インフラエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性を徹底解説

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

「インフラエンジニアって何をする仕事?」
「サーバーやネットワークってどう違うの?」
「未経験でもなれるの?」

この記事では、インフラエンジニアという職種の全体像をわかりやすく解説していきます。

インフラエンジニアは、企業やWebサービスを支える「ITの土台」を作る仕事であり、サーバー・ネットワーク・クラウドなど、ITサービスを安定して動かすための基盤を設計・構築・運用します。

また、未経験からでも挑戦しやすいIT職種としても人気があります。

文系出身や異業種から転職する方も多く、学習・資格・転職のステップを踏めば、構築やクラウド領域へのキャリアアップも十分に可能です。

■この記事でわかること:
インフラエンジニアの仕事内容・役割・他職種との違い
運用からクラウド・SREへ続くキャリアパスの全体像
初心者におすすめの資格ランキングと学習ロードマップ

全体像を把握した上で、「資格はどれから取るべき?」「どの順番で学べばいい?」という疑問にも、この記事でわかりやすく解説します。

またインフラエンジニアには、サーバー・ネットワーク・クラウドなど複数の専門職種があります。それぞれの違いや関係性を整理した、以下関連記事の「職種マップ」もぜひ参考にしてください。

→関連記事:インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説

全体像を把握した上で、「自分に向いている職種がわからない」、「どこから学べばよいか迷う」という方は、以下の無料相談もご活用ください。

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この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

インフラエンジニアとは?【基盤を支えるIT職の中心】

インフラエンジニアとは、企業やWebサービスの「土台」となるシステム基盤を支えるエンジニア職です。

サーバー、ネットワーク、クラウドなど、ITサービスを安定して動かすための「仕組み作り」を担います。

アプリやWebサイトが当たり前に動くのは、裏側でインフラエンジニアが環境を設計・維持しているからであり、まさに 「ITを支える縁の下の力持ち」 といえる職種です。

インフラエンジニアの役割と定義

インフラエンジニアの仕事は、サービスを「止めない・遅れない・守る」ことを目的としています。

そのために、以下3つの観点からシステム基盤を設計・運用していきます。

分野目的主な業務
サーバーデータやアプリを動かす環境を構築OS設定、ミドルウェア導入、ユーザー管理など
ネットワークデータ通信を安全かつ安定して行うルーター/スイッチ設定、VPN、セキュリティ構築
クラウドインフラを仮想化し柔軟に運用AWS、GCP、Azureでの構築・運用、自動化設計

これらを総称して「ITインフラ」と呼び、企業の業務を下支えする中核領域を担っています。

以下の図は、インフラエンジニアを中心に、サーバー/ネットワーク/クラウドの3領域がどのように連携しているかを示したものです。

インフラエンジニアの全体像(ネットワーク・サーバー・クラウドの職種構造を図解)

図:インフラエンジニアの職種構造(ネットワーク・サーバー・クラウドの関係)

担当領域と他職種との違い(表)

インフラエンジニアは、SE/プログラマやWeb制作とは異なり、システムを「動かす側」の技術者です。

以下の表で、代表的な職種との違いを整理していきます。

職種名主な役割業務対象必要スキル
インフラエンジニアサービスを支える基盤構築・運用サーバー・ネットワーク・クラウドLinux、ネットワーク、AWS
サーバーエンジニアサーバー構築・運用の専門職物理・仮想サーバーLinux、仮想化技術(VMware等)
ネットワークエンジニア通信インフラ構築・保守ルーター、スイッチTCP/IP、Cisco製品、CCNA
クラウドエンジニアクラウド環境の設計・運用AWS、Azure、GCPクラウド設計、IaC、セキュリティ
SE/プログラマサービス機能の開発Webアプリ、システムJava、Python、フレームワーク

このように、アプリを「作る」エンジニア(SE・プログラマ)に対し、インフラエンジニアは「動かす・支える」技術者です。

図のように、インフラエンジニアは大きく サーバーエンジニア/ネットワークエンジニア に分かれ、さらにクラウド・セキュリティ・データベースなど専門分野に広がります。

