番で学べば最短で理解できるか?」 が重要になります。

次からは「全体像 → 問題演習 → ハンズオン → 小規模構築」という王道の学習ステップを、わかりやすく整理していきます。

独学ロードマップ:最短で理解を深める4ステップ

ネットワークエンジニアを目指す場合、「何を・どの順番で」学ぶかが、最短で習得するうえで最も重要です。

ここでは、初心者が最速で「理解→実践→構築」まで到達するための、4ステップの学習ルートを説明していきます。

ステップ1:基礎概念の理解(OSI/TCP/IP)

最初のステップは、ネットワークの仕組みをざっくりイメージできるレベルでつかむことです。

特に押さえるべきは次の3点です:

■早期にしっかりおさえるべき3点:
OSI参照モデル(特にL2/L3を中心に理解)
TCP/IPモデル(現場ではこちらが主流)
IPアドレス/サブネット/L2-L3の通信の流れ

最初から深く覚える必要はありません。後々使う教材(Ping-t、PacketTracer)で自然に理解が深まります。

ゴールは、ネットワークの「仕組みの雰囲気」をつかむことです。

ステップ2:Ping-tで演習しながら理解定着

基礎概念をつかんだら、次は 問題演習 を使って知識を「定着」させるフェーズに入ります。最も有効な教材は Ping-t です。

■Ping-tを使う理由:
・CCNAに近い問題が大量に解け、解説が非常に丁寧
・「わからないところを潰す」作業に最適
・初心者でも続けやすい

この段階では、「知識を覚える」だけでなく「問題・解説を通して理解していく」という考え方が重要です。

ゴールは、理解と暗記のバランスが取れた「使える知識」を身につけることです。

ステップ3:Packet Tracerでハンズオン(超簡易でもOK)

ネットワークエンジニアの学習ツールで有名なPacket Tracerは、最初の学習ハードルが高いのが事実です。

Packet Tracerに壁を感じる場合、まずはPing-t の簡易シミュレーターで「ルーターに名前を付ける」などの超簡易な操作から始めてもOKです。設定が反映されたという「成功体験」が得られ、挫折しにくくなります。

その後にPacket Tracerを使って「機器を置く」、「ケーブルでつなぐ」、「IP を設定する」といったステップに自然と進めるようになります。

Ping-tで軽く体感 → PacketTracerで視覚化 →慣れたらGNS3」という流れが、初心者にもっとも負荷が少ない最短ルートです。

ステップ4:小規模構築(VLAN/ルーティング/ACL)

最後のステップは、実際に自分の手でネットワークを作ってみることです。

■最初に挑戦したい構築テーマ:
VLAN(L2の分割)
静的ルーティング(L3の接続)
ACL(アクセス制御)

    PacketTracer で、「2台のPC → スイッチ → ルーター → サーバー」のような小規模ネットワークを組んでみましょう。

    この3つが理解できると、「CCNAのシミュレーション試験に役立つ」のみでなく、「運用→構築へキャリアアップ」や「トラブルシューティング力を高める」ことへの足掛かりとなっていきます。

    ゴールは、自分で「動くネットワーク」を構築できる状態になることです。

    ここまでの4ステップを進めると、ネットワークの理解が一気に深まり、「構築できるエンジニア」に近づきます。

    関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアを深く知る

    →関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
    →関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|クラウド・セキュリティ時代の成長戦略
    →関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場と1,000万円超えのキャリア設計

    【実践】ネットワークのハンズオン・実機演習の進め方

    ネットワークの理解を一気に深める方法は、「実際に手を動かしてみること」です。

    ここでは、前のセクションのロードマップで触れたPacket Tracer小規模構築を、具体的にどう進めるかをまとめていきます。

    Packet Tracerの使い方と導入(初心者の最初の一歩)

