こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
インフラエンジニアとしてキャリアアップや転職をかなえたい時、武器になるのが資格です。資格は役に立たないという人もいますが、適切に資格を取れば、転職やキャリアアップに非常に役立ちます。
一方で、どの資格をどの順番で取得すれば、効率的にキャリアアップできるかがわからない人も多いでしょう。
この記事では、未経験からインフラエンジニアになりたい人、インフラエンジニアとしてキャリアアップしたい人に向けて、おすすめ資格の取得順番やロードマップを説明していきます。
【最初に取るべき】インフラエンジニア未経験者のおすすめ資格
インフラエンジニアを目指す人にとって、最初に取るべき資格を選ぶことは、とても重要です。
インフラエンジニアの仕事は、サーバー、ネットワーク、クラウドやセキュリティと幅広いですが、未経験から全てをカバーすることは難しいです。また全てをカバーしようとすると、中途半端になってしまいます。
ゆえに、最初に取るべき資格を見誤ると、資格取得の目的(転職、キャリアアップなど)で役に立たない可能性が出てきます。
そこで、最初に取得することで、インフラエンジニアとしてのキャリアを築きやすい資格を紹介していきます。まずは未経験者が最初に取得すべき資格から案内します。
上記画像の難易度の数字は、経済産業省のIPA(情報処理推進機構)が定めるITSSレベルで記載しています。
「難易度0=非常にやさしい」、「難易度1=やさしい」、「難易度2=やや易しい」で考えてください。
最初に取るなら、サーバー系かネットワーク系の基礎資格が一番おすすめ
インフラエンジニアの仕事は、サーバーやネットワークといったITインフラの構築や運用、保守に携わることです。ゆえに、初期で一番必要とされる知識は、サーバー系もしくはネットワーク系の知識です。
このため、未経験者は、サーバー系かネットワーク系のどちらかの分野に狙いを定めて、資格を取得することが一番のおすすめです。
まずは難易度がやさしいサーバー系のLPIC level1か、LinuC レベル1、もしくはネットワーク系のCCNAが一番評価が高く、基本を固める資格として最適です。
■インフラエンジニアが最初に取るべき資格:
・サーバー系(LPIC/LinuC-1)もしくは、ネットワーク系(CCNA)がおすすめ
・LPIC/LinuC-1と、CCNAは、早いうちに両方取得しておきたい資格
・順番は、どちらからでも可
基本情報技術者試験やAWS認定 SAAは、次点でおすすめ
LPICやCCNAより優先度は落ちますが、未経験者にとって次におすすめできる資格は「基本情報技術者試験」と「AWS認定 SAA」があります。
基本情報技術者試験が、次点でおすすめの理由
基本情報技術者試験は、IT全般を幅広く学べる国家資格です。IT全般を学ぶことができるため、ITエンジニアとしての基礎力を身につけることができ、国家資格ですので、信頼性もあります。
また新卒1社目でSIerに就職した場合、会社から取得を指示される資格は、基本情報技術者試験が多いでしょう。入社する会社によっては、基本情報技術者試験のみでインフラエンジニアのキャリアを積める場合もあります。
一方で基本情報技術者試験は、インフラエンジニアに必要となる特定分野(サーバーやネットワーク)を専門的に学ぶことができません。
また、基本情報技術者試験のみでは、インフラエンジニアとしてのキャリアアップの実現が難しいこともあり、会社によって評価が分かれる資格でもあります。
新卒時の就職活動では、「基本情報技術者試験」は評価が高い資格ですが、既卒時の未経験転職では、基本情報技術者試験は「LPIC/LinuC」や「CCNA」に評価が劣ってしまうことが多いでしょう。
AWS認定 SAAが、次点でおすすめの理由
AWS認定SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)は、AWSクラウド技術を活用したインフラ設計、運用の知識を学ぶことができる資格です。
近年において、AWSはクラウド市場で圧倒的なシェアがあります。インフラエンジニアとして、クラウドの知識はますます必須とされており、市場価値を高めるために重要な資格でもあります。
一方で、AWS認定 SAAが次点でおすすめの理由は、未経験者は「まずサーバーやネットワークの基礎を固めること」を優先すべきためです。
未経験者の場合は、まずオンプレミス(物理サーバー)の経験や知識が重要であり、オンプレミス(特にLinux)の経験がないと、AWSの理解が進まず、実務でつまづいてしまうことが多いです。