→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスを徹底解説
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説

職種マップで見る全体像

インフラエンジニア職は、以下のように複数の専門領域とキャリア方向に広がっていきます。

インフラエンジニアの職種マップとキャリア展開図(ネットワーク・サーバー・クラウドからSRE・セキュリティ・AWSへの発展を図解)

図:インフラエンジニアの職種マップとキャリア展開【基盤職から応用職まで】

このように、インフラエンジニアを中心に多様な専門職が枝分かれしています。

未経験の段階ではまず「サーバー」や「ネットワーク」など基礎領域を学び、そこからクラウド・自動化・SRE・セキュリティなどの専門領域へと発展していくのが一般的なキャリアです。

→関連記事:インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説

仕事内容:運用・構築・設計・クラウドの4フェーズ

インフラエンジニアの仕事は、大きく4つのフェーズに分かれます。

基礎的な運用・監視から始まり、構築・設計・クラウド移行へとスキルを広げていくのが一般的な流れです。

初心者はまず「運用・監視」でシステムの全体像を学び、その後、構築・設計と段階的にスキルアップしていきます。

最終的には、AWSなどクラウド環境を活用した自動化・設計まで担当できるようになります。

フェーズ1:運用・監視(基礎スキル習得期)

最初のステップは、サーバーやネットワークを「止めない」ことを目的とする運用・監視業務です。

24時間稼働しているシステムの状態をチェックし、アラート対応やバックアップ、障害対応を行います。

この段階で重要なのは、ITインフラの仕組みを体感的に理解することです。

実務を通じてLinuxコマンド、ネットワーク構成、監視ツール(Zabbix・Nagiosなど)の基礎を習得していきます。

→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?ロードマップ

フェーズ2:構築(実務力・トラブル対応力)

運用で基礎を固めたら、次は構築フェーズに進みます。

新しいサーバー環境の立ち上げ、ネットワーク機器の設定、セキュリティ設計など、システムを「ゼロから作る」スキルが求められます。

設計書や構成図をもとに環境を構築するため、手順理解力・論理的思考力が不可欠です。

このフェーズにおいて、構築経験を得たタイミングから、転職市場で大きく評価が上がっていきます

→関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスを徹底解説
→関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説

フェーズ3:設計・要件定義(上流スキル)

構築経験を積むと、次は「どう作るか」を考える設計・要件定義フェーズへ進みます。

クライアントや開発部門と調整しながら、性能・可用性・セキュリティ要件を定義し、システム全体を設計します。

この段階では、単なる技術者ではなくIT基盤のアーキテクト(設計者)としての視点が求められます。

システム構成図の作成、冗長化構成、ネットワーク分離など、企業インフラの根幹を決める重要な役割です。

■スキルアップの目安:
・OS/ネットワーク設計の経験
・設計書レビュー・要件調整スキル
・仮想化・クラウドの設計経験(あれば強み)
リーダー経験(調整力・進行管理)

フェーズ4:クラウド移行・自動化(AWS・IaC・DevOps対応)

近年のインフラエンジニアに求められるのが、クラウド環境での設計・自動化スキルです。

AWS、Azure、GCPといったクラウドサービスの利用が主流になり、「クラウド上にインフラを構築し、コードで管理する(IaC)」という新しい手法が広がっています。

TerraformやAnsibleなどの自動化ツールを活用し、クラウド+自動化+セキュリティの3点をバランスよく扱える人材は、最も需要が高まっています。

クラウド時代を見据えたキャリアについては、以下関連記事も参考になります。

→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・資格・年収・将来性を徹底解説
→関連記事:AWSエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・将来性を徹底解説

キャリアパスと将来性【サーバー/クラウド/SREへの展開】

インフラエンジニアは、「運用 → 構築 → 設計 → クラウド・SRE」と、スキルアップに応じて多様なキャリアを描くことができます。

ここでは、典型的なステップアップ例と、将来性・年収・市場価値の3つの観点から整理していきます。

キャリアパス例(フェーズ別ロードマップ)