    Cisco公式の Packet Tracerは、GUIで分かりやすく、ネットワークを手を動かしながら理解するための学習ツールです。

    Packet Tracerの使い方にハードルを感じる場合は、以下のように段階的に進めましょう。

    ■Packet Tracerの使い方3ステップ:
    超簡易操作で慣れる
     →Ping-tの簡易シミュレーターなどで、「ルータに名前を付ける」、「showコマンドを打つ」などの超簡単な操作から始める。
    基本要素の配置
     →Cisco Networking Academy(無料)からPacket Tracerをダウンロード。
    配置と設定
    →機器をドラッグ&ドロップで配置し、ケーブルでつなぐ。各機器にIPアドレスを設定し、Pingが通るかを確認。

    この段階で、「ネットワークがどう動くのか」ことが体感的に理解できます。

    Ping-tで軽く触る → PacketTracerをダウンロード・設定する流れが、初心者にとって最も負荷の少ない最短ルートです。

    初心者でもできる小規模構築テーマ【実践課題3選】

    Packet Tracerの操作に慣れたら、次は 「自分でネットワークを作る」ステップへ進みます。

    最初に扱うべき構築テーマは次の3つだけでOKです。Ping-tの簡易シミュレータで学んだことに挑戦してみましょう。

    構築テーマ得られるスキル
    VLAN(L2の分割)スイッチングの理解。ネットワークを論理的に分割し、セキュリティを高める。
    静的ルーティングルーターの役割理解。異なるネットワーク間を接続する基本スキル。
    ACL(アクセス制御)特定通信を許可/拒否するセキュリティ設定を学べる。

    この3つに触れることで、CCNAの範囲の主要ポイントが「体感で理解」できるレベルに近づいていきます

    GNS3へのステップアップと使いどころ

    GNS3は本番に近い動作ができるツールですが、初心者がいきなり扱うには難易度が高めです。

    ツール特徴
    Packet Tracer初心者向け。GUIで直感的。VLAN、ルーティングといったCCNA範囲の基礎理解に最適。
    GNS3中級者向け。実機に近い動作。セットアップが複雑で、実務寄りのスキルを磨くために利用。

    ロードマップとしては、「Packet Tracerで基礎 → 慣れたらGNS3」が最適です。

    資格を使った勉強法:CCNAを「実務レベル」につなげる方法

    ネットワークの基礎を学んだ後、多くの人は「CCNAは必要?」と悩みます。

    結論として、CCNAは「未経験 → 構築」への足掛かりとなる資格です。ここでは、CCNA〜CCNPを学習にどう組み込むべきかを整理していきます。

    CCNAの位置づけ(基礎 → 実務への足掛かり資格)

    CCNAは、ネットワークエンジニアの基礎スキル全体を「体系的に理解できる資格」です。

    OSI、TCP/IP、VLAN、ルーティング、ACLなど、実務で必要となる要素がフルカバーされており、「実務スタートラインに立つための資格」、「ネットワークエンジニアの運転免許書」とも言われます。

    ■CCNAの位置づけ:
    実務の理解スピードが早くなる
     →ネットワークの基礎知識を網羅しておくと、つまずきにくく、理解度が高まる。
    ・配属時に「任される仕事のレベル」が変わる
     →配属面談での強い武器、CCNAがあることでチャンスが広がる。
    転職市場の「最低限の足切り」を回避できる
     →構築寄りの案件に挑戦する際に、CCNAが必須条件に入っている企業が多い。

    結論として、「CCNA取得 = 実務スタートラインに立てる」という位置づけです。

    →関連記事:CCNAとは?未経験からわかる資格の内容・難易度・勉強法まとめ
    →関連記事:CCNAは難しすぎる?難易度・合格率・勉強時間を徹底解説

    学習時間の目安(200〜300時間の内訳)

