こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワークエンジニアになるには、どんな資格を取ればいいの?」
「CCNAやLPICなど聞いたことはあるけど、順番や難易度が分からない、、」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、資格はキャリアを切り拓くための強力な武器です。ただし「どの資格を、どのタイミングで取るか」を誤ると、時間や労力をムダにしてしまうこともあります。
この記事では、未経験者が最初に取るべき基礎資格から、年収アップ・キャリアアップに直結する中級資格、さらにクラウドやセキュリティに強いエンジニアへ成長できる上級資格までをロードマップ形式で整理しました。
さらに、資格取得後に広がるキャリアや市場価値、複数資格の組み合わせによる戦略的なキャリア設計についても解説します。
■この記事でわかること:
・ネットワークエンジニアに資格は必要か?
・未経験から最初に取るべき資格と、効率的な学習の順番
・年収アップ・キャリアアップに直結する中級資格の選び方
・AWSやセキュリティ資格を組み合わせたキャリアの広がり方
・資格取得後に変わる年収・働き方・キャリアの実態
・転職市場で特に評価されやすい資格と、その活かし方
これを読むことで、「どの資格が自分のキャリアに最も効果的なのか」が分かり、効率よく次のステップへ進めるはずです。
特に「転職市場で評価されやすい資格」を知りたい方は、記事後半で詳しく解説します。
あわせて 無料キャリア相談 を活用すれば、あなたに最適なキャリアプランも見つけやすくなります。
なお「ネットワークエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。資格だけでなく、仕事内容・年収・将来性をまとめています。
→ ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ
ネットワークエンジニアに資格は本当に必要?
「資格は不要」、「実務さえあれば十分」と言われることもあります。実際、資格がなくても業務をこなしているネットワークエンジニアは大勢います。
ただし結論としては、資格はキャリアを加速させる武器になるのは間違いありません。とくに転職市場や社内評価の場面では、資格を持っているかどうかが大きな差になります。
結論:資格はキャリアの武器になる
資格がなくても働くことは可能です。
しかし、資格を持っていることで「採用担当に知識を証明できる」、「配属や昇給のチャンスを広げられる」といった具体的なメリットが得られます。
■資格の活用パターン:
・未経験者にとっては「基礎知識の証明」になる(CCNA・LPIC-1など)
・経験者にとっては「専門性の強化」、「市場価値アップ」に直結(CCNP・ネスペなど)
・資格を持っていることで、書類通過率が上がる/プロジェクト配属の幅が広がる/昇給のチャンスが増える というメリットがある
資格そのものはゴールではなく、キャリアを広げるための「切符」として活用するのがポイントです。
実務経験と資格の理想的なバランス
ネットワークエンジニアのキャリアでは、資格だけでは不十分ですが、実務だけだと場合によっては不十分になることもあります。両方をどう組み合わせるかが重要です。
大手SIerのように、案件の幅が広くキャリアアップの仕組みが整っている企業では、資格がなくても自然とスキルを積み上げていけるケースがあります。
特に新卒で大手SIに入社した人は、豊富な案件を経験するなかで成長していけるため、資格が「基本情報止まり」や「基本情報+応用情報」で止まっていても、キャリアを築いている例が少なくありません。
大手SIで新卒からキャリアを積み、転職や社外でのキャリアアップを考えないのであれば、資格がなくても十分に通用します。
一方で、転職やキャリアアップを目指す場合は、実務経験だけでは応募先に知識レベルを伝えるのが難しいことがあります。そこで資格が強い武器になります。
CCNAやCCNP、LPIC/LinuCなどは客観的に知識を証明できるため、採用担当者に「即戦力として育てやすい人材」と印象づけやすくなります。
■経験と資格の役割:
・実務経験=現場力の証明
・資格=基礎力と学習意欲の証明
未経験者は「資格で入口を開き、実務で力をつける」、経験者は「実務を土台に資格で専門性を補強する」 というバランスが効果的です。