以下の表は、インフラエンジニアが「運用・監視」から「クラウド・SRE」へとステップアップしていく際の、一般的なキャリアロードマップを示したものです。

現在の自分のフェーズを確認しながら、次に目指す方向をイメージしてみましょう。

フェーズスキルの目安想定年収職種例
フェーズ1:運用・監視Linux基礎、監視ツール350〜450万円運用担当、監視オペレーター
フェーズ2:構築サーバー・NW構築経験400〜550万円サーバー/ネットワークエンジニア
フェーズ3:設計設計書作成、要件定義、仮想化500〜700万円インフラ設計/リーダー職
フェーズ4:クラウド・自動化AWS・IaC・セキュリティ600〜850万円クラウド/SREエンジニア

→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス徹底解説

将来性:クラウド・自動化スキルの重要性

クラウド・自動化・セキュリティは、今後10年以上求められるスキル分野です。

特に企業のクラウド移行が進む中で、「オンプレを理解した上で、クラウドを設計できる人材」へのニーズは非常に高まっています。

また、IaC(Infrastructure as Code)やSRE(Site Reliability Engineering)といった、「開発と運用の架け橋」となるスキルセットが、新しいキャリアの中心に位置しつつあります。

→関連記事:インフラエンジニアの将来性はある?AI時代の需要・キャリアを徹底解説

年収・市場価値の傾向

インフラエンジニアの年収は、担当フェーズやスキル領域によって大きく変わります。

特にクラウドや自動化スキルを習得すると、市場価値が大幅に上がる傾向があります。

職種平均年収求人動向
サーバーエンジニア約450〜550万円安定需要・サーバー×クラウドが高需要
ネットワークエンジニア約400〜550万円安定需要・通信、セキュリティ需要が根強い
クラウドエンジニア約600〜750万円AWS・IaC人材の求人が急増
SREエンジニア約700〜900万円開発×運用ハイブリッド職で高需要

将来的には、クラウド/SRE領域へのステップアップにより、年収アップ・リモート案件・フリーランス化など、選択肢が大きく広がります。

→関連記事:インフラエンジニアの年収は?仕事内容・スキル別の相場を徹底解説

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インフラエンジニアに必要なスキルと学習ロードマップ

インフラエンジニアとして活躍するためには、OS・ネットワーク・クラウドの3領域をバランスよく学ぶことが重要です。

これらは業務内容が変わっても必ず求められる「基礎スキル」となり、未経験からでも順番に習得すれば、安定してスキルを積み上げることができます。

以下では、スキルを「基礎 → 実務 → 応用 → 学習ロードマップ」の順に整理して解説していきます。

基礎スキル(IT基礎・Linux・ネットワーク)

まずは、インフラエンジニアの共通言語ともいえるIT基礎とLinux・ネットワークの理解が欠かせません。

これらを押さえることで、クラウドなどの上位分野の学習がスムーズになります。

分野内容学習のポイント
IT基礎コンピュータの仕組み、IPアドレス、プロトコルなどIT基礎資格などで体系的に学んでみる(例:ITパスポート)
LinuxOS操作、コマンド、ファイル管理LPICやLinuCの入門教材、実機操作を習得
ネットワークTCP/IP、ルーティング、DNS、VPNなどCCNAレベルを目標に基礎理論と設定演習を並行

補足:
Linuxとネットワークは「インフラの軸」です。両方を学ぶことで、サーバー構築からクラウド運用まで対応できる汎用スキルになります。

→関連記事:初心者向けLinuxコマンド一覧(LPIC対応)
→関連記事:ネットワークとは?基礎からわかる仕組みと種類

実務スキル(構築・運用・セキュリティ)

基礎を押さえたら、次は実務で使えるスキルを身につけましょう。

現場では「環境を構築できる」、「障害を切り分けられる」技術が評価されます。

分野内容使用ツール/技術例
サーバー構築OSインストール、仮想化、設定自動化VMware、Hyper-V、Ansible
運用・監視障害検知、バックアップ、ログ管理Zabbix、Prometheus、CloudWatch
セキュリティFW設定、脆弱性対応、アクセス制御iptables、IAM、WAF設定

