ネットワークエンジニアはやめとけと言われる理由9選、実態と対処法

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こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

ネットワークエンジニアは、IT業界の中でも安定した需要があり、専門性を活かせる仕事として注目されています。また未経験でも挑戦しやすい職種であるため、注目度はことさら高いと言えるでしょう。

しかし、実際の現場では「思っていた仕事と違う」、「きつい」、「将来が不安」などを感じ、辞めたいと考えるエンジニアも少なくはありません

ここでは、ネットワークエンジニアが「やめとけ」と言われる理由、現場で「辞めたい」と考えてしまう理由、ネットワークエンジニアに向いている人などを解説していきます。

ネットワークエンジニアに興味を持つ人や、現職がネットワークエンジニアで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

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目次

そもそもネットワークエンジニアの役割・仕事内容とは

現代社会において、インターネットや企業ネットワークといったITインフラは、社会インフラの一つとして必要不可欠な存在です。

ITインフラの重要性が高まる現代社会において、ITインフラの根幹を支えるネットワークエンジニアの役割は、ますます重要になっています。

ネットワークエンジニアの主な役割

ネットワークエンジニアの重要な役割は、安全で安定したネットワーク環境を、設計・構築・運用することです。

ネットワークとは、PCやサーバー、スマートフォンなどの端末が、インターネットや社内システムを通じて、データをやりとりするための「通信の道」のようなものです。

この「通信の道」がスムーズでなければ、業務システムが止まったり、Webサービスが使えなくなったりと、大きな問題につながります。そのためネットワークエンジニアは、止まらないネットワークを作ることが求められます。

■ネットワークエンジニアの主な役割:
・ネットワークの設計・構築:企業の業務要件にあわせた、最適なネットワーク環境を構築
・ネットワークの運用:24時間365日止まらない、信頼性の高いネットワークを維持
・セキュリティ対策:外部からの攻撃や、内部からの情報漏洩を防ぐ対策を実施
・トラブル対応:ネットワークの障害時に、素早い原因究明と復旧
・新技術の導入:新しいネットワーク技術の調査と、既存環境へ適用

■参考記事:ネットワークとは何?小学生でもわかるよう簡単に、例や図解で説明

ネットワークエンジニアの主な仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事内容は、システムやインターネットを使用するために、必要なネットワークの設計・構築・運用・保守を行う業務です。具体的な内容や必要となるドキュメント、求められるスキルは、以下図のようになります。

以下にて、ネットワークエンジニアの仕事内容を、簡易に説明します。

ネットワークの設計・構築

システム導入やオフィス移転、サービス開始などにあわせて、最適なネットワーク構成を検討し、システム全体のルールを決めます。また、実際にネットワーク機器を設定していきます

具体的には、ネットワーク構成図を作成し、セキュリティや冗長性(障害が起きても、止まらないようにすること)を検討していきます。また、ルータやスイッチといったネットワーク機器を設定し、通信テストなどを行います。

ネットワークの運用・保守

ネットワークは、一度構築したら終わりではありません。ネットワークが安定して使えるように、運用・保守を行っていきます

具体的には、障害発生時の1次・2次対応、ネットワーク負荷の分析や最適化、ログの収集と分析、セキュリティパッチの適用管理などを行っていきます。

ネットワークエンジニアに求められるスキル・知識

ネットワークエンジニアの仕事内容は、ネットワークの設計構築から運用保守、またトラブル対応からセキュリティ対策まで幅広いです。ゆえに、求められるスキルや知識も幅広いと言えます。

■ネットワークエンジニアに求められるスキル・知識:
・ネットワークの知識(TCP/IP、DNS、DHCP、VLANなど)
・ネットワーク機器(Cisco製品など)の機器設定スキル
・トラブル時の原因切り分けスキル
・チームやお客さまとのコミュニケーション力

ネットワークエンジニアの基本となるのが、ネットワークの知識です。TCP/IPやDNS、DHCP、ルーティング、VLAN、NATなどといったネットワークの基礎は、どの工程においても理解しておく必要があります。