キャリアプランによって資格の必要性は変わる
資格はキャリアの武器になりますが、その必要性はあなたのキャリアプランによって大きく変わります。
■新卒で大手SIerに入社する場合:
→OJTや教育制度が整っており、基本情報や応用情報といった国家資格だけでも評価されるケースあり。1社で腰を据えてキャリアを築くなら、国家資格でもベンダー資格でもOK。
■転職でキャリアアップを狙う場合:
→CCNAやCCNPといったベンダー資格が即戦力評価されやすく、転職成功率を大きく左右する。特に未経験者にとっては特に強力な武器。
国家資格とベンダー資格の違い
国家資格は IT全般の基礎を幅広く証明できるものの、特定分野への特化性が低いため、転職市場での評価は企業によってばらつきがあります。
一方でベンダー資格は、特定メーカーの機器(例:Cisco)に関する知識を証明できるだけでなく、ネットワーク分野に特化した体系的な知識の証明にもなります。
このため「即戦力の証」として評価されやすいのが大きな強みです。
ネットワーク特化型の最終到達点
ネットワークエンジニアとして専門性を高めていくなら、最終的に目指すべき資格として ネットワークスペシャリスト試験(ネスペ) が挙げられます。
ネスペは高度情報処理技術者試験の中でも特に評価が高く、難易度・専門性ともに別格の存在です。
取得できれば、社内外での評価が大きく変わり、結果的に年収アップや上流工程への参画につながりやすくなります。

一方で、Ciscoが提供する最上位資格 CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert) は、世界的に見ても最高峰のネットワーク資格とされています。
CCIEを取得すれば、グローバルに通用する圧倒的な専門性を証明できますが、試験内容の難易度・学習コスト・実機環境の確保など、ハードルが非常に高く、挑戦できる人は限られます。
そのため、現実的に「到達可能な上位資格」としては ネスペが最終ゴール になるケースが一般的です。
ネスペは国家試験としての信頼性があり、かつネットワークに特化した実力を証明できるため、大手SIerや上流案件を志すネットワークエンジニアにとって強力な武器となります。
資格が特に評価される場面(転職/昇給/プロジェクト異動)
資格は「持っていれば常に評価される」というものではありません。しかし、以下のような場面では特に効果を発揮します。
転職活動
未経験者にとっては、CCNAなどの基礎資格があることで書類通過率や内定率が大きく向上します。資格なしと比べると明らかに有利で、面接やオファーのチャンスを得やすくなります。
経験者にとっても、CCNPやネットワークスペシャリストを取得していれば「上流工程に挑戦できる人材」や「チームリードを任せたい人材」と見なされ、より条件の良い求人に応募しやすくなります。
昇給・資格手当
多くのIT企業では、資格手当(毎月5,000円〜30,000円程度)が支給される制度を設けています。
資格を取得しているだけで毎月の給与に反映されるため、年間で数万円〜数十万円の差となり、長期的に見ると大きなメリットです。
また、シスコ技術者認定(CCNA/CCNPなど)といった実務直結のベンダー資格は、企業規模を問わず評価されやすいため、資格手当や昇給の判断材料として効果的です。
ただし、企業によっては資格手当がなく「一時金のみ支給」や「受験料のみ負担」といったケースもあるため、事前に制度を確認しておくことが大切です。
プロジェクト異動・配属
資格は、プロジェクトの異動や新規配属の判断材料として、企業によって差はあるものの、強く機能するケースが多いです。
特に若手エンジニアや経験が浅い段階では、実績だけではスキルを証明しにくいため、資格が「次のステップに進むための切符」として大きな効果を発揮します。
たとえば、CCNPを取得していればネットワーク構築や設計案件に参画しやすくなる、情報処理安全確保支援士を取得していればセキュリティ関連のプロジェクトにアサインされやすくなるといった具体例があります。
このように、資格がある場合とない場合とでは、任される業務のレベルに大きな差が生まれることは少なくありません。
資格は単なる知識の証明にとどまらず、キャリアを広げるための実務機会を手に入れる武器として活用ができます。
【キャリア別】ネットワークエンジニアにおすすめの資格ロードマップ