現場で重視されるのは「手順通りに動かせる」だけでなく、原因を特定して改善できる力です。

トラブル対応がインフラエンジニアの成長機会になります。

応用スキル(クラウド・自動化・IaC)

近年では、オンプレミスに加えてクラウド・自動化(IaC)・コンテナ技術の理解が必須です。

これらのスキルを習得すると、業務の上流設計やSRE(信頼性エンジニアリング)への道も開けます。

分野内容主なスキル・資格
クラウドAWS、Azure、GCP環境の設計・構築AWS認定資格、Microsoft Azure認定資格
自動化構成管理・スクリプト化・CI/CDTerraform、Ansible、GitHub Actions
IaC/SREコードによるインフラ管理と可観測性Python、Shell、CloudFormation

また、以下を経験すると、設計やクラウド導入プロジェクトを任されるレベルに到達します。

■スキルアップの目安:
・AWS環境の構築経験
・TerraformやAnsibleによる構成自動化
・リーダー経験(構築・運用タスク管理)

学習ロードマップ(初心者が迷わない学び方)

インフラエンジニアの学習は、「理解 → 実践 → 体系化」で進めると挫折しにくくなります。

下記は、未経験者が効率的にスキルを積み上げるための学習順序です。まずはステップ1から、順を追って進めることがおすすめです。

ステップ学習内容目標レベル
ステップ1IT基礎・Linux・ネットワークの基礎理解LPIC-1/CCNAレベル
ステップ2仮想化・サーバー構築・監視ツールの実践実務運用レベル
ステップ3クラウド(AWS)・自動化ツールの導入クラウド構築・設計レベル
ステップ4IaC・セキュリティ・SRE領域へ応用クラウドエンジニア/SRE

ポイント:
途中でつまずきやすいのは「Linux操作」と「ネットワーク構成理解」です。曖昧なまま進めると応用フェーズで壁に当たるため、最初に基礎を固めるのが成功のカギです。

→ 関連記事:インフラエンジニア勉強方法と順番|挫折しないロードマップ

インフラエンジニアになるには?【ステップ別学習法】

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、いきなり高度なクラウドや自動化を学ぶよりも、基礎 → 実践 → 応用の順にステップを踏むことが成功の近道です。

まずはITの土台を理解し、次にネットワーク・サーバー構築を経験し、最終的にクラウド環境を扱えるようになる流れが理想です。

以下からは、実際に未経験者がスキルを積み上げていくための3ステップを紹介していきます。

ステップ1:基礎学習(ITパスポート・Linux入門)

まずは、ITの基礎知識とLinux操作を身につけましょう。

ここが理解できていないと、その後のネットワークやクラウド学習で必ずつまずきます。学習例としては、以下です。

学習内容目的具体的な教材例
ITパスポートコンピュータやネットワークの基本を体系的に理解ITパスポート試験教材・ドットインストールなど
Linux入門
特におすすめ)
実際にサーバーを操作し、コマンドラインに慣れるLPICLinuCの入門書、Udemy講座、仮想環境演習

ポイント:
Linuxはすべてのインフラ技術の基礎です。まずは仮想環境(VirtualBox+CentOSなど)を用意して、ファイル操作・ユーザー管理・パーミッション変更を練習しましょう。

補足:
ITパスポートは、転職で大きく評価される資格ではありません。

ただし、「ネットワーク(TCP/IP、プロトコル)やセキュリティ、データベースの概念は、後の学習でも頻出である」ため、概要だけ理解するのは有効です(ITパスポートは、スキップしても構いません)。

→関連記事:未経験インフラエンジニア勉強法と学習順序、最短ロードマップ
→関連記事:Linuxコマンド一覧(LPIC対応)

ステップ2:ネットワーク理解(CCNA・実機演習)

