インフラエンジニアの将来性はある?AI時代の需要・キャリアを徹底解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「インフラエンジニアって、この先なくなるの?」
「AIや自動化で、仕事が奪われるのでは?」

近年、ChatGPTなどの生成AIや自動化技術の普及により、こうした不安を抱くエンジニア志望者・現役エンジニアは少なくありません。

しかし結論から言えば、インフラエンジニアは「なくなる仕事」ではなく、「進化し続ける仕事」 です。

総務省の最新データでも、国内の データセンター市場は2023年の約2.7兆円から2028年に5兆円へ、パブリッククラウド市場も 2024年の約4.1兆円から2029年には8.8兆円へ倍増 すると予測されています。

つまり、社会の基盤を支えるインフラ需要は今後さらに拡大していくと言えます。この記事では、以下を整理し、インフラエンジニアのリアルな将来像を徹底解説します。

■この記事でわかること:
・なぜ「なくなる」と言われるのか
・AIや自動化が、どの領域に影響するのか
・将来性を裏付ける最新データ
・未経験者・経験者、それぞれのキャリア戦略

将来が不安な方も、「どのスキルを磨けば市場価値を高められるか」が明確になります。

なお「インフラエンジニアの仕事内容やキャリアの全体像」を知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。将来性だけでなく、仕事内容・年収・資格・キャリアパスをまとめています。

インフラエンジニアとは?仕事内容・必要スキル・年収・キャリアパスまとめ

※インフラエンジニアの将来性やキャリアに不安を感じている方は、私たちにご相談ください。

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この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

インフラエンジニアの将来性はある?

インフラエンジニアは「AIに奪われるのでは?」、「自動化で仕事がなくなるのでは?」とよく言われます。しかし結論から言うと、一部の単純業務は効率化される一方で、需要そのものは拡大しています。

ここでは「なくなる」と言われる背景と、実際の影響、そして将来性が期待できる分野について整理していきます。

「なくなる」と言われる理由

インフラエンジニアの仕事は「システムを安定稼働させる裏方」としての側面が強く、以下のような 繰り返し作業が多い 点が特徴です。

■インフラエンジニアの定型作業例:
・監視業務(アラート確認、死活監視)
・定常的な運用作業(バックアップ、パッチ適用)
・マニュアル化された障害対応

このため、外部からは「AIや自動化で代替されやすい仕事」と誤解されがちです。実際、クラウドサービスの普及により、かつて物理サーバーを扱っていた業務の多くが「コード化・自動化」されています。

ただし、これはあくまで「単純作業が減る」という意味であり、インフラエンジニア全体の役割がなくなるわけではありません。

AIや自動化の影響(監視業務の効率化など)

AIや自動化は、確かにインフラ業務に、影響や変化をもたらしています。

■AIや自動化の影響例:
監視業務の効率化:AIによる異常検知、予兆検知が進み、単純な監視ログチェックは減りつつある
運用自動化(IaC):Terraform、Ansibleといったツールで、環境構築をコード化・自動化できる
障害対応の迅速化:生成AIを活用した、トラブルシュートの自動提案

これにより「監視・一次対応」などの作業は効率化されますが、代わりに以下の役割が重要になります。

■今後の重要な役割:
自動化を設計・運用できる人材
AIを使いこなして、意思決定できる人材
セキュリティを意識して、全体を最適化する人材

AIや自動化は「人を不要にする」のではありません。「より高度なスキルを求める」方向に進んでいます。

むしろ需要が伸びる分野(クラウド・セキュリティ・DX)

総務省の「令和7年度 情報通信白書」によると、以下が予測されています。

■インフラ市場の需要予測:
データセンター市場は2023年の約2.7兆円から2028年に約5兆円へ拡大(約2倍)
パブリッククラウド市場も2024年の約4.1兆円から2029年に約8.8兆円へ倍増(2倍以上)

例として、以下画像は、日本のパブリッククラウドサービス市場規模の予測です。

総務省 令和7年情報通信統計ホワイトペーパー

※参照:総務省 令和7年情報通信統計ホワイトペーパー

これは「インフラを基盤にした社会活動が、さらに増える」ことを意味します。

特に今後需要が高まるのは次の分野です。

■特に需要が高まる分野例:
クラウド:AWSやAzureを中心に、オンプレからクラウドへの移行需要が続く
セキュリティ:ゼロトラスト、SOC連携など、クラウド化で必須となるセキュリティ強化
DX・AI基盤:AIサービスやIoTを支えるインフラ構築需要

単純な「監視業務」は減少する一方で、クラウド・セキュリティ・DXを担えるインフラエンジニアの需要はむしろ急拡大しています。

■関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容を詳しく知る
■関連記事:未経験からインフラエンジニアになるステップ

AI時代にインフラエンジニアはどう変わる?