AWS認定 SAAの資格は、未経験転職でも活かすことはできますが、「LPIC/LinuC」や「CCNA」と比べると、活かせる環境が限られます。未経験者は「LPIC/LinuC」や「CCNA」から学習することが無難でしょう。
AWS SAAは、LPICやCCNAなどの基礎資格を取得後に取ることで、効果を発揮しやすい資格です。
難易度が低い資格、専門性が低い資格は、評価が高くない
資格取得はスキルや知識を証明する手段です。ゆえに資格の難易度と評価は切り離せない要素です。特に中途採用においては、顕著です。
難易度が低い資格は、多くの人が比較的簡単に取得できるため、競争力が持ちにくいです。また、専門性が低い資格も、実務で早期に活かしにくいといえます。
具体例を挙げると、ITパスポートは専門性の低さが目立ちます。クラウドプラクティショナーとLinux Essencials試験は難易度の低さで、評価されにくい資格ともいえます。
難易度が低い資格や、専門性が低い資格でも、「資格なし」よりは評価されますが、資格があるから大きく評価が変わるとは言いにくいです。
初心者の取得順番:インフラエンジニアの基礎固めの資格を取るべき
インフラエンジニアとしてキャリアをスタートする場合に最も重要なのは、しっかりとした基礎力を固めることです。
インフラエンジニアの仕事は、サーバーやネットワーク、セキュリティ、クラウドと幅広いため、これらの業務をこなすためには、基礎的な知識とスキルを広く備えることが大事です。
ゆえに、初級者が最初に取るべき資格は、インフラエンジニアとして基礎を築く資格です。一番のおすすめは「LPIC/LinuC level1」と「CCNA」の2資格を、まず取得することです。
【一番最初に取るべき資格】LPIC level1(LinuC レベル1)
インフラエンジニアとしてを目指す未経験者にとって、最初に取得をおすすめする資格はLinux技術者認定試験です。Linux技術者認定は、グローバル資格のLPICと、日本市場資格のLinuCがあります。
まずはLPIC(LinuC)のレベル1を取得することを、強くおすすめします。
LPIC(LinuC)レベル1は、Linuxに関する基本的な知識を認定する初級資格です。Linuxは多くのサーバーで使われており、インフラエンジニアとして必須スキルの一つです。
また、LPIC(LinuC)のレベル1を学ぶことで、Linuxの基本的なコマンド操作や、ファイルシステム、ユーザー管理、ネットワークなど、Linuxを扱うための基本知識を網羅して学ぶことができます。
さらに、LPIC(LinuC)のレベル1は、未経験者でも独学で取得できる難易度であり、未経験転職でも評価される資格であるため、まずはLPIC(LinuC)レベル1を目指すことをおすすめします。
■関連記事:【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
あわせて、LPIC-1とLinuC-1は、試験範囲も難易度も評価もほぼ同じ資格ですので、どちらを取得しても問題ありません。どちらを取得すべきか悩む人は、「LPIC とLinuC、どっちを取るべきかがわかる! 違いを徹底比較、解説」をあわせてお読みください。
■関連記事:LPIC(LinuC)は転職・就職でどれくらい有利?意味ない人と、取るべき人を解説
【一番最初に取るべき資格】CCNA
インフラエンジニアとしてを目指す未経験者にとって、最初に取得をおすすめする資格としてシスコ技術者認定のCCNA(Cisco Certified Network Associate)もあります。
シスコ技術者認定は、ネットワーク系の資格です。初級者がネットワーク系の資格を取るなら、CCNA一択と言えるほどの人気、認知度、評価があります。
CCNAは、ネットワークに関する基本的な知識を認定する初級資格です。CCNAはネットワーク機器のシスコシステムズ社が提供するシスコ技術者認定資格であり、下から2番目の難易度です。
CCNAを学ぶことで、ネットワークで重要な基本的なプロトコルから、ルーティングやスイッチング、セキュリティやワイヤレスなど、ネットワークを扱うための基本知識を網羅して学ぶことができます。
また、CCNAは未経験者でも独学で取得できる難易度であり、未経験転職でも評価される資格です。LPICよりも難易度は少々高くなりますが、転職活動で大きな武器になる資格です。
■関連記事:【断言します】CCNAは転職・就職で非常に有利になる資格です
LPIC(LinuC)とCCNAは、どちらも役に立つ資格であり、早い段階でどちらも取得しておきたい資格です。
■関連記事:CCNAとLPICを徹底比較!どっちを取るべき?どっちから取るべき?
