サーバーエンジニアの資格は意味ない?未経験・経験者におすすめの資格と勉強法を徹底解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「サーバーエンジニアの資格って、実は意味ないのでは?」、、そんな疑問を感じたことはありませんか?

確かに、IT業界では「資格より実務経験が重視される」という声が多く、勉強に時間やお金をかけるべきか迷う人も少なくありません。

特に未経験者にとっては、資格を取れば本当に転職やキャリアアップにつながるのか、気になるところでしょう。

結論から言うと、サーバーエンジニアにとって資格は「何でもかなう万能の武器」ではありませんが、キャリアの入口を切り開く大きな武器になります。

理由として、資格は基礎知識の証明になるだけでなく、面接時に「自分は本気でエンジニアを目指している」という強いアピール材料になるからです。この記事では以下をわかりやすく解説していきます。

■この記事でわかること:
・「資格は意味ない」と言われる理由と、実際に役立つ場面
・未経験者・経験者別のおすすめ資格と難易度
・独学での学習方法やハンズオン実践のポイント
・資格取得後のキャリアロードマップ

さらに、資格ごとの勉強時間や費用の比較表、そして最新のクラウド資格や実務直結スキルについても紹介します。

サーバーエンジニアを目指すあなたが、迷わず次の一歩を踏み出せるようにまとめました。ぜひ最後までご覧ください。

また、代表的な資格の違いを先に知りたい方は → LPIC・CCNA・AWSどれから取る?未経験インフラエンジニアの最適資格ロードマップ をご覧ください。

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

サーバーエンジニアに資格は必要?「意味ない」と言われる理由と本当の価値

サーバーエンジニアを目指す際に、数多く議論されるのが「資格は必要か?」というテーマです。

インターネット上では「資格は意味ない」、「資格より経験が大事」という意見も多く見られます。では本当に資格は不要なのでしょうか?ここでは、その背景と、資格が持つ本当の価値を整理していきます。

資格が「意味ない」と言われる3つの理由

まずは「サーバーエンジニアに、資格は意味ない」と言われる理由について、代表的な3つを解説していきます。

■資格が意味ないと言われる理由:
現場では、実務スキルが最優先だから
・「資格取得=スキル保証」ではないから
知識が古くなるスピードが速いから

現場では、実務スキルが最優先だから

サーバー構築や障害対応など、実務の場面では「資格があるかどうか」よりも「その場で手を動かせるか」が重視されます。

そのため、採用担当や現場リーダーからすると、即戦力として働ける人材の方が魅力的に映るため、「資格だけ持っていても意味がない」と言われることがあります。

資格取得=スキル保証」ではないから

一部の人は「資格を取った=すぐに仕事ができる」と誤解してしまいます。

しかし、実際には資格は「知識の証明」に過ぎません。実際の業務ではトラブル対応やチーム作業、要件定義など、資格試験ではカバーしきれないスキルが求められます

知識が古くなるスピードが速いから

テクノロジー分野は常に進化します。特にクラウド分野は進化が速く、資格で学んだ内容がすぐに陳腐化することもあります。

くわえてクラウド関連資格(AWSやAzure)は数年おきに試験範囲が刷新されるため、「資格を取っても数年で役立たなくなる」と感じる人もいます。

このような理由から「資格は意味ない」と言われがちですが、実際には資格が全く無意味というわけではありません

実務で評価される資格、評価されない資格の違い

サーバーエンジニアの現場では、資格の種類によって評価のされ方が変わります。

評価されやすい資格

以下は求人票や面接でも「歓迎資格」として明記されることが多い資格です。実務に直結するスキルの証明になるため、評価されやすい資格と言えます。

■評価されやすい資格:
・LPIC / LinuC(Linux系)
・AWS認定(SAAなどクラウド系)
・CCNA(ネットワーク基礎)

評価されにくい資格

逆に以下の特徴に当てはまる資格は、評価がされにくい資格とも言えます。

■評価されにくい資格:
・資格名は有名でも、実務と直結しない内容が多いもの
・実習やハンズオン要素が乏しい、座学中心の試験

例として「ITパスポート」や一部のベンダー資格は基礎理解には役立ちますが、サーバーエンジニア採用においては、加点要素として弱いケースがあります。

つまり、資格の価値は業務に直結するかどうか企業側が評価対象として明記しているかで大きく変わります。

未経験者が資格を取る最大のメリットとは?

