LPICとは?資格の種類・難易度・勉強法・申し込みまで徹底解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

LPICって本当に未経験でも役立つの?
すでに実務経験があるけど、いまさら取得する意味はある?

このような疑問を感じていませんか?

LPIC(エルピック:Linux技術者認定資格) は、世界的に評価されるLinux資格であり、インフラエンジニアを目指す人にとっては、特に重要なステップです。

Linuxはほとんどのシステムやクラウドの基盤 に使われており、ITインフラを支えるエンジニアに欠かせない知識です。特に未経験からの学習では、LPICを学ぶことで基礎を体系的に理解でき、安心してキャリアの一歩を踏み出せます。

一方で、すでにIT業界で働いている方にとっても、LPICは スキルの証明や年収アップ、クラウド領域へのキャリア拡大 に直結する資格です。

この記事では、以下をわかりやすく解説していきます。

■この記事でわかること:
LPICとは何か?(資格の特徴と評価)
なぜ学ぶべきなのか?(未経験者・経験者それぞれのメリット)
LPIC-1/LPIC-2/LPIC-3の違いと学習ステップ

この記事を読めば、あなたがLPICを学ぶべきかどうかの答えが見つかります。ぜひ最後までお読みください。

→LPIC取得とキャリア相談を同時に進めたい方はこちら:無料キャリア相談をする

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

▶︎ プロフィールを詳しく見る

目次

LPICとは?(Linux技術者認定資格の概要)

LPIC(Linux Professional Institute Certification) は、世界的に評価されるLinux技術者認定資格です

Linuxはサーバーやクラウドの基盤として幅広く利用されており、そのスキルを客観的に証明できる資格として、インフラエンジニアを目指す多くの人が取得を目指しています。

LPICはレベルごとに試験が分かれており、入門資格の Linux Essentials から、初級の LPIC-1、中級の LPIC-2、上級の LPIC-3 へとステップアップできる仕組みです。

LPICのレベルと難易度、取得後の評価

LPICの位置づけ(世界標準のLinux資格)

国内でも「Linux資格といえばLPIC」と言われるほど認知度が高く、新人研修や社内研修のカリキュラムに組み込まれることが多くあります

さらに、現場では「サーバー構築を担当する前に、LPICを取っておこう」といった形で、配属や実務に入るための前提資格 として扱われるケースも少なくありません。

特に未経験や若手エンジニアにとって、LPICを取得することが「基礎力を証明するパスポート」のような役割を果たしており、配属や案件参画の際に評価されやすくなります。

LPICを運営する団体(LPI)について

LPI(Linux Professional Institute) は、1999年に設立された非営利団体で、Linuxやオープンソース技術の普及・教育を目的に活動しています。

また、ベンダーに依存しない「中立的な立場」で資格試験を提供しており、世界中のエンジニアから高い信頼を得ています。LPIの特徴は以下の通りです。

■LPIの特徴:
国際的に展開:LPICは、世界180カ国以上で受験可能
ベンダーニュートラル:特定の企業や製品に依存せず、どのLinuxディストリビューションにも応用できる知識体系
教育普及活動:学校・研修機関・企業と連携し、教材やカリキュラムを提供

日本国内では、LPI日本支部 が試験運営や学習支援を担当しています。

試験の提供に加え、教材認定やセミナー開催、教育機関との連携を通じて、日本の学習者や企業に合わせたサポート運営 を行っています。

ITエンジニアにとってのLPICの価値

ITエンジニアにとってLPICは、キャリアの状況によって、その価値が大きく変わります。

■LPICの価値:
未経験者の場合
 →Linuxの基礎知識を体系的に学べるため、転職時に 「学習意欲と基礎力を持っている」証明 として評価されやすくなります。インフラエンジニアを目指す上で、安心して学べる最初の資格です。

経験者の場合
 →実務で得た知識を整理できるだけでなく、LPIC-2でサーバー構築や運用管理のスキルを強化できます。
 さらに、LPIC-3では仮想化・コンテナ・セキュリティなどの専門領域に特化できるため、上級エンジニアとしての市場価値を高められます。この流れを踏むことで、設計といった上流工程へのキャリアを広げやすくなります