未経験転職の場合は、「LPIC/LinuC level1」もしくは「CCNA」のいずれか一つで良い
未経験でインフラエンジニアを目指すために資格を取る場合は、2つとも取得する必要はありません。2つ取得しても、評価に大きな差は発生しません。
むしろ転職活動の準備に時間をかけた方が効果的であり、早く実務で経験を積む方がおすすめです。
いずれか1つに集中して学習し、LPICかCCNAの1つを取得できたら、転職活動を行ってよいでしょう。
新卒の就職であれば、基本情報技術者試験でもよい
新卒時の就職活動であれば、LPICやCCNAではなく「基本情報技術者試験」でも問題ありません。むしろ新卒の場合は、基本情報技術者試験の方が評価される傾向です。
新卒採用では、即戦力性はほとんど求められません。むしろ「長期的に成長してくれそうか?」と「会社に貢献してくれそうか?」が大きな選考ポイントです。
ゆえに、既卒採用と違い、新卒採用は即戦力性が求められないため、LPICやCCNAのような専門性が高い資格がそれほど求めらず、IT全般を学べる基本情報技術者試験の方が評価が高いことも多いです。
【まとめ】インフラエンジニアが最初に取るべき資格
■インフラエンジニアが最初に取るべき資格の、まとめ:
・サーバー系(LPIC/LinuC-1)もしくは、ネットワーク系(CCNA)がおすすめ
・LPIC/LinuC-1と、CCNAは、早いうちに両方取得しておきたい資格
・LPIC/LinuC-1と、CCNAの取得順番は、どちらからでも可
・未経験転職の場合は、LPIC/LinuC-1か、CCNAのいずれか1つ取ったら転職がおすすめ
中級者の取得順番:キャリアの方向性を決めて、資格を取るべき
インフラエンジニアとして、ある程度経験を積んだ中級者にとって、次にどの資格を取るべきかは、今後のキャリアに大きく左右する決断です。
実務で使う資格を優先して取得する進め方も一つですが、自分で資格を選んでいく場合は、「今後のキャリアの方向性」を決め、その道に進むための資格を、計画的に取っていくことが大事です。
インフラエンジニアの主要なキャリアパス
インフラエンジニアの仕事内容は幅広いため、キャリアパスも幅広いです。インフラエンジニアが目指しやすい主要なキャリアパスは以下画像ですが、努力次第ではその他のキャリアパスも目指せます。
インフラエンジニアのキャリアパスを考える、3つのポイント
中級以上のインフラエンジニアにとって、将来のキャリアパスを考える際には、以下3つのポイントから総合的に考えて、判断するとよいでしょう。
■インフラエンジニアのキャリアパスを考える、3つのポイント:
・現在の仕事内容から考える
・興味がある方向性から考える
・市場のニーズから考える
キャリアパスを考えるポイント①:現在の仕事内容から考える
現在仕事をしている中で、得意としている分野、または先輩社員や上司、ともに働く社外の人などを見た中で、今後目指したいキャリアを決めるやり方です。
現在の仕事内容から考えると、今のキャリアの延長線上のキャリアとなるため、実現可能性が高いキャリアと言えます。
キャリアパスを考えるポイント②:興味の方向性から考える
自分自身が、何に興味を持っているか?を軸として、考えていくやり方も有効です。
将来マネジメント分野に進むのか、技術を極めるスペシャリスト分野を進むのか。また興味がある極めたい技術は何なのか、から判断する考え方です。勉強してみたい分野などを検討してみましょう。
キャリアパスを考えるポイント③:市場のニーズから考える
今後需要が高まる分野から検討し、考えていくやり方です。需要がある技術や資格にも目を向けていくと、市場のニーズにあわせたスキルセットになっていきます。
特定分野に強いこだわりがない場合は、市場のニーズにあわせて考えていくやり方がおすすめです。市場のニーズにあわせると、需要も上がるため、年収アップや転職成功などにもつながりやすいでしょう。
キャリアの方向性を考えた後に、次の資格を決めるべき
まずは基礎資格として「LPIC/LinuC level1」と「CCNA」の両資格を取得をおすすめします。その後は、考えたキャリアの方向性(キャリアパス)を軸として、どの資格を取るかを見定めるとよいでしょう。
インフラエンジニアとしてキャリアアップするための資格順番
インフラエンジニアとしてキャリアアップを目指す場合は、特にサーバー(OS、ミドルウェア)、クラウド、セキュリティ分野を中心的に学ぶことがおすすめです。
インフラエンジニアは、様々な技術分野を学ぶゼネラリスト的な職種であるため、様々な技術分野の資格が候補となります。
ゆえに、インフラ分野の中でも、どこに強みを持ちたいかを検討し、資格を取捨選択しながら選んでいくことがおすすめです。
