こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「未経験からインフラエンジニアになったら、年収はいくらくらいなの?」
「最初は低いって聞くけど、本当に上がるの?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
インフラエンジニアは、企業のITシステムを支える「縁の下の力持ち」として、今も高い需要があります。
しかし、未経験からスタートする場合は、最初の年収レンジや、どのタイミングで上がるのかが見えにくいのが現実です。
この記事では、求人サイトの実勢データや転職支援の現場で見てきた実例をもとに、未経験からインフラエンジニアになった人の「リアルな年収の伸び方」を解説します。
この記事を読めば、未経験からのスタート時の年収や、3年後にどこまで伸ばせるのかが明確にイメージできます。
■この記事でわかること:
・初年度の年収目安:全体平均では300〜380万円程度が中心
・3年後の年収目安:構築フェーズに進めば450〜550万円前後まで上昇
・資格・転職タイミング次第で+100万円以上の上振れも可能
・年齢・資格・キャリア別の年収目安
監視から構築、そしてクラウドへ。
経験を積み重ねれば、3年で年収+100万円以上も十分に狙える職種です。
※あわせて読みたい:インフラエンジニアとは?仕事内容・将来性を図解で解説
未経験インフラエンジニアの初年度年収は300万円台が中心
未経験からインフラエンジニアとして働き始めた場合、初年度の年収はおおむね300〜380万円台が中心です。
これは、主要な求人サイトに掲載されている「未経験可」の求人データや、実際の転職支援の現場で得た年収事例をもとにした推定値です。
ただし、同じ「未経験スタート」でも、資格の有無や担当フェーズ(監視/運用/構築補佐)によって年収に大きな差が生まれます。
資格の有無による初年度年収の目安
資格の有無によって、同じ未経験スタートでも、初年度の年収には最大で100万円近い差が生まれます。
これは、資格が「現場に早く入れるスキル証明」として評価されるためです。
特にCCNAやLPIC-1(LinuC-1)、AWS SAAは、インフラ実務に直結する基礎力として高く評価されます。
| 状況 | 想定年収 | 説明 |
| 資格未取得(完全未経験) | 250〜330万円 | 監視・ヘルプデスクなど補助業務が中心。夜勤込みで年収が上がるケースもあるが、構築経験までは距離がある。 |
| CCNA/LPIC-1/AWS SAA取得済み | 330〜380万円 | サーバー・ネットワークの運用監視にくわえ、日勤運用や構築補佐として最初から参画できることもある。夜勤手当込みで400万に届くことも。 |
このように、資格の有無で初年度から50〜100万円前後の差が生まれることも珍しくありません。
理由は、資格が「現場配属の速さ=戦力の証明」になるためです。特にCCNAやLPIC(LinuC)は、ネットワーク・サーバー構築の基礎を押さえている証拠として評価されます。
勤務地・勤務形態による違い
同じ「未経験スタート」でも、勤務地や勤務形態によって初年度の年収は20〜50万円ほど差が出ることがあります。
ただし、実際の違いは年収額よりも、「未経験者を採用している案件の多さ(需給バランス)」にあります。
首都圏は未経験可の求人が多く、地方は競争率が高い傾向にあります。
| 地域 | 初年度の年収目安 | 特徴 |
| 首都圏(東京・神奈川) | 300〜400万円 | 案件数が多く、上流に関われるチャンスも豊富。未経験からでもキャリアアップしやすい。 |
| 関西・中部・福岡など | 280〜350万円 | 案件単価はやや低めだが、生活コストが抑えられるため実質年収差は小さい。 |
ポイント:
首都圏以外では、首都圏よりも未経験可の求人は少ない傾向にあります。
ただし、近年はクラウド関連の拠点設立や、リモート勤務を前提とした案件が増えつつあるため、スキルを積めば、地方でも選択肢を広げられる環境が整い始めています。
実際、地方出身の方が首都圏で数年スキルを積んで、その後地元へUターンするキャリアプランを描く人が転職市場でも増えています。
現場での実例
初年度年収は、保有資格の有無によって最も大きく変わります。
次いで、年齢(若いほどポテンシャル採用の幅が広い) や 社会人経験・学歴 も影響しますが、実務では資格が最も重要な判断基準となります。
下記は、実際に資格を取得してから転職・就職したケースをもとにした年収推移の一例です。
■未経験の年収推移:
・25歳/販売職 → CCNA取得 → 運用監視職で年収380万円 → 3年後:構築案件に異動し450万円
