こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「ネットワークエンジニアに興味はあるけど、未経験でもなれる?」
「資格がないと難しいの?」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ネットワークエンジニアは未経験からでも挑戦しやすい職種です。
ITインフラの中でも常に人材が不足しており、多くの企業が「育成前提」でポテンシャル採用を行っています。
特に、CCNA(シスコ技術者認定資格)を取得すると、転職の確実性は一気に高まります。
この資格はネットワークの基礎知識を証明できるため、「未経験者でも基本を理解している」と企業から評価されやすくなるためです。
ただし注意したいのは、「資格を取れば、理想のキャリア形成ができる」とは限らない ということです。
資格はスタートラインにすぎず、実際にどんな会社で、どんな経験を積むかによって、キャリアの伸び方は大きく変わります。
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この記事では、未経験からネットワークエンジニアを目指すために知っておきたい現実・必要なスキル・資格・キャリアステップ・失敗しやすい落とし穴を、わかりやすく解説していきます。
「これからネットワークエンジニアとしてキャリアを築きたい」、「まずはCCNAを取りたいけど、次に何をすべきか知りたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも「ネットワークエンジニアってどんな仕事?」という方は、以下記事が参考になります。
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性
ネットワークエンジニアとは?未経験でも目指せる職種
「ネットワークエンジニア」とは、企業のITシステムやインターネット環境を支える通信インフラの専門職です。
メールや社内システム、クラウド、SNSなど、あらゆるITサービスは「ネットワーク」がなければ成立しません。
つまり、ネットワークエンジニアは「IT社会を裏側で支える存在」であり、人々の生活やビジネスの基盤を守る重要な役割を担っています。
また、未経験からでも挑戦しやすい理由は、ネットワーク分野が慢性的な人手不足にあるためです。
特に近年ではクラウドやリモートワーク環境の普及によって、企業がネットワークの安定性・セキュリティをより重視されるようになっています。
その結果、ネットワークエンジニアの需要増により「育成前提で採用するポジション」が増えています。
仕事内容と役割(運用監視・保守、構築、設計)
ネットワークエンジニアの仕事は、大きく3つのフェーズに分かれます。
未経験者はまず「運用・監視・保守」からスタートし、経験を積むことで「構築」や「設計」へとステップアップしていきます。
■運用監視・保守(エントリーポジション):
ネットワーク機器(ルーターやスイッチなど)の状態を常時監視し、障害が発生した場合は原因を切り分け、関係部署にエスカレーションします。
また、定期的な点検やアップデート、ログ確認など、安定稼働を支える保守業務も担当。
基本的に未経験者はこのフェーズからキャリアをスタートし、「障害対応力」、「手順書通りに作業する正確性」などの基礎スキルを身につけます。
■構築(中堅ポジション):
新しいシステム導入や拠点開設などの際に、ネットワークの要件をもとに機器選定・設定・設置・テストを行うフェーズです。
チームで協力しながら、実際にネットワークを作り上げていく「手を動かす実践の段階」と言えます。このフェーズに進むと、より技術的な知識(ルーティング、VLAN、セキュリティ設定など)が求められます。
■設計(上流ポジション):
顧客のトラフィック量、セキュリティ要件、予算、将来の拡張性などを踏まえて、ネットワーク全体をゼロから設計する最上流の仕事です。
この段階では、技術力だけでなく「要件定義」、「ドキュメント作成」、「調整力」も重要になります。自分で構築経験を積み重ねた上で、システム全体を俯瞰して設計できるエンジニアを目指す流れです。
インフラエンジニアとの違いと関係性(+サーバーとの関係)
ネットワークエンジニアは、インフラエンジニアの一部門に位置づけられます。
インフラエンジニアとは、サーバー・ネットワーク・クラウドなど、ITシステムを安定して動かすための基盤全体を扱う職種の総称です。
