こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「インフラエンジニアって、未経験から目指しても、将来性あるの?」、「インフラエンジニアとして働いているけど、このままのキャリアでよいのか不安」。
IT業界に興味はあるものの、「どの職種が将来性があるのかわからない」と迷う人、インフラ分野で働いているものの、クラウドやAIの進化で、「将来性に疑問」を感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、インフラエンジニアの需要や将来性、やめとけと言われる理由から、開発エンジニアとの比較、また将来性を高めるスキル習得や、おすすめの資格、目指すべき分野などを解説していきます。
インフラエンジニアの将来性に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
インフラエンジニアは将来どうなる?AI・自動化の影響は?
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な進化や、インフラにおける自動化ツールの普及により、「インフラエンジニアの仕事は、AIに置き換わっていくのでは?」と不安視する声が増えています。
実際に、今まで手動で行っていた作業において、スクリプトや自動化ツールで効率化されるようになり、簡単な作業が減りつつあるのは事実でしょう。
ここでは、インフラエンジニアと、よく不安視されるAIや自動化における関係性について掘り下げながら、今後求められるインフラエンジニアについて、具体的に見ていきます。
AI・自動化によってインフラエンジニアの仕事は奪われる?
結論から言うと、「すべてのインフラエンジニアの仕事が、AIに奪われる」ことはないでしょう。
事実として、サーバーの設定や、定型的な障害対応、バックアップのスケジュール設定といった、繰り返し行う作業は、自動化が進んでいると言えます。
例として、AWS CloudFormationや Terraformによるインフラの自動化や、Ansibleによる設定の自動化、Zabbixによる障害対応の自動化など、ツールや仕組みで業務が効率化されてきつつあります。
これらの技術が活用されることによって、人がやらなくていい仕事が減ってきているのは、事実と言えるでしょう。これはさまざまな業界でも起きていますが、IT業界でも同様と言えます。
しかし、インフラエンジニアの需要は変わらず増えています。有名な会社でも、「良い人がいれば、何人でも採用したい」と考える会社は多いです。
それは、自動化ツールなどを使いこなし、設計し、活用ができる、ハイスキルなインフラエンジニアが圧倒的に不足しているからと言えます。
自動化によって、単純作業の価値は下がっていますが、設計や改善など、経験やノウハウが必要な仕事は、むしろ価値が上がっているとも言えるでしょう。
今後も求められていくインフラエンジニアとは
「AIや自動化が進んでいく=インフラエンジニアの仕事がなくなる」ではありません。インフラエンジニアに求められる役割やスキルが、アップデートされてきていると言えるでしょう。
ここでは、今後さらに求められていくインフラエンジニアについて、説明していきます。
■今後、さらに求められるインフラエンジニアの例:
・クラウドに対応できるエンジニア
・自動化やスクリプトに強みを持つエンジニア
・守りだけでなく、攻めのインフラを提案できるエンジニア
AWSやAzureといったクラウド環境の進展にともない、マルチクラウドやハイブリッド環境を扱えるスキルは重要です。クラウド前提のインフラ設計も多い現在では、クラウド対応力が必要とされるでしょう。
また、Terraform、Ansible、Pythonなどを使って、インフラを自動化・効率化できるエンジニアも、引く手あまたです。「構築ができる」にとどまらず、コードが書けるエンジニアになることで、市場価値を高められます。
あわせて、インフラエンジニアの大切な役割である「インフラを守る」という考えのみならず、「攻めのインフラ」を提案できる人材のニーズが高まっています。
今後は、コスト最適化やパフォーマンス改善、新技術の導入など、攻めの提案ができるインフラエンジニアが、さらに求められていくでしょう。
上述するような、「クラウド」、「自動化」、「攻めのインフラ提案」などができるインフラエンジニアは、以後も高い将来性が見込めると言えます。
インフラエンジニアはやめとけ?将来性ないって本当?