キャリアアップの場合
 →資格を持つことで 年収や市場価値が上がりやすく、転職市場では即戦力としてアピールできます。また、社内での評価や昇格につながるケースもあります。

つまりLPICは、未経験者にとってはキャリアの入り口経験者にとっては市場価値をさらに高めるステップ という両面の価値があります。

LPICのレベル体系(Linux Essentials/LPIC-1/LPIC-2/LPIC-3)

LPICには段階的なレベル体系が用意されており、学習者のキャリアステージに合わせてステップアップできるようになっています。

ここでは Linux Essentials/LPIC-1/LPIC-2/LPIC-3 の4つのレベルについて解説します。

Linux Essentials(入門レベル)

Linuxの世界に触れる最初の入り口として位置づけられるのが Linux Essentials です。IT未経験でも取り組みやすく、Linuxの基本やオープンソースの考え方を理解できます。

■Linux Essentialsとは:
位置づけ:Linuxの基礎知識を身につける「入門資格」
学習範囲:Linuxの基本コマンド、オープンソースの概念、簡単なファイル操作など
難易度:入門者向け(IT未経験者でも挑戦可能)
おすすめ対象者:これからLinuxやIT基礎を学ぶ学生・未経験者

IT業界未経験で「まずLinuxを触ってみたい」という人に最適なファーストステップ です。

→詳しくはこちら:Linux Essentialsとは?難易度・合格率・受験料まで徹底解説

LPIC-1(初級レベル)

LPIC-1は、「Linuxを使えるエンジニア」への第一歩 として、最も受験者が多い資格です。基本的なサーバー管理やユーザー管理など、現場で役立つ実務レベルの基礎を習得できます。

■LPIC-1とは:
位置づけ:サーバー管理者としての基礎力を証明する資格
学習範囲:Linuxのインストール、ユーザー管理、ファイルシステム、ネットワーク基礎
難易度:入門~初級(独学でも十分取得可能)
おすすめ対象者:サーバー監視・運用からステップアップしたい人、インフラエンジニアを目指す未経験者

Linuxの基礎を習得し、実務に活かせる最初の資格です。

→詳しくはこちら:LPIC-1(101/102)の試験範囲と勉強法まとめ

LPIC-2(中級レベル)

LPIC-2は、サーバー構築や運用管理ができる中級エンジニア を目指すための資格です。DNSやWebサーバーといったサービス構築、セキュリティ設定まで幅広く習得できます。

■LPIC-2とは:
位置づけ:サーバー構築・運用管理を担当できる技術者向け
学習範囲:DNS、Webサーバー、メールサーバー、セキュリティ設定、ネットワークトラブルシューティングなど
難易度:中級(実務経験があると理解しやすい)
おすすめ対象者:サーバー構築・設計を担当したい人、チームでインフラを運用したい人

構築スキルを身につけ、インフラエンジニアとしての専門性を高めたい人に最適です。

LPIC-3(上級レベル)

LPIC-3は、専門分野に特化した高度なLinuxスキル を証明する資格です。仮想化・コンテナやセキュリティといった領域を深掘りし、上流工程を担うエンジニアを目指せます。

※LPIC-3は、2021年10月にバージョン3.0へとアップデートされました。学習を始める際は、必ず最新のv3.0に対応した教材を使用するように注意してください。→公式サイト情報はこちら

■LPIC-3とは:
位置づけ:高度なLinuxシステムを扱えるエンジニア向け(上級資格)
学習範囲
 →混在環境(300):WindowsとLinuxを組み合わせたシステム運用(Sambaなど)
 →セキュリティ(303):アクセス制御、暗号化、認証システム
 →仮想化・コンテナ(305):KVM、Docker、仮想化基盤の設計
 →高可用性・クラスタ(306):大規模環境の冗長構成や、負荷分散
難易度:上級(実務経験+専門的な学習が必要)
おすすめ対象者:設計・構築のリーダーを目指す人、コンテナやセキュリティ分野に専門性を持ちたい人