    一般的に CCNA の学習時間は 200〜300時間 と言われます。以下のように 具体的なステップ別に分解して考える のが成功のコツです。

    学習内容時間の目安目的
    OSI/TCP-IPなどの基礎インプット50〜80h概要を押さえ、挫折を減らす
    Ping-tの問題演習100〜150h基礎概念の定着
    Ping-t、Packet Tracerでのハンズオン30〜50h構築の流れを体感
    黒本20〜50h試験対策と弱点補強

    実務に強くなる人は、この「ハンズオン40時間」をサボらない のが特徴です。

    CCNPは「実務1〜2年後」でOK(未経験で取る必要はない)

    未経験の段階でCCNPを取る必要はありません。実務1〜2年後で十分です。

    ■CCNPの位置づけ:
    ・CCNPは「実務経験がある前提」で作られている
    ・ 転職市場では「実務 + CCNP」で強く評価される
    ・CCNAを理解して実機経験を積んだ方が、CCNPの理解度が高まる

    CCNAは「基礎と実務の足掛かり」となりますが、CCNPは「実務経験を積んでからでOK」です。

    →関連記事:CCNAとCCNPの違いは?難易度・需要・年収の差

    挫折しやすいポイントと回避策 TOP3

    ネットワークの勉強は、未経験者の多くが同じポイントでつまずく傾向があります。逆に言うと、「どこで挫折しやすいか」を知っておくだけで、勉強の成功率は大きく高まります。

    ここでは、よくある挫折ポイント TOP3と、回避する方法をまとめていきます。

    1位:サブネット計算が理解できない

    ネットワーク初心者が最もつまずくポイントが、「IPアドレスとサブネット計算」です。

    2進数やホスト数の求め方など、算数・数学的な要素が発生するため、「ネットワーク=難しい」という誤解につながりやすい部分です。

    回避策:動画で理解 → 演習で慣れる

    サブネット計算は、「理解 → 演習」ではなく「演習 → 理解」の順で身につきます。最速ルートは次の通りです。

    1. 動画で「2進数の感覚」をつかむ(5分でOK):文章より、図説の方が圧倒的に理解が早いです。
    2. まずは5問だけ練習する:苦手を後回しにせず、「慣れる」ことを目的にしましょう。
    3. Ping-tでひたすら問題を回す:理解は後からついてくるので、次に計算・法則に慣れることを優先。

    2位:構築イメージが湧かない

    知識を詰め込んでも、学んだ理論を試す機会がないとイメージが湧きにくいのも事実です。

    結果「VLANで何が変わる?」などといった具体的なイメージが湧かず、「勉強したけどよくわからない」となる人も多いです。

    回避策:Packet Tracerで「視覚化」する

    Packet Tracerで「PC → スイッチ → ルーター」といった小規模のネットワークを組む、IPアドレスの設定やPingの成功・失敗を確認することで、構築へのイメージがクリアになっていきます。

    3位:教材が多すぎて選べない

    ネットワークは教材が多すぎて、Udemy、白本、マスタリングTCP/IPなど、「どれからやる?全部やるべき?」と考え、初心者ほど迷子になりやすいのが実情です。

    回避策:「段階別」に整理して使い分ける

    教材は、「全部やる」のではなく、目的と段階別に整理すると迷わなくなります。

    目的選ぶべき教材
    初心者(予習段階)「1週間でCCNAの基礎」、3分間ネットワーキング
    資格対策(CCNA)白本 → Ping-t → 黒本 → Packet Tracer
    中級(理解を深める)マスタリングTCP/IP、ネットワークはなぜつながるのか

    この「段階別」を意識するだけで、「どれが今の自分に必要か」が明確になり、挫折リスクが大きく下がります。

    ネットワークエンジニアのスキルとキャリアの全体像

    ネットワークエンジニアのキャリアは、「運用 → 構築 → 上流」 の3段階でステップアップしていきます。

    ■スキルとキャリアの概要:
    運用:ping/切り分け/監視などの基礎力
    構築:VLAN・ルーティング・設定投入など実務の中心
    上流:冗長化設計・BGP・要件定義など高度な工程