→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性
その中でもネットワークエンジニアは、「通信の道づくり」を担う専門家です。
一方、サーバーエンジニアはその「通信の道の上で動く、アプリやデータを管理する専門家」です。
現場ではこの2つの職種が密接に連携しており、ネットワークが止まればサーバーも動かず、サーバーの設定を誤れば、ネットワーク全体が不安定になります。
そのため、サーバーやLinuxの基礎知識も併せて学ぶことで、より実務に強くなれます。
→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスを徹底解説
未経験から目指しやすい理由(需要と育成枠)
ネットワーク分野は、他のIT職種に比べても未経験採用が多い分野です。理由はシンプルで、「経験者が不足しており、育成前提の企業が多い」ためです。
特に近年はクラウドサービスの普及やリモートワークの定着により、ネットワークの安定性とセキュリティの重要性がさらに高まっており、今後も需要が減ることは考えにくい職種 といえるでしょう。
しかし、ネットワークエンジニアが未経験者に人気がある最大の理由は、「一度身につけたスキルが、さまざまな職種に応用できる」点にあります。
ネットワークは、サーバー・クラウド・セキュリティといった、すべてのITインフラ職種の「共通基盤スキル」 です。
そのため、基礎をしっかり固めることで、将来的に多様なキャリアへ発展できます。
■ネットワーク知識が活かせるキャリアの広がり例:
・インフラエンジニアへ:
ネットワークエンジニアのスキルをベースに、サーバーやストレージを含めた、ITインフラ全体の設計・運用を担う職種 に発展できます。
ネットワークの理解があることで、サーバー構築や運用時のトラブルシューティングがスムーズになり、上流工程にも関われるようになります。
→関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性
・クラウドエンジニアへ:
AWSやAzureなどのクラウド環境では、VPC(仮想ネットワーク)やVPN接続、セキュリティグループなどを扱うため、ネットワーク構成の理解が必要です。
ネットワークやサーバーといったオンプレミス(物理環境)での経験をもとに、クラウド上での設計・運用に挑戦ができます。
→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性
・セキュリティエンジニアへ:
ファイアウォール、IDS/IPS、ゼロトラスト、VPNなど、セキュリティ対策はすべてネットワークの上に成り立っています。
そのため、通信経路やアクセス制御を深く理解しているネットワーク出身者は、セキュリティ領域へのキャリア転向でも高く評価されます。
このように、ネットワークの基礎を身につけることは、インフラ全体に通用する共通スキルを築くことにつながっていきます。
そのためネットワーク分野は、未経験からの入り口として最も現実的で、将来性の高いキャリアの出発点といえます。
未経験でも挑戦できる3つの理由
ネットワークエンジニアは「需要が高まっている」、「学ぶべき内容が明確」、「資格で努力を証明できる」という特徴があり、これらがあるため未経験者でもキャリアを築きやすい職種と言えます。
① 将来性が高く、人材育成の需要が増している
ネットワークエンジニアは、IT業界の中でも特に人材不足が深刻な職種の一つです。
クラウド・リモートワーク・セキュリティ対策など、あらゆる分野でネットワークが欠かせないため、企業は未経験者でも「育成前提」で採用するケースが増えています。
特に近年は、AWSやAzureなどのクラウド環境の普及によって、ネットワークエンジニアが担当する領域が「オンプレミス」から「クラウド」へと広がっています。
さらに、5GやIoTのような新技術の拡大により、ネットワークの安定性を支える人材の価値は今後も高まり続ける見込みです。
→まとめると、「ネットワークの知識を持つ人は、どんな時代でも必要とされる」。これが未経験でも挑戦する人が増えている最大の理由です。
② 学ぶ内容が明確で、体系的に進められる
未経験者がIT職種への挑戦を諦める最大の壁は、「何を、どこから学べばいいか分からない」という学習のやりにくさにあります。