ネットワークエンジニアの資格には、初心者向けの基礎資格から、キャリアアップを狙う中級資格、さらに市場価値を高める上級資格まで幅広く存在します。
資格ごとの立ち位置を理解することで、「自分はどこから始めるべきか?」「次にどの資格を目指すべきか?」が明確になります。
ネットワークエンジニア資格ロードマップ図



この後、以下の3つのステップに分けて詳しく解説していきます。
■このセクションでわかること:
・【未経験者向け】まずはここから!基礎を固める王道ロードマップ
・【年収アップ/キャリアアップ向け】ステップアップを狙うロードマップ
・【未来のキャリアを作る】市場価値を高める資格の組み合わせとキャリアパス
まずは「未経験者が最初に目指すべき資格」から順番に見ていきましょう。
【未経験者向け】まずはここから!基礎を固める王道ロードマップ
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、最初に悩むのが「どの資格から取ればいいのか?」という点です。
闇雲に勉強を始めても効率が悪く、転職活動で評価されにくい資格に時間をかけてしまうこともあります。
ここでは、初心者がキャリアの第一歩として取り組むべき資格を、難易度・勉強時間・キャリアにおける役割とあわせて整理しました。
ITパスポート【概要を押さえるだけで可】



IT業界全般の基礎知識を学べる国家資格です。セキュリティやネットワーク、経営知識まで幅広く出題されます。
■ITパスポート【概要を押さえるだけで可】
・難易度:★☆☆☆☆
・勉強時間目安:80〜130時間
・受験料:7,500円(税込)
・キャリアにおける役割:
→ネットワークエンジニアの転職市場で直接評価されることはほぼありません。
→ただし、「IT業界の全体像を知りたい超初心者」にとっては学習効果が見込めます。
転職市場で直接評価はされにくいため、資格まで取得する必要はありません(概要を眺めるだけで可)。また、ITパスポートはスキップしても問題ありません。
→関連記事:ITパスポートは転職に有利?未経験からIT業界を目指す人の成功法則
基本情報技術者試験【ITの基礎を体系的に学びたいなら】



経済産業省のIPAが実施する国家資格です。プログラミング、アルゴリズム、ネットワークなど幅広いIT知識を体系的に問われます。
■基本情報技術者試験【ITの基礎を体系的に学びたいなら】
・難易度:★★★☆☆
・勉強時間目安:200〜300時間
・受験料:7,500円(税込)
・キャリアにおける役割:
→ネットワーク特化ではないため、直接的に評価されることは少ない。
→しかし、大手SIerでは「基礎力の証明」として扱われやすく、推奨されることも多い。
ネットワーク一本で行きたい方には必須ではありませんが、「IT全般の理解を広げたい」という人には一つの選択肢です。
CCST【学習ステップに最適】



Ciscoが提供する新しい入門資格。CCNAの前に、ネットワーク基礎の資格を取りたい人に最適。
■CCST【学習ステップに最適】
・難易度:★☆☆☆☆
・勉強時間目安:50〜80時間
・受験料:17,600円(税込)
・キャリアにおける役割:
→CCNAの前段階として設計されているため、ネットワーク基礎を易しく学ぶのに最適。
→認知度はまだ低いが、今後評価が高まることが期待される資格。
CCSTはネットワーク基礎を学ぶ資格であるため、「ITパスポートより実務に近い勉強がしたい」という方におすすめ。スキップして、そのままCCNAを取得してもOK。
CCNA【特におすすめ】



CCNA(Cisco Certified Network Associate)
Ciscoが提供するネットワークエンジニアの登竜門資格。ルーティング、スイッチング、セキュリティなど基礎を体系的に学べます。
■CCNA【特におすすめ】
・難易度:★★★☆☆
・勉強時間目安:200〜300時間
・受験料:46,860円(税込)
・キャリアにおける役割:
→転職市場で最も評価される資格であり、未経験から構築・運用案件に挑戦できる切符。
→企業の求人票でも「CCNA保持者歓迎」と記載されることが多く、資格なしの人との差が明確に出る資格。
本気でネットワークエンジニアを目指すなら、まずは「CCNA」を目標にしましょう。
→関連記事:CCNAとは?資格の内容・難易度・勉強法・転職メリットを徹底解説