インフラエンジニアに欠かせないのが、ネットワークの仕組みを理解することです。

サーバーとクラウドは、すべてネットワークでつながっています。そのため「なぜ通信が遅いのか?」「どこでデータが止まっているのか?」を考える力が、現場でのトラブル対応力になります。

学習内容目的具体的な教材例
ネットワーク基礎TCP/IP、ルーティング、VLAN、DNSの理解CCNA教材・Ping/tracerouteで通信確認
実機演習コマンドによる設定・トラブル再現Cisco Packet Tracerなどのシミュレータ

ポイント:
ネットワークは「理論→手を動かす→理解」の順に覚えるのがコツです。Packet Tracerなどを使って、仮想ルーターをつなぎ、通信が通る過程を目で見て理解しましょう。

→関連記事:ネットワークエンジニアの勉強法まとめ
→関連記事:CCNA勉強ロードマップ

ステップ3:クラウド実践(AWS無料枠ハンズオン)

クラウド時代の現在、AWSを中心としたクラウド環境の理解と構築スキルが必須になっています。

ここまでに学んだLinux・ネットワークの知識をもとに、クラウド上で実際にサーバーを立ち上げてみましょう。

学習内容目的具体的な教材例
AWS無料枠ハンズオンEC2(仮想サーバー)・VPC(ネットワーク)を操作AWS公式チュートリアルSkill Builderのハンズオン
AWS資格学習目標を明確化し、スキルを可視化AWS認定CLFSAA試験対策
自動化(IaC)
※余裕があれば
コードでインフラ構築を自動化Terraform・CloudFormationの基礎学習

ポイント:
AWSでは、仮想サーバーを数分で作成・削除できます。

実際にEC2を立ててWebサーバーを動かすだけでも、ITインフラの全体像が一気に理解できます。

補足:
IaC(Infrastructure as Code)は、クラウド運用に慣れた中級者以上が扱うスキルです。

最初の段階で無理に取り組む必要はありません、余裕があれば基礎学習をしておくと後々役立ちます。

→関連記事:AWSエンジニアの勉強法まとめ
→関連記事:クラウドエンジニアの勉強法まとめ

まとめ:3ステップで「実務レベル」までの到達を目指せる

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、いきなりすべての分野を学ぼうとせず、順序立ててステップアップすることが大切です。

以下の3ステップで進めると、無理なく基礎から応用へとスキルを広げられます。

ステップ学習内容ゴール
ステップ1IT基礎・Linuxコマンドがわかる、操作できる
ステップ2CCNA・ネットワーク構築通信の仕組みを理解
ステップ3AWSハンズオンクラウド構築・運用ができる

ポイント:
この3ステップを完了できれば、インフラエンジニアとしての基礎は十分です。

ただし、最初から3ステップすべてをやる必要はありません。インフラエンジニアになるためには、 ステップ1(Linux操作)を中心に取り組むだけでもOKです。

また、少しずつ積み上げることで、自然と次のCCNAやAWSのステップへ進めるようになります。

補足:資格との関係性

各ステップには対応する資格がありますが、資格取得は学習の「目標」や「区切り」として活用するのがおすすめです。

ステップ資格例補足
ステップ1LPIC-1LinuC-1Linux操作の理解を確認できる
ステップ2CCNAネットワーク基礎の証明として有効
ステップ3AWS SAAクラウド設計・運用スキルの指標になる

資格そのものをゴールにするのではなく、実務に活かせる知識を体系的に身につける過程として活用しましょう。

→関連記事:インフラエンジニア資格ロードマップ|未経験におすすめの順番と選び方

未経験からインフラエンジニアを目指す方へ

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未経験者が失敗しやすい転職パターン【注意すべき3つの落とし穴】

未経験からインフラエンジニアを目指す際に多いのが、準備不足のまま転職活動を始めてしまうケースです。

「とりあえず応募してみよう」と軽く考えてしまう人もいますが、実はここに多くの落とし穴があります。

■よくある失敗パターン:
・資格や基礎学習をしないまま応募してしまう
・夜勤・運用監視だけの案件で、キャリアが止まってしまう
・転職エージェントを使わず、求人選びを誤る