しかし、ネットワークエンジニアの特徴としては、学ぶべき範囲がCCNAという資格を中心に、完全に体系化されていることです。
このため、他職種に比べて学習の迷いが少なく、最短で効率よくスキルを身につけられる点が、未経験者にとって大きなメリットです。
まず最初にネットワークの基礎(TCP/IPやルーティング)を理解し、その上で学習の軸となる CCNA(Cisco Certified Network Associate) に取り組みましょう。
CCNAは、ネットワークの基礎理論から実機設定、セキュリティまでをバランスよく体系的に学べる資格で、多くの企業が「未経験者の登竜門」として評価しています。
また、ネットワークだけでなく Linux(LPIC-1)やクラウド(AWS認定) を並行して学ぶことで、ITインフラ全体のつながりを理解でき、将来のキャリアの選択肢もさらに広がっていきます。
③ 資格で「学ぶ姿勢」を証明できる
未経験者が企業にアピールできる最大の材料は、資格であり、「資格=努力の証明」でもあります。
CCNA資格は、単に知識を示すだけでなく、「自発的に学ぶ姿勢」を客観的に評価してもらえる強力な武器となります。
特にネットワーク分野は、基礎技術が奥深く、実務を通じて理解を深めていく分野であるため、継続的に学び続ける姿勢を持つ人が評価されます。
そのため、未経験者が転職活動を始める前に資格を取得しておくことで、企業側に「育成しやすく、将来性のある人材」という印象を与えることができます。
■CCNA取得のポイント:
・CCNAで「基礎+継続力」を可視化できる
・採用担当者に「伸びしろ」を感じさせる、配属にも有利
・書類選考・面接の通過率、初年度の年収も、資格無より大きく上がりやすい
→関連記事:未経験でもCCNAで転職成功!有利になる理由と年収データ
未経験からネットワークエンジニアになる3ステップ【最短ロードマップ】
「ネットワークエンジニアになりたいけれど、何から始めればいいのか分からない」、、そんな方は、まず正しい順番で学ぶことを意識しましょう。
未経験からネットワークエンジニアを目指す学習ルートには、主に2つの進め方があります。
■学習ルート:
・短期集中型: いきなりCCNAの勉強から始め、資格取得を最優先する(ステップ2からスタート)。
・土台固め型: ITインフラ全体の仕組み(ネットワーク・サーバー・クラウド)を理解してから、CCNAに進む(ステップ1からスタート)。
結論として、どちらのルートでもネットワークエンジニアを問題なく目指せますが、このロードマップでは、後者の「土台固め型」を説明していきます。
その理由は、ネットワークの知識はサーバー・クラウド・セキュリティとも密接に関わっており、基礎理解を持って学習した方が、結果的に転職後の成長スピードが速いためです。
この3ステップでは、「①基礎理解 → ②資格取得 → ③転職戦略」 の流れで、未経験から最短でキャリアを築く方法を解説していきます。
ステップ1:ITインフラの基礎を学ぶ(全体像とLinux・TCP/IP)
最初のステップは、ITインフラの全体像を理解することです。
ネットワークは、サーバーやクラウド、セキュリティなどを支える「土台」です。そのため、全体構造をつかむことで理解が深まり、学習効率も上がります。
■学ぶべき基礎分野:
・IT全体の仕組み(CPU・メモリ・ストレージ・ネットワーク)
・ネットワークの基本構造(LAN/WAN、TCP/IP、ルーティング)
・サーバーの基礎(Linux操作・ユーザー管理・ファイル権限)
■Linuxも必要な理由:
ネットワーク機器やクラウド環境の多くがLinux系OSで動作しており、コマンド操作に慣れておくことで、トラブル対応力が大きく高まります。
→関連記事:インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
→できるだけ早く転職したい人へ:
IT基礎を理解してから進むのが理想ですが、転職を急ぐ場合は CCNAを重点的に学習する方法もあります。その場合は改めてLinux入門に着手するとよいでしょう。
ステップ2:資格で知識を可視化する(CCNAを中心)
次のステップは、資格で学んだ知識を「証明」することです。
ネットワークエンジニアを目指すなら、まずは CCNA(Cisco Certified Network Associate) が王道です。