    この記事で解説した勉強ロードマップ(基礎 → 演習 → ハンズオン → 小規模構築 → CCNA)は、この 「運用 → 構築」の最短ルート を作ることを目的としています。

    より詳しいキャリアの進み方は以下の関連記事で説明しています。

    →関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
    →関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|クラウド・セキュリティ時代の成長戦略

    勉強の成果をキャリアにつなげる方法(未経験からの最短ルート)

    ネットワークの勉強をキャリアに直結させるには、「正しい実務の入口」の把握「市場が評価する学習実績」が大事です。

    ここでは、あなたの勉強をキャリア(案件・職務経歴)に直結させる方法をまとめていきます。

    未経験はまず「実機を触る運用経験」を積む理由

    ネットワークエンジニアとして最初に配属されるのは、多くの場合 「運用(監視・一次対応)」 です。

    この運用現場は「監視だけ」の現場もあれば、 ルータやスイッチの「実機を触る」タスク を経験できる現場もあります。

    実機を触れる現場では、「機器へのログイン」、「show コマンドでの状態確認」、「VLAN追加などの簡単な設定変更」などのような「小さな構築作業」が経験できます。

    これらの経験が「構築業務へ直結」し、「CCNAなどの学習内容が実務に応用されるタイミング」です。

    結論:
    未経験者にとって「実機を触る運用経験」は、構築への最短ルートそのものです。

    求人で評価される「学習ログ」の活用法

    構築未経験でも、採用側が強く評価するポイントがあります。それが、Packet Tracerなどを使った学習の記録である「学習ログ(学習実績)」です。

    学習ログは、職務経歴書には簡易にしか書けませんが、2~3行書いておくだけでも、ほとんどの採用担当者が「具体的な学習内容」を聞いてくれます。

    結果、面談であなたの意欲と学習実績がアピールできるため、「この人は教えれば伸びる」と判断しやすくなり、構築フェーズに進みやすくなります。

    ポイント:
    ポートフォリオのように綺麗に整える必要はありません。学習実績が伝えられればOKです。

    市場価値を最大化するスキルセット(クラウド × セキュリティ)

    構築 → 上流のステップを踏む人ほど、以下のスキルを組み合わせることで市場価値が大きく高まります。

    スキル分野知識が活かせるポイントキャリアステップ例
    クラウド(AWS/Azure)VPN、VPC/サブネット、ルーティング、セキュリティグループなど、知識がそのまま活かせますCCNA → 構築 → AWS SAA → 設計経験
    セキュリティ(FW / SASE)FWポリシー、ACL、IDS/IPSなど、構築経験があるほど吸収が早い分野です。ネットワーク × クラウド × セキュリティの組み合わせは、今、市場で価値が急上昇。

    まとめ:勉強 → 実務 → ログ → キャリアのステップが王道

    まとめると、以下のステップで進めることで、未経験からでも「構築 → クラウド → セキュリティ上流」などまで成長できます。

    ■勉強を起点とした王道ステップ:
    CCNAの知識 → 実機に触れる運用で活かせる
    運用経験 → 構築の土台になる
    学習ログ → 求人で「実務に近い証拠」になる
    クラウド/セキュリティ → 市場価値が最大化

    よくある質問

    ここでは、ネットワークエンジニアの勉強について、よくある質問をまとめました。

    Q1:CCNAとLPICはどちらを先に取るべき?

    A:キャリアの方向性によって、おすすめが変わります。

    ネットワークエンジニア志望 → CCNAが先
     →ルーティング、スイッチングネットワーク設計の基礎が体系的に学べます。

    ■サーバーやクラウドに興味 → LPICが先
     →Linux基礎がAWS学習に直結します。

    どちらから学ぶべきかを詳しく知りたい方は、以下関連記事をお読みください。

    → 関連記事:CCNAとLPICを徹底比較、どっちを取るべき?難易度と順番を解説

    Q2:未経験でも独学でネットワークエンジニアになれる?

