こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワークエンジニアって、クラウドやAIに取って代わられるのでは?」
「運用や監視ばかりで、この先どうキャリアを伸ばせばいいかわからない、、」
そんな不安を抱えるネットワークエンジニアの方は、決して少なくありません。
確かに、物理機器中心のネットワーク構築や運用は、今後自動化・クラウド化が進む領域です。また、 ルーターやスイッチの設定作業だけでは、長期的に市場価値を高めるのが難しくなりつつあります。
一方で、クラウド上のネットワーク設計や、ゼロトラストを軸としたセキュリティ設計など、今まさに需要が急増している分野もあります。
これらは、ネットワークエンジニアが持つアクセス制御・通信経路の理解などの強みが、最も活かせる分野です。
つまり、クラウドやセキュリティといった次世代領域にスキルを広げることで、AI時代にも通用する高市場価値なネットワークエンジニアへキャリアアップができます。
この記事では、ネットワークエンジニアのキャリアパスを最新トレンド(クラウド/AI/自動化)を踏まえて再設計し、今後のキャリア戦略を具体的に解説していきます。
ネットワーク運用や構築の経験を、次のステージへ。 クラウドとセキュリティを武器にキャリアをアップデートしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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なお「ネットワークエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。キャリアパスだけでなく、仕事内容・年収・スキル・将来性をまとめています。
→ ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ
AI・クラウド時代に変わるネットワークエンジニアの役割
AIやクラウド、自動化の波によって、ネットワークエンジニアの役割が変化しています。
単にルーターやスイッチを設定するだけの仕事ではなく、システム全体のつながりと安全性を設計する立場へと進化しています。
ここでは、今までのキャリア構造を振り返りながら、なぜ変化が求められているのか、そしてどの方向にスキルを広げるべきかを整理していきます。
キャリアパスの基本構造(運用 → 構築 → 設計 → 上流工程)
ネットワークエンジニアのキャリアは、これまで以下のような段階でキャリアアップをしてきました。
■キャリアパスの基本構造:
・運用保守・監視フェーズ:
→監視、トラブル対応、簡単な設定変更など。現場経験を積む基礎期間。
・構築フェーズ:
→ルーター/スイッチの選定や設定、機器導入、動作テストなどの実務を担当。
・設計フェーズ:
→要件定義に基づき、ネットワーク構成図や設計書を作成。顧客折衝も発生。
・上流工程(PM/ITコンサル):
→ネットワーク全体の構想・運用設計、コスト・セキュリティ方針を含めた企画・提案。
このように「運用 → 構築 → 設計 → 上流工程」というステップアップは今でも十分に有効です。しかし、オンプレミス中心のキャリア構造では限界も一部見え始めています。
従来のキャリアパスでは市場価値の維持が難しい理由
これまでのネットワークエンジニアは、機器の設定や構築スキルを中心にキャリアを築いてきました。
しかし、AIやクラウド、自動化の発展により、従来のスキルセットだけでは市場価値を維持することが難しくなりつつあります。
ここでは、その理由を3つの観点から整理していきます。
1. 物理ネットワークからクラウド基盤への移行
企業のネットワークは、オンプレミス機器からAWS・Azure・GCPといったクラウド基盤上の仮想ネットワークへ急速に移行しています。
VPCやVNetといった仮想ネットワークは、いまやAPIやコードを通じて操作されるようになりました。
そのため、物理機器のCLI設定スキルのみに依存するキャリアでは、対応しきれなくなってきています。
2. 自動化による構築作業の変化
TerraformやAnsibleなどのIaC(Infrastructure as Code)ツールの普及により、設定作業は「手で叩く」から「コードで構築する」工程へシフトしています。
ネットワークエンジニアも、今後はスクリプトを使って仕組みを自動化するスキルが少しずつ求められるようになってきました。
3. SDN/NFVによるネットワーク仮想化
SDN(Software Defined Networking)やNFV(Network Function Virtualization)の登場により、
従来ハードウェアで実装していたFW・LB・VPNなどがソフトウェア化されました。