・28歳/営業職 → LPIC取得 → 運用・構築補佐で350万円 → 3年後:AWS案件に転職し520万円
このように、初年度は300万円台前半からスタートしても、資格+構築経験を積めば2〜3年以内に年収を100万円以上伸ばすことも可能です。
2〜3年後にどう伸びる?構築経験で年収+100万円も可能
未経験からスタートした場合でも、2〜3年以内に構築フェーズへ進めば年収を大きく伸ばすことが可能です。
特に、監視や運用から構築へキャリアアップできるかどうかが、最初の年収上昇の分岐点になります。
構築フェーズに進むと平均450〜550万円
構築フェーズでは、サーバーやネットワークの設定作業を自ら行うため、「手を動かせる=インフラを作り出せる人材」として評価され、報酬が大きく上がります。
以下の図は、ITSSレベル(経済産業省の職務スキル指標)に基づいた、インフラエンジニアの年収モデルです。

図:インフラエンジニアのITSSレベル別モデル年収
| フェーズ | 主な業務内容 | 想定年収 |
| 運用・監視 | アラート対応、障害一次対応 | 300〜400万円 |
| 構築・設計補助 | サーバー/ネットワーク構築、設定、ドキュメント作成 | 450〜550万円 |
| クラウド・自動化 | AWS/IaC環境構築、CI/CD対応 | 550〜700万円超 |
ポイント:
構築経験が1年以上あれば、SESでは中堅レイヤーとして扱われることが多く、転職市場でも即戦力枠に近づきます。
一方、SIerや社内SEではまだ駆け出し層に分類されますが、基礎構築スキルを示せることで採用選考の通過率が上がります。
構築経験を積んだ後は、クラウドやAWS環境へのステップアップを目指す方も増えています。
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性を解説
→関連記事:AWSエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性を解説
転職を活用すれば+50〜100万円の上昇も現実的
同じ企業に在籍し続けても、勤務先や評価制度によっては年間2〜3%前後の昇給にとどまるケースもよくあり、本格的に年収を伸ばすには、構築スキルを身につけた上で転職することが最も効果的です。
とはいえ、運用監視フェーズの段階でも「資格取得+転職準備」を進めておくことで、次の構築フェーズに早く到達できるケースは非常に多くあります。
早い方では、転職を経て構築経験を積み、2〜3年で年収+100万円以上を実現しています。
| 転職前 | 転職後 | 上昇幅 | 補足 |
| 運用監視(350万円) | 構築・設計職(460万円) | +110万円 | CCNA・LPIC取得+構築経験1年 |
| 構築(420万円) | AWS構築案件(520万円) | +100万円 | SAA取得+AWSハンズオン学習 |
現職での経験を活かしつつ、次のキャリアを見据えた準備を始めることが大切です。
特に、資格+実務経験を組み合わせた「転職タイミングの見極め」がカギであり、「スキル×転職」の両軸で収入を伸ばす人が多い傾向にあります。
キャリアアップの王道ステップ
未経験からインフラエンジニアとして年収を上げていくには、「監視 → 運用 → 構築 → 設計・クラウド」 という段階的なステップアップが王道です。
それぞれのフェーズで求められるスキルや責任範囲が広がるにつれて、年収レンジも300万円台から700万円台へと大きく伸びていきます。
■キャリアアップの王道ステップ:
1. 監視・運用で基礎を固める(1年目)
→障害対応・ログ分析・Linuxコマンド操作に慣れる
2. 構築にステップアップ(2〜3年目)
→サーバー・ネットワーク設定、AWS基礎構築を経験
3. 構築経験+資格で転職(3年目前後)
→LPIC-2/CCNP/AWS SAAレベルを取得して年収+100万円を狙う
→関連記事:インフラエンジニアの年収相場まとめ
資格と転職戦略で年収を伸ばす
インフラエンジニアとして年収を上げるうえで、効率的な手段は 「資格を軸に、キャリアを設計すること」 です。
資格は知識証明の手段であると同時に、「どのフェーズまで進めるか、を企業側に示す指標」になります。
① 資格取得でキャリアの土台を固める
未経験者が最初に狙うべき資格は、次の3つです。
■未経験者におすすめ資格:
・【おすすめ】LPIC-1/LinuC-1(Linuxサーバーの基礎理解)
・【おすすめ】CCNA(ネットワークの基礎理解)
・AWS SAA(クラウド環境の設計・運用知識)
