こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「インフラエンジニアを目指したいけど、資格が多すぎてどれから取ればいいのか分からない、、」
「LPIC? CCNA? AWS? 名前は聞いたことあるけど、順番がイメージできない、、」
こうした悩みは、未経験からIT業界を目指す方のほとんどが一度は抱くものです。
実際、インフラエンジニアの転職市場では資格=客観的なスキル証明として大きな意味を持ちます。
特に未経験者にとっては「学習の指針」となり、応募書類や面接でアピールできる強力な武器となります。
この記事では、未経験からインフラエンジニアを目指す方に向けて、以下をロードマップ形式で分かりやすく解説していきます。
■この記事でわかること:
・どの資格から始めるべきか
・どの順番でステップアップすれば効率的か
・キャリアや年収に、どのようにつながるか
まずは「最初の一歩」として、基礎資格+学習習慣づくりから始めていきましょう。
まずはインフラ専門転職エージェントに、無料キャリア相談をしてみる
インフラエンジニアに資格は必要?(メリット・役割)
「資格がなくてもエンジニアになれる」と言われることもありますが、未経験からインフラエンジニアを目指す場合は資格が大きな武器になります。特に転職活動では以下のようなメリットがあります。
■資格を取るメリット:
・未経験でも、資格があると採用で有利
・資格は「意欲」と「継続力」の証明になる
・転職市場での「客観的スキル証明」としての役割
未経験でも資格があると採用で有利
IT企業の採用担当者は、未経験者の応募書類を見る際に「基礎的な知識があるかどうか」をまず確認します。
このとき、LPIC-1/LinuC-1やCCNAなどの基礎資格を持っていると、「学習意欲が高く、基礎知識を体系的に身につけている人材」 と評価されやすくなります。
■未経験採用での資格の役割:
・「まったくの未経験者」より「資格を持っている未経験者」の方が書類通過率が上がる
・特に未経験歓迎求人では、資格を持っているだけで面接の土台に乗りやすい
実際、資格を取得してから応募したことで、書類通過・内定率率が2倍以上に伸びたというケースは非常によくある話です。
資格は「意欲」と「継続力」の証明になる
資格取得には、学習への投資(時間・お金)と継続力が欠かせません。そのため、企業からは次のように評価されます。
■企業からの見え方・評価:
・「本気でエンジニアを目指している」と伝わる
・研修やOJTで挫折せず、継続して成長できる人材と判断されやすい
・採用後の早期離職リスクを下げる指標になる
つまり資格は単なる知識の証明ではなく、「この人は途中で投げ出さないだろう」という信頼を得る手段でもあります。
転職市場での「客観的スキル証明」としての役割
資格は「誰が見ても分かる共通の基準」として、転職市場で強力に機能します。
■資格はスキルの証明:
・採用担当者にとって「戦力かどうか」の判断材料になる
・経験が浅くても「資格+ポテンシャル」で採用される可能性が高まる
・面接では「学習過程」、「実機演習の経験」を語る切り口にもなる
さらに、資格は入社後の配属・アサイン先を決める際の後押しにもなります。
知識ゼロの状態では、現場に投入する根拠がなく、研修やOJT止まりで配属が決まりにくいこともあります。
一方で資格を持っていれば「この領域の基礎は理解している」という安心感から、実務プロジェクトに早期に参加できる可能性が高まります。
結論として、資格がなくても挑戦はできますが、未経験者にとって資格は「採用されやすくなる」だけでなく「実務に参加しやすくなる」信頼の証です。
効率的な勉強方法については、「インフラエンジニア勉強法まとめ」で解説しています。
資格ロードマップの全体像
未経験からインフラエンジニアを目指す場合、資格取得は 「基礎 → クラウド → 応用・専門」 の3ステップで進めるのが効率的です。
まずは、以下の図で全体像をざっくり把握してみましょう。

この図は、ネットワーク・サーバー・クラウド・セキュリティなど主要資格を、ITSSレベル(難易度の目安)ごとに整理したものです。
ここからは、ステップごとに具体的に解説していきます。
ステップ1:基礎資格(LPIC-1/LinuC-1、CCNA)
未経験者がまず挑戦すべきは、Linuxとネットワークの基礎資格です。
■最初に取るべきインフラ基礎資格:
・LPIC-1/LinuC-1
→ Linuxサーバーの基本操作、ユーザー管理、ネットワーク設定などを体系的に学べる。
→ サーバー分野の必須知識を証明でき、転職活動でも高く評価される。
※Linux基礎を学びたい方は、LPIC-1勉強法まとめをご覧ください
・CCNA