インフラエンジニアについて、ネットで調べると、よく出てくるネガティブワードとして、「オワコン」、「やめとけ」、「将来性がない」などがあります。
AIやクラウドの進化が話題になる中で、これらのネガティブワードを見ると「本当にインフラエンジニアって大丈夫?」と不安になる人もいるのではないでしょうか。
しかし、これらのネガティブワードは、すべて事実とは限りません。むしろ、一部のケースや、誤解から生まれている部分もあるでしょう。
ここでは、なぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由や、実際のインフラ業界の現状や将来性について、説明していきます。
インフラエンジニアが「やめとけ」と言われる理由
インフラエンジニアが、ネット上で「やめとけ」など、ネガティブに言われる理由としては、以下のようなものが中心です。
■インフラエンジニアが「やめとけ」と言われる理由:
・スキルの伸び悩みが起こりやすい
・夜勤シフトや、障害対応が大変
・スキルが伸びないと、年収も伸び悩む
まず、第一に多いのが、スキルの伸び悩みが起こりやすいことです。インフラエンジニアは、必要とされる知識が膨大であり、知識をスキルに変化させることも非常に大変です。
さらに、監視などといったオペレーション作業ばかりに従事していると、技術力が身につかず、スキルが伸び悩み、成長できないと感じる人は多いです。
また、運用監視といった仕事を担当していると、24時間365日の対応が求められるため、夜勤がきつい、ワークライフバランスが取りにくいこともあります。
くわえて、インフラエンジニアは、スキルアップしないと年収アップが難しい実状もあります。ゆえに、実務経験を経てスキルアップしないと、年収が伸び悩むため、ここに辛さを感じる人もいます。
しかし、キャリア戦略や環境で、大きく改善される
インフラエンジニアが「やめとけ」と言われる理由のほとんどは、「スキルを身につけることが大変」、「下流工程は夜勤が多い」、「スキルが身につかないと、年収が上がらない」に由来しています。
逆に言えば、スキルアップを意識して、上流工程やクラウド分野などに挑戦できる環境を選べば、将来性や年収も十分に伸ばすことができます。
ただ単にインフラエンジニアとして年数を重ねるだけでなく、自分がどんなキャリアを歩みたいかを明確にし、スキルアップに勤しむ、環境を変えるなどのアクションを取ることで、大きく改善されます。
■関連記事:【未経験者・女性必見】なぜインフラエンジニアは、やめとけと言われるのか?
インフラ業界の現在の需要、将来性
ネガティブに言われることがある一方で、インフラエンジニアの役割は進化しており、むしろ需要が伸びている分野もあります。ここでは、インフラ業界の現状や将来性などを説明します。
■インフラ業界の現状や需要:
・DXやクラウド移行による、新たな仕事の増加
・インフラ領域の高度化、複雑化
・政府における、IT人材不足への対応
DXやクラウド移行による、新たな仕事の増加
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、既存のシステムをクラウドに移行したり、ハイブリッド環境に刷新する案件が大きく増えています。
これに伴い、AWSやAzure、GCPといったクラウドインフラに強みを持つエンジニアや、オンプレとクラウドをつなぐ環境の構築、クラウドセキュリティなど、高度なインフラ設計を担う人材ニーズが急増しています。
特に、中小企業のクラウド対応や、大企業のグローバルインフラ構築においては、人材が大きく不足している状況と言えるでしょう。
インフラ領域の高度化、複雑化
クラウドのみではなく、ゼロトラストネットワークや、IoT、エッジコンピューティング、SaaSの普及などによって、インフラ領域における技術が年々進化し、高度化かつ複雑化をたどっています。
また、インフラ領域の高度化や複雑化によって、知識のみでは対応できない高度な設計スキルや、統合スキルが求められており、それに対応できるインフラエンジニアが強く不足していると言えます。
ゆえに今後は、単なる作業ができるインフラエンジニアよりも、ますます「上流工程を担えるインフラエンジニア」が主役になっていくと言えるでしょう。
政府における、IT人材不足への対応
現在のIT人材不足は深刻な問題であり、経済産業省の調査にては、2030年に最大で79万人のIT人材が不足すると発表されています。その中には、インフラ系や、クラウドエンジニア人材も含まれています。
経済産業省が公表する、IT人材不足についての推計結果は、以下図です。

出典元:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
このまま進むと、日本のDXを支えるIT人材が大きく不足するため、以下図のように、230万人のデジタル推進人材を5年間で、230万人育成する方針を、政府も公表しています。
つまり、インフラエンジニアは「やめとけ」や「オワコン」ではなく、むしろ社会的にも、企業的にも「絶対に必要とされる職種」であると言えるでしょう。
インフラエンジニアは、将来性がある
インフラエンジニアは、今後も高い将来性が見込める職種です。インフラ技術が進化する中、求められるスキルは高度化していますが、高度化により市場価値がさらに高まっています。
また、そもそも、ITインフラがなければ、日常的に使うスマホアプリやWebサービスといった「ITサービス」は使えません。今後どれだけテクノロジーが進化しても、その大元であるITインフラを設計、運用する技術はなくならないと言えます。
さらに、セキュリティやゼロトラスト、5GやIoTといった新たな技術分野においても、インフラの深い専門知識を持つエンジニアが不可欠です。
企業のDX推進や、システムの複雑化に伴い、今後のインフラエンジニアの需要も、更に高まり続けると考えられます。
インフラエンジニアは、スキルを磨き、最新の技術に触れ続けることで、将来にわたって長く活躍できる、価値あるキャリアであることは、間違いありません。
インフラエンジニアと開発エンジニア、どっちが将来性ある?
