こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
LinuC(リナック)は、インフラエンジニアにとって人気資格であるものの、「どれくらい難しいのか?」、「文系や未経験でも、独学で合格できるのか?」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、LinuCのレベルごとの難易度や、他の主要IT資格(LPICなど)との難易度比較、独学で合格するまでの勉強時間の目安などを、わかりやすく説明していきます。
「LinuCを受験するか悩んでいる」、「他の資格と比較検討している」、「独学に不安がある」などといった方は、ぜひ参考にしてください。
Linux技術者認定のLinuC(リナック)とは
LinuC(Linux Professional Certification)は、Linux技術者としての知識やスキルを証明するための認定資格です。日本のIT業界で、特にインフラエンジニアに人気がある資格であり、LPI-Japanが運営している試験です。
Linuxは、サーバーやクラウドサービス、IoT機器など、さまざまな分野で使用されているOS(オペレーティングシステム)であり、インフラエンジニアやシステム管理者にとって、必須とも言えるスキルです。
ゆえに、IT初学者は、LinuCを「ITサーバー」の資格と考えてもらって問題ありません。サーバーのことがよくわからない方は「サーバーとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明」をあわせてお読みください。
LinuCは、Linuxにおける操作スキルや、サーバー構築・運用に必要な知識を体系的に学び、第三者にも証明できる資格であるため、日本市場では年々取得者が増え続けています。
LinuCの認定レベルの構成
LinuC試験は、3つのレベル(レベル1、2、3)と、最上位のシステムアーキテクトの4段階で構成されています。具体的には、以下です。

LinuC レベル1は、Linux初級者(未経験者、初学者)向けの、入門試験です。試験内容は、Linuxの基本操作や、サーバー管理の基礎を学ぶ内容です。
LinuC レベル2は、少々難易度が上がり、中級者向けの試験です。試験内容は、高度なサーバー運用やサーバー構築など、実務レベルの知識を学ぶ内容にレベルアップします。
LinuC レベル3は、上級エンジニア向けの資格であり、3つの専門分野(300:混在環境、303:セキュリティ、304:仮想化、高可用性)に分かれます。3つの専門分野のうち、1つを合格すると、LinuC-3認定となります。
LinuC システムアーキテクトは、2023年10月から追加された、LinuCの最上位資格です。Linuxのプロフェッショナル向けの資格であり、大規模システムのアーキテクチャを設計、構築できる知識が証明されます。
■関連記事:【徹底解説】LinuCレベル1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
LinuC の特徴とメリット
LinuCには、他のIT資格と比較すると、以下のような特徴があります。
■LinuCの特徴:
・日本市場に特化した試験内容
・クラウド、仮想化といったトレンドにも対応
・有効期限がない(有意性の期限はある)
・未経験からでも挑戦しやすい
LinuCのもっとも大きな特徴は、「日本市場に特化した内容」ということです。LinuC自体が、日本で作られ、運営されていることもあり、日本のIT環境を前提とした設問であり、日本企業の技術傾向にあわせた試験になっています。
ゆえに、LinuCにおいては、もっともやさしいレベル1から、仮想化やクラウド(virsh、dockerコマンドなど)のトレンドも試験範囲として出題されています。現代のITインフラに即した知識を学ぶと言えるでしょう。
また、LinuCは、認定されれば有効期限がありません(有意性の期限はあり)。ゆえに、他のCCNAやAWS認定などと異なり、期限切れで、認定された事実が無効にならないのも、人によってはメリットと言えるでしょう。
さらに、LinuC レベル1は、IT初心者や未経験からでも学習がしやすく、知識ゼロからでも挑戦しやすい資格であることもメリットでしょう。試験範囲は広いものの、正しい勉強法で合格が目指せる資格です。
LinuC 試験の受験料は?高い?