また、ルータやスイッチといったネットワーク機器の設定、操作スキルも重要であり、障害発生時には、どの層で問題が起きているかなどを切り分けるスキルも非常に大切です。

あわせて、チーム内やお客さまに対してのコミュニケーションスキルも大事です。要件のすり合わせや、トラブル報告など、相手にわかりやすく伝えるスキルも必要とされます。

ネットワークエンジニアはやめとけ?辞めたいと言われる理由

ネットワークエンジニアは会社や社会のインフラを支える重要な職種の一つであり、高い専門性が求められる職種です。一方で、ネットやSNSなどでは、「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われることもあります。

ここでは、ネットワークエンジニアが「辞めたいと思う理由」や「きつい所」について、「知識・スキル」と「環境・働き方」、「年収・将来性」の3パターンに分けて、解説していきます。

知識・スキル系:スキル習得が難しい

ネットワークエンジニアに求められるスキルは、専門的かつ幅広いのが特徴です。例として、TCP/IP、DNS、VLAN、ルーティング、ファイアウォール、VPNなど、最初に覚えなければいけないことが非常に多いです。

また、ネットワークは目に見えるものではないため、イメージがしづらいこともよくあります。ゆえに、「勉強しても、実感が湧かない」ことが多いと言えます。

あわせて、知識を習得しても、実際の現場ですぐに使いこなせる訳ではありません。知識をスキルに変えていくことも難しく、スキルを習得するには時間と実践が必要です。

知識・スキル系:勉強についていけない

ネットワークエンジニアは、働きながら継続的に勉強をしていくことが求められる職種です。ルーティングやスイッチングなどのみならず、近年では、自動化や仮想ネットワーク、ゼロトラストなど、新しいツールや概念などが出てきています。

そのため、「勉強をしても、新しい知識が必要な状態が続く」と感じてしまい、つらくなってしまい、辞めたくなってしまうケースもあります。

さらに、仕事が忙しくなると、学習の時間を確保するのも難しくなり、一方で会社からは「資格を取りなさい」などと指示があり、焦りや悩みにつながってしまうこともあると言えます。

知識・スキル系:単純作業が多い

特に若手や未経験者が、ネットワークエンジニア辞めたいと思う理由として、マニュアル通りの単純作業や監視業務も大きな要因です。

例として、死活監視ツールのチェックや障害のアラート確認や1次対応、定型文での報告書作成など、単調な作業が多い場合は、「スキルが身についている気がしない」と感じてしまい、エンジニアになった意味を見失うこともあります。

ネットワークエンジニアとしてスキルを高めるには、実機に触る経験が必要ですが、長く実機にも触れられない状況が続くと、モチベーションを失うことや将来が不安になることがあり、退職につながることも多いです。

環境・働き方:夜勤シフトがつらい

ネットワークは24時間365日稼働し続けるものであるため、障害が起きればすぐに対応が求められます。そのため、監視を担当するエンジニアや、保守を担当する一部のエンジニアなどでは、夜勤シフトの勤務体系が求められます

夜勤シフトの働き方は、人によっては体に負担がかかることもあります。また、家族との時間がすれ違ってしまうこともあります。この夜勤シフトは、やめとけと言われやすい大きな要素でしょう。