ITエンジニアとしてキャリアを考える際に、「インフラと開発、どちらの方が将来性高いか?」という疑問を持つ人は多いです。どちらもIT分野では必要な存在ですが、それぞれに異なる役割と、将来の方向性があります。
ここでは、「仕事内容」、「年収」、「AI」、「景気」という4つの観点から、インフラと開発の違いや将来性について、説明していきます。
仕事内容、必要スキルの違い
インフラエンジニアは、システムが正常に稼働するための基盤づくりを担う職種です。例として、サーバーやネットワークの設計、構築、運用を担当し、近年ではクラウドなどの知識も求められます。
インフラエンジニアは、システム全体の安定性や拡張性などを担当する、縁の下の力持ち的な存在です。
一方で、開発エンジニア(アプリケーションエンジニア)は、ユーザーが直接触れるアプリやWebサービスの機能などを、プログラミングによって開発する職種です。
使用する言語は、JavaやJavaScript、Python、GOなど多岐にわたり、UI/UXやAPI設計、データベース設計など、プロダクトを開発するスキルが必要です。まとめると、以下のようになります。
インフラエンジニア | 開発エンジニア | |
主な仕事 | インフラ基盤の設計、構築、運用 | アプリケーションの設計、開発 |
主なスキル | OS、ネットワーク、クラウド、セキュリティ | 設計、プログラミング、テスト |
また、インフラエンジニアと開発エンジニアは、決して「どちらが上」ということはありません。それぞれの役割と、得意な分野が異なるということを、理解することが大切です。
年収、キャリアパスの違い
インフラと開発を年収面で比較すると、非常に大きな差はありません。ただし、あえて言うのであれば、インフラの方が、やや年収が高くなりやすい場合はあるでしょう。
例として、転職サイトのdodaでは、インフラエンジニア(サーバーエンジニア)と、開発エンジニア(SE/プログラマ)の年代別の平均年収を、以下と算出しています。
インフラ(サーバーエンジニア) | 開発(SE/プログラマ) | |
20代 | 405万円 | 382万円 |
30代 | 520万円 | 489万円 |
40代 | 643万円 | 567万円 |
50代以上 | 672万円 | 593万円 |
全体の平均年収 | 464万円 | 425万円 |
ただし、インフラも開発も、キャリアが進み、ステップアップするにつれて、年収も十分に上がっていく職種です。
インフラエンジニアは、上流工程から、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、PM、アーキテクト、SREなどにステップアップすれば、年収700~1,000万も十分に狙える職種です。
また、開発エンジニアも、上流工程から、業務知識を身につけ上級SE、コンサルタント、PM、テックリードなどにステップアップすれば、同様に年収700~1,000万以上も狙っていける職種です。
インフラエンジニアと開発エンジニアは、キャリアパスが異なりますが、キャリアパスの選び方次第で、どちらの職種も高年収を狙っていける職種です。
AI時代に有利なのは、どっち?
やもすれば「AI時代に強いのは、開発エンジニア」と考える人もいますが、それは曲論的な見方です。
実際、AIモデルや機械学習の実装に関わるエンジニア(MLエンジニア、データサイエンティストなど)は、分類すると「開発エンジニア」です。
しかし、AIや自動化を支えるのは、「システム基盤(インフラ)」です。
特に、AI学習環境の構築(GPUサーバ、コンテナ、ストレージ設計)、大量データを処理できるインフラ設計、セキュリティや可用性などにおいては、インフラエンジニアの仕事です。
ゆえに、開発・インフラともに、どちらもAIと無縁ではありません。開発とインフラの役割が異なるだけと言えるでしょう。
好景気・不景気に強いのはどっち?