これらはどれも、実務に直結する基礎スキルを体系的に学べる資格です。1つでも取得できれば、運用から構築フェーズへの移行スピードが大きく変わります。
また、複数資格を掛け合わせることで評価が上がるケースも多いです。
たとえば「CCNA+LPIC-1」は構築案件、「LPIC-1+AWS SAA」はクラウド案件で評価される組み合わせです。
ポイント:
資格そのものも大事ですが、「資格を取る過程の前後で、どこまで手を動かしたか」も重要です。
試験勉強だけでなく、実機演習・仮想環境構築・AWS無料枠ハンズオンなどで「実践力」も身につけましょう。
→関連記事:インフラエンジニア資格ロードマップ|未経験におすすめの順番と選び方
② 転職タイミングを戦略的に使う
年収を上げたいなら、「経験1年半〜2年半程度」のタイミングでの転職が最も効果的です。
この時期は、現場経験と基礎スキルがそろい、「経験を継続して積んできた安心感」や「育成リスクの低さ」が評価されやすい段階です。
転職支援の現場では、以下のようなステップでキャリアアップを実現しているケースが多いです。
| ステップ | 主な業務 | 年収レンジ | 備考 |
| ① 運用・監視 | 監視・障害対応 | 300〜380万円 | 夜勤あり・交代制勤務が中心 |
| ② 構築 | サーバー/ネットワーク構築 | 400〜550万円 | LPIC/CCNA保有者が中心 |
| ③ 設計・クラウド | 設計・要件定義・AWS運用 | 550〜800万円 | SAA・IaCスキルで高評価 |
また、「SES → SIer → ユーザー企業」 の順で上流化を目指すのが、王道のキャリアルートです。どの段階で転職すべきかは、スキル・年齢・希望勤務地によって最適解が異なります。
ただし、1社あたり2年未満の転職を繰り返さないことが大切です。
継続的にスキルを積み上げながら、転職のタイミングを戦略的に見極めることが、年収アップの近道になることは間違いありません。
重要ポイント:
構築経験を積みながら年収を上げていくには、最初の環境選びが非常に重要です。
どんな会社で、どんな案件に関わるかで、その後のキャリアの伸び方が大きく変わります。
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30代・40代のキャリア別年収目安
年齢を重ねるほど、求められるスキルの幅が広がるため、年収もそれに比例して上がっていきます。
ただし、「年齢=自動的に高収入」ではなく、フェーズ(運用・構築・設計・クラウド)によるスキル段階が年収の軸になります。
| 年代 | 主な業務 | 年収レンジ |
| 20代前半 | 監視・運用 | 300〜400万円 |
| 20代後半〜30代前半 | 構築・設計補佐 | 400〜550万円 |
| 30代後半〜40代 | 設計・クラウド・PM | 550〜800万円 |
インフラエンジニアは実務経験と資格を積み重ねれば、30代でも十分に年収600万円台〜700万円台を目指せる職種です。
特にAWSやクラウド環境の設計スキル、マネジメント経験を兼ね備えると、ユーザー企業や自社内インフラチームでの高年収ポジションにもステップアップができるようになります。
→関連記事:クラウドエンジニアの年収は高い?【年代別・資格別・働き方別に徹底解説】
→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス徹底解説
まとめ:未経験でも3年で年収+100万円アップを狙える職種
ここまで見てきたように、インフラエンジニアは未経験からでも年収アップが明確に描ける職種です。
■この記事のまとめ:
・初年度は300〜380万円台が中心(監視・運用)
・構築フェーズへ進むと450〜550万円台に到達
・資格+転職戦略で年収+100万円以上も現実的
・クラウド設計・AWSスキルで600万円超えも可能
ポイントは「構築スキル」×「転職タイミング」×「資格」の3軸です。
資格勉強や現場経験を積みながら、自分の市場価値を定期的に見直すことで、より良い環境へのステップアップが実現できます。
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関連記事:未経験インフラエンジニアの年収・キャリアをさらに深堀り
1. 職種別の年収を比較してみよう
関連記事
→ インフラエンジニアの年収まとめ
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2. 職種を広く理解したい方へ
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