特に未経験者にとって、資格取得は以下のメリットがあります。

■未経験者が資格を取る3大メリット:
知識の体系化、学習ロードマップの明確化につながる
転職活動での「本気度」アピール
ハンズオン学習への入り口になる

知識の体系化、学習ロードマップの明確化につながる

例として、LPICやCCNAの勉強を通じて、サーバー・ネットワークの基礎を体系的に理解できます

また、独学は学ぶ順序が曖昧になりがちです。一方で、資格試験を目標にすると「どの範囲を、どの順で学べば良いか」が明確になります。

転職活動での「本気度」アピール

面接で「資格を取得しました」と伝えると、企業は「この人は継続して学べる人材である」と評価します。

特に未経験者にとっては、実務経験がない分、資格が数少ない客観的なスキル証明となります。

ハンズオン学習への入り口になる

多くの資格学習では「実際にLinuxを触る」、「ネットワークを構築する」といった演習を伴います。

これにより「資格学習=手を動かす練習」となり、実務を始める前にスムーズに技術を習得できると言えます。

ゆえに、未経験者にとって資格は、単なる知識の証明以上に、最初のキャリアを開くパスポートになると言えるでしょう。

実際にどのように学習を進めればよいかは 「 サーバーエンジニアの勉強法・順番・ロードマップ」で詳しく解説しています。

サーバーエンジニア資格の難易度マップ【ITSSレベル別】

サーバーエンジニアの資格にはさまざまな種類があり、「どれから挑戦すべきか」、「自分のレベルに合っているのはどれか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

そんなときの目安になるのが ITスキル標準(ITSS) を用いたレベル分けです。ここではITSSレベルを基準に、資格の難易度と学習のステップを整理してみましょう。

ITSSレベルとは?資格難易度を判断する基準

ITSS(ITスキル標準)は、経済産業省が策定した IT人材のスキルをレベルごとに体系化した指標です。具体的には、以下を目安とするとよいでしょう。

■ITSSレベルの目安:
・レベル1〜2:初学者・ジュニアエンジニア向け。基本的な知識や操作ができる。
・レベル3:中堅エンジニア。設計や構築を任されるスキルレベル。
・レベル4以上:上級エンジニア。要件定義やマネジメントも含め、リーダー的な役割を担う。