これらの失敗は、「思っていた仕事と違う」、「成長できない、給与が上がらない」、「早期離職してしまう」といった結果につながりがちです。

回避のポイント:
未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、最低限「LPIC-1」または「CCNA」レベルの学習範囲を理解し、どのフェーズ(運用・構築・設計)を目指すのかを明確にしておくことが大切です。

また、求人票の文面だけで判断せず、インフラ分野に詳しいエージェントに相談することで、「運用監視で止まらないキャリア」を設計しやすくなります。

→関連記事:インフラエンジニア転職で失敗しないために!注意すべき求人の特徴

インフラエンジニアに必要な資格ランキング【初心者におすすめ3選】

インフラエンジニアを目指すうえで、資格は「学習の道しるべ」としてとても役立ちます。

とくに未経験からスタートする場合は、何から勉強すればいいか分からないという方も多いでしょう。

ここでは、これからインフラエンジニアを目指す方に向けて、就職・転職の基礎固めに最適な3つの資格を紹介します。

未経験から挑戦するなら、まずは LPIC、LinuC か CCNA のいずれか1つ でOKです。どの資格も「インフラの入り口」として、学びながら実務の理解を深められる資格です。

第1位 LPIC-1/LinuC-1(Linux基礎)

インフラエンジニアの登竜門となる資格が、Linux技術者認定資格の LPIC/LinuC です。

サーバー構築やクラウド環境の土台となるOS「Linux」の基本操作を体系的に学べます。

■おすすめポイント:
・Linuxコマンドやユーザー管理など、実務で必須の操作を習得
・LPIC-1/LinuC-1は、未経験から最初に挑戦しやすいレベル
・実務経験がなくても「基礎を理解している」ことを企業に示せる

→関連記事:LPIC-1の勉強法と効率的な合格ロードマップ
→関連記事:LinuC-1の勉強法と効率的な合格ロードマップ

第2位 CCNA(ネットワーク基礎)

ネットワーク分野の定番資格が、Cisco社の CCNA です。

ルーターやスイッチの設定を通じて、通信の仕組み・セキュリティ・障害対応などを体系的に学べます。

■おすすめポイント:
・ネットワーク全体の動作原理を理解できる
・構築・保守・運用など幅広い職種に活かせる
・評価は高いが、未経験者にはやや難易度が高め。
 →まずはLPICでIT基礎を押さえてから、挑戦するのもおすすめ

→関連記事:CCNAの勉強法と最短合格ロードマップ

第3位 AWS認定 SAA(クラウド設計)

クラウド技術の代表格が AWS(Amazon Web Services) です。

特に「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)」は、クラウド設計スキルを証明できる資格として人気です。

■おすすめポイント:
・クラウド設計・運用につながる知識を習得できる
・企業のクラウドプロジェクトで評価されやすい
・未経験でも学習しやすく、転職でも評価されやすいが、IT未経験ではやや評価が限定的。
 →AWS SAAは、Linuxやネットワークと組み合わせて学ぶと効果的になります。

→関連記事:AWS SAA勉強法|クラウドエンジニアへの最短ロードマップ

まとめ:資格は「ゴール」ではなく「スタートライン」

資格は「知識を形にする」ためのツールであり、それ自体がゴールではありません。

資格を取った後に、構築・クラウド・自動化などの実務スキルへつなげることで、はじめて市場価値が高まります。

→関連記事:インフラエンジニア資格の順番・ロードマップ

特に未経験者の場合は、「資格学習とキャリア相談を並行する」方が、失敗確率を減らせ、最短で理想の職場にたどりつく確度を高められます。

■次の行動ステップ:
・興味のある分野(Linux/ネットワーク/クラウド)を選ぶ
・LPIC・CCNA・AWS のいずれか1つから学習を始める
・学習と同時に、キャリア相談で方向性を整理する

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よくある質問(FAQ)

ここでは、インフラエンジニアを目指す方からいただく「よくある質問」をまとめました。

Q1:未経験でもインフラエンジニアになれますか?

