こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。
「資格が多すぎて、どれから挑戦すべきか分からない、、」
「合格率や勉強時間の目安を知ってから計画を立てたい」
未経験からインフラエンジニアを目指す方や、キャリアアップのために資格取得を検討している方の多くが、このような悩みを抱えています。
この記事では、主要なインフラエンジニア資格を 難易度ランキング形式で徹底比較 し、あなたのレベルに合った「最初の一歩」を見つけられるように整理しました。
■この記事でわかる、主要資格の比較ポイント:
・ITSSレベル(スキル標準)
・合格率の目安
・勉強時間の目安
・試験費用
この記事を読むことで、各資格の難易度が一目で分かり、自分のキャリア段階に最適な資格選びができるようになります。
資格の学習順番を知りたい方は、あわせてこちらのロードマップ記事も参考にしてください → 未経験からインフラエンジニアへ|資格ロードマップと学習順番
どの資格から始めるべきか、プロに直接相談したい方はこちら
資格難易度を判断する3つの基準
資格の難易度は、単に「合格率が高いか低いか」だけでは決まりません。ここでは、本記事で難易度を比較する際に用いる 3つの基準 を説明します。
出題範囲の広さ(覚える量・試験範囲)
資格によって、出題範囲の広さや深さは大きく異なります。
■出題範囲の例:
・狭い範囲・入門特化型(Linux Essentials、AWSクラウドプラクティショナー、ITIL Foundationなど)
→ 学習範囲が限られているため、短期間で合格を目指しやすい。
・中程度の範囲・基礎資格(LPIC-1/LinuC-1、CCNA、基本情報技術者など)
→ 出題範囲はそれなりに広いが、未経験者が最初に挑戦しやすいレベル。
・広い範囲・専門特化型(LPIC-2、CCNP、情報処理安全確保支援士など)
→ 学習範囲が広く、実務経験なしでは理解が追いつかないことも多い。
出題範囲の広さは、勉強時間や学習計画を立てるうえで難易度を決める大きな要因になります。
合格率・受験者数の傾向
公表されている合格率や受験者数のデータも、難易度を測る大事な指標です。
■合格率の例:
・合格率が高い資格(例:ITパスポート、基本情報)
→ 学習リソースが豊富で、独学でも合格しやすい。
・合格率が低い資格(例:情報処理安全確保支援士、CCNP)
→ 出題範囲が広く、深い理解や実務経験が求められる。
※ただし、LPICやCCNAなど一部の資格は、公式に合格率を公表していません。その場合は、受験者の体感・難易度の声、必要な学習時間の目安などから判断する必要があります。
必要な学習時間(目安)
資格取得にかかる勉強時間は、受験者のスキルや経験によって変わります。特に 未経験から独学する場合と、実務経験を活かして学ぶ場合では大きな差 が出ます。
■学習時間目安の例:
・基礎資格(ITパスポート、LPIC-1):100〜180時間
・クラウド資格(AWS SAA):150〜250時間
・中級〜上級資格(CCNP、安全確保支援士):300時間以上
学習時間が長いほど難易度は高くなり、仕事や学業と両立するためには計画性が必要です。
これらの基準をもとに、本記事では主要な資格を比較・ランキング化していきます。
次のセクションからは、それぞれの資格ごとに 難易度の目安・勉強時間・合格率の傾向 を具体的に解説していきます。
主要資格の難易度比較(入門者向けランキング)
ここでは、主要なインフラエンジニア資格を 「難易度の低い順」 にランキング形式で整理しました。
基準は「出題範囲の広さ」、「合格率・受験者層」、「必要な学習時間(目安)」の3点です。
自分の現在地やキャリア段階に合わせて、挑戦すべき資格を検討してみましょう。
まずは図で全体像を確認

この図は、インフラエンジニアに関連する主要資格を、ITSSレベル(スキル標準)と難易度の目安ごとに整理 したものです。
■難易度別の例:
・難易度低(入門・基礎レベル):LPIC-1/LinuC-1、CCNAなど
・難易度中(応用・実践レベル):AWS SAA、LPIC-2、Azure AZ-104 など
・難易度高(専門・上位レベル):CCNP、情報処理安全確保支援士、AWS SAP など
図で全体像をつかんでから、以下のランキングを読むと理解がスムーズになります。
第1位:ITパスポート(国家資格/入門レベル)



■ITパスポート(国家資格/入門レベル):
・学べる内容:IT全般の基礎(ハードウェア・ソフトウェア、ネットワーク、経営・法律など)
・難易度の目安:★☆☆☆☆
・勉強時間:100〜150時間(知識ゼロからの学習目安)
・合格率の目安:50%前後
・特徴:IT全般の基礎を幅広く学べる入門資格。採用評価は低めだが、まず「ITに触れる一歩」としては有効。
・挫折ポイント:範囲が広く浅いため、「暗記科目」と感じて飽きやすい。
■関連記事:ITパスポートは転職に有利?未経験からIT業界を目指す人の成功法則
第2位:LPIC-1/LinuC-1(入門〜基礎)