夜勤シフトは、特にスキルがない、若手のタイミングで発生することが多く、夜勤シフトがつらいと思い、退職を考える人は非常に多いです。

環境・働き方:トラブル対応がきつい

ネットワークエンジニアの仕事で、避けて通れないものに「トラブル対応」があります

例として、突然通信が繋がらなくなる、遅延する、機器の老朽化による不具合などが発生し、原因の特定や復旧には、知識や経験が必要です。

また、休日や土日のトラブルや、トラブル時のプレッシャーについても、神経がすり減るつらさを感じ、辞めたいと考える理由になる場合もあります。

環境・働き方:責任が重い

ネットワークは通信の大元であり、あらゆるITサービスを動かす土台です。そのため、ネットワークが止まれば、会社の業務などが、すべて止まる可能性もあります。

また、ネットワークの設計・構築に携わると、ミスがネットワーク全体に影響を与える可能性もあり、失敗ができないプレッシャーを感じ、責任の重さにつらくなる人もいます。

ネットワークエンジニアは、止めてはいけないものを預かっている立場とも言えます。

年収・将来性:スキルがつかないと、年収が上がりにくい

ネットワークエンジニアは高収入というイメージを持つ人もいますが、実際はスキルが身につかないと、年収はあまり上がらないのが実状です。

特に、未経験者などは、最初に任されやすい仕事は、監視といったオペレーション業務が多いです。監視業務であれば、年収400万を超えるのはなかなか大変です。同じ監視を続けても、昇給は期待しにくいと言えます。

ネットワークエンジニアは実力主義です。スキルが身につかないと、何年経験をしても、年収は上がりにくいでしょう。

年収・将来性:上流工程に行くのが難しい

ネットワークエンジニアはキャリアを積む事で、構築や設計といった上流工程にステップアップできる職種です。ネットワークエンジニアがまず目指すのは、構築フェーズと言っても過言ではないでしょう。

しかし、「運用監視の仕事ばかりで、構築フェーズに進めない」ということはよくあります。勤める会社によっては、「3年間は運用監視をして欲しい」という会社もありますし、運用監視の仕事しかない会社もあります。

そのため、「上流工程に進むために、何をすればよいのかがわからない」、「このままではエンジニアとして成長できない」と悩んでしまい、退職を考えるきっかけとなることも多いです。

年収・将来性:将来が不安

運用監視から上流工程にステップアップできず、スキルが身につかないことで、将来に不安を感じる人は多いです。

また、オンプレミスからクラウドへの移行が進むことによって、ネットワークだけでは将来食べていけないのではないかと考える人や、SDNや自動化など新しい技術がでることにより、新技術の習得についていけない不安を感じる人もいます。

上述のように、「ネットワークエンジニアはやめとけ」と言われ、退職につながる背景には、「知識・スキル」や「環境・働き方」、「年収・将来性」についての不安が多いと言えます。

ネットワークエンジニアは本当にやめとけ?具体的な9つのメリット

このような内容を目にすると、「ネットワークエンジニアはやめた方がよいのでは」と思うかも知れませんが、決してそんなことはありません。

ネットワークエンジニアは、上述のような厳しさはあるものの、それよりも多くのメリットもあります。ここでは、ネットワークエンジニアになるメリットを説明していきます。

最先端の技術を学べる

ネットワークエンジニアは、常に進化する最先端のテクノロジーを学ぶことができる仕事です。

具体的には、SDN(Software Defined Networking)やゼロトラスト、自動化、クラウドネットワークなど、日々進化する最先端の技術に触れる機会が豊富と言えます。

最先端の技術を学ぶことで、より自分自身の専門性を高めながら、スキルを最新の内容にアップデートすることができます。学べることは非常に多いため、専門性を追求していきたい方にマッチすると言えます。

スキルに応じて、年収が上がる

ネットワークエンジニアは実力主義であるため、スキルや経験を積む事で、給与も高まる特徴があります。特に、担当する仕事内容(工程フェーズ)で、明確に年収が変わっていきます。

未経験者や初級者が担当する監視業務などでは、年収300万程度からスタートすることもありますが、構築や設計業務にステップアップすることで、年収500万オーバーが見えていきます。

ネットワークエンジニアは「スキルアップ=年収アップ」の構造が非常に明確であり、ネットワークエンジニアのやりがいの一つとも言えるでしょう。

問題解決で達成感

ネットワークエンジニアの仕事では、日々さまざまな問題に直面します。通信障害やパフォーマンスの低下、セキュリティインシデントなどに、常に対応していく必要があります。