インフラエンジニアの、資格ロードマップと順番
■インフラエンジニア資格のおすすめ順番:
・最初は、LPIC/LinuC-1と、CCNAの両資格取得をおすすめ
・次は、AWS SAAとLPIC/LinuC-2の取得をおすすめ
・以降は、強みを持ちたい分野の資格を取得(おすすめは、AWS SAP、安全情報支援士、PMP)
インフラエンジニアのキャリアアップ資格①:【是非とも取りたい】AWS認定 SAA
インフラエンジニアのキャリアアップ時に、まず最初に考えたい資格は、AWS認定 SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)です。
AWSクラウドのニーズは非常に高いかつ、インフラエンジニアもクラウドを使うことが非常に増えているため、まずはAWS SAAを取得することがおすすめです。
AWS SAAを取得すると、AWS上のシステム設計や運用の基礎知識を学べかつ、知識を客観的に証明することができます。
また、LPIC-1やCCNAの試験範囲は、AWS SAAの試験範囲とかぶりませんが、AWSを実際に触る際に、EC2やVPCなどの主要サービスにおいて、LPICやCCNAで学んだ知識も大きく活かせます。
インフラエンジニアのキャリアアップ資格②:【是非とも取りたい】LPIC/LinuC level2
インフラエンジニアとして取得しておきたい資格として、LPIC level2があります。
特に、現時点でサーバー構築経験がない場合は、LPIC-2は是非ともとるべき資格です。またサーバー構築経験がない場合は、AWS SAA資格よりも、LPIC-2を優先して取得すべきでしょう。
LPIC-2を取得することで、キャパシティプランニングやトラブルシューティング、ネットワークの設定、sambaを使ったファイル共有などを学ぶことができ、より専門性が高くなります。
また、LPIC-1に比べて取得率も減るため、持っているだけで他のエンジニアとの差別化につながることもあります。
インフラエンジニアのキャリアアップ資格③:【将来に取りたい】PMP
PMP(Project Management Professional)は、インフラエンジニアがキャリアアップをしたい際に、将来的に検討したい資格です。
PMPは、プロジェクト管理における世界標準の資格です。取得するには、プロジェクト管理に関する一定の実務経験が求められます。
また、試験ではプロジェクト管理に関する幅広い知識と経験が必要となるため、早い段階で取得は難しい資格です。
一方で、インフラエンジニアにとって、上位に進むほどプロジェクト管理能力が求められていきます。また、プロジェクトを管理できるインフラエンジニアは、非常に不足しています。
PMPはプロジェクト管理能力を証明する資格であり、インフラエンジニアとしての市場価値を大きく上げ、キャリアアップや年収アップに大きく直結してくれる資格です。
ネットワークエンジニアとしてキャリアップするための資格順番
ネットワークエンジニアとしてスペシャリストを目指す場合は、特にネットワークとセキュリティ分野を中心的に学ぶことがおすすめです。
ネットワークエンジニアは幅広く学ぶインフラエンジニアと異なり、ネットワークに対する専門性の深さが問われていきます。ネットワークを中心に学び続けることが、キャリアアップのポイントです。
ネットワークエンジニアの、資格ロードマップと順番
■ネットワークエンジニア資格のおすすめ順番:
・最初は、LPIC/LinuC-1と、CCNAの両資格取得をおすすめ
・次は、CCNA上位資格のCCNPをおすすめ
・以降は、ネットワークスペシャリスト、安全確保支援士の取得がおすすめ
ネットワークエンジニアのキャリアアップ資格①:【是非とも取りたい】CCNP
ネットワークエンジニアのキャリアアップ時に、まず最初に取りたい資格は、CCNP(Cisco Certified Network Professional)です。
CCNPはネットワーク技術において、中級レベル以上の知識を証明する資格であり、ネットワーク設計構築へのキャリアアップや、トラブルシューティング力向上など、大きく役に立つ資格です。
また、大規模ネットワークやエンタープライズネットワークの仕事では、CCNPの取得が求められることもあり、ネットワークエンジニアとしての市場価値を高め、年収アップにも貢献してくれる資格です。
ネットワークエンジニアとして、次の資格を考えるのであれば、CCNPをまず第一候補とすることをおすすめします。
ネットワークエンジニアのキャリアアップ資格②:【是非とも取りたい】ネットワークスペシャリスト試験