専門分野に強みを作り、上級エンジニアとしての市場価値を高めたい人におすすめです。

まとめ:どのレベルを目指すべきか

LPICは、学習者のキャリアステージによって目指すべきレベルが異なります。以下のように、自分の状況に合わせてステップを選ぶことが大切です。

■目指すべきレベル:
IT未経験者 → Linux Essentials → LPIC-1
運用から構築へ進みたい人 → LPIC-1 → LPIC-2
専門性やリーダー職を目指す人 → LPIC-2 → LPIC-3

また、LPIC-3は複数の専門分野(混在環境、セキュリティ、仮想化・コンテナ、高可用性)から構成されていますが、いずれか1科目に合格すれば「LPIC-3認定」を取得できます。

複数科目に合格すれば、その分だけ専門性の広さを証明できる仕組みです。

LPICとLinuCの違い

Linuxの資格には「LPIC」と「LinuC」があります。名前も内容も似ているため、どちらを受けるべきか迷う方は少なくありません。ここでは、両者の主な違いを整理していきます。

試験範囲の違い

LPICとLinuCは、どちらもLinuxを中心としたサーバー運用・管理スキルを問う資格です。出題範囲は大きく重なっていますが、細かい部分で重点が異なります。

■試験範囲の違い:
LPIC:国際標準に基づいた試験内容で、英語原文を翻訳した試験問題を採用
LinuC:日本国内の実務ニーズに合わせて試験が設計、最新の技術動向が反映されやすい

運営団体・対象地域の違い

LPICとLinuCは、運営している団体と対象地域が異なるのが大きな特徴です。

LPICはカナダ本部のLPIが世界規模で展開しているのに対し、LinuCは日本国内のLPI日本支部が独自に運営しており、日本市場に特化しています。

■運営団体・対象地域の違い:
LPIC:カナダに本部を置く LPI(Linux Professional Institute) が運営。世界180カ国以上で受験可能。
LinuC:日本の LPI-Japan が独自に開発・運営。日本国内向けに特化した資格。

どちらを選ぶべきか?

結論としては、キャリアの方向性によって選ぶのがおすすめです。

■LPICとLinuCはどっち?
・グローバルプロジェクトや外資系企業、海外も視野に入れるなら → LPIC
 → 世界標準資格であり、日本のみならず国際的にも通用する
日本国内での就職・転職が中心なら → LinuC
 → 国内企業での知名度が高まっており、求人票に記載されるケースも多い

両者は内容が似ているため、どちらか一方を選んで学習しても大きな差はありません。「将来どこで活躍したいか」を基準に判断するとよいでしょう。

→ 詳しくはこちら:LPICとLinuCの違い・選び方まとめ

LPICのメリットと「意味ない」と言われる理由

LPICは世界的に認知されているLinux資格であり、学習の指針としても広く活用されています。

一方で「資格に頼らず実務経験が大事」という意見もあり、メリットとデメリット(=意味ないと言われる理由) の両面を理解した上で取り組むことが大切です。

LPICを取得するメリット

LPICを取得することで得られる代表的なメリットは、以下の通りです。

■LPICを取得するメリット:
基礎を体系的に学べる
 →Linuxの仕組みを範囲ごとに整理して学べるため、独学で断片的に学ぶより効率的。
就職・転職でアピールできる
 →未経験者が「基礎力」と「学習意欲」を示せるため、採用担当者の目に留まりやすい。
 →詳しくはこちら:LPICとLinuCは転職で評価が高い?資格の活かし方
キャリアのステップアップにつながる
 →運用から構築、さらに上流工程へと進むための知識整理・スキル証明になる。
資格手当が支給される会社が多い
 →LPICは社内のスキル評価制度に組み込まれていることもあり、取得すると資格手当がつく企業も多くあります。「毎月数千円〜」の支給があるケースも珍しくありません。
世界的な認知度
 →LPICは国際資格であるため、外資系やグローバル環境を志向する場合にも活用できる。

特に未経験者にとっては、「実務経験はないが、Linuxを学んでいる」ことを客観的に示せる ことが大きな強みです。

また、監視オペレーターなどのポジションから構築へステップアップしたい人にとっても、LPICは大きな足掛かり となります。

LPICのデメリット(限界や注意点)