LinuC 試験の受験料は、レベル1-3における各試験は、1科目16,500円(税込)です。仮にLinuC レベル1を取得するなら、101試験と102試験の両方が必要であるため、合計33,000円(税込)の費用が必要です。
LinuC 試験の受験料は、以下となります。
試験名 | 受験料 | |
LinuC レベル1 | LinuC 101試験 | 16,500円(税込) |
LinuC 102試験 | 16,500円(税込) | |
LinuC レベル2 | LinuC 201試験 | 16,500円(税込) |
LinuC 202試験 | 16,500円(税込) | |
LinuC レベル3 | LinuC 300試験 | 16,500円(税込) |
LinuC 303試験 | 16,500円(税込) | |
LinuC 304試験 | 16,500円(税込) | |
LinuC システムアーキテクト | SA01試験 | 27,500円(税込) |
SA02試験 | 27,500円(税込) |
LinuC試験の受験料は、IT系の資格の中では、「高すぎる」とも「安すぎる」とも言えない、標準の価格帯と言えるでしょう。しかし、一個人が支払う額としては、高額であるとも感じます。
一方で、転職やキャリアアップでのアピール材料として考えると、受験料以上の価値が十分にあり、長い目で見ると、十分すぎるほどのリターンも感じられるでしょう。
LinuC の難易度は?どれくらい難しい?
LinuCは、インフラエンジニアやサーバー管理者にとって、定番のLinux資格ですが、「実際に、どのくらい難しいのか?」は、多くの人が気になる所でしょう。
特に、IT未経験者や文系出身者にとっては、「Linuxは難しそう」、「独学で本当に合格できるの?」といった不安があるかも知れません。
ここではLinuCの難易度について、認定レベルごとに解説をしていきます。
LinuC レベル1の難易度は、初級
LinuC試験の中でも、もっともやさしいLinuC レベル1の難易度は、初級です。取得に必要な勉強時間は、大きく個人差がありますが、IT知識ゼロからの学習の場合は、130~180時間程度とも言われています。
またLinuC-1は、未経験者や初学者がよく取る資格であるため、IT知識ゼロの未経験者や、文系出身者でも問題なく合格可能です。難しい数学などの知識は不要であり、2進数だけ覚えれば問題ありません。
むしろ、数学の知識があるよりも、英語が得意な人は、学習がスムーズと言えるでしょう。ただし、英語にアレルギーがなければ、学習において問題ありません。LinuC-1は、独学で取得する人も多いです。
また、LinuC-1は、「101試験」と「102試験」の2つの試験に合格することで、認定されます。「101試験」と「102試験」は、別日に受験ができるので、片方ずつに集中して学習できるため、学習しやすいです。
LinuC 101試験の概要と難易度
LinuC 101試験は、LinuC-1を構成する2つの試験(101試験、102試験)の前半部分であり、Linuxの基本操作を中心に問われる内容です。101試験の概要を簡単にまとめると、以下です。
LinuC 101分野 | 試験の概要 |
Linuxのインストールなど | Linuxの起動プロセス、systemd、プロセスなど |
ファイル・ディレクトリの操作・管理 | パーミッション、シンボリックリンクなど |
GNUとUnixのコマンド | ファイル操作、検索、リダイレクト、テキスト処理など |
リポジトリとパッケージ管理 | RPM、dpkg、APTなどのパッケージ操作など |
ハードウェア、ディスクなど | パーティション、マウント、ファイルシステム操作など |
LinuC101試験範囲の詳細を確認されたい方は、LinuC 公式サイトの101試験範囲を、あわせて確認してください。
また、LinuC101試験の合格ラインは、おおよそ65%以上の正答率が目安とされています。全問正解を目指す必要はありませんが、少なくとも2/3は正答する必要があり、基本的なコマンドや概念の理解は必須です。
LinuC101試験は、知識ゼロの未経験からでも十分合格が可能ですが、未経験者にとって大変なポイントは「暗記量が多い」こと、また「聞きなれない用語が多いため、戸惑うケースが多い」ことでしょう。
特に101試験は、学習初期に「思ったよりも難しい」と考える人が多いです。一方で、学習が進んでいくと「学習していくうちに慣れた」、「勉強すれば、点数は取れる」と感じる人も多い傾向です。