資格を選ぶときにこの指標を使うことで、自分の立ち位置や次に目指すべきステップが明確になっていきます。

資格ごとのレベル分布を、図解でチェック

以下は、主要なサーバーエンジニア関連資格を ITSSレベル別に整理した難易度マップ です。

サーバーエンジニア資格難易度マップ ITSSレベル別

この図を見ることで「未経験者はまずLPIC-1やCCNAから」や「経験者はAWSやLPIC-2へ」といった学習順序の全体像をイメージできます。

画像だけではわからない!資格の難易度・勉強時間・費用の比較表

図解は直感的に理解しやすいですが、実際に学習を始めるには 勉強時間や費用の目安も知っておきたいところです。以下の表では、代表的な資格を比較しています。

資格名分野難易度(ITSS目安)受験料勉強時間目安転職効果・評価ポイント
LPIC-1 / LinuC-1サーバー(Linux基礎)レベル1(初級)16,500円×2科目150〜200時間未経験の登竜門。Linux基礎スキルを証明でき、運用監視〜サーバー運用求人で評価されやすい
CCNAネットワーク基礎レベル2(初級〜中級)46,860円200〜300時間ネットワーク基礎資格。サーバー運用と併せて評価されやすい
LPIC-2 / LinuC-2サーバー構築・運用レベル2(中級)19,800円(LPIC)
16,500円(LinuC)
×2科目
200〜300時間サーバー構築スキルを証明。設計・構築案件で有利
AWS認定 SAAクラウド(AWS)レベル2(中級)22,000円150〜200時間クラウド案件で必須。未経験からクラウドエンジニア転職にも有利
AWS認定 SAPクラウド(AWS)レベル4(上級)44,000円200〜300時間AWSの上級資格。設計〜要件定義フェーズで高評価。クラウドアーキテクトを目指す人向け
LPIC-3 / LinuC-3サーバー(上級)レベル3(中級~上級)19,800円(LPIC)
16,500円(LinuC)
×2科目
150〜300時間大規模システムの設計・セキュリティ・コンテナ分野で評価。リーダー・上流工程向け
基本情報技術者国家資格(IT基礎)レベル2(初級)7,500円150〜200時間IT基礎を広く証明。未経験のポテンシャルアピールに有効
応用情報技術者国家資格(中級)レベル3(中級~上級)7,500円200〜300時間IT全般の理解を証明。設計・マネジメント寄りのポジション

この比較表を活用することで「自分に合ったスタート資格はどれか」を判断しやすくなります。

未経験者におすすめの資格【基礎編】

サーバーエンジニアを目指すうえで、まず土台となるのは Linuxとネットワークの基礎知識 です。これらを体系的に学べる資格として、多くの企業でも評価されているのが「LPIC-1 / LinuC-1」と「CCNA」です。

ここでは、それぞれの資格の特徴と、未経験者が効率的に学習を進めるポイントを解説します。

LPIC-1 / LinuC-1:Linux基礎を証明する登竜門

https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-1-overview/

LPIC(LPI認定資格)とLinuC(LPI-Japan認定資格)は、いずれもLinuxスキルを測る代表的な資格です。

試験範囲は大きく重なっていますので、どちらを受けても「Linuxの基礎知識がある」と客観的に証明できます。

■学習内容の例:
・Linuxの基本コマンド(ファイル操作、ユーザー管理、プロセス管理など)
・ファイルシステムやパッケージ管理
・シェルとスクリプトの基礎
・ネットワークやセキュリティの基礎

これらの資格は、未経験者でも受験しやすい初級資格であり、サーバー運用の基礎固めに最適です。また、求人票でも「LPIC-1/LinuC-1 歓迎」と書かれているケースが多く、転職活動の武器となります。

サーバーエンジニアを目指すなら、まず「Linuxを触れる」状態になることが第一歩です。その基盤を築けるのがこの資格です。

■関連記事:【保存版】LPIC Level 1 合格へのロードマップ、勉強法・おすすめ教材

CCNA:ネットワークの基礎を体系的に学べる王道資格

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、世界的に認知度の高いネットワーク資格です。

サーバーエンジニアであっても、ネットワークの基礎理解は不可欠であり、CCNAはその学習に最適です。

■学習内容の例:
・TCP/IPの仕組み、OSI参照モデル
・スイッチング/ルーティングの基本
・VLAN・ACL・NATなどの設定
・ネットワークセキュリティの基礎

CCNAを学習することで、インフラ全体を理解する力が身につき、運用監視から構築フェーズへのステップアップに直結しやすくなります。

ネットワークエンジニアはもちろん、サーバーエンジニアにも評価される「汎用資格」であり、Cisco Packet Tracerなどのシミュレータを使えば、未経験でも自宅でハンズオン学習が可能です。

「サーバーが動くには、ネットワークも必須」という現実を理解できるのがCCNAです。サーバーとネットワーク両方の基礎を押さえることで、転職市場での評価が大きく高まります