景気循環(好景気と不景気とのサイクル)は、数年単位で起こりやすいと言えるでしょう。例として、リーマンショック、東日本大震災、コロナショックなどで、景気が大幅に変動しました。
その中で、インフラエンジニアと開発エンジニアは、好景気・不景気といった、景気の影響の受け方が大きく異なります。好景気・不景気における需要の違いは、具体的には、以下となります。
インフラエンジニア | 開発エンジニア | |
好景気での需要 | 高い | 非常に高い |
不景気での需要 | やや高め | やや低め |
インフラエンジニアは、なくてはならないITインフラを扱うため、景気の影響を受けにくく、好景気でも不景気でも、需要が安定しています。
例として、インフラエンジニアの仕事である、クラウド移行やセキュリティ対策は、景気に関わらず必要とされます。また、不景気時にはクラウドコスト最適化、システム効率化など、不景気向けの仕事が増えます。
ゆえに、インフラエンジニアは、好景気での需要は高く、不景気での需要も高めと言えるでしょう。
一方で、開発エンジニアは、ソフトウェアやアプリケーションの開発を行う仕事であるため、企業のシステム投資額に大きく左右され、好景気では需要が非常に高く、不景気では需要が下がります。
例として、好景気時には新規サービスの立ち上げや、DXの推進が活発になるため、開発エンジニアの需要が高まります。しかし、不景気時には、システム投資額が削られるため、開発の仕事が大きく減ることもあります。
ゆえに、開発エンジニアは、好景気での需要は非常に高く、不景気での需要はやや低くなると言えるでしょう。
好景気時には、開発エンジニアは華やかでありかつ、強い需要がありますが、好景気・不景気に関わらず底堅い需要があるのはインフラエンジニアと言えるでしょう。
■景気による需要の違い:
・インフラエンジニア:好景気、不景気問わず、底堅い需要
・開発エンジニア:好景気に高い需要
どちらが将来性高いかは、自分の適性と目標次第
大事なこととして、インフラエンジニアと開発エンジニアは、対立する関係ではありません。むしろ、互いに連携しながら、システムを支える「補完的な関係」です。
また、どちらの職種も将来性があります。ゆえに重要なことは、「自分がどのように成長したいか」や「何にやりがいを感じるか」と言えるでしょう。
裏方として、システム全体を支える仕事に魅力を感じるならインフラエンジニアであり、目に見えやすいモノを作りたいなら開発エンジニアです。
どちらを選ぶにしても、学び続ける姿勢が一番重要です。学び続けられれば、時代の変化にも適応できる、将来性高いエンジニアとして活躍ができるでしょう。
インフラエンジニアの、将来性高いキャリアパス
インフラエンジニアとして経験を積むと、「この先、どんなキャリアがあるのか?」や「将来、どんな働き方ができるのか?」が気になる人、不安に感じる人は多いと言えるでしょう。
以前では、インフラエンジニアは「縁の下の力持ち」として、システムの安定稼働を守る裏方の印象が強かった所ですが、現在ではIT・DXの進展により、知識や経験を活かして、多様なキャリアを描くことができます。
ここでは、インフラエンジニアのキャリアパスとして、代表的な方向性を説明していきます。



クラウドエンジニア
もっとも人気なのは、クラウドエンジニアと言えるでしょう。オンプレミスからクラウドへの移行が進む中で、AWSやAzure、GCPなどのパブリッククラウドを扱う、クラウドエンジニアの需要が、直近では急増しています。
クラウドエンジニアの仕事では、クラウド環境の設計、構築、運用に携わりますが、インフラエンジニアの主要スキルであるサーバ、OS、ミドルウェアなどの経験が大きく活かせる職種でもあります。
また、AWS認定資格や、Google Cloud認定資格を取得することで、市場価値をさらに高めていくことが可能です。クラウドエンジニアとして、新たなスキル(セキュリティ設計、コスト最適化、IaCなど)を身につけるとよいでしょう。
セキュリティエンジニア
インフラ分野の知識を活かして、セキュリティ分野に進むキャリアパスもあります。セキュリティに直結するITインフラを担当するインフラエンジニアにとって、セキュリティエンジニアもよくあるパスです。
例として、ファイアーウォールやWAF、VPN、ゼロトラストなどのネットワークセキュリティだけでなく、脆弱性管理やインシデントレスポンス、CSIRT構築など、企業全体の安全性を守る分野もあります。
また、近年ではクラウドセキュリティも重要な分野です。クラウドは、インターネットを通じてアクセスを行うため、管理ミスや設定不足などが大きなリスクにつながるため、クラウドセキュリティも重要です。
プリセールス
プリセールスとは、営業担当と連携して、お客さまの要件ヒアリングや、技術的な提案から見積り作成などを行う、技術営業のポジションです。また、インフラ設計から構築まで携わることも多くあります。