これにより、アプリケーション開発者と協働してネットワークリソースを提供したり、セキュリティポリシーをコードとして実装したりするなど、新しい役割も求められるようになっています。
新たな2つの進化軸:「クラウド」と「セキュリティ」
時代の変化に対応していくためには、既存の強みを活かしながら、新しい技術領域にも目を向けていく姿勢も求められます。
特にクラウドやセキュリティは、従来のネットワークスキルと相性の良い発展分野です。
① ネットワークエンジニアに最も親和性の高い進化軸:クラウドセキュリティの専門家(Zero Trust/SASE)
今、最も需要が高まっているのがクラウドセキュリティ分野です。
特に「ゼロトラスト」、「SASE(Secure Access Service Edge)」は、ネットワークエンジニアが持つ通信制御の知識と非常に相性が良い分野です。
従来のファイアウォールやVPNで培ったアクセス制御・ポリシー設計の知識が、クラウド環境ではセキュリティグループ・IAM制御・マイクロセグメンテーションに直結します。
さらに、企業の境界が曖昧になるクラウド時代においては、「誰が・どこから・どのリソースへアクセスできるか」を判断するゼロトラスト設計も必要になっています。
■クラウドセキュリティ分野:
・学ぶべき技術領域:IAM/SASE/Zscaler/Prisma Access/CrowdStrike など
・おすすめ資格:AWS Certified Security – Specialty、情報処理安全確保支援士など
・キャリアパス:セキュリティエンジニア/クラウドセキュリティアーキテクト/SOCリーダーなど
② インフラ系の主なキャリア:パブリッククラウドネットワークの専門家(IaC/自動化)
もう一つの進化軸は、クラウド上でのネットワーク設計・自動化運用です。
AWSのVPC設計やAzureのVNet構成、Transit Gatewayなど、クラウド特有のネットワーク設計スキルは今後の標準スキルになります。
またクラウド環境では、単なるネットワーク設計だけでなく、TerraformやCloudFormationを使ってコードで環境を再現できる能力も求められます。
■クラウド分野:
・学ぶべき技術領域:VPC/VNet/Direct Connect/Terraformなど
・おすすめ資格:AWS Certified Advanced Networking – Specialty
・キャリアパス:クラウドエンジニア/インフラ自動化エンジニアなど
これら2つのキャリア軸を意識することで、ネットワークエンジニアは「消える職種」ではなく、より上位レイヤーで活躍する専門職へ進化できます。
キャリアパス構造の再定義とロードマップ
ネットワークエンジニアのキャリアは、かつて「運用 → 構築 → 設計 → 上流工程」という明確な階段型モデルが中心でした。
しかし、クラウドや自動化の普及に伴い、その構造は少しずつ新しい形に再定義されつつあります。
今後は、物理ネットワークの延長線上ではなく、クラウド基盤やセキュリティ設計を含む「上流志向のキャリア」へと発展していく流れが強まっています。
フェーズ別ステップアップ構造
ネットワークエンジニアのキャリアは、段階的にステップアップしていく構造です。まずは自分が「今どのフェーズにいるのか」を把握することが大切です。
以下の表では、それぞれのフェーズで身につくスキルや目安となる資格、学習テーマを整理しています。
| フェーズ | 主な仕事内容 | スキル例 | 資格例 | 目安期間 |
| 運用保守・監視 | ネットワーク監視、障害対応、設定変更 | TCP/IP、ルーティング、トラブルシューティング | CCNA、ITパスポート | 〜2年 |
| 構築 | 機器選定・設定、VPN・FW構築 | ルーティング・スイッチングの深い理解、アクセス制御(ACL/FW) | CCNP | 2〜5年 |
| 設計 | 顧客要件定義、ネットワーク全体設計 | 冗長化設計、可用性・運用設計 | ネットワークスペシャリスト | 5年〜 |
| クラウド・セキュリティ上流 | クラウド基盤構築、ゼロトラスト設計、IaC導入 | AWS VPC、IAM、Terraform、SASE | AWS SAA/Security Specialty、情報処理安全確保支援士 | 6年〜 |
ポイント:
スキルアップの順番は「ネットワーク基礎 → 構築 → 設計 → クラウド/セキュリティ応用」です。途中からでもキャリア再設計は可能ですが、学習と実務を並行する意識が重要です。
キャリアパス全体像(図解+ロードマップ)
ネットワークエンジニアのキャリアは、現在では「構築→設計」だけではありません。