また、トラブルシューティングのみでなく、プロジェクト成功の喜びもあります。

大規模ネットワーク更改プロジェクトの完遂や、ゼロから設計したインフラの安定稼働など、数千人や万人を超えるユーザーに利用される際のやりがいもあり、責任の重さと引き換えに、達成感も感じることができるでしょう。

技術が廃れにくい

IT業界では、技術トレンドが短い期間で変化することが多く、習得したスキルが数年で廃れていくこともあります。

しかし、ネットワークにもっとも求められるものは安定性であるため、ネットワークの基礎となるTCP/IPやルーティング、VLANなどの技術は、安定感が高く、数十年たっても安定的に変わらず使われ続けています。

つまり、ネットワーク関連の技術は廃れにくいため、一度習得した知識や経験が、長年に渡り安定的に使い続けられます。一度技術を身につければ、末永く身につけたスキルで生きていくことができます

安定性・不景気に強い

ネットワークエンジニアの仕事は、社会や人の生活を支えるインフラ分野の仕事であり、必要不可欠な領域です。ゆえにITエンジニアの中でも、ネットワークエンジニアは抜群の安定性があります。景気にもあまり左右されない職種です

実際に、IT業界は景気に左右される業界であるものの、景気が悪くてもネットワークやインフラは止めることができません。また景気が悪い場合でも、ネットワークエンジニアは、インフラコスト削減の仕事などが発生し、不景気に強い職種です。

ネットワークエンジニアは、不景気においても、底堅い需要があります

資格の評価が高い

ネットワークエンジニアの世界では、資格が高く評価されます。ITエンジニアの中でも、ネットワーク領域は、ことさら資格が評価され、特にシスコ技術者認定などのベンダー資格は、キャリアアップや転職の大きな武器となります。

シスコ技術者認定のCCNAやCCNP、国家資格のネットワークスペシャリスト試験など、企業から評価される資格が多数あり、資格を取得することで、自分が望むキャリア形成を実現しやすいとも言えます。

経験がなくても、資格を取ることで、少しずつキャリア形成につなげていくことができるネットワークエンジニアは、キャリアを挽回しやすい職種とも言えるでしょう。

未経験でも挑戦しやすい

ネットワークエンジニアは、IT業界の数あるエンジニア職種の中で、未経験の受け入れが多く、挑戦がしやすい職種です。

他のITエンジニア職と比べて、ネットワークエンジニアは、未経験採用を行っている会社が数多く、またキャリアの序盤時に、高い即戦力性を求められにくいポジションが多数あり、安心して挑戦しやすいでしょう。

知識ゼロでも、ネットワーク監視の仕事には比較的に携わりやすいでしょう。ネットワークの基礎知識があれば、運用や保守などからスタートすることも可能であり、場合によっては構築補佐から始まることもあります。

ニーズ、需要が大きい

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、ネットワークエンジニアのニーズや需要は、ますます高まっています

一方で、経済産業省の調査によると、IT人材は2030年に最大79万人不足すると予測されており、中でもネットワークエンジニアは、特に不足している職種の一つです。

需要に対して、なり手が大きく不足しているネットワークエンジニアにおいては、ハイスキルな人材であれば、引く手あまたの存在になれます。

キャリアアップ転職しやすい

前述のとおり、ネットワークエンジニアは、需要に対して、なり手が大きく不足しています。ゆえに、転職市場では、ネットワークエンジニアの経験は高く評価されると言えます。

ゆえに、数あるITエンジニアの中で、ネットワークエンジニアはキャリアアップの転職がしやすい職種でもあります。

経験なし・知識なしのキャリアアップ転職は難易度が高いですが、資格を取得する、手を動かして学習するなどの自学を通じて、大手企業への転職や年収アップの転職などが行いやすい職種です。

女性にとって、ネットワークエンジニアはどう?やめとけ?