一方で、LPICには次のような限界や注意点もあります。

■LPICのデメリット:
・資格だけでは即戦力にならない
 →試験は知識寄りで、実務で求められるトラブル対応力やスピード感までは証明できない。
 ※ただし、未経験者にとっては基礎力と学習意欲を示す上で十分な価値がある。
受験費用が高い
 →1科目あたり約15,000円(税別)がかかるため、複数レベルを受験すると高額になる。
 ※企業によっては資格手当や受験料補助制度があり、コストを回収できるケースが多い。
勉強内容の一部は現場で使わない
 →実務ではあまり使わないコマンドや設定も出題される。
 ※ただし、資格学習だからこそ「触れない領域」を体系的に学べ、理解の幅を広げられる。
LinuCとの違いが分かりづらい
 →国内では「どちらを受けるべきか」で混乱するケースもある。
 ※ただし、どちらを選んでもLinuxの基礎力が身につく点は同じ。迷うよりもまず学習を始めることが大切。

つまりLPICは、未経験者や監視経験者にとってキャリアの入り口・ステップアップの足掛かり であり、実務経験やクラウドスキルと組み合わせてこそ真価を発揮する資格 です。

→さらに詳しくはこちら:LPICは意味ない?実際の評価と本当に活かせる人の特徴まとめ

LPICを学ぶべき人・向いている人

LPICは、すべてのIT職種に必要なわけではありませんが、インフラエンジニアやサーバー・クラウドに関わるキャリアを目指す人にとっては、大きな価値を持つ資格 です。

ここでは、特にどんな人にLPICが向いているのかを整理します。

■LPICを学ぶべき人、向いている人:
・未経験からインフラエンジニアを目指す人
・監視・運用から、構築に進みたい人
・スキル証明・キャリアアップを目指す経験者

未経験からインフラエンジニアを目指す人

IT未経験からインフラエンジニアを目指す場合、「基礎力や、学習意欲を証明する材料」 が必要になります。

LPICはLinuxの基本操作や管理を体系的に学べるため、書類選考や面接で「ゼロから勉強している姿勢」を示せる強み となります。

監視・運用から、構築に進みたい人

監視業務や運用業務はITインフラに携わる入口として経験しやすいポジションですが、そのままではキャリアの幅が限定されてしまいます。

LPICを学ぶことで、サーバー構築や運用管理の知識を体系的に補い、キャリアを次のステップへ進める土台 を作れます。

実際に「監視・運用 → LPIC学習 → 構築に配属」というキャリアアップ事例は、非常によくある鉄板のキャリアステップです。

スキル証明・キャリアアップを目指す経験者

すでに運用や構築に関わっているエンジニアにとっても、LPICは知識整理やスキル証明に役立ちます。

LPIC-2 は、サーバーの運用管理や構築に対応できるレベルを証明できるため、インフラエンジニアとしての基盤固めや中級レベルへのステップアップ に有効です。

LPIC-3 では、選択科目制で 設計・セキュリティ・仮想化・高可用性など専門分野に対応できる力 を示せるため、年収アップ、外資系・大手企業への転職 にも直結します。

また、LPIC-3は自分が進みたい専門領域を選べるため、305(仮想化とコンテナ)でコンテナ分野に進む/303(セキュリティ)でセキュリティエンジニアを目指す といった、キャリアシフトにも活用できます。

LPICの難易度と合格率

次に気になるのは「どの程度難しいのか?」という点です。ここでは、LPICのレベル別難易度と合格率の目安を整理していきます。

LPIC-1の難易度(未経験でも挑戦可能)

LPIC-1は未経験者でも挑戦できるレベルで、Linuxの基礎操作やユーザー管理、ネットワークの初歩 が出題されます。

独学でも十分合格可能ですが、学習時間は 130〜180時間程度 を見込むと安心です。

LPIC-2/3の難易度(経験者・上級者向け)

LPIC-2は、サーバーの運用管理や構築分野が中心に出題されるため、監視や運用の経験がある人にとっては理解しやすい内容ですが、未経験から挑戦する場合はハードルが上がります。