未経験からのLinuC101試験の勉強時間は、とても個人差がありますが、60~100時間あれば合格できる傾向があるでしょう。
■関連記事:LinuC 101を未経験独学2週間、50時間で合格する方法を考えてみた
LinuC 102試験の概要と難易度
LinuC 102試験は、LinuC-1の後半部分であり、やや実務寄りの内容が中心に問われます。102試験の概要を簡単にまとめると、以下です。
LinuC 102分野 | 試験の概要 |
シェルスクリプト | bashの基礎、シェル変数、スクリプト作成など |
ネットワークの基礎 | ネットワークの概念、IPアドレス、DNSなど |
重要なシステムサービス | 時刻の管理、ログ、メール(MTA)など |
セキュリティ | ホスト、暗号化、クラウドセキュリティなど |
オープンソースの文化 | オープンソースの概念、GPL、フォークなど |
LinuC102試験範囲の詳細を確認されたい方は、LinuC 公式サイトの102試験範囲を、あわせて確認してください。
また、LinuC102試験の合格ラインは、101試験と同様、おおよそ65%以上の正答率が目安とされています。102試験も全問正解を目指す必要はありませんが、少なくとも2/3は正答する必要があります。
102試験も、101試験と同様に暗記量は多く、さらに暗記だけではなく理解も必要となります。「なぜそうなるのか?」や「どういう特徴があるのか?」を理解していく必要があります。
特に未経験者が難しさを感じやすいのは、「ネットワーク」でしょう。また「シェルスクリプト」も難しいと捉える人もいます。
しかし、問題の傾向としては素直な内容が多いため、102試験の難易度は、101試験と同様もしくは、101試験よりもやさしい、と感じる人が多いと思います。個人的にも、102試験の方が楽でした。
未経験からのLinuC102試験の勉強時間も、個人差はありますが、50~80時間あれば合格できる傾向があるでしょう。
■関連記事:LinuC 102を未経験独学2週間、50時間で合格する方法を考えてみた
LinuC レベル2の難易度は、中級
LinuC レベル1の難易度が初級であることに対し、LinuC レベル2の難易度は中級と言えます。勉強期間は経験によって変わるため、個人差がありますが、一般的には3-6か月が目安となります。
LinuC-1は、単体のLinuxサーバーの操作ができる知識が求められますが、LinuC-2からは、Linuxサーバーの構築、運用、トラブルシューティングができる知識にステップアップし、難易度が上がります。
LinuC-2も、LinuC-1と同様、2つの試験(201試験、202試験)の両方合格して、LinuC-2認定とされますが、特に構築関連を学ぶ、202試験の難易度が高いことで有名です。
LinuC レベル3の難易度は、上級
LinuC レベル3は、レベル1やレベル2と異なり、特定分野に特化した、プロフェッショナル向けの上位資格であり、「300試験」、「303試験」、「304試験」のいずれかを取得することで、LinuC レベル3認定となります。
LinuC-3は、システムアーキテクト試験を除いた、3つの認定レベルの中では最上位であり、難易度としては上級の位置づけです。
勉強期間は、経験によって変わるため、個人差がありますが、一般的には半年から1年が目安となります。特定分野における、Linuxのプロフェッショナルを目指す人が取得を目指す資格です。
インフラエンジニアなら、LinuC-2までは取得するのがおすすめ
LinuC試験は、決して簡単な資格ではありません。レベル1でも相応の勉強時間が必要ですが、レベル2まで取得するとなると、さらなる学習時間の確保が必要と言えます。
一方で、LinuC-1試験では、Linuxの基本操作(コマンドやユーザー管理など)が中心です。LinuC-1を取得することで、Linuxの操作知識があることは証明できますが、構築レベルには不十分と見られることもあります。
インフラエンジニアであれば、サーバー構築レベルの知識を問われる、LinuC-2までは取得することがおすすめです。LinuC-2から、取得者が減るのも事実であり、レベル2を取得することで、効果的なアピール材料になります。
インフラエンジニアとしてのステップアップを目指すなら、LinuC-2まで取得して、その後は自分の目指すキャリアに沿った資格(AWSやGCPなど)を検討することがおすすめです。
LinuCと、他のIT資格の難易度を比較すると?