AI・クラウド時代では、クラウドセキュリティ領域とクラウドネットワーク領域の2方向に広がりを持つキャリア設計も増えてきています。

図:ネットワークエンジニアのキャリアロードマップ(運用→構築→設計→クラウド・セキュリティ上流→ITアーキテクト)
ネットワークの専門性をベースに、クラウド・セキュリティやゼロトラスト設計へ発展させることで、
技術職としての深みと市場価値の両立を更に高めることがも可能になります。
次のステップに進むための行動指針
ネットワークエンジニアがキャリアアップを加速させるには、以下の3つの視点が重要です。
①環境選びの重要性
運用中心の環境では、構築や設計スキルが身につく機会が限られます。
構築案件やクラウド移行に関われる現場を選ぶことが、キャリア転換の第一歩です。
②学習・資格・実務を並行して進める
資格取得(CCNA/CCNP/AWS SAAなど)は「学習の起点」として有効です。
現場でつまずいた部分を学習で補い、学んだことを次の業務で実践する。このサイクルを意識するだけで、成長スピードは大きく変わります。
③キャリア相談を活用する
自分ひとりで考えていると、今のスキルが市場でどの程度評価されるのか、次にどんな仕事を目指せるのかを判断するのは難しいものです。
転職支援サービスなどを活用し、「どの環境なら次のフェーズに進めるか」を一緒に設計してもらうのも効果的です。
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主なキャリアパターン(4タイプ別)
ネットワークエンジニアとしてキャリアを積む中で、どの方向に成長していくかは人それぞれです。
ここでは、技術を極めたい人・領域を広げたい人・チームを率いたい人・企画や戦略に関わりたい人、
それぞれの志向に応じた4つのキャリアタイプを紹介します。
自分の強みや興味に近い方向性を意識することで、「何を学ぶべきか」、「どんな現場を選ぶべきか」が明確になっていきます。
① スペシャリスト型(技術を極める)
深い専門知識と設計力で、ネットワークやセキュリティの中核を担うタイプです。特定領域の技術を追求し、構築・設計・改善を通じて高い技術的信頼を得るポジションを目指していきます。
ネットワーク設計・構築エンジニア
オンプレ/クラウド問わず、ネットワーク全体の構成を最適化するスペシャリストです。
設計ドキュメント作成や構築プロジェクトの技術リードを担い、Cisco/Fortinetなどのベンダー製品の知識に加え、将来的にはSDNといった仮想化ネットワークなどにも携われると、より上流で活躍できます。
■ネットワーク設計・構築エンジニア:
・スキル例:BGP、OSPF、VLAN設計、冗長化構成、SDN/仮想ネットワーク、IaC
・推奨資格:CCNP、ネットワークスペシャリストなど
クラウドセキュリティエンジニア(ゼロトラスト/SOC/SASE)
ネットワーク知識を活かして、クラウド上のアクセス制御・脅威検知・セキュリティ監視を設計・運用するスペシャリストです。
従来の境界防御から、ユーザーやデバイスの認証を軸にしたゼロトラスト設計へと発展させる役割です。
■クラウドセキュリティエンジニア:
・スキル例:SASE、CASB、Zscaler、Prisma Access、CrowdStrike
・推奨資格:情報処理安全確保支援士、CISSPなど
クラウドセキュリティエンジニアは、クラウド利用拡大とともに需要が大きく高まっています。今後10年で最も人材価値が高まる分野のひとつです。
② ジェネラリスト型(領域を広げる)
ネットワークにとどまらず、サーバーやクラウドなど周辺領域を横断的に扱うタイプです。
ジェネラリスト型では、幅広い技術を理解することで、全体最適やシステム間の連携を設計できるエンジニアを目指していきます。
インフラエンジニア(NW+サーバー)
サーバー構築・ネットワーク設定・セキュリティ対応を一体で扱う職種です。
中小〜中規模企業やSIerで特に需要が高く、システム全体の設計視点を磨くことができます。
■インフラエンジニア(NW+サーバー):
・スキル例:Linux、Apache/Nginx、MySQL、NW設定、仮想化環境
・推奨資格:LPIC-2/LinuC-2、CCNP、AWS SAAなど
クラウドエンジニア(AWS/Azure)
オンプレで培った設計力を活かし、クラウドインフラの設計・運用に携わる職種です。
VPC/VNet構築やVPN接続設計、IaCによる自動化を通して、「手を動かす構築者」から「最適な仕組みを設計するエンジニア」にもステップアップできます。
■クラウドエンジニア(AWS/Azure):
・スキル例:AWS VPC、Azure VNet、Terraform、Ansible、CloudFormation