CCNP取得後に、ネットワークエンジニアとしての更なるキャリアアップを考えた場合には、国家資格のネットワークスペシャリスト試験は非常におすすめです。
ネットワークスペシャリスト試験は難易度が高いですが、インフラ系の国家資格の中では非常に高い市場価値があります。
キャリアアップや年収アップはもちろん、また転職においてもネットワークスペシャリスト試験を持つエンジニアを優先的に採用する会社があるなど、さまざまな優位性がある資格です。
ネットワークエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、難易度は高いですが、是非とも取得しておきたい資格です。
ネットワークエンジニアのキャリアアップ資格③:【願わくば、取りたい】CCIE
CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、CCNPの上位資格であり、ネットワークエンジニアの資格の中では、最も難易度高く、権威ある資格です。
CCIEを取得すると、ネットワークのスキルがエキスパートレベルであることが証明されます。またネットワーク業界における神という人も相応いる、まさに最高峰の資格です。
CCIEは世界的に有名な資格であり、シスコの認定資格の中で、もっとも年収が上がる資格です。また取得者も多くなく、大規模プロジェクトではCCIE取得者必須のプロジェクトもあるため、非常に高い市場価値もあります。
ただし、CCIEは難易度が非常に高い資格です。取得には数年単位での学習と労力がかかるため、取得希望者は長い学習計画と強い意志が必要と言えるでしょう。
クラウドエンジニアとしてキャリアアップするための資格順番
クラウドエンジニアとしてキャリアアップを目指す場合は、サーバー系とネットワーク系(特にサーバー)を学んだ後に、クラウド分野を積極的に学ぶことがおすすめです。
ただし、クラウド系で必要とされる知識は非常に幅広く、クラウドエンジニアはサーバーやネットワークなどの総合力が強く求められる職種です。ゆえに、計画的に有効な資格を取捨選択することがおすすめです。
クラウドエンジニアの、資格ロードマップと順番
■クラウドエンジニア資格のおすすめ順番:
・最初は、LPIC/LinuC-1と、CCNAの両資格取得をおすすめ
・次は、AWS SAAとLPIC/LinuC-2の取得をおすすめ
・以降は、Python3エンジニア認定、AWS SAP、AWS Specialityがおすすめ
・(マイクロソフト環境で仕事をする場合は、Azure-104がおすすめ)
クラウドエンジニアのキャリアアップ資格①:【最初に取りたい】AWS認定 SAAとLPIC/LinuC-2
クラウドエンジニアとしてキャリアアップしたい場合は、まず取得したい資格は、インフラエンジニアと同様「AWS SAA」と「LPIC/LinuC-2」です。この両資格が、クラウドエンジニアの基礎作りにつながります。
AWS SAAは、AWSの設計運用知識を証明でき、AWSで必要なクラウド知識をカバーできます。また、LPIC-2を学ぶことで、クラウドが動作するLinux環境を学ぶことができ、クラウドエンジニアとしてのスキルセットに繋がります。
クラウドエンジニアのキャリアアップ資格②:【是非とも取りたい】AWS認定 SAP
AWS認定SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)は、AWS SAAの上位資格であり、AWS認定の中で最も高度な資格の一つです。
AWS SAPを取得することで、設計工程での冗長性確保やセキュリティ、スケーラビリティ、パフォーマンスの最適化などを学ぶことができます。
また、大規模システムやミッションクリティカルなシステムをクラウドベースで関わりたい際には、AWS SAPは是非とも取得しておきたい資格です。
クラウド技術に強みを持ちかつ、大規模インフラプロジェクトの設計ができるエンジニアは希少であるため、クラウドエンジニアとしてのキャリアを築く際には、是非とも取得したい資格です。
クラウドエンジニアのキャリアアップ資格③:【是非とも取りたい】Python3エンジニア認定基礎試験
クラウドエンジニアにとって、インフラの自動化などは重要なスキルです。プログラミング言語のPythonは、AWSやGCPなどのクラウドプラットフォームの自動化ツールやスクリプトとして広く使われています。
Python3エンジニア認定基礎試験を取得することで、インフラ管理や運用の自動化などを行うための、スクリプト作成知識を得ることができ、業務効率化に役立つスキルとなります。