Linux Professional Institute LPIC-1
■LPIC-1/LinuC-1(入門〜基礎):
・学べる内容:Linuxの基本操作・ユーザー管理・ネットワーク設定など
・難易度の目安:★★☆☆☆
・勉強時間:130〜180時間(知識ゼロからの学習目安)
・合格率の目安:非公開(独学でも対策すれば十分合格可能)
・挫折しやすいポイント:コマンド暗記に偏り、実機演習をしないと知識が定着しにくい。
■関連記事:LPIC-1の勉強法まとめ記事はこちら
第3位:CCNA(入門〜基礎/実務に直結)



CCNA(Cisco Certified Network Associate)
■CCNA(入門〜基礎/実務に直結):
・学べる内容:ネットワーク基礎(ルーティング、スイッチング、セキュリティ、IPv6 など)
・難易度の目安:★★★☆☆
・勉強時間:200〜300時間(知識ゼロからの学習目安)
・合格率の目安:非公開(シナリオ形式問題が多く、ラボ演習の有無で差が出る)
・挫折しやすいポイント:用語暗記だけでなく、Packet Tracerを利用した演習も必要
■関連記事:CCNAの勉強法まとめ記事はこちら
第4位:基本情報技術者試験(国家資格/基礎〜中級)



■基本情報技術者試験(国家資格/基礎〜中級):
・学べる内容:プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、システム開発の基礎全般
・難易度の目安:★★★☆☆
・勉強時間:200〜300時間
・合格率の目安:40〜50%前後(学生受験者が多いため低め)
・特徴:就活や大手SIer志望には有利。ただしインフラ転職市場では専門資格(LPIC/CCNA)の方が評価されやすい。
・挫折ポイント:アルゴリズムやプログラミングなどに苦手意識があると途中挫折しやすい。
第5位:AWS SAA(クラウドの登竜門)



AWS SAA(Solutions Architect Associate)
■AWS SAA(クラウドの登竜門):
・学べる内容:AWS主要サービス(EC2、S3、VPC、IAMなど)の設計とベストプラクティス
・難易度の目安:★★★☆☆〜★★★★☆
・勉強時間:150〜250時間(IT基礎知識がある前提)
・合格率の目安:公式非公開(世界的に受験者が多い人気資格)
・挫折しやすいポイント:AWSのサービス数が膨大で、全体像をつかめずに混乱しやすい。
■関連記事:AWS SAAの勉強法まとめ記事はこちら
第6位:LPIC-2/LinuC-2(中級者向け)



Linux Professional Institute LPIC-2
■LPIC-2/LinuC-2(中級者向け):
・学べる内容:Linuxサーバーの構築・トラブルシューティング・ネットワークサービス設定
・難易度の目安:★★★★☆
・勉強時間:150〜250時間(LPIC-1の知識がある前提)
・合格率の目安:非公開(Linux実務経験があるかで合否が変わる)
・挫折しやすいポイント:範囲が広く、出題は構築や障害対応に近いため経験がないと理解が難しい。
■関連記事:LPICのおすすめ参考書:レベル別(1・2・3)と独学の勉強法
第7位:応用情報技術者試験(国家資格/中級〜上級)



■応用情報技術者試験(国家資格/中級〜上級):
・学べる内容:システム設計、プロジェクト管理、セキュリティ、ネットワークなど、上流工程に必要な幅広い知識
・難易度の目安:★★★★☆
・勉強時間:200〜300時間
・合格率の目安:20〜30%前後
・特徴:試験範囲は広く、難易度は高いが、内容はインフラ実務よりも上流工程やマネジメント寄り。
・挫折ポイント:午後試験の論述問題に対応できずに、挫折するケースもある。
第8位:CCNP(実務経験者向け)



CCNP(Cisco Certified Network Professional)Enterprise
■CCNP(実務経験者向け):
・学べる内容:ネットワーク設計、高度なルーティング・スイッチング、セキュリティなど
・難易度の目安:★★★★☆〜★★★★★
・勉強時間:400〜600時間(ハンズオン演習含む)
・合格率の目安:非公開(学習量が膨大で、現場経験が必須に近い)
・挫折しやすいポイント:試験範囲が広大で、実務未経験者には難易度が高い。
第9位:AWS SAP(上級クラウド資格)



AWS SAP(Solutions Architect Professional)
■AWS SAP(上級クラウド資格):
・学べる内容:大規模AWS環境の設計・運用・移行、コスト最適化・セキュリティ設計など
・難易度の目安:★★★★★
・勉強時間:400〜600時間(ハンズオン演習含む)
・合格率の目安:非公開(難易度は高く、AWS資格の中でも難関クラス)
・挫折しやすいポイント:サービス数も多く、体系的に理解しないと学習が進まない。
・特徴:クラウドアーキテクトやリーダー層を目指すエンジニアには必須級の上級資格。
第10位:情報処理安全確保支援士(国家資格/セキュリティ)