LPIC-1/LinuC-1【おすすめ】



Linux技術者認定資格の初級レベル。Linuxサーバーの操作や設定を体系的に学べます。
■LPIC-1/LinuC-1【おすすめ】
・難易度:★★☆☆☆
・勉強時間目安:130〜180時間
・受験料:33,000円(税込)
・キャリアにおける役割:
→サーバー知識を持つことで、ネットワークだけでなくインフラ全体を理解できるようになる。
→クラウドにおいてもLinuxは基盤技術として使われており、ネットワーク×サーバーの掛け算で市場価値を高められる。
LinuC-1は、LPIC-1と同じくLinuxの基礎知識を証明する資格であり、日本の市場に特化している点がLPIC-1との大きな違いです。
CCNAとあわせ持つことで、「インフラ全般に強いエンジニア」を目指せます。
インフラ全般に強いインフラエンジニアの全体像を知りたい方は、「インフラエンジニアとは?未経験からわかる仕事内容・年収・キャリアパス」記事が参考になります。
→関連記事:LPIC-1とは?試験範囲・難易度・勉強法を徹底解説【初心者・未経験者必見】
→関連記事:LPICとLinuCはどっちがいい?選び方を徹底比較
【未経験者向け】まとめ
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、資格選びに正解は一つではありません。大切なのは、自分のゴールに合わせて最初の一歩を決めることです。
■おすすめの選び方:
・ネットワークエンジニアになりたい、転職を急ぎたい人 → CCNA
・ネットワーク・サーバーなど、インフラ全般に強くなりたい人 → CCNA/LPIC-1
・CCNAが難しくて、易しい資格を取りたい人 → CCST
・IT業界の基礎を幅広く学びたい人、新卒 → ITパスポート/基本情報技術者
■年齢別のおすすめポイント:
・20代前半(新卒含む):
ITパスポートや基本情報から始めてもOK。広く基礎を固められます。
・20代後半以降:
効率を重視すべき年齢です。転職市場で直接評価される資格(CCNAやLPIC-1)から取り組む方が、キャリアに直結。
未経験者が資格を取得する目的は「合格そのもの」ではなく、次のキャリアにつながる切符を手に入れることです。
最初の資格選びでつまずかないよう、目的と状況に合わせて1つずつ着実に進めていきましょう。
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【年収アップ/キャリアアップ向け】ステップアップを狙うロードマップ
近年、ITインフラは大きな変化を迎えています。
オンプレミスとクラウドの境界線は曖昧になり、多くの企業がクラウドシフトを進めているため、ネットワークエンジニアにも Linuxを中心としたサーバーOSやクラウドの知識が求められるようにもなってきました。
つまり、ネットワークの専門性は依然として重要でありつつ、+αのスキルがキャリアの広がりを後押しする時代になりつつあります。
ここからは、「年収アップ」、「キャリアアップ」を実現するために必要な全体ステップを整理して解説します。
■全体ステップの流れ:
1. 中級資格の取得で基盤を固める
2. Linuxやクラウドスキルを身につけて希少価値を高める
3. マネジメント or スペシャリスト路線を選び、方向性を定める
4. 転職市場で市場価値を確認し、待遇改善やキャリア相談につなげる
この全体ステップの流れを意識することで、ネットワークエンジニアとしての土台を強化しながら、「ネットワークに特化して専門性を極める道」と「インフラ全般に強い人材へ成長する道」の両方を選ぶことができます。
CCNP【特におすすめ】



ネットワーク分野に特化してキャリアを伸ばしたい人は、CCNPが最適です。
■CCNP Enterpriseの特徴:
・難易度:★★★★☆
・受験料:
→350-401 ENCOR(コア試験):62,480円(税込)
→300-410 ENARSI(コンセントレーション試験):46,860円(税込)
・大規模ネットワークの設計・構築を担えるスキルを証明できる
・若手エンジニアのキャリアアップに直結し、転職市場では年収500〜600万円台を狙いやすい
・将来的にネットワークアーキテクトやPMを目指す際の土台にもなる
LPIC-2/LinuC-2【おすすめ】