■関連記事:【初心者、未経験者、独学可】CCNAのおすすめ勉強方法

勉強時間の目安と学習の進め方

資格を取る上で多くの人が気になるのが「どのくらい勉強すれば合格できるのか」、「効率的に学ぶ方法はあるのか」という点です。

特に未経験者の場合、全くのゼロから始めるため、学習時間や進め方の目安を知っておくことは、挫折を防ぐうえでも非常に重要です。

ここではLPIC-1/LinuC-1とCCNAの学習時間の目安と、効果的な勉強の進め方を整理します。

勉強時間の目安

未経験からの場合は、以下が学習時間の目安です。毎日2〜3時間の勉強で、3〜4か月程度が目安とも考えてよいでしょう。

資格名勉強時間の目安
LPIC-1 / LinuC-1130〜180時間
CCNA200〜300時間

おすすめの進め方

資格勉強を始めると「Linuxから先に学ぶべきか?それともネットワークか?」と迷う方は多いでしょう。

結論としては、サーバーの基盤であるLinuxから入り、次にネットワークを学ぶ流れが最も効率的です。

サーバーOSの操作に慣れ、コマンドライン操作の基礎を身につけてからネットワークの理論を学んだ方が、理解が深まります。

■おすすめの進め方:
1. Linuxから学ぶ:
→ LPIC-1/LinuC-1に取り組みながら、VirtualBoxやAWS無料枠でサーバーを実際に触る
2. ネットワーク基礎へ進む:
→ CCNA対策を通じて、サーバーとネットワークがどう連携して動くのかを理解する
3. 資格学習+ハンズオンを並行
→ テキストでのインプットと並行して、演習環境を用意して「手を動かす」ことで実務に近づける

この2資格は「未経験からサーバーエンジニアを目指す人の、鉄板コンビ」です。基礎を固めた上で、オンプレミスで学んだサーバーとネットワークの知識は、クラウドの理解を圧倒的に早くします。 

その後、次のクラウド資格(AWS SAAなど)に進むことで、キャリアの選択肢が大きく広がります。

■関連記事:CCNAとLPICを徹底比較、どっちを取るべき?難易度と順番を解説

経験者・キャリアアップにおすすめの資格【中級~上級編】

Linuxやネットワークの基礎資格を取得し、サーバー運用や監視業務を経験したら、次のステップとして「構築」や「設計」に挑戦する段階に入ります。

ここで役立つのが 中級〜上級レベルの資格 です。これらを取得することで、担当できる業務範囲が広がり、上流工程のステップアップに役立ちます。また、転職市場での評価も一気に高まります

LPIC-2 / LinuC-2:サーバー構築・運用スキルを証明

https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-2-overview/

LPIC-2(またはLinuC-2)は、Linuxを使ったサーバーの設計・構築・運用スキルを問う中級資格です。

この資格は、LPIC-1(またはLinuC-1)の取得が必須条件となっており、基礎を固めた人が次のステップとして取り組むのに最適です。

■学習内容の例:
・リソース(CPUやメモリ)の最適化、Linuxカーネル
・ストレージ・ネットワーク・システムの運用管理
・サーバーサービスの構築と設定(DNS、Webサーバー、DHCP、ファイル共有)

この資格は、サーバー構築経験がなくても、試験勉強を通じて「実務に近い演習」ができるため、構築エンジニアや運用リーダーへのステップアップを狙えるのが最大のメリットです。

DNSサーバーの設定やWebサーバーの構築などを仮想環境で実践することで、単なる知識ではなく実践力が身につきます。

求人票でも「LPIC-2歓迎」と記載されることもあり、 運用中心のキャリアから構築フェーズに挑戦したい」人にとって、確かな武器となる資格です。

AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA):クラウド時代の必須資格

https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/

AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)は、クラウド環境でシステムを設計・運用するためのスキルを問う中級資格です。