CCNAは、ネットワークの基本原理からルーティング・スイッチング・セキュリティまで体系的に学べる資格で、多くの企業が「未経験者の登竜門」として重視しています。
■学習と資格の関係性:
・CCNA:ネットワーク構築・運用の基礎(メインスキル)
・LPIC-1 / LinuC-1:Linuxサーバーの操作理解(補完スキル)
・AWS認定クラウドプラクティショナー:クラウド時代の基礎知識
ポイント:
CCNA取得をゴールにするのではなく、理解した内容をLinux・クラウドと結びつけて整理することで、さらにインフラ全体を理解できるエンジニアに近づけます。
→関連記事:CCNAの勉強法まとめ
ステップ3:転職活動と会社選び(運用→構築→クラウドへのステップ)
最後のステップは、実務経験を積むための転職戦略です。
多くの未経験者は、まず「運用・監視フェーズ」からキャリアをスタートさせ、実務を通じて構築・設計やクラウドなどへとステップアップしていきます。
■会社選びで見るポイント:
・運用だけでなく構築案件も存在するか
・資格取得支援制度があるか
・チーム体制(1人派遣の有無、教育担当の有無、フォローアップ体制)
注意点:
「未経験歓迎」でも、夜勤・監視専任の案件はスキルが伸びづらい傾向があります。実務経験を積みながらスキルアップを狙うなら、育成体制のある企業を選びましょう。
この3ステップを意識すれば、未経験からでも確実にキャリアを築けます。
「ネットワーク基礎 → CCNA取得 → 構築経験」まで積み上げることができれば、市場価値は一気に高まります。
またその後の補完スキルで、クラウドやセキュリティなど上位職種への道も開けていきます。
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年齢別に見る成功戦略【20代・30代の違い】
ネットワークエンジニアは、IT職種の中でも比較的幅広い年齢層が採用されやすい職種です。
20代はもちろん、30代からでも学習と資格取得を通じてキャリアチェンジを実現している人が少なくありません。
ただし、年代によって企業が重視するポイントは異なるため、年齢に応じた戦略を立てることが重要です。
ここでは、年齢別に「何を重視すべきか」、「どう行動すれば成功率を上げられるか」を整理していきます。
20代前半(〜25歳)|ポテンシャル採用でチャンスが多い
20代前半は、未経験者でも最も採用されやすい時期です。
企業は「これから育成していける人材」を求めており、学歴や経験よりも、「学び続ける姿勢」、「素直さ」、「吸収力」が評価されます。
この時期のポイントは、早めにIT基礎+CCNA学習を始めること。また資格そのものよりも、「学習中」であることをアピールできれば十分に評価されます。
■25歳以下の目安:
・資格がなくても、応募可能な求人は多い(基本PCスキルは必要)
・なぜネットワークに興味を持ったか、を言語化できることは必須
・CCNAを取得していると、早期に構築案件にステップアップしやすいことも
20代前半は、ポテンシャルで判断されることが多いです。未経験でも「勉強を始めている」だけでも印象・評価が変わる層です。
20代後半(26〜29歳):資格+実践アピールで差別化
20代後半になると、ポテンシャルだけでなく、資格・実績・自己学習の一貫性も評価対象になります。
この年齢層は、「学習をしていない」場合、厳しい判断となりやすいです。
■26~29歳の目安:
・CCNAを取得していることが成功ポイントになりやすい
・CCNAなしなら、Cisco Packet Tracerに触れた経験が欲しい
・Linuxも触っている(自宅でLinuxサーバーを立てたことがある)と、さらに好印象
この年代は、採用後の早期戦力化が期待されるため、「運用だけで終わらず、構築・設計に進みたい」という意思を明確に伝えると好印象です。
30〜35歳:資格+転用スキル+戦略的な転職活動
30代での未経験転職は、20代に比べてハードルが上がります。
企業はこの年代に対し、「基礎スキル+社会人経験+安定感」を期待しています。
そのため、異業種での経験(マネジメント・営業・顧客対応など)をどう活かすかも重要なポイントになります。
■30~35歳の目安:
・CCNAの取得は必須、インフラ基礎知識を証明できることが重要
・前職の経験(マネジメント/交渉・調整力/業務改善)などを言語化する
・「育成される側」では厳しい、「自走できる姿勢」を見せる
■具体的なアプローチ例:
・マネジメント経験者 → プロジェクト推進・メンバー教育への転用