LPIC-2/LiuC-2は、Linuxサーバーの構築・運用スキルを証明できる資格です。ネットワーク×サーバーに強みを持ちたい人や、将来クラウド分野に進みたい人に最適です。
■LPIC-2/LinuC-2の特徴:
・難易度:★★★☆☆
・受験料:
→LPIC-2:39,600円(税込)
→LinuC-2:33,000円(税込)
・AWSなどクラウド資格との相性が良く、「クラウドインフラ全般に強い人材」への第一歩
・CCNPと組み合わせれば、ネットワーク+サーバーの両方を理解する人材として評価が高まる
・転職市場ではクラウド案件にアサインされやすく、年収500万円以上のキャリアパスも描きやすい
→関連記事:LPICとは?資格の種類・難易度・勉強法・申し込みまで徹底解説
応用情報技術者試験【会社によっては評価されやすい】



応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての総合力を高める資格です。
■応用情報技術者試験の特徴:
・難易度:★★★★☆
・受験料:7,500円(税込)
・国家資格としての信頼性が高く、大手老舗SIerや官公庁案件では「登竜門資格」のことも。
・ベンダー資格と比べると、直接の技術評価にはつながりにくい。
・一方で、論理的思考力やマネジメント素養を証明できる
応用情報技術者試験はインフラ分野を中心に学ぶ訳ではないため、ネットワークエンジニアとしての評価はばらつきがあります。そのため、勤務する会社によっては応用情報技術者試験も一つの選択肢です。
これらの資格取得は、単なる勉強ではなく 「キャリアの可能性を広げる投資」 です。資格手当や昇給に直結するケースも少なくありません。
→関連記事:ネットワークエンジニアの年収事情まとめ
【未来のキャリアを作る】市場価値を高める資格の組み合わせとキャリアパス
資格を単体で取得することももちろん意味がありますが、複数の資格を組み合わせることでキャリアの幅と市場価値は大きく広がります。
ここでは、代表的なキャリアパターンと「効果的な資格の組み合わせ」を紹介します。
要件定義・設計に強いアーキテクトになるには
ネットワークをベースにキャリアを積み上げ、設計や要件定義に携われるようになると、上流工程をリードできる人材として高く評価されます。
また年収レンジも一段上がり、将来のキャリアの選択肢が広がります。
■おすすめの組み合わせ:CCNP+ネットワークスペシャリスト試験
・ネットワーク設計や要件定義に関わる上級エンジニアを目指せる
・ネスペは難関だが、大手SIer・官公庁案件などでの評価が高い
・CCNPのスキルにネスペを加えることで「現場力+理論力」を兼ね備えた人材に
CCNP→ネットワークスペシャリストは、ネットワーク特化型のキャリアアップを志向する人に最適です。
クラウドに強いネットワークエンジニアになるには
オンプレとクラウドが共存する時代、クラウド移行やハイブリッド環境を理解できるエンジニアは、設計段階から参画できる即戦力として強いニーズがあります。
■おすすめの組み合わせ:CCNA+LPIC/LinuC+AWS認定ソリューションアーキテクト
・ネットワーク・サーバー・クラウドを横断的に理解できる
・クラウド移行案件やハイブリッド構成に強い
・「NW+Linux+クラウド」のスキルセットで、転職市場における希少価値が非常に高い
特に、オンプレの経験を積んだ上でAWS SAAを取得すれば、「オンプレ+クラウドの橋渡し人材」としてキャリアの選択肢が大きく広がります。
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・向いている人を解説
セキュリティに強いインフラエンジニアになるには
システムの高度化・クラウドシフトに伴い、セキュリティ人材の需要は急増しています。
単なるサーバーやネットワークの知識だけでなく、セキュリティまで踏み込めるエンジニアは、高単価の案件や専門職(SOC/CSIRTなど)に進める道が開けます。
■組み合わせ例:
・実務で強みを持つなら → CCNP+LPIC-2+安全確保支援士
→実務寄りで「手を動かせるセキュリティ人材」を目指す人に最適
・専門性を尖らせたいなら → ネットワークスペシャリスト+安全確保支援士
→特に大規模ネットワークのセキュリティ設計・要件定義に関わる道が開ける
・クラウド時代を重視するなら → CCNP/LPIC-2+AWS+安全確保支援士