Pythonを使うと、AWSのリソース管理を自動化したり、Infrastructure as Code(IaC)のツールであるTerraformやAnsibleと連携してコード化されたインフラを管理することができ、Pythonに強いクラウドエンジニアは需要があります。
また、Python3エンジニア認定基礎試験は、難易度が低めでありながら、評価が高めであることがポイントでもあります。資格を取ったら、コーディングスキルが高いとみなされる訳ではありませんが、難易度に対して評価が高い資格です。
クラウドエンジニアのキャリアアップ資格④:【必要であれば取りたい】Azure-104
Azure-104は、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスである「Microsoft Azure」に特化した資格です。正式名称は「Microsoft Certified: Azure Administrator Associate」です。
Azureは、マイクロソフト環境で利用されるクラウドサービスであり、Windows ServerやOffice365などの製品と統合しやすい点が特徴です。マイクロソフト環境で仕事をするエンジニアは、Azure-104の方が実務で活かしやすいでしょう。
Azure-104は、アソシエイト向けの資格であり、Azure環境における基礎的な管理スキルを学ぶことができます。具体的には、リソース管理、ネットワーク構成、セキュリティやストレージ、仮想マシンなどが学べます。
マイクロソフト環境でキャリアを積みたい方、Azureの導入が進む環境で仕事をする方は、AWS資格よりもAzure資格を選ぶべきです。Azure資格の中では、Azure-104が是非取得したい資格です。
セキュリティエンジニアとしてキャリアアップするための資格順番
セキュリティ系で必要とされる知識は非常に幅広いです。ネットワークセキュリティもあれば、クラウドセキュリティもあり、またガバナンスなどもあります。
ゆえに、セキュリティエンジニアとしてキャリアアップを目指す場合は、セキュリティの中でも、どの分野に強みを持つかを更に定めることがおすすめです。
またセキュリティ系はアップデートが激しいため、資格を維持することも大変な資格が多めです。お金も相応必要となるでしょう。
ゆえに、最初に学ぶ分野について「テクノロジー系」、「管理系」、「総合系」のいずれかを選択し、やりたい方向性を更に決め、計画的に有効な資格を取捨選択することがおすすめです。
ここでは総合的に学べる資格を主として説明します。
セキュリティエンジニアの、資格ロードマップと順番
■セキュリティエンジニア資格のおすすめ順番:
・最初は、LPIC/LinuC-1と、CCNAの両資格取得をおすすめ
・次は、仕事で必要な資格を取りながら、安全確保支援士取得がおすすめ
・以降は、強みを持ちたい分野の資格を取得(最高レベルを目指すなら、CISSPがおすすめ)
セキュリティエンジニアのキャリアアップ資格①:【是非とも取りたい】情報処理安全確保支援士試験(SC)
セキュリティエンジニアとしてキャリアを築く場合に、取得を最もおすすめする資格は「情報処理安全確保支援士」です。上級国家資格ですが、特にこだわりがない場合は、まずは情報処理安全確保支援士を目指すべきでしょう。
情報処理安全確保支援士は、セキュリティエンジニアとしての高度なスキルを証明する資格であり、テクノロジー系から管理系まで幅広く学べることが特徴です。日本国内での評価と知名度も抜群です。
また、セキュリティエンジニアにおいて大事な点の一つとして、信頼感があります。セキュリティ系において、評価や知名度が高い資格取得はキャリアアップに有効であり、安全確保支援士は資格における信頼感を与えてくれるメリットがあります。
また、安全確保支援士の下位資格に、情報セキュリティマネジメントがありますが、情報セキュリティマネジメント資格の評価はそれほど高くありません。セキュリティの基礎固めとして学ぶ資格です。
セキュリティエンジニアのキャリアアップ資格②:CISSP
CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、世界的に最も有名なセキュリティのプロフェッショナル資格です。
CISSPは、ネットワークセキュリティやリスクマネジメント、セキュリティ運用など、幅広いセキュリティ分野をカバーしており、安全確保支援士から、更にキャリアを上級に進めていきたい場合に有効となる資格です。
また国際的に有名な資格ですので、グローバル企業や外資系企業でのセキュリティエンジニアとして高く評価されます。あわせて、CISO(最高情報セキュリティ責任者)などを目指す人が、取得を目指す資格といえます。