ITエンジニアというと、男性が多いイメージがあるでしょう。実際にITエンジニアは男性が多く、約8割を男性が占めると言われています。個人的な所感でも、エンジニアの8割は男性だと考えます。

男性が多いITエンジニア職の中で、ネットワークエンジニアは、特に男性が多い職種です。最近は女性ネットワークエンジニアが増えていますが、個人的な感覚値として、男性が9割近くを占めるでしょう。

またネットワークエンジニアは、男性が比率の高さや、夜勤や体力仕事のイメージから、女性は向いていないと考える人もいるかも知れません。

しかし、女性ネットワークエンジニアはやめとけ、とは言えません。むしろ働き方や環境を選べば、女性も活躍できる職種です。また、ネットワークエンジニアは、女性が少ないこともあり、女性が強く求められてもいます

知識やスキルを積めば、女性はやや配属が優遇されやすい

ネットワークエンジニアは専門知識やスキルが武器となる職種であるため、性別によるハンデはありません。むしろ、丁寧さな作業や協調性がネットワークエンジニアには求められることもが多く、女性エンジニアの強みが活かしやすいと言えます。

また、女性ネットワークエンジニアは割合が少ないかつ、近年多くの会社がダイバーシティを推進していることもあり、女性エンジニアは男性よりも、採用や配属において有利なことも多いです。

あわせて、一部の会社では「女性には夜勤をあまりさせない方針」など、女性に配慮を示す会社もあり、知識やスキルを積めば、日勤勤務など、男性よりも自分の希望を早期に満たす配属が実現しやすいと言えます。

産休や育休が整っている会社も多い

IT業界では女性エンジニアを積極採用、積極登用する会社が増えています。それに伴い、活躍してくれた女性エンジニアが長く勤められるように、産休や育休制度が整っている会社が近年大きく増えています

また、女性専用の研修やコミュニティを設ける会社もあるなど、女性が働く環境が整備されてきたとも言えます。

もちろん、全ての会社・全ての職場が女性にやさしいとは言えませんが、女性でも安心して成長できる環境が出来てきており、実際に近年ではネットワークエンジニアになる女性も増えている実状があります。

ゆえに「女性は、ネットワークエンジニアはやめとけ」という考えは、時代遅れとも言えるでしょう。ネットワークエンジニアは、女性ならではの強みを活かすこともできかつ、チャンスも多い職種と言えます。

ネットワークエンジニアの年収とは

ネットワークエンジニアは、安定した高い需要がある職種ですが、年収はどのくらいなのでしょうか?ここでは、ネットワークエンジニアの年収について説明していきます。

ネットワークエンジニアの年収相場とは

ネットワークエンジニアの年収は、担当業務の内容、経験年数、保有スキル、勤務する会社の規模(案件の受け方)などによって、大きな幅があります

その年収幅は驚くほど大きく、簡単に相場感を伝えるのは難しいですが、おおまかな目安としては以下の通りです。

経験年数年収の目安
未経験~2年250~450万円程度
3~5年350~600万程度
6年~10年400~800万程度
マネージャ以上800-1,000万以上も可能

上記の年収の目安において、大きな幅がありますが、人によって、また勤務する会社によって、年収は大きく変わります。ネットワークエンジニアの年収が決まる要素について、以下に説明します。

■ネットワークエンジニアの年収が決まる要素:
・担当フェーズや経験(何ができるか)
・スキルセットや保有資格(何をどこまで学んできたか)
・勤務企業の案件の請け方(どこに勤めているか)

特に、ネットワークエンジニアの年収に非常に大きく影響する要素は、担当フェーズや経験です。何ができるかで、年収は大きく変わってきます。

未経験者は、知識ゼロで入社をする場合は、年収300万円前後からのスタートになるケースが多いです。ただし、評価が高い資格を取得して入社をした場合は、年収350~400万前後からはじまることもあります。

また、ネットワークの構築や設計といった上流工程にステップアップすることで、年収は自然と上がっていきます

上流工程に進むことが難しい場合は、手を動かして学習する、資格を取得する(CCNAやCCNP)、それでも難しい場合は転職するなど、自ら挑戦をしていくことが大事です。

ネットワークエンジニアの将来性は?