→ ネットワークの基礎(TCP/IP、ルーティング、スイッチング、セキュリティなど)を幅広くカバー。
→ ネットワークエンジニアだけでなく、サーバーエンジニアやクラウドエンジニアを目指す人にも役立つ。
※ネットワークの入り口となる資格は、CCNA勉強法まとめで紹介しています



図では「評価高・中・低」と分けていますが、これは転職市場での評価基準を示したものです。
■評価基準:
・評価高(LPIC-1、LinuC-1、CCNA)
→ 実務に直結する知識を体系的に証明できるため、未経験でも採用担当者から高く評価されやすい。
・評価中(基本情報技術者、AWS SAAなど)
→ IT全般やクラウドの知識を証明できるが、インフラ専門資格ほど直接的に評価されにくい場合がある。補助的な位置づけと考えると良い。
・評価低(ITパスポート、Linux Essentialsなど)
→ IT基礎知識を広く浅く学べるが、専門性が不足するため採用の場では評価されにくい。入門用としては有効。
補足:
基本情報技術者・応用情報技術者試験は、新卒採用や大手SIerでのキャリア構築では有利に働きます。
ただし、20代後半以降の転職市場では「Linuxやネットワークなど実務直結スキルを示せる資格(LPIC-1/CCNAなど)」の方が評価されやすいため、優先度は下がります。
また、AWS SAAも同様で、クラウドの基礎を証明できますが、インフラ基礎資格と組み合わせて初めて効果を発揮する資格です。そのため、最初に取得する資格としては優先度が低めになります。
より詳しい資格ごとの難易度や学習方法については「資格難易度記事」、「インフラエンジニア勉強法まとめ記事」も参考にしてください。
ステップ2:クラウド資格(AWS SAA、Azure AZ-104)
基礎資格を取得したら、次はクラウド領域に進みましょう。
■おすすめのクラウド資格:
・AWS SAA(ソリューションアーキテクト・アソシエイト)
→ AWSの主要サービスを理解し、設計・構築の知識を習得できる。
→ 世界的に最も受験者数の多いクラウド資格。
・Azure AZ-104(Microsoft Azure Administrator)
→ Microsoft Azure環境での運用・管理スキルを証明できる資格。
→ 大手企業や官公庁で導入が進んでいるため、需要が高い。
クラウド資格は、基礎資格+クラウドスキルという組み合わせで、市場価値を大幅に高めてくれます。
→学習手順は「AWS SAA勉強法まとめ記事」で解説しています。
■関連記事:インフラエンジニアがAWSを学ぶべき理由と勉強法、未経験からのクラウド転職
ステップ3:応用・専門資格(LPIC-2、CCNP、セキュリティ系)
基礎+クラウドを押さえたら、応用・専門資格に挑戦してキャリアの幅を広げましょう。
■応用・専門資格:
・LPIC/LinuC-2
→ Linuxサーバー構築・運用の中級スキルを証明できる。
→ 実務経験と組み合わせると、構築案件を任されやすくなる。
・CCNP
→ ネットワーク中級資格。設計・高度なトラブルシューティングに必須。
→ ネットワークエンジニアを本格的に目指す人向け。
・セキュリティ系資格(情報処理安全確保支援士、CompTIA Security+など)
→ サイバーセキュリティ領域を目指す人に最適。
→ 市場価値・年収ともに高い。
これらは 2〜3年目以降に実務経験を積んでから挑戦するのが理想です。
資格取得後のキャリアの進め方は、「インフラエンジニアキャリアパスの記事」で詳しく紹介しています。
このように「基礎 → クラウド → 応用・専門」という流れで進めれば、無理なくステップアップでき、転職活動やキャリア形成に直結する資格を効率よく取得できます。
■関連記事:インフラエンジニアの資格難易度の記事はこちら
資格ごとのおすすめ順番と取得時期
資格はやみくもに取れば良いわけではありません。キャリアの段階ごとに「どの資格を取るべきか」を整理して学習を進めることで、効率的にステップアップできます。
未経験、1〜2年目で取るべき資格
最初の1〜2年目は、基礎資格を優先するのがベストです。
以下の2つは、インフラエンジニアの必須スキルを証明できる資格なので、転職活動でも高く評価されます。
■未経験、未経験1〜2年目で取るべき資格:
・LPIC-1/LinuC-1
→ Linuxサーバーの操作・管理スキルを体系的に学べる。
・CCNA
→ ネットワークの基本スキルを習得し、実務の入り口で役立つ。
AWSやAzureなどのクラウド資格に進む前に、まずは「基礎を固める」ことが重要です。
■関連記事:LPIC・CCNA・AWSどれから取る?未経験インフラエンジニアの最適資格ロードマップ
■関連記事:LPICとLinuCはどっちがいい?選び方を徹底比較
3〜5年目で挑戦したい資格