・推奨資格:AWS SAA/SAP、AZ-104/AZ-305など
クラウド環境ではネットワーク設計に加えて、OSレイヤー(特にLinux)の基本操作・ログ確認などスキルも求められるようになります。
③ マネジメント型
技術とプロジェクト推進の両面から、チームをまとめるタイプです。
技術を理解した上で、スケジュール管理やベンダー調整、メンバー育成などのマネジメント業務を担います。
プロジェクトリーダー/PM
ネットワーク・クラウド案件の推進リーダーとして、要件定義から納期管理までを統括します。
技術力に加えて、管理力・課題解決力・顧客折衝力などが求められます。
■プロジェクトリーダー/PM:
・スキル例:要件定義、進捗・課題管理、ステークホルダー調整
・推奨資格:PMP、プロジェクトマネージャ試験
④ ビジネス・上流型
ITインフラの知識を活かして、経営課題や事業戦略の解決に携わるタイプです。
技術視点を持ちながら、コンサルティング・企画・システム戦略策定に関わります。
ITコンサルタント/IT企画・情報システム
企業のIT投資計画やクラウド移行戦略を立案し、経営層や事業部門と連携して課題を解決するポジションです。
■ITコンサルタント/IT企画・情報システム:
・スキル例:課題分析、IT戦略立案、ベンダー選定、セキュリティ監査
・推奨資格:ITストラテジスト、情報処理安全確保支援士など
補足:キャリア選択の考え方
キャリアパスのタイプに正解・不正解はありません。重要なのは、自分の強み(得意技術・興味・志向)と市場の伸びしろを掛け合わせることです。
■キャリア選択の例:
・「設計・構築が得意」ならスペシャリスト型
・「領域を横断して全体最適を考えたい」ならジェネラリスト型
・「チームを動かしたい」「上流に関わりたい」ならマネジメント・ビジネス型
というように、自分のフェーズや目指したい方向性に応じて選択すると、長期的な成長が見込みやすくなります。
また以下からは、それぞれのキャリアパターンに応じた年収レンジと将来性を比較し、どの分野が今後より伸びていくのかを具体的に整理していきます。
キャリアパスごとの年収と将来性
ネットワークエンジニアの年収は、担当する業務やスキルレベルによって大きく変わります。
特に近年は、クラウド・セキュリティ分野にスキルを広げることで、従来より高い水準を狙えるようになっています。
ここでは以下の3点を軸に、キャリア選択の目安を整理していきます・
■キャリアパスごとの目安:
・フェーズ別の年収相場
・クラウド/セキュリティ分野の伸びしろ
・キャリアを進めた場合の具体的な年収アップ例
フェーズ別の年収相場
日本国内のネットワークエンジニアの平均年収は 約400万〜600万円 と言われています。
ただし、フェーズが上がるごとに求められるスキルと責任が増し、年収レンジも大きく変化します。
| フェーズ | 主な業務内容 | 想定年収 |
| 運用フェーズ(監視・保守) | 機器監視、障害対応、ルール変更 | 300〜450万円 |
| 構築フェーズ(設計・構築) | VPN・FW構築、ネットワーク設計 | 450〜700万円 |
| 上流工程(設計・PM・コンサル) | 要件定義、クラウド移行、セキュリティ設計 | 700〜1,000万円以上 |
運用に長く留まると年収が頭打ちになりやすい一方、構築・設計・上流へ進むことで報酬レンジは大幅に上がります。
→関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場と1,000万円超えのキャリア設計
クラウド・セキュリティ分野の年収水準
クラウドとセキュリティ領域は、今後10年で最も需要が拡大する分野であり、高年収が見込める領域です。
ネットワークの基礎知識を活かせる一方で、クラウド特有の設計思想やIaCなどを学ぶ必要があり、目指す場合は計画的なステップアップが重要です。
| 職種 | 主なスキル | 想定年収 |
| クラウドインフラエンジニア(AWS/Azure) | VPC設計、IaC、VPN接続、監視運用 | 500〜900万円 |
| セキュリティエンジニア(SOC/ゼロトラスト) | アクセス制御、脅威分析、SASE設計 | 600〜1,200万円 |
これらの分野では、ネットワーク+クラウドサーバー/セキュリティの複合スキルを持つ人材の評価が高く、転職市場では「希少人材」として扱われるケースも増えています。
→関連記事:ネットワークエンジニアの将来性はある?AI・クラウド時代の需要とキャリア戦略
キャリアを進めた場合の年収アップ事例
実際にキャリアを広げたことで、年収が大きく上がった事例も多くあります。
| 事例 | ステップアップ内容 | 年収の変化 |
| 20代後半 | 運用 → 構築フェーズに昇格 | 350万円 → 450万円 |