近年はオンプレミスからクラウドへの移行が急速に進んでおり、サーバーエンジニアにもクラウド知識の必須化が進んでいます

■学習内容の例:
・AWSの主要サービス(EC2、S3、VPC、RDS)の設計・利用方法
・可用性・耐障害性のあるシステム設計
・セキュリティやコスト最適化のベストプラクティス

この資格は、クラウド案件への参画に必須級の評価です。また未経験からでも取得可能ですが、経験者に強くおすすめできる資格であり、学習効果が転職活動に直結します。

さらに、LPIC-1やCCNAと組み合わせることで「インフラ基盤+クラウド」の強みをアピールできる資格であり、今後のキャリアでクラウドエンジニアを目指す人には、真っ先に取り組むべき資格です。

AWS認定ソリューションアーキテクト(SAP):設計・上流工程を目指す上級資格

https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-professional/

AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP)は、AWS上での大規模・複雑なシステム設計を行うための上級資格です。

クラウド導入が進む今、企業は「設計から任せられる人材」を強く求めており、この資格はその実力を証明するものとなります。

■学習内容の例:
大規模で複雑なAWS環境の設計と導入
組織の要件に沿ったソリューションの考案
継続的な改善と最適化

この資格は、クラウドアーキテクトやリードエンジニアへのキャリアアップに近づく武器であり、年収600万〜800万円以上を目指せるポジションで有利に働きます。

特に、AWSエンジニアを多く採用している大手企業やSIerで高く評価される資格であり、上級キャリアにステップアップしていく鍵となります。

LPIC-3 / LinuC-3:サーバー分野のスペシャリストを証明

https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-3-300-overview/

LPIC-3(またはLinuC-3)は、Linuxサーバーの上級資格です。混在環境、セキュリティ、仮想化・コンテナ、高可用性といった、実務に直結する専門分野を扱います。

■学習内容の例:
混合環境(Linux/Windows)の統合、認証
高度なセキュリティ対策、暗号化
仮想化(KVM)、コンテナ(Docker)の管理
高可用性クラスタとストレージ冗長化

この資格はサーバー分野のスペシャリストとしての評価を得られ、専門分野における上級エンジニア、設計担当、セキュリティエンジニアなどのキャリアに近づきます。

またLPICは海外でも通用するグローバル認定資格であり、これらはサーバー技術を極めたい人にとっては、最高峰の資格のひとつです。

資格勉強は独学できる?おすすめの学習方法と教材

サーバーエンジニア資格の学習方法として、多くの人がまず検討するのが「独学」です。結論から言えば、LPIC-1/LinuC-1やCCNA、AWS SAAといった中級レベルまでは独学でも十分合格可能です。

ただし、未経験者の場合は「勉強方法が分からない」、「途中で挫折してしまう」という壁にぶつかりやすいのも事実です。

ここでは、独学での学習を成功させるためのコツやおすすめ教材、さらに効率的な学習環境について整理します。

独学で挫折しないための3つのコツ

資格勉強は独学でも十分に合格できますが、もっとも大きな壁は「モチベーションが続かないこと」です。特に未経験者は、勉強のゴールが見えにくく、途中で投げ出してしまうケースも少なくありません。

ここでは、そんな挫折を防ぐために意識したい3つのポイントを紹介します。

学習計画を立てて進める

1日2時間 × 週5日など、現実的なペースを決めて学習を習慣化してみましょう。目標を「2〜3か月で試験日を設定する」と逆算でき、モチベーションが続きやすくなります。

ハンズオン学習を取り入れる

テキストだけでの勉強では理解が浅くなりがちです。VirtualBoxやAWSの無料枠、Cisco Packet Tracerを使って実際にサーバーやネットワークを構築してみると、記憶が定着しやすくなります。