生成AIや自動化の発展によって、インフラエンジニアの仕事は「減る」のではなく、「変わる」段階に入っています。

ここでは、未経験者と経験者に分けて、AI時代に必要とされるスキルやキャリアの変化を整理していきます。

【未経験者向け】AI時代でも求められる基礎スキル

AIが発展しても、基盤を支える基本スキルの重要性は変わりません。むしろ、クラウドや自動化の仕組みを理解するためには、以下の基礎が不可欠です。

■今後も必須の基礎スキル:
Linuxの基礎操作:サーバー環境の多くはLinux上で動作
ネットワークの基本:IPアドレス、サブネット、通信の流れを理解
サーバー知識:Webサーバー(Apache/Nginx)、DBサーバー(MySQL/PostgreSQL)
トラブル対応力:ログの読み取り、原因切り分け

AIが「効率化」するのは単純作業だけであり、基礎を理解できている人材は、常に必要とされます。

未経験者は「Linux → ネットワーク → クラウド」の順で学ぶことで、AI時代でも通用する土台を築けます。

【経験者向け】生成AIやIaCを活かしたキャリア戦略

経験者にとって、AIや自動化は「キャリアを奪う脅威」ではなく、「武器」となります。例として以下があります。

■伸びしろ大のキャリア戦略例:
IaC(Infrastructure as Code)
 →TerraformやAnsibleを使った自動化は、生成AIと組み合わせることでさらに効率化可能。
生成AIによるトラブルシュート支援
 →障害原因の推測や対策案をAIが提案。エンジニアは最終判断に専念できる。
AI基盤のインフラ構築
 →ChatGPTのような、生成AIサービス自体を動かすためのGPUサーバーや、大規模ネットワークは、新たな需要を生む。

これらに共通して求められるのは、AIでは代替が難しい「設計力」や「抽象化思考」、「ビジネス要求を技術要件に落とし込む能力」です。

経験者は「AIをどう活用し、どう差別化するか?」を意識することで、クラウドアーキテクトやSRE、セキュリティスペシャリストといった、より高度な領域へのキャリア拡張が可能です。

まとめ:AI時代を勝ち抜くインフラエンジニア像

大事なことは、未経験者は土台を固め経験者はAIを武器にキャリアの幅を広げることです。

また両者に共通するのは、変化を恐れず、AIと共に進化し続ける学習意欲です。インフラそのものがなくなることはなく、求められるスキルと役割が進化するだけ です。

これからは、AIを「どう使うか」を考えられるエンジニアが、より一層重宝される時代になるでしょう。

■関連記事:インフラエンジニア 勉強法と学習順序
■関連記事:クラウドエンジニアへの勉強ロードマップ

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インフラエンジニアの需要データ

インフラエンジニアの将来性を語るには、市場規模の動向に加え、「人材不足」や「転職市場での需要」といった客観的なデータを踏まえることが重要です。ここではデータを用いて説明していきます。

市場規模の拡大:クラウド・AI基盤が主流に

ITサービス市場の構造変化(経産省データ)

出典:経済産業省 IT人材育成の状況等について

経済産業省の調査によれば、クラウド、AI、IoTなどの「第3のプラットフォーム」に該当するITサービス市場は急成長を続け、2020年代後半には従来型のIT市場を上回る規模に成長すると予測されています。

この市場構造の変化は、今後もインフラ技術への投資が拡大し続けることを意味しています。

IT人材の深刻な需給ギャップ

出典元:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

同じく経済産業省の調査では、2030年に最大79万人のIT人材が不足する可能性が指摘されています(中位シナリオ:約59万人)。

この不足は特にクラウド、インフラ自動化、セキュリティといった分野で深刻化しており、スキルを持つインフラエンジニアの採用競争はさらに激化していくでしょう。

転職市場から見るリアルな現場ニーズ

転職市場においてもインフラエンジニアの需要は非常に高水準です。Indeedで「インフラエンジニア」を検索すると、40,000件以上の求人がヒットしました(2025年9月時点)。

参照:Indeed インフラエンジニア検索結果

また、厚生労働省のデータ(令和6年度)によれば、有効求人倍率は全国平均で2.23倍、東京都に限定すると3.42倍に達しています。これは他職種と比較しても高水準であり、現場の強い採用需要を示しています。

さらにdodaの転職市場予測(2025下半期)では、2025年下半期にはDXの成熟に伴い、クラウド設計やゼロトラスト関連案件の採用がさらに増加すると予測されています。