ネットワークエンジニアを目指す人や、現役エンジニアにとって、職業の将来性は気になる所でしょう。結論から言うと、デジタル社会の急速な進展に伴い、ネットワークエンジニアの重要性や将来性は、今後も高まるでしょう。

ネットワークの重要性や将来性は、今後も高まる

ネットワークは、IT社会の基盤となっているのは事実です。どれだけ便利なITサービスやアプリがあっても、ネットワークといったITインフラがなければ、利用・活用が難しいと言えます。

また、IoT(モノのインターネット)の進展により、接続デバイスが急速に増え、ITインフラの構築・拡張が必要になっています。

あわせて、ネットワークにおいて非常に重要なセキュリティに関して、サイバーセキュリティの重要性も大きく増加しています。これらに対応できるネットワークエンジニアの将来性は高いと言えます。

ただし、ネットワークオペレーションのみでは、将来性は低い

ネットワークエンジニアという職種は将来性が高いと言えますが、監視といったオペレーションのみのスキルセットでは、将来性がどんどん低くなる可能性があります

近年の企業ネットワークにおいては、オンプレミスからクラウドサービスへの移行が、多く発生しています。また、単純な手作業も、自動化が進んでおり、自動化スキルやIaC(Infrastructure as Code)の知識が求められてきています。

しかしながら、ネットワークの設計や自動化、セキュリティに強みを持つネットワークエンジニアは、引き続き続く需要に対して、圧倒的に不足しているのも事実です。

設計や自動化、セキュリティなど、高い需要がある分野にて、スキルセットをあわせていくことで、ネットワークエンジニアは今後も高い将来性があると言えます。

ネットワークエンジニアに向いている人は?

ネットワークエンジニアは、システムやITサービスの安定稼働に欠かせない存在ですが、「どんな人が向いているのか?」、「文系でもできるのか?」など、気になる人は多いでしょう。

ここでは、ネットワークエンジニアに向いている人の性格や特徴について、傾向を説明していきます。

また、以下からは一例を詳しく説明していきます。

論理思考力がある人

ネットワークエンジニアの仕事では、「なぜ通信ができないのか」や「このルータとスイッチは、どう繋がっているのか」など、論理的に物事を分解して、原因を追究する場面が多くあります

また、例として「設定変更が、他の部分にどのような影響を与えるか」などを、論理的に考え、予測や仮説を立てる力など、論理性があると活躍の場が大きく広がります。

そのため、物事を順序だてて考えることが得意な人や、トラブルに対して冷静に切り分けができる人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えます。

慎重・堅実なタイプ

ネットワークエンジニアの仕事では、細かな作業やドキュメント作成が求められることが多く、丁寧かつ慎重にものごとを進めるタイプの方が向いていると言えます。

例として、小さな設定ミスが大きなネットワーク障害を引き起こす可能性もあるため、設定変更時において慎重に進めることも重要です。また、ドキュメント(資料)も、正確性が非常に大事です。

派手な成果を目指すというよりも、地道にコツコツ作業を行い、システムを支える裏方の仕事を好む考え方の人には、やりがいを感じやすいと言えるでしょう。

ネットワークエンジニアにおすすめの資格

ネットワークエンジニアとしてキャリアアップを目指す上で、「どんな資格をとればよいのか?」や「未経験からでも資格は取れるのか?」といった疑問を持つ人は多いでしょう。

実際に、ネットワークエンジニア関連の資格は、さまざまな資格がありかつ、それぞれ難易度や用途、また評価が異なると言えます。ここではネットワークエンジニアにおすすめの資格を説明していきます。

【未経験者~初心者向け】シスコ技術者認定 CCNA

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

ネットワークエンジニアを目指す未経験者や初心者に最もおすすめの資格は、CCNA(Cisco Certified Network Associate)です。ネットワーク分野において、最初に選ぶ資格は、CCNAが一番といえるでしょう。