・営業出身 → 顧客折衝・調整スキルを設計業務で活かす
・製造業出身 → 手順遵守・品質管理力を運用業務に活かす
30歳以降は、戦略を立てて転職を成功させる必要があります。CCNAの取得が必須と考えるべきです。
また、年齢はハンデではなく、「戦略の立て方」を変える指標、と捉えるとよいでしょう。
20代前半は「スピード」、20代後半は「計画性」、30代は「経験転用力」で勝負が決まります。
それぞれの強みを活かして学習と転職を進めれば、ネットワークエンジニアとしてキャリアを築くことができます。
大切なのは、「今の自分に合った戦略」を立てて動くことです。
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注意点と落とし穴:未経験者が失敗しやすい3つのパターン【ネットワークエンジニア編】
未経験からネットワークエンジニアを目指す人が増えている一方で、「思っていた仕事と違った」、「成長できない環境に入ってしまった」という声も少なくありません。
ここでは、実際の転職支援現場でよく見られる3つの失敗パターンを紹介していきます。
事前に知っておくことで、同じ落とし穴を避けられます。
① 学習:暗記だけで満足し、理解を深めない
ネットワーク分野の学習では、どうしても最初は「用語を覚えること」が中心になります。
CCNAの勉強を始めたばかりの方なら、最初は丸暗記でもまったく問題ありません。
大切なのは、覚えた内容をそのままにせず、少しずつネットワークの「仕組み」にも目を向けていくことです。
例えば、ルーティングやIPアドレスの設定を学ぶ際に、一定暗記を終えた後、「なぜその設定が必要なのか?」を少し意識するだけで、理解が深まっていきます。
■ポイント:
・最初は「覚えるでOK」 → 慣れたら「理由も理解する」に少しずつシフト
・用語をつなげてストーリーで理解する
・Packet TracerやGNS3で「動く実感」を持つ
こうして知識を「点」から「線」に変えていくことで、試験対策だけでなく、現場でも通用する力が身についていきます。
② 求人:構築に進めない「監視専任」の職場を選ぶ
未経験者の多くは、最初に「監視・運用」からキャリアをスタートします。
一方で、特にネットワーク系の職種では、監視専任の業務比率が高く、構築や設計に進めず停滞してしまうケースが目立ちます。
これはネットワーク分野の特性として、24時間体制でシステムを安定稼働させる「監視ポジション」の需要が非常に多いためです。
企業にとっては欠かせない仕事ですが、転職先の選び方・キャリア形成という観点では、誤ると「ずっと監視で終わってしまうリスク」 がある点を理解しておく必要があります。
■よくある失敗例:
・求人票では「構築案件あり」と書かれていたが、実際はほぼ監視のみ
・教育体制がなく、ただの24時間シフト要員になってしまった
・監視から抜け出せず、スキルも年収も上がらない
このリスクを避けるには、「構築フェーズにステップアップできる仕組みがあるか」を必ず確認しましょう。
たとえばジョブローテーションで構築案件に異動できる制度や、教育サポートがある企業なら、未経験スタートでもキャリアを前に進めやすいです。
③ キャリア:最初の職場でスキルを積む戦略がない
最初に「どの会社で経験を積むか」で、今後の成長スピードから年収アップスピードまで決まります。これは間違いありません。
ネットワークエンジニアはスキルの積み上げ型の職種であり、最初の3年でどんな案件を経験できるかが非常に重要です。
■良い会社の特徴:
・段階的に運用→構築→設計へ進めるジョブローテーションの仕組みがある
・CCNA/LPIC取得支援など、スキルアップ制度がある
・クラウドやセキュリティ案件にも関われるチャンスがある
リスクを避けるためのポイント:
転職活動を「孤立して行わない」ことが大切です。1人で得られる情報には限りがあります。
→関連記事:ネットワークエンジニアはやめとけ?きついと言われる理由とキャリア戦略
現場情報を熟知したキャリアアドバイザーに相談すれば、求人票では分からない「成長できる会社」を見極められます。
→ 将来を見据えた最初の一歩を、今ここから。
よくある質問(FAQ)
ここでは、ネットワークエンジニアを目指す方から、特によく寄せられる質問をまとめました。
文系出身や30代の方、独学で学びたい方にも役立つ内容です。
Q1:文系出身でもネットワークエンジニアになれますか?