基礎を押さえて現場経験を積んだら、クラウド+応用資格に進みましょう。
■3〜5年目で挑戦したい資格:
・AWS認定 SAA(ソリューションアーキテクト・アソシエイト)
→ AWS環境の設計・構築スキルを証明でき、クラウドエンジニアの登竜門。
・Azure AZ-104
→ マイクロソフト系システムを扱う現場で需要が高い。
・LPIC-2/LinuC-2
→ Linuxサーバー構築やトラブルシューティングを担えるスキルを証明。
・CompTIA Security+(セキュリティ分野の入門資格)
→ セキュリティ領域に関心がある人向け。
この段階では、クラウド×基礎スキルの組み合わせで「市場価値が一気に高まる」時期です。
また、本格的にセキュリティ職を目指すなら、CompTIA Security+ → 安全確保支援士 → CISSPが次のステップです。
■関連記事:クラウドエンジニアに必要な資格一覧と取得順番:未経験におすすめの学習ルート
キャリアアップ・専門職で効く資格
ある程度の実務経験を積んだら、上位資格や専門資格に挑戦してキャリアの幅を広げましょう。
■キャリアアップ・専門職用の資格:
・CCNP
→ ネットワークの設計・高度な運用に携わるための中級資格。
・情報処理安全確保支援士
→ セキュリティ分野に進むための王道資格。
・AWS SAP(ソリューションアーキテクト・プロフェッショナル)
→ AWSの上級資格。クラウドアーキテクトを目指す人に最適。
これらは5年目以降やリーダー層を目指すタイミングで挑戦するのが効果的です。
このように「1〜2年目:基礎 → 3〜5年目:クラウド+応用 → その後:上位資格・専門資格」と進めることで、無理なくキャリアを伸ばすことができます。
一方で、上位資格・専門資格を、2〜3年目で早めに取得できれば、キャリアアップのスピードを大きく加速させる武器になります。
「若手なのに上位資格を持っている」という強みは、転職市場でも強力な差別化要素となります。
資格とキャリア・年収の関係
資格はゴールではなく、キャリアを広げるためのスタートラインです。ここでは「資格を取るとキャリアがどう変わるのか」、「年収にどんな影響があるのか」を整理していきます。
資格で広がるキャリアパス
資格を持っていると、担当できる業務の幅が広がり、キャリアの選択肢も増えます。
■資格からつながるキャリアパス:
・LPIC-1/CCNA(基礎資格)
→ 運用・監視業務からスタートし、サーバーやネットワークの構築フェーズに参加しやすくなる。
・AWS SAA/LPIC-2(クラウド・中級資格)
→ クラウド導入やサーバー構築案件に携われるようになり、設計・構築フェーズへのキャリアアップが可能。
・CCNP/AWS SAP/セキュリティ資格(安全確保支援士など)
→ 設計・高度なトラブルシューティング、セキュリティ設計といった上流工程へ進める。
→ SRE、クラウドアーキテクト、セキュリティエンジニアなど、専門職への道も開ける。
資格を「順番に積み重ねる」ことで、運用 → 構築 → 設計・上流工程 → 専門職 へとキャリアを伸ばしやすくなります。
資格取得後の具体的なキャリアについては、こちらの「インフラエンジニアのキャリアパス解説記事」で詳しく紹介しています。
■関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・向いている人を解説
資格取得が年収に与える影響
資格は直接的に年収を保証するものではありません。しかし、担当できる仕事のレベルが上がる → 役割や責任が増える → 結果的に年収も上がる という構造があります。
キャリアレベル | 推奨資格 | 主な業務内容 | 年収目安 |
未経験〜 1年目 | LPIC-1/LinuC-1、CCNA | 監視、運用保守、ヘルプデスク | 300〜 400万円 |
2〜3年目 | AWS SAA、Azure AZ-104 | サーバー・クラウド構築補助、運用改善 | 350〜 500万円 |
3〜5年目 | LPIC-2、クラウド資格 | 構築案件担当、クラウド移行プロジェクト | 400〜 550万円 |
5年目以降 | CCNP、情報処理安全確保支援士、AWS SAP | 設計、要件定義、セキュリティ設計、リーダー業務 | 600〜 800万円 |
上級〜 専門職 | 高度情報処理技術者試験、CISSPなど | アーキテクト、SRE、セキュリティスペシャリスト | 800万円以上 |
特にクラウドやセキュリティ分野の資格は需要が高く、専門スキルが年収の伸びを後押しします。
結論として、資格は「採用されやすくなる」だけでなく、キャリアの選択肢を増やし、年収を引き上げる大きな起点になります。
■関連記事:インフラエンジニアの年収相場まとめ
よくある質問(Q&A)