エンジニアを目指す、エンジニアとしてキャリアアップを目指す中で、「どの資格を取得すべきか?」に悩む人は多いでしょう。そのために、LinuCの難易度を、他のIT資格と比較したい人も多いと思います。
LinuCは、インフラエンジニアにとっての人気資格ではありますが、他のIT資格と比べると、難易度はどうなのでしょうか?
ここでは、LinuCのレベル別に、他の主要IT資格と比較していきます。比較の基準は、計算産業省管轄のIPA(情報処理推進機構)が提示する、ITSS (ITスキル標準)レベルで、比較をしていきます。



LinuC レベル1と、同じレベルの難易度資格は?
LinuC レベル1の難易度は、IPA(情報処理推進機構)における難易度として、「ITSSレベル1(初級)」です。その他のITSSレベル1の主要資格は、LPIC-1やITパスポート、AWS CLF(クラウドプラクティショナー)があります。
ITSS レベル1の資格 | 主な内容 | 対象者 |
LinuC レベル1 | Linuxの操作スキル | インフラ志望者 |
LPIC level1 | Linuxの操作スキル | インフラ志望者 |
ITパスポート | IT全般の基礎知識 | IT職全般の新卒、初学者 |
AWS CLF | クラウドの基礎知識 | クラウド初学者 |
上記の「LinuC-1」、「LPIC-1」、「ITパスポート」、「AWS CLF(クラウドプラクティショナー)」の4資格は、同じ「ITSSレベル1」であり、多少の難易度の差はありますが「それ程難易度は変わらない」と考えても問題ありません。
ただし、細かく個人的な所感をお伝えすると、上記4資格の中では、LinuC-1が一番難しい印象があります。
LinuC レベル2と、同じレベルの難易度資格は?
LinuC レベル2の難易度は、前述と同様にITSSレベルで比較すると、「ITSSレベル2」です。
その他のITSSレベル2の主要資格は、LPIC-2やCCNA、基本情報技術者試験、AWS SAA(ソリューションアーキテクト-アソシエイト)があります。
ITSS レベル2の資格 | 主な内容 | 対象者 |
LinuC レベル2 | Linuxの構築運用の知識 | インフラ経験者 |
LPIC level2 | Linuxの構築運用の知識 | インフラ経験者 |
CCNA | ネットワーク技術の基礎 | ネットワーク志望者 |
基本情報技術者試験 | IT全般の基礎知識 | IT職全般の新卒、初学者 |
AWS SAA | クラウドの設計運用の知識 | クラウド初学者 |
上記の「LinuC-2」、「LPIC-2」、「CCNA」、「基本情報技術者試験」、「AWS SAA」は、すべてITSSレベル2の資格であり、こちらも多少の差はあれど、難易度は近しい資格と考えるとよいでしょう。
ITSSレベル2の資格までは、未経験独学でも取得する人が多いです。一方で、未経験独学で取得する人が多いといっても、決して簡単な資格ではありません。がっつり時間を確保して、勉強に集中する必要があります。
LinuC レベル3と、同じレベルの難易度資格は?