はい、問題ありません。
実際に文系出身からネットワークエンジニアとして活躍している方は多数います。
大切なのは「学び続ける姿勢」と「基礎を理解する力」です。文系・理系よりも、「論理的に考える力」と「ITインフラ全体の構造を理解する意欲」の方が重視されます。
また資格(CCNAやLPICなど)を取得して学習実績を示せば、企業も安心して採用してくれます。
Q2:資格はどれから取るのがいいですか?
最初の1つ目は CCNA(Cisco Certified Network Associate) が王道です。
ネットワークの基礎理論から実機設定までを体系的に学べるため、未経験者に最も適しています。
そのうえで、サーバー基礎を押さえる LPIC-1(またはLinuC-1) を並行して学ぶと、インフラ全体を理解できるバランス型エンジニアに近づけます。
さらに将来クラウドを視野に入れるなら、AWS認定資格(CLF/SAA) もおすすめです。
→関連記事:ネットワークエンジニアに必要な資格まとめ
Q3:30代からでも間に合いますか?
はい、30代からでも挑戦は可能です。
ただし、20代に比べて採用のハードルが上がることは理解しておきましょう。
目安としては、32歳くらいまでが挑戦しやすいラインとされており、特に35歳を超えると未経験採用の求人は一気に減少します。
そのため、「35歳までに資格+基礎スキルを身につけて転職する」ことを目標にするのが現実的です。
採用担当者が見ているのは、年齢に見合った「行動力と学習意欲」です。資格取得や実践的な学習を積み重ねていけば、30代前半は十分チャンスがあります。
Q4:CCNAだけで転職できますか?
可能です。CCNAを取得していれば、ネットワークの基礎知識を十分に証明できるため、強い武器となり、未経験者としては高く評価されます。
また大事なのは、「CCNAで終わりにしないこと」です。CCNAをきっかけに、さらに自分の方向性を広げていくことで、キャリアの選択肢が一気に広がります。
■CCNAからのキャリア拡張例:
・ネットワーク構築・設計を極めたい方 → CCNP(上位資格)を目指す
・インフラ全体を扱いたい方 → Linux(LPIC-1/LinuC-1)でサーバー知識を補う
・クラウド分野を視野に入れる方 → AWS認定(CLF/SAA)でAWSスキルを習得
つまり、CCNAは「ゴール」ではなく、「スタートライン」です。資格を活かしてどの方向へ進むかまで意識できれば、確実にキャリアの幅は広がります。
Q5:夜勤のない仕事はありますか?