ここではインフラエンジニアの資格において、よくある質問をまとめました。
Q. ITパスポートや基本情報技術者試験は取るべきですか?
A. 広く浅いIT知識を身につけるには良い資格ですが、インフラエンジニアを目指すのであれば、実務に直結するCCNAやLPIC-1から始めることを強くおすすめします。
企業は「インフラの基礎知識を証明できる専門資格」を高く評価します。そのため、ITパスポートや基本情報は「学習のきっかけ」として役立つ一方、転職市場での優先度は低めです。
より効率的に転職活動を進め、早期にキャリアを確立したいなら、まずは LPIC-1/CCNAといった専門資格に集中するのが最短ルートです。
■関連記事:ITパスポートは転職に有利?未経験からIT業界を目指す人の成功法則
資格は独学でも取得できますか?
A. ほとんどのインフラ系資格は、独学で十分に取得可能です。
特にLPIC-1/LinuC-1やCCNAなどの基礎資格は、市販の参考書やオンラインの学習サイトが充実しており、未経験者でも計画的に学習すれば合格を目指せます。
ただし、独学でのモチベーション維持が難しい場合は、プログラミングスクールやオンライン学習コミュニティの活用も検討すると良いです。
Q. 資格取得にかかる費用と期間は?
A. 資格の種類によって、費用や期間は大きく変わります。
資格の区分 | 主な資格 | 費用の目安 | 学習期間目安 |
基礎資格 | LPIC-1/LinuC-1、CCNA | 試験費用:約3〜5万円+教材費約1万円 | 2〜4ヶ月(1日2〜3時間学習の場合) |
クラウド資格 | AWS SAA、Azure AZ-104 | 試験費用:約2万円+教材費1〜3万円 | 2〜4ヶ月 |
中級〜 上位資格 | LPIC-2、CCNP | 試験費用:約3〜6万円+教材費1〜2万円 | 2〜6ヶ月 |
資格取得は「受験料+教材費+学習時間」の3つを投資するイメージです。
まとめ:最初の一歩は「基礎資格+学習習慣づくり」
未経験からインフラエンジニアを目指すとき、最初に迷うのが資格選びです。
この記事で解説したとおり、効率的にステップアップするためには 「基礎資格 → クラウド → 応用・専門」 の流れを意識することが重要です。
■最初に取るべきインフラ基礎資格:
・ステップ1(1〜2年目):LPIC-1/LinuC-1、CCNA
→ Linuxとネットワークの基礎を固め、転職活動でも高く評価される。
・ステップ2(3〜5年目):AWS SAA、Azure AZ-104、LPIC-2
→ クラウドや中級資格に挑戦し、市場価値をさらに高める。
・ステップ3(5年目以降):CCNP、支援士、AWS SAPなど
→ 設計・上流工程や専門職を目指し、年収アップ・キャリアの幅を広げる。
まずは「基礎資格+学習習慣づくり」からスタートし、実務経験と組み合わせながら次のステップへ進みましょう。
資格の勉強法については「インフラエンジニアの勉強法まとめ記事」、キャリアの具体的な道筋については「キャリアパス記事」もあわせてご覧ください。
未経験からインフラエンジニアを目指すなら、まずは行動を!
資格ロードマップを理解した今こそ、最初の一歩を踏み出す絶好のタイミングです。
「どの資格から始めればいいか」「効率的な学習方法は?」と悩む方は、ぜひ私たちにご相談ください。
- あなたの状況に合わせた最適な学習プランをご提案
- 無料でキャリア相談が可能
- 転職成功までしっかりサポート