特に、現在ではDXやクラウドの進展に伴い、これらを統合した最適なソリューションを提案できるプリセールスが強く求められるようになっています。
お客さまの経営環境や課題を理解し、インフラ知識と経験を活かして、課題解決や価値創出につなげるプリセールスは、現在のIT業界で活躍の場は多いと言えます。
プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャは、システム開発やインフラ構築のプロジェクトにおいて、予算の管理、人材の管理、スケジュールの管理、リスクの管理といった活動を担う、マネジメント職です。
また、インフラ系のプロジェクトにおいては、クラウド移行やセキュリティ強化、ネットワークの再設計など、経営にインパクトが大きい案件が多く、経験豊富なプロジェクトマネージャは非常に高い需要があります。
プロジェクトマネージャは、責任が重い職種ではあるものの、その分年収も高く、800万~1000万以上を非常に目指しやすいキャリアパスです。
上記のように、インフラエンジニアのキャリアパスは、インフラの設計・構築・運用だけでとどまりません。現場経験を活かして、技術を活かす、管理経験を積むなど、キャリアパスを広げることが可能です。
また、インフラエンジニアのキャリアパスについて、さらに詳しく知りたい方は、「インフラエンジニアはキャリアパスをどう描く?キャリアパスを解説」を、あわせてお読みください。
将来性が高いインフラエンジニアになるために、必要なスキル
インフラエンジニアを取り巻く環境は、大きく変わりつつあります。例として、「クラウド化」、「自動化」、「AI」のキーワードが挙げられるでしょう。
このような時代の中で、今後も将来性が高いキャリアを築くために、「どんなスキルを身につけていくべきか?」について、ここでは現在のIT業界で重視されている3つのスキル分野を説明していきます。
クラウド(AWS、Azureなど)
インフラエンジニアにとって、まずもっとも将来性が高いスキルとして、クラウドに関する知識と経験が挙げられるでしょう。
現在多くの会社が、システムをオンプレからクラウドへ移行しており、クラウドに強いインフラエンジニアは、引く手あまたの状態です。こと転職においては、クラウドスキルの強さは、圧倒的です。
その中でも、特に需要が高いのは、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといった3つのパブリッククラウドです。
これらのプラットフォームを利用する企業は大きく増えておりかつ、その中で、クラウド環境の設計、構築、運用、コスト最適化ができる人材が強く求められています。
インフラエンジニアにとって、「クラウドスキルは、標準スキル」と言えるほど、主要スキルになってきていると言えるでしょう。
IaC・自動化スキル
次に押さえておきたいスキルは、インフラのコード化(IaC:Infrastructure as Code)と自動化スキルです。
今までは手作業で行っていたサーバー構築や設定作業などを、コードやスクリプトで再現性高く実行できることは、現在のインフラエンジニアに求められつつあります。
代表的なツールとしては、AnsibleやTerraformなどがあります。また、インフラエンジニアにとっては、Python言語も、業務自動化に役に立つ人気言語です。
これらを使いこなし、環境の再現性や、作業効率を高めることができるインフラエンジニアは、将来さらに求められるエンジニアになるでしょう。
セキュリティ・SRE・DevOpsスキルや、その連携スキル
将来性あるインフラエンジニアには、インフラ単体の知識だけでなく、周辺分野における横断的なスキルと、その連携力も求められます。
具体的には、セキュリティ、SRE、DevOpsのスキルは、インフラエンジニアの周辺分野スキルとして注目されていると言えます。
セキュリティについては、当然ではあるものの、情報漏洩やシステム停止に直結するため、インフラ分野の周辺知識として、必要不可欠です。
また、SRE(Site Reliability Engineering)は、システムの可用性や信頼性、スケーラビリティを担保しながら、運用効率を高める役割があり、インフラ・開発・運用の全てを横断する考えが求められます。
あわせて、開発と運用を分けず、スピードと品質を両立させるDevOpsについても、現状のインフラにおいて、求められる考え方と言えます。
これらのように、クラウドやIaCの普及、セキュリティ重視の流れなど、インフラ分野では、様々な状況に変化が起きています。その中で、将来性あるキャリアを築くには、未来に通用するスキルを継続して磨くことと言えるでしょう。
将来性を高めるための、おすすめ資格は?