アウトプットを習慣化する

学んだことをノートやブログにまとめる、SNSで発信するなど、人に説明できる形でアウトプットすることで理解が深まります。

この3つを意識するだけで、挫折率を大きく下げることができます。

独学におすすめの教材・サービス

独学で資格取得を目指す場合、学習リソースの選び方がとても重要です。

効率よく学ぶには、書籍で基礎を固め、オンラインサービスで問題演習や動画解説を補い、さらにシミュレータや実機でハンズオン学習を並行するのが理想的です。以下でそれぞれの特徴を紹介します。

書籍

まず最初の学習リソースとして取り入れたいのが書籍です。体系的に知識がまとまっているため、基礎を一通り理解するのに最適です。また、辞書のように後から見直せる点もメリットです。

■おすすめ書籍例:
・Linux教科書 LPICレベル1(あずき本
・CCNA 完全合格テキスト&問題集(白本
・AWS認定資格対策本(黒本白本

■関連記事:インフラエンジニアにおすすめの本21選、初心者から実務経験者まで幅広く紹介

オンライン学習サービス

独学の大きな課題は「自分の理解度が分からない」ことです。オンラインサービスを活用すれば、問題演習や動画解説を通じて弱点をすぐに確認でき、効率よく学習を進められます。

また、通勤時間などのスキマ学習にも向いています。

■おすすめオンライン学習サービス例:
Ping-t:問題演習に特化、資格対策では定番
Udemy:動画形式で学べる。ハンズオン形式の講座も豊富
ProgateYouTube:基礎理解や概念を短時間で学ぶのに最適

ただし、Youtubeは信頼性にばらつきがあるため、Youtubeを使う際には、「公式の資格対策動画や評価の高いチャンネルを選ぶことが大事」です。

■関連記事:インフラエンジニアのおすすめ無料勉強サイト17選!学習目的別に解説

実機/仮想環境でのハンズオン学習(VirtualBox、Packet Tracer、AWS無料枠)

IT資格の学習では、知識を得るだけでなく「実際に手を動かす」ことも必要です。

仮想環境やシミュレータを使えば、自宅でも簡単に環境構築やネットワーク設定を練習でき、試験だけでなく実務に直結するスキルを磨くことができます。

■おすすめの実機・仮想環境での学習例:
・Linuxサーバー学習:VirtualBoxにUbuntuをインストールして、基本操作を練習
・ネットワーク学習:Packet Tracerで、スイッチやルータの設定をシミュレーション
・クラウド学習:AWS無料枠で、EC2インスタンスを立ち上げ、実際に構築を体験

これらはすべて無料または低コストで始められかつ、独学でも十分に実務に近い経験を積むことができます。

■関連記事:【未経験者向け:3ヶ月で転職も】サーバーエンジニアの勉強法、順番、ロードマップ

【おすすめ】まずはLPIC/LinuC-1を取得して、サーバーエンジニア転職を有利に進めよう

サーバーエンジニアを目指すなら、最初の資格としておすすめなのが「LPIC-1/LinuC-1」です。理由はシンプルで、「Linuxを触れること」がエンジニアとしての出発点だからです。

■LPIC-1で学べること:
・Linuxの基本コマンド(ファイル操作、ユーザー管理、プロセス管理など)
・サーバー運用の基礎(ログ確認、ネットワーク設定、パッケージ管理)
・ネットワークやセキュリティの基礎(IP設定、アクセス権限の管理など)

この資格を持っているだけで、企業からは「サーバーを触れる基礎力がある」と評価されやすく、未経験からの転職活動で有利に働きます。

しかし、資格だけでは、実務での即戦力証明としては弱いのも事実です。

そこで、資格取得と同時に、手を動かして学べるハンズオン研修と転職サポートを組み合わせれば、「資格の証明」+「実務に近いスキル」+「転職サポート」の三本柱がそろいます。