| 30代前半 | インフラ構築 → AWSクラウドへ | 450万円 → 570万円 |
| 30代後半 | NW設計 → セキュリティ設計(ゼロトラスト) | 750万円 → 850万円 |
これらはすべて「フェーズを上げる」か「分野を広げる」ことで達成されたケースです。特にクラウドセキュリティ領域では、1〜2年の学習投資で年収100万円以上アップも現実的です。
このように、ネットワークエンジニアとしての収入は、担当フェーズやスキルによって大きく変わります。
特に、クラウド・セキュリティといったAI時代に需要が伸びる分野へキャリアを広げることで、年収の上限も大きく上がる傾向があります。
以下の関連記事では、各職種別の年収相場やキャリア別の収入アップ事例を詳しくまとめています。
関連記事:AI時代に価値が高まる職種の年収相場
→関連記事:インフラエンジニアの年収相場と上げ方|工程別・年代別に1000万円を狙う戦略
→関連記事:クラウドエンジニアの年収まとめ|AWS・Azure時代の市場価値とは
→関連記事:AWSエンジニアの年収相場と上げ方|資格・経験別レンジと脱SES戦略
将来性まとめ:「市場が伸びる分野」にキャリアを乗せる
ネットワークエンジニアは、今もシステムの根幹を支える重要な職種です。
ルーティング設計、冗長化、セキュリティポリシーの構築といった基礎技術は、どれもクラウドやゼロトラストといった次世代インフラの基盤にも直結しています。
また将来性をさらに高めていくためには、そうした基礎力を土台に、市場が伸びる分野にキャリアを寄せていくことも重要です。
クラウドインフラ(AWS/Azureなど)や、クラウドセキュリティ(ゼロトラスト/SASE)といった分野は、単なる「転職トレンド」ではなく、企業が中長期的に投資し続ける領域です。
いま持っている技術を手放す必要はなく、「技術を次世代の形にアップデートする」視点が、ネットワークエンジニアとして長く価値を発揮するための鍵もなります。
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キャリア形成に必要な資格・スキル
ネットワークエンジニアがキャリアを広げていく上では、「どの分野に進みたいか」に応じて、学ぶべき資格やスキルが異なります。
クラウドやセキュリティの需要が急拡大する一方で、ネットワークの基礎力を持つ人材は依然として貴重です。
ここでは、基礎 → 専門 → 上流と段階的にステップアップできる資格・スキルを整理していきます。
ネットワーク基礎・応用(CCNA/CCNP)
最初のステップは、ネットワーク技術の基礎理解を体系的に固めることです。
Cisco認定資格(CCNA/CCNP)は、ネットワーク分野の代表的な国際資格であり、設計・構築フェーズへの登竜門となります。
■ネットワーク基礎・応用分野:
・CCNA(Cisco Certified Network Associate)
→ルーティング・スイッチング・TCP/IPの基礎を体系的に学べる。運用・保守から構築に進みたい方に最適。
・CCNP Enterprise
→冗長構成・トラブルシューティング・セキュリティ設計など、より上流の設計スキルを証明。プロジェクト全体を見渡すエンジニアを目指す際に有効です。
ポイント:
ネットワークの構造を理解できることは、クラウド環境(VPC/サブネット/ルーティング)の設計にも直結していきます。
クラウドセキュリティ(AWS SCS/情報処理安全確保支援士)
クラウド時代のセキュリティは、「ネットワーク × ID管理 × 自動化」が融合する領域です。
特に以下の資格は、クラウド・ゼロトラスト・SASEなど新時代の設計に関わるうえで価値が高いです。
■クラウドセキュリティ分野:
・AWS Certified Security – Specialty(SCS)
→IAM、KMS、WAF、監査ログなど、AWS上のセキュリティ設計を体系的に学べる。
・情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
→国家資格として、企業のセキュリティ監査・設計・統制分野での信頼性が高い。
ポイント:
ネットワークの知識を持つ人ほど、クラウドセキュリティ分野への転換はスムーズです。既存のFW・ACL・VPN設計の理解が、ゼロトラストやSASE構成に直結していきます。
IaC/自動化スキル(Terraform/Ansible/Python)
クラウドや仮想環境では、構築作業をコード化(IaC: Infrastructure as Code)するスキルも重要です。
設定を手動で行うのではなく、コードで環境を再現できるエンジニアが高く評価されます。
■IaC/自動化分野:
・Terraform:AWS・Azureなどのインフラ構築をコードで自動化。
・Ansible:サーバー・ネットワーク設定を効率化する構成管理ツール。
・Python:API操作やネットワーク自動監視ツール開発にも応用可能。
ポイント:
コードを書けることで、より安定した運用と設計の両立が可能になり、将来性や市場価値を大きく高めることができます。
クラウドネットワーク(AWS ANS/Azure Network Engineer)
仮想ネットワーク(VPC/VNet)の設計・運用に関連した資格も、近年注目されてきています。
■クラウドネットワーク分野:
・AWS 認定 Advanced Networking – Specialty(ANS)
→AWS上でのルーティング設計、Direct Connectなど、ネットワークに特化した上級資格。
・Microsoft 認定 Azure Network Engineer Associate(AZ-700)
→Azure上の仮想ネットワーク・VPN接続・負荷分散などを学ぶ代表的な資格。
ポイント:
クラウドネットワーク資格は、クラウドセキュリティと補完関係にあります。両者を学ぶことで、「安全かつ効率的な通信設計」を担うエンジニアを目指せます。
資格別ロードマップ(基礎→専門→上流)
ネットワークエンジニアのキャリアは、「クラウド横断型」と「ネットワーク専門型」の2つのルートに分かれます。
両キャリアとも将来性がありますが、近年ではクラウド・セキュリティを横断できるエンジニアの市場価値が特に高まっています。
| キャリア段階 | クラウド横断 | ネットワーク専門 |
| 未経験〜初級 | CCNA/LPIC-1/LinuC-1 | CCNA/LPIC-1/LinuC-1 |
| 中級 | AWS SAA/AZ-700/LPIC-2/LinuC-2 | CCNP |
| 上級 | AWS SAP/Terraform/Ansible | ネットワークスペシャリスト |
| キャリア展開 | クラウドエンジニア/SRE/セキュリティエンジニア | 上流設計/PM/アーキテクト |
ポイント:
キャリアアップを狙うなら、資格取得と実務経験を並行して進めることも重要です。
「どの資格を優先すべきか」、「今の職場でどこまで伸ばせるか」を整理しながらキャリアアップをしたい方は、無料相談で現状分析からキャリア戦略まで一緒に設計してみましょう。
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キャリアパスの成功事例(ケーススタディ)
ここでは、実際にネットワークエンジニアがキャリアを広げた事例を紹介します。
未経験から構築へ進んだ方、オンプレ経験を活かしてクラウド領域へ転身した方など、「次のステージ」へ挑戦したリアルなパターンを見ていきましょう。
20代未経験からネットワーク構築へステップアップした例
Aさん(20代前半)は、IT未経験から運用監視オペレーターとしてキャリアをスタート。
最初はアラート対応や障害一次切り分けなど運用業務中心でしたが、「もっと技術的に成長したい」と考え、CCNAの勉強を開始しました。
資格取得をきっかけに転職活動を行い、転職先では初期配属からネットワーク構築を担当。「資格を起点に運用から構築へ進む」 というステップは再現性の高い成功パターンです。
→関連記事:未経験からネットワークエンジニアへ|失敗しない転職ステップと会社選び
30代でクラウドエンジニアに転身した例
Bさん(30代前半)は、オンプレミス環境でネットワーク構築・運用を経験しながら、Linuxや仮想化基盤の管理にも携わっていました。
「市場や顧客からより求められる仕事をしたい」と考え、AWSを中心としたクラウド技術を独学+ハンズオンで習得。
LPICとAWS SAAを取得した後、クラウドに強い企業へ転職。1年目でAWS構築検証、2年目からは設計フェーズにも参画できるようになりました。
これまでのネットワーク・サーバー知識を土台に、「クラウド+セキュリティ領域へ学び直す姿勢」 がキャリア転身を成功させた好例です。
→関連記事:未経験からクラウドエンジニアに転職する最短ルート|勉強法と資格
Aさん、Bさんのように、今の経験を活かしながら「次のステージ」へ進むことは十分可能です。
自分に合ったステップアップの方向を見つけたい方は、まずはプロのキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
よくある質問(FAQ)
ここで紹介した質問は、実際の転職支援や学習相談でも特によく寄せられる内容です。同じ悩みを持つ方は、以下の関連記事もぜひチェックしてみてください。
Q1:キャリアパスを意識するのは何年目からが良い?