はい、未経験からでも十分に目指せます。

ただし、20代後半以降の場合は、ITの基礎理解(Linux・ネットワーク)が必須です。

20代前半ならポテンシャル採用(育成前提)でチャンスがありますが、25歳を超えると「どの程度自走できるか」、「どこまで学んでいるか」を面接で問われると考えるべきです。

特に LPIC-1/LinuC-1 や CCNA の学習範囲を理解しておくことが最低ライン です。完全未経験でも、基礎を押さえておくだけで面接通過率が大きく変わります。

→関連記事:未経験からインフラエンジニアになるには?ロードマップ

Q2:文系出身でも大丈夫ですか?

全く問題ありません。

インフラエンジニアに必要なのは数学よりも「論理的思考力」と「正確な手順理解」です。文系出身のエンジニアも多く、コツコツ型・分析型の人ほど向いている職種です。

プログラミングよりも、設定や構築などの手順重視の仕事が多いため、「センスより継続」、「暗記よりも理解力」を意識して学べば問題ありません。

Q3:夜勤や運用監視が多いと聞きますが本当ですか?

確かに、未経験のうちは夜勤や監視業務を担当するケースもあります。

ただし、構築スキルやクラウド知識を身につけることで、日勤・設計・クラウド案件へのステップアップが可能です。

求人票だけでは判断しづらいので、転職エージェントを通して「運用専門会社なのか/構築案件へ進めるのか」を確認しておくと安心です。

→関連記事:インフラエンジニアはやめとけ?向いている人・向いていない人

Q4:リモートワークは可能ですか?

キャリアの段階によります。

監視・保守のような常駐案件では出社が基本ですが、クラウド構築・設計案件ではリモート勤務が一般的になっています。

特に AWS・IaC(Terraformなど) を扱えるようになると、フルリモートに近い環境も増えます。

→関連記事:クラウドエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性

Q5:今後の将来性はありますか?

インフラエンジニアの将来性は非常に高いです。

クラウド・セキュリティ・自動化などの領域は成長が続いており、スキルを積み上げるほど年収・働き方・選択肢が広がる職種です。

特にAWS・Azureなどのクラウド系資格を持つエンジニアは、慢性的に人材不足のため、転職市場でも高く評価されます。

→関連記事:インフラエンジニアの将来性はある?AI時代の需要・キャリアを徹底解説
→関連記事:インフラエンジニアのキャリアパスを徹底解説

まとめ:インフラエンジニアは、ITを支える「縁の下の力持ち」

インフラエンジニアは、企業やWebサービスを動かす「見えない基盤」を支える存在です。

サーバー・ネットワーク・クラウドを横断的に理解し、安定したシステムを作る技術は、あらゆる業界で求められています。

運用・構築・クラウドを一通り経験すれば、クラウドエンジニア、SRE、セキュリティエンジニアなど、さまざまなキャリアに展開できるのがインフラエンジニアの大きな魅力です。

ポイント:
スキルを積み上げれば「年収アップ」、「リモート勤務」、「自由な働き方」も実現可能。継続して学ぶ意欲があれば、どんなバックグラウンドからでも活躍できます。

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インフラエンジニア職種マップ|主要職種の違いとキャリアパスを徹底解説

インフラエンジニアの仕事・キャリア
インフラエンジニアのキャリアパスまとめ
インフラエンジニアの年収まとめ
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インフラエンジニアはやめとけ?理由と実態
運用監視はやめとけ?将来性とキャリアアップ

■勉強法・スキル・資格
CCNAとは?勉強法と資格の価値を徹底解説
LPIC-1とは?勉強法と資格の価値を徹底解説
インフラエンジニアに必要な資格一覧
インフラエンジニアの勉強法まとめ

転職・適性
未経験からインフラエンジニアになる方法まとめ
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インフラエンジニア志望動機:未経験でも内定が取れる例文と書き方

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ネットワークエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性を解説
サーバーエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性を解説
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この記事を書いた人

角田 壮史の顔写真

角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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