未経験から最短でサーバーエンジニアを目指すなら、LPIC取得を起点に「資格+研修+転職」の流れを一気に進めるのが効率的です。

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資格取得の順番とキャリアロードマップ

サーバーエンジニアのキャリアを築く上で、資格は「闇雲に取るもの」ではなく、順序立てて取得することが大切です。

基礎から応用へとステップを踏むことで、効率よくスキルを積み上げられ、転職やキャリアアップのチャンスも広がります。ここでは未経験者から経験者までのおすすめロードマップを紹介します。

■おすすめの順番:
・ステップ1:LPIC-1 or CCNAで基礎固め
・ステップ2:AWS SAAなどクラウド資格で市場価値を高める
・ステップ3:実務経験 or 研修でスキルを定着

ステップ1:LPIC-1 or CCNAで基礎固め

サーバーエンジニアとしての第一歩は、Linuxとネットワークの基礎を学ぶことです。LPIC-1やCCNAは未経験者でも取り組みやすく、ITインフラの全体像を理解するうえで最適な資格です。

■ステップ1:LPIC-1 or CCNAで基礎固め
・対象者:完全未経験/IT業界にこれから入る人
・学習内容:
→Linuxの基本操作(ユーザー管理、ファイル操作、プロセス管理)
→ネットワーク基礎(TCP/IP、VLAN、ルーティングなど)

このステップの目的は、サーバー・ネットワークの土台を理解することです。特にLPIC-1は「Linuxを触れる」状態になれる登竜門であり、CCNAは「ネットワークの全体像」を体系的に学べる資格です。

この段階の資格取得が、未経験から転職に挑戦する第一歩となります。

ステップ2:AWS SAAなどクラウド資格で市場価値を高める

サーバーやネットワークの基礎を身につけたら、次はクラウド分野に挑戦しましょう。

特にAWS認定ソリューションアーキテクト(SAA)は需要が高く、取得することで転職市場での評価が大きく上がります。

■ステップ2:AWS SAAなどクラウド資格で市場価値を高める
・対象者:基礎資格を取得済み/サーバー運用・監視経験がある人
・学習内容:
→AWSの主要サービス(EC2、S3、VPC、IAM)
→高可用性システムの設計
→セキュリティとコスト最適化

このステップの目的は、クラウドスキルを習得することで、「オンプレ+クラウド」両方を理解できるエンジニアへ成長できます。

近年の求人ではクラウド経験者の需要が急増しているため、転職市場での価値が格段に上がります。

■関連記事:【未経験から目指す】クラウドエンジニアへの勉強ロードマップとおすすめ資格

ステップ3:実務経験 or 研修でスキルを定着

資格で得た知識を「使えるスキル」に変えるには、実務経験や研修でのハンズオンが欠かせません。実際に環境を構築したり運用したりすることで、試験勉強では得られない実践力が身につきます。

■ステップ3:実務経験 or 研修でスキルを定着
・対象者:資格学習を終えた未経験者/基礎スキルを習得した若手エンジニア
・学習内容・方法:
→実際の案件に参画して構築・運用を経験する
→ハンズオン研修やラボ環境での演習を繰り返す

このステップの目的は、資格で得た知識を「実務で使えるスキル」にしていくことです。未経験者の場合は、資格+研修を組み合わせることで、スムーズに実務へ移行できます。

資格取得後のキャリアパス(運用→構築→クラウド/セキュリティ)

資格を取得したあとは、それをどのようにキャリアに活かすかが重要です。

サーバーエンジニアの多くは、まず運用から経験を積みます。その後に構築やクラウド、セキュリティといった上流や専門分野へとステップアップしていきます。

■資格取得後のキャリアパス:
・運用から構築へ
→資格と基礎経験を活かし、監視・運用からサーバーやネットワークの構築業務にステップアップ。
・クラウドエンジニアへ
→AWS SAAの後にAWS SAPやAzure資格を取得すれば、クラウド設計・移行案件に関われる。
・セキュリティエンジニアへ
→情報処理安全確保支援士などセキュリティ専門資格を取得すれば、セキュリティ領域に特化したキャリアも可能。