CCNAは、ネットワーク機器の世界的リーディングカンパニーであるシスコシステムズ社が認定する資格で、ルーターやスイッチの設定をはじめ、IPアドレスの仕組みやVLAN、OSPFといったプロトコルについても学べるため、現場で即戦力となる知識を身につけることができます。

その実用性の高さから、「ネットワークエンジニアの運転免許証」と呼ばれることもあり、ネットワーク業界を目指すなら、最低限CCNAは取得しておきたい基本資格です。

ただし、受験料が46,860円とやや高めではありますが、それでも業界内での評価は高く、転職・就職時のアピールにも有効です。ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートするなら、まず最初に取得を目指すべき資格として非常におすすめです。

 CCNA
認定元シスコシステムズ
受験料46,860円(税込)
難易度ITSSレベル2(難易度★★☆☆☆)
試験日いつでも受験可能

■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説

【中級者向け】シスコ技術者認定 CCNP

https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/professional/ccnp-enterprise.html

ネットワークエンジニアとしてのスキルをさらに深化させたい方に注目すべき資格が、シスコシステムズ認定のCCNP(Cisco Certified Network Professional) Enterpriseです。

このCCNPは、CCNAの上位資格として位置付けられており、実務経験をある程度積んだ中堅エンジニア以降を対象とした資格です。より高度なネットワークの仕事に携わりたい人や、キャリアを更に発展させたい人におすすめです。

仮にCCNAレベルでは構築業務に関わる機会がなかった場合でも、CCNPを取得することでネットワーク構築への道が開けます。更に構築経験を積めば、ネットワーク設計など、上流工程へのステップアップも可能です。

 CCNP Enterprise
認定元シスコシステムズ
受験料350-401 ENCOR(コア試験):62,480円(税込)
300-410 ENARSI(コンセントレーション試験):46,860円(税込)
難易度ITSSレベル3(難易度★★★☆☆)
試験日いつでも受験可能

【上級者向け】ネットワークスペシャリスト試験(国家資格)

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html

ネットワークエンジニアとして、さらなる専門性を追求したい上級者の方には、「ネットワークスペシャリスト試験(通称ネスペ)」の資格が強くおすすめできます。

ネスペは、IPA(情報処理推進機構)が提供する、高度IT人材向け資格であり、またネットワーク技術に特化した唯一の国家資格でもあります。

業界内でのネスペの評価は非常に高く、ネスペを取得することで、ネットワークエンジニアとしての市場価値が、大きく向上します。特に大規模プロジェクトの受注条件で、ネスペ保有者の有無が要件となることもあり、認知度と信頼性が非常に高いです。

また、ネットワークスペシャリスト試験は、一度合格すれば有効期限がなく生涯有効な資格となるため、長期的なキャリア形成にも有効です。ハイレベルなネットワークエンジニアを目指す方に、ぜひおすすめしたい資格です。

 ネットワークスペシャリスト試験
認定元情報処理推進機構(国家資格)
受験料7,500円(税込)
難易度ITSSレベル4(難易度★★★★☆)
試験日年1回(春)

また、ネットワークエンジニアのおすすめ資格などについて、詳しく知りたい方は、別記事の「ネットワークエンジニアのおすすめ資格一覧、取得順番、難易度を解説」をあわせてお読みください。

さいごに

ネットワークエンジニアはやめとけと言われることがあるように、ネットワークエンジニアは決して簡単な仕事ではありません。学ぶべきことも多く、責任も伴います。また、キャリア初期では夜勤シフトもあるかも知れません。

一方で、ネットワークエンジニアは、専門性が高い職業であり、需要も安定しています。また経験を積めば、年収アップや転職もやりやすい職種であり、フリーランスなどといった自由な働き方も選びやすい職業です。

学習意欲や成長意欲があれば、ネットワークエンジニアはやめとけではなく、目指す価値がある職業とも言えるでしょう。

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