→クラウド資格をあわせ持つことで、クラウド移行やゼロトラスト案件に強い
いずれも高難度ですが、取得できれば年収レンジも一段高くなり、希少価値のあるセキュリティ人材へと成長できます。
→関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス徹底解説|資格・年収・将来性まで
→関連記事:ネットワークエンジニアの将来性は?オワコン説の真相と今後のキャリア戦略
【資格取得後のリアル】年収・キャリアの変化
資格を取得したあとに「給料はどれくらい上がるのか?」、「どんなプロジェクトに参画できるのか?」を気にする方は多いでしょう。
ここでは、資格取得後に起こりやすい変化を 年収アップとプロジェクト配属 の2つの観点から解説します。
資格取得で給料はどれくらい上がる?
資格を取ると収入アップにつながりますが、その上がり方にはいくつかのパターンがあります。
ここでは代表的な3つを紹介します。
資格手当がつくケース
多くのIT企業では、資格取得に応じて月5,000円〜1万円前後の手当が支給されます。
■資格手当の支給例:
・CCNA/LPIC-1:月3,000〜10,000円程度
・CCNP/LPIC-2:月10,000〜20,000円程度
・AWS SAA:月3,000〜10,000円程度
複数資格を組み合わせれば、月3万円程度の資格手当が現実的なラインです。さらに上位資格を重ねれば、それ以上も十分狙えます。
ただし、資格手当の有無は会社によって大きく異なります。一時金のみ支給、あるいは「受験料だけ会社負担」という制度も少なくありません。
「資格手当が欲しい」、「待遇で差をつけたい」という人は、制度が整った会社へ転職するのも選択肢です。
昇給につながるケース
資格取得を評価制度に組み込んでいる企業では、基本給が数千円〜上がることがあります。年収ベースでは、数万円~の上昇が一般的です。
なお、資格だけで昇格することはほぼありません。ただし、資格がないと昇格候補に入れない場合は、一部あります。
転職を挟むケース
大きな年収アップを実現しやすいのは、転職を経由した場合です。
例:運用監視(年収350万円) → CCNA取得 → 構築エンジニアに転職(年収400〜450万円)。
特に、資格取得から3ヶ月〜半年以内の転職活動は評価されやすい傾向にあります。
「直近で資格を取り、キャリアアップを目指している」ことが明確に伝わるため、書類選考や面接で好印象を与えやすいと言えます。
年収についての詳細データは、「ネットワークエンジニアの年収まとめ」をあわせてお読みください。
資格を活かして希望のプロジェクトに参画するには
資格を持っていることで、プロジェクト参画のチャンスが広がるのは事実です。
特に若手や未経験からスタートする場合、資格は「基礎知識があることを証明する材料」として評価されやすく、配属にプラスに働きます。
ただし、資格はあくまで「切符」であり、必ず構築や設計に直結するわけではありません。
CCNAを活かした場合
CCNAがあると、ネットワーク機器の設定変更や小規模構築といったタスクを任されるチャンスが増えます。
ただし、いきなり大規模案件の設計・構築を任されるわけではなく、まずは先輩のサポートや部分的な作業からのスタートになるのが一般的です。
LPIC-1/LinuC-1を活かした場合
LPIC-1を持つことで、Linuxサーバー運用や簡単な構築タスクに参画できる可能性があります。
配属先や企業によっては運用業務中心になるケースも多いものの、資格を持っていることで「構築業務に挑戦しやすくなる」切符になるのは事実です。
AWS SAAを活かした場合
AWS SAAを取得すると、クラウド構築・検証といった案件に挑戦しやすくなります。
ただし、AWS単体では評価が限定的なことも多く、ネットワーク(CCNA)やサーバー(LPIC-1)と組み合わせてこそ本領を発揮します。
一方で、オンプレの経験を積んだ後にAWS SAAを取得すると、「オンプレ+クラウドの橋渡し人材」としてキャリアを広げやすいです。
詳しいキャリアの広がりについては、「ネットワークエンジニアのキャリアパスまとめ」をお読みください。
資格を活かしてキャリアを広げたい方へ
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ネットワークエンジニア資格に関するよくある質問
ネットワークエンジニアは「やめとけ」と言われるのはなぜ?