あります。夜勤シフトがあるのは主に「監視業務」だけで、設計・構築・運用管理などは日勤が基本です。
未経験者の多くは、最初に夜勤シフトのある監視業務からスタートする傾向がありますが、その後スキルを積み、1~2年後に日勤の構築や運用に進めば、夜勤のない働き方にシフトできます。
また、夜勤を完全に避けたい場合は、日勤のみの運用や構築補佐などの求人を狙っていく必要があります。ただし、こうした求人は倍率が高く、より戦力性を求められる傾向があります。
そのため、CCNAなどの資格を取得している方はアドバンテージとなります。資格と学習実績があるだけで、企業側から「育成コストが低い」と判断され、採用確率が上がります。
「夜勤を避けたい」、「日勤で働ける環境を見つけたい」という方は、どんな求人が自分に合うのか、プロに相談してみるのもおすすめです。
Q6:ネットワークからクラウドエンジニアに進めますか?
進めます。ただし、ネットワークからいきなりクラウドに飛び級するのは難しいのが現実です。
クラウドエンジニアとして活躍するためには、まずオンプレミス環境(物理的なサーバーやネットワーク)を理解していることが前提です。
そのため、多くのネットワークエンジニアは以下のキャリアステップを踏んで、キャリアを伸ばしています。
ネットワークからクラウドへの王道ルート:
ネットワークエンジニア→インフラエンジニア(サーバーも扱う)→クラウドエンジニア(AWS/Azure)
特に、LPIC/LInuC(Linux)やAWS SAAなどをその後学んでいくと、クラウドキャリアへの転向がスムーズになります。
ネットワークの基礎を武器に、段階を踏んでクラウドへ進むことが、最も確実かつ企業から評価されやすいキャリアルートです。
Q7:独学でも転職できますか?
可能です。実際、ネットワークエンジニアを目指す人の多くが、まずは独学からスタートしています。
独学では、CCNAの学習を軸に、基礎的なネットワーク構成や設定操作を理解することを目指しましょう。
最近では、YouTubeやUdemyなどの教材も充実しており、独学でも基礎スキルを習得することは十分可能です。
ただし、独学だけでは「自分のスキルがどのレベルの求人に通用するか」や、「現場でどの技術が求められ、どうステップアップするのか」といったリアルな情報が分かりづらいのも事実です。
独学で知識を身につけた後は、必ずエージェントに相談し、独学では得られない 「現場の情報」 と 「内定に直結する戦略」 を手に入れることが、最短でキャリアアップ転職を成功させる鍵となります。
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Q8:転職までの期間はどれくらいですか?
目安として、学習開始から3〜6ヶ月程度で転職できる人が多いです。
ただし、学習時間や資格取得の進み具合によって個人差があります。最短で転職を目指す場合は、学習とキャリア相談を並行して行うのがおすすめです。
学習ロードマップを整理したうえで、「自分が目指す働き方に合う企業」を早期に見つけましょう。
まとめ:未経験でも「順序と戦略」でキャリアは築ける
ネットワークエンジニアは、ITインフラの基盤を支える専門職であり、今後も高い需要が続く職種です。
未経験からでも挑戦は十分可能ですが、成功するためには「順序」と「戦略」が重要です。
■王道の順序:
・ステップ1: ITインフラの全体像と基礎(Linux・TCP/IP)を理解する
・ステップ2: CCNAで、知識を資格で可視化する
・ステップ3: 実務に近い環境でスキルを積み、構築やクラウドへステップアップする
また大切なのは、資格で入口を開いたうえで、どの会社で最初のキャリアを積むかを見極めること です。
最初の一歩を間違えなければ、構築や設計といった上流工程はもちろん、セキュリティやクラウドなどの成長分野にもキャリアを広げることができます。
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関連記事:未経験からネットワークエンジニアを目指す方へ
1. 職種を深く知る
未経験からキャリアを描くために、まずは各職種の全体像をつかみましょう。
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2. 学習・資格を深く知る
資格を軸に体系的に学ぶことで、未経験からでも確実にステップアップできます。
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3. キャリアと年収を知る
将来的なキャリアパスや年収の伸び方を理解することで、長期的な目標が明確になります。
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