    A:可能です。実際に CCNA取得 を経て転職成功する人は多いです。

    ただし独学は挫折リスクもあるため、「勉強仲間を作る」、「学習計画を立てる」など、自分にあった学習を継続する工夫が大切です。

    Q3:勉強会やスクールに参加した方がいい?

    A:必須ではありません。独学で合格・転職を実現した人は多いです。

    ただし独学に不安、モチベーション維持が難しいなら、スクール・勉強会の利用も適切です。

    Q4:資格取得後すぐに転職できる?

    A:資格は大きなアピール材料ですが、転職活動では「今までの経歴」から「学習姿勢」、「将来のキャリアプラン」まで見られます。

    資格を取得したら、履歴書・職務経歴書でしっかり経歴と学習内容をアピールしましょう。

    また、勉強を続ければキャリアも年収も伸ばせます。

    → 関連記事:ネットワークエンジニアの年収はいくら?【平均・中央値・年代別・資格別】
    → 関連記事:未経験からネットワークエンジニアへ|失敗しない転職ステップと会社選び

    さらに、CCNAの資格学習法について詳しく知りたい方は、以下関連記事をあわせてお読みください。

    →関連記事:CCNAの勉強法|未経験から最短で合格するロードマップと独学手順

    関連記事:ネットワーク・インフラ系の職種を詳しく知る

    →関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
    →関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性を徹底解説
    →関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説

    まとめ:ネットワークエンジニアへの最短ルートと次のステップ

    この記事では、主に未経験からネットワークエンジニアとして「運用 → 構築」のルートへ最速で進むための学習ロードマップを解説しましたが、以下にポイントを再度整理します。

    ■未経験から最短で「構築レベル」に到達する5ステップ:
    ステップ1:体系理解
     →OSI、TCP/IP、L2-L3 の「全体像」をざっくりつかむ。
    ステップ2:問題演習で基礎定着
     →Ping-tを使い、サブネット・VLAN・ルーティングなどの理解を固める。
    ステップ3:ハンズオン
     →Packet Tracerでネットワークを実際に動かして体感的に理解。
    ステップ4:小規模構築
     →VLAN/静的ルーティング/ACLなどの「構築の型」を学ぶ。
    ステップ5|実務(運用 → 構築)へ橋渡し
     →実機を触る運用経験 → 学習ログ → 求人でアピールして構築へ。

    ネットワーク学習は「暗記」も大事ですが、「手を動かして理解する」ことも重要です。

    最短ルートで構築へ進みたい方へ(無料キャリア相談)

    独学でCCNAを取得することは可能ですが、「実務未経験からの転職」「構築へのステップアップ転職」は、適切な求人選定や面接対策が成功を大きく左右します。

    「CCNAを取ったけれど、本当に構築に進めるか不安」、「自分に最適な最初の就職先を知りたい」といった不安や疑問を、キャリアの専門家にぶつけてみてください。

    \ 「構築フェーズ」へ進みたいあなたへ /

    「運用どまりになりたくない」、「最短で構築レベルに行きたい」 そんな方には、あなたの現在地に合わせて 最適な学習ルートとキャリア戦略 を無料で診断します。

    無料でキャリア相談してみる

    ※未経験者も歓迎、キャリア段階に合わせて、構築・クラウドまでの最短ルートを提案します

    ■あわせて読みたい
    【まとめ】ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を徹底解説
    ネットワークエンジニアに必要な資格一覧
    ネットワークエンジニアの年収・年代別相場
    ネットワークエンジニアの将来性まとめ
    ネットワークエンジニアのキャリアパス

    この記事を書いた人

    角田 壮史の顔写真

    角田 壮史

    株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

    未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

    主な実績

    • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
    • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
    • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
    • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

    保有資格

    国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

    目次