「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われる主な理由は、「夜勤や休日出勤が多い」、「運用・保守から抜け出せない」といったイメージが強いためです。
しかし、これは事実の一部に過ぎません。
資格を取得してスキルを磨けば、設計・構築やクラウド・セキュリティ分野にもキャリアを広げることができ、労働環境や待遇も大きく改善できる、将来性高い職種です。
→関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけ?と言われる理由
文系・初心者でも合格できる?
できます、文系やIT未経験者でも十分に合格可能です。
特に、CCNAやLPIC-1といった初心者向けの資格は、多くの文系出身者が独学で取得しています。専門的な知識がなくても、適切な教材を利用しながら学習すれば、着実にスキルを身につけられます。
大切なのは、学習を継続する意欲と、日々の努力です。
→関連記事:ネットワークエンジニアの勉強法まとめ
資格はどのくらいの期間で取れる?
資格ごとに目安は異なりますが、一般的には以下が目安です。
■学習時間の目安(未経験):
・CCNA:3〜6ヶ月(200〜300時間)
・LPIC-1:2〜3ヶ月(130〜180時間)
・AWS SAA:3〜6ヶ月(200〜300時間)
※ これらはあくまで目安です。個人の学習ペースや現在の知識レベルによって変動します。
まとめ:資格は「戦略」で選び、キャリアを加速させよう
この記事では、ネットワークエンジニアのキャリアを成功させるための資格戦略を解説しました。
資格は、単なる知識の証明ではありません。あなたのキャリアを切り拓くための 強力な武器であり、「未来のキャリアへ進むための切符」 です。
キャリアフェーズと目的に応じて、以下のように戦略的に選びましょう。
■資格選びの重要ポイントまとめ:
・未経験からの一歩
→CCNAやLPIC-1でネットワークやサーバーの基礎力を証明し、転職市場で評価されやすいスタートラインに立つ
・キャリアアップを目指すなら
→CCNPなどの中級資格で専門性を高め、上流の構築案件や年収アップにつながる道を開く
・市場価値を高める組み合わせ
資格を「掛け算」で考えることで、希少価値の高い人材になれる
→ CCNP+ネットワークスペシャリスト → 設計・要件定義に強い
→ CCNA+LPIC+AWS認定 → クラウド移行案件に強い
→ CCNP+LPIC+情報処理安全確保支援士 → セキュリティに強い
どの資格を選ぶにせよ、大切なのは「何のために資格を取るのか」という明確な目的を持つことです。
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もし、どの資格を選ぶべきか迷っている、あるいは今後のキャリアプランに不安があるなら、ぜひ一度、インフラ専門の転職エージェントに相談してみてください。
あなたのキャリアの方向性に合った最適な資格や、戦略的なキャリアを一緒に見つけることができます。
■あわせて読みたい
→ 【まとめ】ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を徹底解説
→ ネットワークエンジニアの勉強法・学習ロードマップ
→ ネットワークエンジニアの年収・年代別相場
→ ネットワークエンジニアの将来性まとめ
→ ネットワークエンジニアのキャリアパス