LPIC-3はさらに上級レベルで、セキュリティ・仮想化・高可用性など専門分野を深く学ぶ必要があるため、実務経験や専門知識を前提とした難易度となっています。

■LPIC-2/3の難易度(経験者・上級者向け):
LPIC-2
サーバー構築や運用管理に必要な知識が問われ、実務経験があると理解しやすいレベルです。難易度は中級で、学習時間は 150〜250時間程度 が目安。
LPIC-3
セキュリティ・コンテナ・高可用性などの専門分野を扱う上級資格であり、実務経験が前提です。ハンズオンを含めた学習時間は 200時間以上 が推奨。

合格率の目安と学習時間

公式に合格率は公開されていませんが、受験者の声を集めると 合格率は6〜7割程度 とされています。学習時間の目安は以下の通りです。

■学習時間の目安:
LPIC-1:130〜180時間(未経験でも挑戦可能)
LPIC-2:150〜250時間(運用経験があると理解しやすい)
LPIC-3:200時間以上(構築運用経験やハンズオン学習も重要)

LPICは必ずLPIC-1から順に受験する必要があるため、未経験者はまずLPIC-1で基礎を固め、その後LPIC-2、LPIC-3と進んでいく形になります。

→詳しくはこちら:LPICの難易度・合格率まとめ

LPICの勉強法(独学/教材/演習環境)

LPICに合格するためには、正しい教材選びと効率的な学習方法 が欠かせません。

ここでは、独学で進める場合の勉強法やおすすめ教材、実際にLinuxを操作する演習環境の作り方を解説します。

独学で学ぶための基本ステップ

LPICは独学でも十分に合格可能な資格です。学習の流れは次のように進めるのが一般的です。

■独学で学ぶためのステップ:
公式シラバスを確認する
 →出題範囲はLPIが公開しています。しっかりチェックして学習範囲を把握しましょう。
参考書・問題集で基礎を固める
 →市販の認定教材や問題集を使い、範囲ごとに理解を進める。
演習問題でアウトプット
 →問題演習を繰り返すことで知識が定着しやすくなります。
模擬試験で仕上げる
 →試験形式に慣れることが、合格への最短ルートです。

おすすめの教材・問題集

LPICの学習には、以下の教材が定番として活用されています。

■おすすめの教材・問題集:
Linux教科書(あずき本)
 →認定教材であり、出題範囲を体系的にカバーできる。
スピードマスター問題集(白本)
 →実際の出題傾向に非常に近い、同じ問題も多数出題される。実質的な過去問の立ち位置。
Ping-t(オンライン問題集)
 →問題演習に特化した学習サービス。移動時間の学習にも便利。

特に未経験者は、参考書でインプット → 問題集でアウトプット の流れが効率的です。

Linuxを触れる演習環境を整える

LPICは知識問題が中心ですが、Linuxを実際に操作して学ぶことで理解度が高まります。

■Linuxを触れる環境:
・VirtualBoxやVMwareで仮想環境を構築
 →自分のPCに仮想マシンを作り、UbuntuやCentOSをインストールして学習。
クラウドの無料枠を活用(AWS / GCPなど)
 →実際のクラウド環境でLinuxサーバーを立てることで、より実務に近い学習が可能。
・学習サービスの演習環境を利用
 →スクールや一部の教材では、事前に用意された環境を使える場合もあります。

なお、LPIC-1であれば、最初はエミュレータでも十分学習可能 です。

最初からクラウドや本格的な演習環境を使う必要はなく、手元のPCでUbuntuを触るだけでも効果的です。慣れてきたらVirtualBoxやAWSの無料枠に挑戦する、という段階的な進め方がおすすめです。

学習スタイルに応じて、以下の記事も参考にしてください

教材選びに迷う方へ:LPICおすすめ参考書まとめ
スマホやPCで手軽に学びたい方へ:LPIC学習に役立つ勉強サイトまとめ
実機で手を動かしたい方へ:未経験向けハンズオン学習の始め方

LPIC-1勉強方法の、まとめ記事はこちらLPICの勉強方法まとめ(教材・学習ステップ解説)