LinuC レベル3の難易度は、前述と同様にITSSレベルで比較すると、「ITSSレベル3」です。
その他のITSSレベル3の主要資格は、LPIC-3やCCNP、応用情報技術者試験などがあります。
ITSS レベル3の資格 | 主な内容 | 対象者 |
LinuC レベル3 | Linuxの専門分野の知識 | インフラ経験者 |
LPIC level3 | Linuxの専門分野の知識 | インフラ経験者 |
CCNP | ネットワークの設計構築の知識 | ネットワーク経験者 |
応用情報技術者試験 | IT全般の応用知識 | ITエンジニア全般の経験者 |
ITSSレベル3の資格は、未経験独学で取得する人はかなり少ないです。基本的には、実務で経験を積んで、さらなるステップアップのために取得を目指す資格と言えます。
難易度の目安を言語化するのであれば、ITSSレベル3の資格は、実務経験2-3年以上のエンジニアが取得する資格といってもよいでしょう。
LinuC-3を含めたITSSレベル3以上の資格は、実務経験を一定積んだ中で、自分が目指すキャリアにあわせて、資格を検討するとよいでしょう。
■関連記事:【取得順番はこれ!】インフラエンジニアのおすすめ資格を取得順で解説
LinuC 試験に過去問はある?
LinuC 試験は、公式が提供する過去問は存在しません。ゆえに、一度受験してみないと、試験の難易度や、傾向が肌感覚でなかなかわかりません。
一方で、LinuC 試験に過去問は存在しないものの、LinuC運営元のLPIC-Japanが認定する、LinuC試験用の問題集は存在します。また、LPIC-Japan公式サイトにも、LinuC試験対策用の問題が掲載されています。
LinuCは、過去問は利用できませんが、LinuC試験に非常に近い内容の問題集で、十分にカバーできます。
過去問の代わりにおすすめの問題集:スピードマスター問題集
Amazon:Linux教科書 LinuC レベル1 スピードマスター問題集 Version10.0対応
個人的に、もっともLinuC試験の過去問に近いのは、「スピードマスター問題集」です。試験後に、さまざまな問題集を見比べてみた所、もっとも本試験に近いのは、スピードマスター問題集と感じました。
特に、「重要度★★★の問題」と、模擬試験問題は、LinuC 試験問題の内容・雰囲気ともに、とても近く、本試験のレベル感を確かめるのに、もっともおすすめの問題集です。
LinuC試験の過去問の代わりに使うなら、一番おすすめの問題集は、「スピードマスター問題集」です。
価格 | 単行本:2,750円(税込) Kindle版:2,475円(税込) |
ページ数 | 544ページ |
出版社 | 翔泳社 |
発売日 | 2020年9月7日 |
過去問の代わりにおすすめの問題集:LinuC 公式サイト 例題解説



前述の「スピードマスター問題集」ほどは、本試験に近いとは感じませんでしたが、LinuC 公式サイトの例題解説も、過去問代わりに利用ができます。
公式サイトの例題解説は、問題数がそれほど多くなく、LinuC-1の試験範囲の場合は、約200問です。しかし、無料で利用できるため、手軽に問題を確認したい、学びたい場合には、強い存在でしょう。
難易度を克服、LinuC の効果的な勉強方法は?