このように資格を順序立てて取得することで、最短で「未経験 → サーバー運用 → 構築 → クラウド/セキュリティ」へとキャリアを広げることが可能となります。

■関連記事:サーバーエンジニアの需要とは?将来性が高いキャリアパスを解説

【成功事例】資格を活かしてサーバーエンジニアに転職した人の声

「資格は意味ない」と言われることもありますが、実際には資格をきっかけにキャリア形成を成功させた人は数多くいます。ここでは、未経験からサーバーエンジニアに転職した事例をご紹介します。

未経験から3ヶ月でサーバーエンジニアに転職成功

工場勤務からIT業界に挑戦したAさん(20代後半)は、まず LPIC-1の取得 を目標に学習をスタートしました。平日は仕事後に1〜2時間、休日は4〜5時間の学習を続けた結果、3ヶ月で資格を取得

■転職成功のポイント:
・LPIC-1でLinux基礎を体系的に学べた
・Ping-tなどを活用し、効率的に合格対策
・合格後は資格をアピールして応募先を拡大できた

結果、未経験歓迎のインフラエンジニア求人で内定を獲得。現在は運用業務を担当しながら、次のキャリアアップに向けてAWS資格の勉強を進めています。

「資格は、転職のきっかけになり得る」ことを示す代表的な事例 です。

資格+ハンズオン学習で年収アップを実現した事例

一方で、すでにIT業界で運用を3年経験していたBさん(30代前半) のケースです。

「運用保守だけではキャリアの幅が広がらない」と感じていたBさんは、LPIC-2とAWS SAAの取得を目標に学習を進めました。

資格勉強と並行して、VirtualBoxでLinux環境を構築したり、AWS無料枠でクラウド演習を繰り返すことで、知識を実務に即した形で定着させたのがポイントです。

■転職成功のポイント:
・LPIC-2でサーバー構築・運用のスキルを習得
・AWS SAAでクラウド設計の基礎を習得
・ハンズオン経験を具体的にアピールし、「即戦力候補」と評価された

結果、転職先では 年収が約120万円アップ。また資格だけでなく「資格+ハンズオン+実務経験」を組み合わせたことで、構築フェーズの案件に参画できるようになりました。

この事例は、「未経験者は資格でキャリアの入口を開ける一方、経験者は資格をキャリアアップに活かせる」ことを示しています。

これらの成功事例から分かるように、未経験者にとって資格は「キャリアの入口を開くパスポート」となり、経験者にとっては「キャリアをさらに広げ、年収を高める武器」となります。

未経験者・経験者問わず、どちらの立場であっても、資格を上手に活用することで、サーバーエンジニアとしての可能性を大きく広げることができます。

まとめ:サーバーエンジニアの資格は、転職とキャリアの武器になる

「サーバーエンジニアの資格は意味ない」と言われることもありますが、実際には 未経験者にとってはキャリアの入口を開き経験者にとっては年収アップやキャリアアップを叶える武器 となります。

■サーバーエンジニアと資格の関係性まとめ:
・未経験者なら:LPIC-1やCCNAを通じて基礎を身につけ、転職活動で本気度をアピールできる
・経験者なら:LPIC-2やAWS SAAなどを取得し、構築やクラウド案件へのステップアップが可能になる
・共通して大事なこと:資格の学習と並行して、ハンズオンで「手を動かす経験」を積み、実務に直結する力を培うこと

資格そのものがゴールではなく、資格をどう活かしてキャリアにつなげるかが成功の分かれ道です。

資格はゴールではなく、キャリアを切り開くための手段です。実際の仕事内容や将来性を含めて総合的に理解したい方は、以下の記事で整理しています。

→関連記事: サーバーエンジニアとは?仕事内容、スキル、将来性まとめ

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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