LPICの申し込み方法と受験料・割引制度

LPICを受験する際には、まず申込手順と受験料を理解しておくことが大切です。また、受験料を抑えるための割引制度もあるため、上手に活用しましょう。

申し込みの概要(ピアソンVUEでの予約手順)

LPICは、試験配信を行っている ピアソンVUE(Pearson VUE) のサイトから予約して受験します。

■申し込みの流れ:
・LPI IDを作成
・ピアソンVUEのアカウントを作成
・「LPIC試験」を選択して、試験会場またはオンライン監督試験を予約
・受験日と会場を指定して支払い

→詳しい流れはこちらで解説しています:LPICの申し込み方法まとめ

受験料の目安(レベル別の料金)

受験料はレベルごとに異なります。目安は以下の通りです(税別)。

■LPICの受験料:
LPIC-1:1科目あたり、15,000円(2科目必要)
LPIC-2:1科目あたり、18,000円(2科目必要)
LPIC-3:1科目あたり、18,000円(1科目合格で認定)

→最新の料金や詳細はこちら:LPIC受験料まとめ

割引制度の活用(バウチャーチケット・転職相談割引)

LPICは通常の受験料だと高額になりやすいため、割引制度を活用するのがおすすめ です。

■LPIC受験料の割引制度:
バウチャーチケット
 →公式認定トレーニングパートナーを通じて購入すると、受験料が割引価格になります。
転職相談を利用した割引
 →当社のような転職支援サービスを利用する場合、LPIC受験料が20%割引 で購入できる制度があります。
 特に未経験者の方には、資格取得とキャリア相談をセットで活用するのがおすすめです。

無料キャリア相談はこちらからインフラエンジニア転職相談フォーム

LPICはピアソンVUEから簡単に申し込めますが、受験料は決して安くありません。

バウチャーチケットや転職相談割引を活用すれば、コストを抑えて効率的に資格取得を進めることが可能 です。

LPIC取得後のキャリアと年収アップの可能性

LPICを取得することは、単なる資格取得にとどまらず、キャリア形成や収入アップにつながる大きな一歩となります。

ここでは、取得後にどのようなキャリアパスが開けるのか、そして年収面でどのような影響があるのかを見ていきましょう。

未経験からのキャリアスタート(LPIC-1)

未経験者がLPIC-1を取得することで、監視や運用保守からのキャリアスタート がしやすくなります。

また「Linuxの基礎を体系的に学んでいる」ことをアピールできるため、書類選考や面接での評価が高まり、未経験歓迎求人で採用されやすくなる のがメリットです。

また、資格を持っていることで 夜勤主体ではなく日勤の運用ポジションに配属される可能性 が高まります。

夜勤を避けたいと考えて資格取得に挑戦する人も多く、LPICはそのための有効なアピール材料にもなります。

構築エンジニアへのステップアップ(LPIC-2)

運用や監視を経験した後にLPIC-2を取得すれば、サーバー構築など、より上流工程を担うエンジニア を目指せます。

実務経験と資格を組み合わせることで、「任せられる領域が広がる」=評価・年収アップにつながる ケースが多くあります。

専門分野でのキャリア拡大(LPIC-3)

LPIC-3は選択科目制で、セキュリティ・仮想化・高可用性などの専門分野 を深く学べます。

これにより、セキュリティエンジニアやクラウドエンジニア、コンテナ領域の専門家など、より専門性の高いポジション を目指せます。

例として、「303(セキュリティ)→SOCやゼロトラスト関連の案件」や「305(仮想化とコンテナ) → KubernetesやDocker関連の案件」というキャリアシフトもあります。

年収アップの可能性

LPICを取得することで、以下のように 年収アップに直結するチャンス が増えます。

■LPICと年収アップの関係:
資格手当が支給される会社:毎月数千円〜の手当が追加されるケースあり
転職市場での評価アップ:知識の証明で採用されやすく、提示年収が高まることが多い
キャリアアップによる昇給:運用 → 構築 → 設計・セキュリティ へと進むことで、年収レンジが大幅に上がる