A:できるだけ早い段階から意識するのが理想です。
特に運用保守フェーズに長く留まると、年収やスキルの伸びが頭打ちになるケースが多いため、1〜2年目のうちに「次にどんな環境で成長したいのか」を考えはじめましょう。
→関連記事:運用監視オペレーターはやめとけ?将来性とキャリアアップロードマップ
Q2:文系や未経験でもキャリアパスを描ける?
A:十分に可能です。
文系出身や異業種からネットワークエンジニアに転職して成功している方も多く、まずはCCNAやLPIC-1などの基礎資格取得+現場経験の獲得が鍵になります。
→関連記事: 未経験でネットワークエンジニアになるには
→関連記事:【まとめ】ネットワークエンジニアのキャリアパス
Q3:資格だけでキャリアパスは広がるの?
A:資格は「入口」を広げる強力な武器です。しかし、それだけでは不十分なこともあります。
評価されるのは「資格を学んだことをどう活かすか」です。
例として、CCNPやAWS資格を取っても、資格だけでは強みになりません。構築や検証経験などと結びつけることで、初めて強みになります。
→関連記事:ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説
Q4:クラウドやセキュリティに進むなら、ネットワーク専業でも可能?
A:ネットワークの知識は、クラウドやセキュリティでも強力な基盤になります。
一方で、ネットワーク専業のままでは担当できる領域が限られてしまうのも現実です。
OS・クラウド・認証(IAM)などを組み合わせることで、より上流の設計やセキュリティ領域にも関われるようになります。
→関連記事:未経験からクラウドエンジニアになるには?学習ロードマップと資格取得の順番を解説
ネットワークエンジニアとしての次のステップを考えるうえでは、他職種の仕事内容やキャリアパスを比較しておくことも非常に有効です。
以下の関連記事では、インフラ全体の職種構造を整理しながら、「どんな方向へキャリアを広げられるか」を体系的にまとめています。
インフラ全体の職種関係を一望したい方へ
関連記事:インフラエンジニア職種マップ&主要職種まとめ
→関連記事:インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説
→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を徹底解説
→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスまとめ
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスまとめ
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・将来性を解説
→関連記事:AWSエンジニアとは?仕事内容・資格・キャリアパスを解説
まとめ:キャリアを広げる次の一歩
ネットワークエンジニアのキャリアは、今まさに大きな転換期を迎えています。
従来の運用・構築フェーズで得た知識や経験は、設計・要件定義にも活かせかつ、クラウドやセキュリティといった次世代インフラの中核でも活かせる強みです。
一方で、技術の進化スピードが速い今、「現場での経験をどう広げ、どんなスキルを身につけていくか」で、将来の市場価値は大きく変わります。
■キャリア形成のポイント:
・早めに「次のフェーズ」を見据える(例:運用→構築→設計→クラウド/セキュリティ)
・学びと実務を往復させる(資格で学び、現場で試す)
・環境を選ぶこともキャリア戦略の一部(学べる現場に身を置く)
自分に合った成長ルートを描くことで、「スキルが不足している、将来が不安」という状態から、「自分のスキルで選ばれるエンジニア」へとステップアップできます。
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将来を見据えたステップアップの方向性を、プロのアドバイザーと明確にしましょう。
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また、インフラ系のキャリアパス全体を整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス・ロードマップ|運用から設計・クラウドへ
関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアを広げるヒント
→ 【まとめ】ネットワークエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・将来性を徹底解説
→ ネットワークエンジニアの勉強法・学習ロードマップ
→ ネットワークエンジニアに必要な資格一覧
→ ネットワークエンジニアの年収・年代別相場
→ ネットワークエンジニアの将来性まとめ