取得難易度は非常に高い資格ですが、セキュリティ業界での市場価値を大きく高める資格であるため、セキュリティエンジニアとして高みを目指す場合に、おすすめの資格です。
データベースエンジニアとしてキャリアアップするための資格順番
データベースエンジニアとしてキャリアアップを目指す場合は、とにかくデータベース分野を積極的に学ぶことがおすすめです。
データベースエンジニアは非常に専門性が高いため、データベース技術の習得にひたすら注力することが大事です。
データベースエンジニアの、資格ロードマップと順番
■データベースエンジニア資格のおすすめ順番:
・最初は、LPIC/LinuC-1と、CCNAの両資格取得をおすすめ(CCNAは無しでも可)
・次は、ORACLE MASTERのBronze⇒Silver⇒Goldの順番がおすすめ
・以降は、データベーススペシャリスト⇒ORACLE MASTER Platinumの順番がおすすめ
データベースエンジニアのキャリアアップ資格①:【最初に取りたい】ORACLE MASTER Silver
データベースエンジニアとして専門性を高めるためには、ORACLE MASTER資格を積極的に取得することがおすすめです。
ORACLEはデータベース市場で高いシェアを誇り、特に大規模システムではORACLEが多く採用されています。データベースエンジニアにとって、ORACLEは切り離しにくい存在といえます。
データベースエンジニアを目指すなら、最初はORACLE MASTER Silver(もしくは、ORACLE MASTER Blonze⇒Silverの順番)を目指すべきです。ORACLE MASTER Silver取得から、データベースエンジニアのキャリアが始まると言えるでしょう。
ORACLE MASTER Silverでは、SQLなどといったデータベース管理に必要な基礎知識を学ぶことができ、ORACLEデータベースを使用しているプロジェクトでは、この資格を持つことで参加がしやすくなります。
また、データベースエンジニアとして、その後のキャリアアップに繋がるORACLE MASTER Goldに向けた、足掛かりとなる資格です。
データベースエンジニアのキャリアアップ資格②:【是非とも取りたい】ORACLE MASTER Gold
データベースエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、次にORACLE MASTER Goldの取得を強くおすすめします。ORACLE MASTERは、Goldから大きく評価が高まります。
Gold資格を取得すると、ORACLEデータベースの高度な知識とスキルがあると見なされます。特にデータベースエンジニアに必要とされるパフォーマンスチューニングやセキュリティ管理などを学ぶこともできます。
またGold資格を持つことで、大規模システムや高難易度プロジェクトに参加できることが大きく増えます。Gold資格は、キャリアアップや年収アップに大きくつながり、市場価値を高める手段となります。
Silver資格からGold資格になると、大きく難易度が高まるため、Gold資格を持つエンジニアは大きく減ります。他エンジニアとの差別化を考えても、Gold資格は有効です。
もちろん、Goldの上位資格である「ORACLE MASTER Platinum」取得の足掛かりにもなるため、そのままPlatinum資格を目指してもよいでしょう(Gold取得後に、Platinumまで取得してしまう人は多いです)。
データベースエンジニアのキャリアアップ資格③:【最後に取りたい】ORACLE MASTER Platinum、データベーススペシャリスト試験
データベースエンジニアとしてキャリアアップを目指す際に、最後に取得したい資格として「ORACLE MASTER Platinum」と「データベーススペシャリスト試験」があります。
ORACLE MASTER Platinumは、ORACLE認定の最上位資格です。実技試験もあるため、ORCALE製品に特化した技術力を証明できる資格です。実質的なデータベースエンジニアの最上位資格といえるでしょう。
また国家試験の高度試験に分類されるデータベーススペシャリスト試験も、データベーススキルを認定するデータベースエンジニアに有用な資格です。
この「ORACLE MASTER Platinum」と「データベーススペシャリスト試験」の両資格は、データベースエンジニアとしての市場価値を最高峰に持ち上げてくれる資格と言えます。年収アップや転職で、非常に役立つ資格です。
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