また、未経験者でもLPIC-1を持っていれば、資格なしよりも年収高めの求人に受かる可能性 が大きく高まります。実際の転職支援の現場でも、年収50万円程度はスタート地点が引き上がる印象です。

これは、資格を持っていない未経験者との差別化ができるためです。

※あわせて読みたい:
インフラエンジニアのキャリアパスまとめ
インフラエンジニアの年収データと比較
インフラエンジニアの将来性を徹底解説

資格を活かして年収アップやキャリアチェンジを目指す方は、無料キャリア相談もあわせてご活用ください。

LPICに関するよくある質問(FAQ)

LPICについてよく寄せられる質問をまとめました。受験を検討している方は参考にしてください。

Q1:LPICは廃止されるのですか?

いいえ、LPICは廃止されません。LPICは現在も、世界中で受験されている国際資格です。

ただし日本においては、LPICの運営団体だったLPI-Japanが、日本市場に特化したLinuCを立ち上げました。

そのため、「LPICは日本から撤退する」、「LinuCに統合される」といった誤解から「LPICは廃止される」という情報が広まったと考えられます。

現在は LPI日本支部 がLPICの試験運営を行っており、LPICとLinuCはどちらも独立した資格として併存しています。

→違いについて詳しくはこちら:LPICとLinuCの違い・転職での評価比較

Q2:LPICに有効期限はありますか?

いいえ、LPICの認定そのものには有効期限はありません。 一度取得すれば、資格自体が失効することはありません。

しかし、認定の「有意性(アクティブステータス)」 は、認定日から5年間 と定められています。

この期間を過ぎると、上位資格(LPIC-2、LPIC-3)の受験資格を失うほか、資格手当が支給されなくなる企業もあります。また、履歴書などでアピールする際の価値もやや下がります。

そのため、LPICをキャリアで活用する場合は、5年以内に同じレベルの試験を再受験する、または上位レベルの試験に合格することで、認定の有意性を保つのが一般的です。

LPICは「一度取って終わり」ではなく、継続的に学び続けることが大切な資格です。

Q3:LPICは独学でも合格できますか?

はい、LPICは独学でも十分に合格可能です。

参考書・問題集・模擬試験を組み合わせ、さらにLinux環境を実際に操作することで、合格に近づくことができます。

→独学の進め方はこちら:LPICの勉強法まとめ(教材・学習ステップ解説)

まとめ

LPICは国際的に通用する資格であり、廃止予定もなく、独学で挑戦できる実用的な試験 です。

有効期限や更新制度も理解したうえで、キャリア形成に活用していきましょう。

まとめ:LPICはキャリアの基礎を固める最初の一歩

LPICは、Linuxの基礎から専門分野まで体系的に学べる国際資格です。

「資格だけでは意味がない」と言われることもありますが、実際には 未経験者にとってはキャリアの入口となり、経験者にとっては専門性を示す武器 となります。

■LPICが及ぼすキャリアへの影響:
未経験者:LPIC-1で基礎を固め、運用・監視からキャリアをスタートできる
監視・運用経験者:LPIC-2で構築スキルを証明し、上流工程にステップアップできる
経験者:LPIC-3でセキュリティやコンテナなどの専門分野を強化し、市場価値を高められる

また、資格手当や転職市場での評価アップを通じて、年収や待遇改善にも直結しやすい資格 です。

つまりLPICは、「キャリアを始めたい」「次のステップに進みたい」と考えるすべてのエンジニアにとって、基礎を固める最初の一歩 となります。

→これから学習を始める方はこちらも参考にしてください
LPICの勉強法まとめ
LPICとLinuCの違い・転職での評価比較
LPICの難易度と合格率まとめ

無料キャリア相談のご案内

「LPICを取得してキャリアアップを目指したいけれど、自分にはどんなキャリアパスがあるのか?
資格取得と転職活動をどう組み合わせれば、年収アップできるのか?

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

当社の無料キャリア相談では、あなたの現状と目標に合わせて 最適な学習計画や求人情報 をご提案します。

【無料】インフラ専門の転職エージェントにキャリア・転職を相談する

この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

目次