まとめ

これらのデータからも分かるように、インフラエンジニアは「市場は拡大」、「人材は不足」、「求人は高水準」という三拍子がそろった職種です。

将来性が疑われる職種というよりも、安心して挑戦できるキャリアだと言えるでしょう。

観点データ出典
市場規模の拡大2020年代後半には「第3のプラットフォーム」(クラウド・AI・IoT市場)が従来型ITを超えると予測出典:経済産業省 IT人材育成の状況等について
人材不足の深刻化2030年に最大79万人のIT人材不足、中位シナリオでも59万人不足出典:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
求人市場の強さIndeedで「インフラエンジニア」の求人数 40,000件以上出典:Indeed求人検索(2025年9月時点)
採用トレンドdoda調査:2025年下半期も好調。クラウド設計やゼロトラスト関連の採用増加出典:doda「2025年下半期 転職市場予測」

■関連記事:インフラエンジニアの年収まとめ
■関連記事:インフラエンジニアのキャリアパスを徹底解説

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インフラエンジニアは「市場規模の拡大」、「深刻な人材不足」、「高い求人倍率」によって、将来性が非常に高い職種です。

キャリアを早く動かすほど、年収やスキルアップの選択肢も広がります。

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キャリア別 将来性の広げ方

インフラエンジニアとしての将来性は、キャリアのスタート地点によって広がり方が異なります。

ここでは、未経験から始めるケースと、すでに経験を積んでいるケースに分けて整理します。

【未経験】運用からクラウドエンジニアへ

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、最初のキャリアは運用・監視オペレーター保守サポートが中心です。

ここでシステム監視・障害対応・定常作業を経験し、ITインフラの基礎理解を身につけることが一歩目となります。

その後は、Linuxやネットワークの資格(LPIC-1、CCNA)を活かし、サーバー構築やネットワーク設定に携わる「構築フェーズ」へ進むのが一般的な流れです。

さらに、クラウドサービス(AWS、Azure、GCP)に触れることで、クラウドエンジニアへのキャリアシフトが可能になります。

上記のように、未経験からでも「運用 → 構築 → クラウド」という段階を踏むことで、年収や市場価値を着実に伸ばすことができます。

【経験者】SRE、セキュリティ、クラウドアーキテクトへ

すでに運用・構築経験を積んでいるエンジニアにとっては、次のステージは専門性の高い領域です。特に注目されているのが以下のキャリアです。

■専門性と市場価値を高めるキャリア例:
SRE(Site Reliability Engineer)
 →インフラの自動化や信頼性向上を担うポジション。IaC(Terraform、Ansible)、CI/CD、Kubernetesの知識が強みになります。
セキュリティエンジニア
 →ゼロトラストやSOC連携、脆弱性診断など、セキュリティ領域はDX時代に必須。高単価・高待遇の求人が増加中です。
クラウドアーキテクト
 → AWSやAzureを活用し、システム全体の設計をリードする役割。IT戦略に直結するため、年収1,000万円を狙えるキャリアでもあります。

経験者は「専門性 × 最新スキル」でキャリアの選択肢を一気に広げられるのが強みです。

【まとめ】キャリア別 将来性の広げ方(比較表)

キャリア学習・経験将来のキャリア例年収・市場価値イメージ
未経験者・運用・監視オペレーター
・保守サポートで基礎を習得
・資格取得(LPIC-1、CCNA)
・サーバー構築エンジニア
・クラウドエンジニア(AWS、Azure、GCP)
・スタート時:年収300~400万円
・クラウド経験後:年収500万円以上も可
経験者・サーバー/NW構築経験
・クラウド導入/自動化の実務
・最新スキル習得(IaC、セキュリティ)
・SRE(信頼性エンジニア)
・セキュリティエンジニア
・クラウドアーキテクト
・年収600~950万円クラス
・クラウドアーキテクトは1,000万超も狙える

インフラエンジニアの将来性は、スタート地点によって広がり方が大きく異なります

未経験者にとっては「運用→構築→クラウド」という王道ステップで安定した成長が可能です。

一方、経験者は自動化やセキュリティ、クラウド設計といった高度な領域へ進むことで、年収や市場価値を一気に高められるのが特徴です。

どちらのキャリアも「学び続ける姿勢」が鍵であり、変化の激しいIT業界で将来性を切り開くポイントとなります。

■関連記事:LPIC・CCNA・AWSどれから取る?未経験インフラエンジニアの最適資格ロードマップ
■関連記事:インフラエンジニアの資格、難易度比較

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まとめ:インフラエンジニアは「なくなる仕事」ではなく「進化する仕事」

AIや自動化の進展により、単純な監視・定常業務は効率化されつつあります。

一方で、クラウド・セキュリティ・自動化を扱えるエンジニアの需要は急拡大しており、インフラエンジニアは「なくなる職業」ではなく、進化し続ける成長領域の仕事です。

未経験者には「運用→構築→クラウド」という王道ステップでキャリアを広げる道があり、
経験者には「SRE」、「セキュリティ」、「クラウドアーキテクト」といった専門分野で市場価値を高めるチャンスがあります。

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この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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