LinuCは簡単な試験ではありません、もっともやさしいLinuC レベル1でも、未経験者にとっては高難易度と言えます。また、難易度を克服するには、正しい学習方法を選ぶことも重要です。
ここでは、未経験者でも合格を目指せる、LinuCの効果的な勉強方法を説明します。
■LinuC 試験の効果的な勉強方法:
・ステップ1:試験範囲をざっくり把握する
・ステップ2:基礎知識をインプットする
・ステップ3:仮想環境で手を動かす
・ステップ4:問題演習をひたすら繰り返す
・ステップ5:弱点補強、スピードマスター問題集で仕上げ
まずステップ1として、LinuCの試験範囲を把握することです。いきなり暗記を進めるよりも、試験の全体像を把握しながら、「どんな知識が問われるのか?」を把握する方が効率的です。
試験範囲を把握するなら、もっともおすすめは、LinuCの公式サイトですが、LinuC参考書の目次や章立てを確認することでも問題ありません。
次に、ステップ2として、Linuxの教科書(あずき本)やLinuC イージスなどを使い、Linuxの基本操作や、コマンドの意味などを理解していきましょう。この段階では、全てを理解しなくてよいので、どんどん先に進めましょう。
次に、ステップ3として、仮想環境で手を動かすこともおすすめです。VirtualBoxやVMwareで、Ubuntuなどをインストールし、実際にコマンドを打って、動作を確認していきながら、慣れていきます。
例として、「mkdir」や「chmod」など、意味だけを覚えるのではなく、コマンドを打ちながら、体感で覚えていくとスムーズです。
次に、ステップ4として、問題演習をひたすら繰り返していきます。問題演習では、もっともおすすめはPing-tです。「問題を解き」→「間違えて覚える」→「復習する」の繰り返し(問題集を周回する)が重要です。
最後に、ステップ5として、苦手分野を重点的に復習しながら、スピードマスター問題集を使って、本番形式の問題にも慣れていきましょう。スピードマスター問題集の正答率が8割ほどあれば、十分すぎるほど合格圏でしょう。
■関連記事:【徹底解説】LinuCレベル1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
LinuC の難易度についての、よくある質問
ここでは、LinuCの難易度に関する、よくある質問を説明・解説していきます。
LinuCの資格取得に、実務経験はどれくらい影響しますか?
LinuCの資格取得において、実務経験は「あるに越したことはないが、必須ではない」というのが実状でしょう。あれば有利ですが、経験がなくとも、問題ありません。
例として、LinuC-1については、実務経験があると、Linuxの操作や用語に抵抗がないため、内容の理解が早く、学習効率は上がりやすいでしょう。しかし、未経験でも合格できますし、合格者も多数います。
LinuC と LPICは、どっちの方が難易度が高い?
LinuCとLPICは、難易度に大きな差はありません。試験内容(出題範囲)も、8-9割(9割近く)は重複しているため、それほど難易度に差があると考えなくてよいでしょう。
また、たまに「LPICは英語を日本語に直訳しているので、問題がわかりにくい」と言われることもありますが、個人的には、LPIC試験の問題に、違和感は感じませんでした。
ただし、101試験だけで考えるのであれば、LPICよりもLinuCの方が難しい印象があります。LinuC 101試験は、仮想化・コンテナ(virshコマンド、dockerコマンドなど)や公開鍵認証など、LPIC 101より覚える範囲が多い印象です。
LinuC と LPICは、どっちも取得した方がよいのか?
結論としては、どちらか一つで十分です。LinuCもLPICも、同じLinux技術者認定資格であり、試験範囲もほぼ同じですので、1つの資格で、スキルの証明としては十分です。
また、LinuCとLPICの両方を取得しても、キャリア的には、あまり大きなメリットはないでしょう。
LinuC 試験の受験日はいつですか?
基本的には、いつでも受験できます。テストセンターの予約が取れれば、2-3日後でも受験が可能です。
また、試験日を予約した後も、学習状況に不安があれば、試験日をリスケジュールできます。試験日のリスケジュールは無料です。
さいごに
LinuC試験の難易度について、最初は「難しそう」と感じるかも知れません。しかし出題内容は実務的であり、地道に学習すれば、未経験でも十分に合格が目指せるレベルになっています。
また、Linuxの基礎を身につけておくことは、インフラエンジニアとしてだけでなく、クラウドやセキュリティ、自動化など、今後のキャリアにおいても大きな武器となります。
LinuCの資格に興味があれば、まずは焦らず、一歩ずつ勉強を進めて、継続をしてみましょう。そうすると「難しそうだから、やめる」ではなく「やってみたら、できた」になり、自分のキャリアを後押ししてくれる資格になるでしょう。
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