インフラエンジニアとして、安定したキャリアを築き、将来性を高めていくためには、実務経験にくわえて「資格」を取ることが非常に有効です。インフラエンジニアは、特に資格が評価されやすい職種です。
さらに、未経験者や微経験者にとって資格取得は、自分のスキルや知識のレベルを、企業や顧客、チームメンバーなどに、客観的に伝えることができ、キャリアアップや年収アップの大きなきっかけとなります。
ここでは、インフラエンジニアとして、将来性を高めるためにおすすめの資格を、分野に分けて説明していきます。



【インフラエンジニアの基礎】Linux技術者認定 LPIC/LinuC-1
これからインフラエンジニアを始める人におすすめな資格として、Linux技術者認定のLPIC(LinuC)level1があります。
LPIC-1では、インフラエンジニアの基礎中の基礎スキルとなる、Linuxに関する基本操作、ユーザー管理、ファイルの操作、シェルスクリプト、ネットワーク基礎などが学べます。
また、資格取得を通じて、実務でも使えるコマンド操作も覚えることができ、インフラについての理解も深めることができます。インフラ運用のプロジェクトにて、戦力性を高めることができるでしょう。
特にLPIC-1は、比較的難易度も低く、学習しやすい資格でもあるため、インフラエンジニアの初期段階で強くおすすめできる資格です。
■関連記事:【LPICまるわかり解説!】LPIC level1とは?試験内容や勉強、受験方法などを説明
【ネットワークの基礎】シスコ技術者認定 CCNA
インフラエンジニアにとって必須知識の一つに、ネットワークがあります。CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク分野で、まず最初に取るべき資格とも言えるでしょう。
CCNAは、ネットワークの基礎を幅広く学べる資格であり、ルーティングやスイッチング、VLAN、ACLなど、現場で使われる知識を体系的に学習することができます。
特に、ネットワークエンジニアを目指す人には、CCNAはほぼ必須と言える資格であり、ネットワークエンジニアの運転免許証と呼ばれることもあります。
LPIC-1と比べると、CCNAはやや難易度が高い資格ではあるものの、ネットワーク分野における評価は高く、エンジニアとしての初期段階にて、取得を強くおすすめできる資格です。
■関連記事:CCNAとはどんな資格?試験の概要、内容などわかりやすく解説
■関連記事:CCNAとLPICを徹底比較!どっちを取るべき?どっちから取るべき?
【クラウド分野を目指すなら】AWS認定 ソリューションアーキテクト アソシエイト
AWS認定のSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)は、インフラ系で現在もっとも人気が高く、評価されやすいクラウド資格の代表例とも言える資格です。
AWS SAAでは、AWS上でのアーキテクチャ設計、可用性、コスト最適化、セキュリティなど、AWSクラウドを設計、運用する上で必要な知識を体系的に学ぶことができます。
また、AWS案件においては、「AWS SAA保有者歓迎」の求人は非常に多く、オンプレ環境でのサーバー構築経験と、AWS SAAがあれば、比較的クラウド案件に携わりやすいとも言えます。
難易度は簡単ではありませんが、未経験でも独学可能なレベルであり、クラウドエンジニアを目指すなら、是非とも取得したい資格です。
■関連記事:3大資格のLPIC、CCNA、AWSはどれを取るべき?どれから?クラウドエンジニアへの近道資格
また、インフラエンジニアにおすすめ資格を詳しく知りたい方は、別記事の「【取得順番はこれ!】インフラエンジニアのおすすめ資格を取得順で解説」をあわせてお読みください。
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さいごに
インフラエンジニアは、将来性がある職種です。また、「AIや自動化によって、なくなる職種」ではなく、「AIや自動化などによって、変化していく職種」です。
特に現在は、クラウドや自動化といった新しい技術が一般的になり、新しい技術に対して柔軟に学習・適応できる人材が評価される時代にもなっています。
インフラエンジニアという職種に不安があるかも知れませんが、学習と経験を積み重ねれば、将来性が高いキャリアとして十分に成立すると言えます。
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