■情報処理安全確保支援士(国家資格/セキュリティ);
・学べる内容:セキュリティ全般(暗号技術、アクセス制御、リスクマネジメント、法制度)
・難易度の目安:★★★★☆〜★★★★★
・勉強時間:300〜400時間(ITの実務経験がある前提)
・合格率の目安:20%前後(国家試験の中でも難易度が高い部類)
・挫折しやすいポイント:出題範囲が非常に広く、午後試験での論述力も必要。
・特徴:国家資格としての信頼性が高く、「登録セキスペ」とも呼ばれる。
どの資格が難しいか分かったところで、次に「どの順番で取るべきか」をキャリアパスから考えていきましょう。
未経験者におすすめの難易度順
資格の取得順は「これが絶対」という正解はありません。キャリア志向や配属先の案件内容によって、進むべきルートは変わります。ここでは代表的な2つのパターンを紹介します。
■おすすめの資格ルート:
・ルート1:基礎資格 → 構築資格 → クラウド資格(企業評価が高い王道パターン)
・ルート2:基礎資格 → クラウド資格 → 構築資格(クラウド志向のキャリアアップ型)
ルート1:基礎資格 → 構築資格 → クラウド資格(企業評価が高い王道パターン)
多くの企業で評価されやすいのがこのルートです。
■企業評価が高い王道パターン:
・基礎資格(LPIC-1/CCNA)で土台を作る
・構築資格(LPIC-2/CCNP)で「即戦力スキル」を証明する
・クラウド資格(AWS SAA → AWS SAPなど)で次世代のスキルに展開
この順番だと「運用 → 構築 → クラウド」と自然にキャリアアップでき、採用担当者からの評価がもっとも高くなる王道のキャリアです。
ルート2:基礎資格 → クラウド資格 → 構築資格(クラウド志向のキャリアアップ型)
近年少しずつ増えているのが、クラウドを先に学ぶルートです。
■クラウド志向のキャリアアップ型:
・基礎資格(LPIC-1/CCNA)で土台を作る
・クラウド資格(AWS SAA)を早めに取得し、クラウド案件へのアサインを狙う
・構築資格(LPIC-2/CCNP)で、クラウド基盤とセットで強みを作る
AWSを中心にクラウド案件が急増しているため、「まずクラウド知識を証明」→「あとで構築経験を補う」という進め方も現実的になりつつあります。
学習の進め方を知りたい方は、こちらの記事で「未経験からの勉強ロードマップ」を詳しく解説しています → 未経験インフラエンジニアの勉強法と学習順序まとめ
まとめ:どちらも正解。志向と環境に合わせて選ぼう
企業評価を重視するなら「構築優先」です。一方でクラウド志向を重視するなら「クラウド先行」も一つの選択肢です
いずれにしても大切なのは、基礎資格を軸に着実にステップを踏むこと です。また、もし迷ったら「構築優先」で進むのがおすすめ です。
なぜなら、Linuxの構築経験はクラウド環境でも直結して役立ちます。また、ネットワークの基礎知識もクラウド設計を理解するうえで欠かせない土台になるためです。
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あなたの経験や志向に合わせた 最適な資格ルートとキャリアパス を提案します
資格難易度とキャリア・転職の関係
資格の難易度は、そのままキャリアや転職市場での評価に直結するわけではありません。
大切なのは「資格で得た知識を、どう実務に結びつけるか」です。ここでは、資格のレベルとキャリア・年収の関係を整理して解説します。
難易度が高いほど年収が上がる?
資格はキャリア形成において重要な要素ですが、「難易度が高い資格を取れば必ず年収が上がる」わけではありません。
実際の転職市場では、以下のような傾向があります。
■資格×年収・キャリアの傾向:
・基礎資格(LPIC-1/CCNAなど)
→ 未経験からの転職で「最低限の知識がある」ことを証明できる。採用の第一関門突破に有効。
・中級資格(LPIC-2/AWS SAAなど)
→ 構築やクラウド案件に参画できるスキル証明となり、年収400〜500万円台 へのステップアップに直結。
・上級資格(CCNP/AWS SAP/情報処理安全確保支援士など)
→ 設計・リーダー層として評価され、年収500〜800万円以上 を狙える可能性が高まる。
つまり「難易度が高い資格=即年収アップ」ではなく、その資格に見合った実務経験を持っているか が重要です。
実務経験 × 資格の組み合わせが最強
転職市場で最も強いのは、資格だけ、実務だけではありません。資格×実務の掛け合わせ です。
■転職市場での見なされ方:
・資格だけ
→ 理論上の知識はあるが、現場での実行力が未知数と見なされやすい
・実務経験だけ
現場スキルはあるものの、客観的な証明がないため、大手SIerや人気企業の選考では資格保持者に比べて不利になることがある。
・資格 × 実務経験
→ スキルを客観的に証明しつつ、実務力も担保されているため即戦力として高評価
特にインフラエンジニアの場合、「基礎資格+1〜2年の実務経験」 があると求人の選択肢が一気に広がります。
さらに「クラウド資格や上級資格+構築・設計経験」が揃うと、年収600万円以上のポジションを狙える可能性も高まります。
■関連記事:インフラエンジニアの年収事情まとめ
■関連記事:インフラエンジニアのキャリアパス完全ガイド
まとめ:資格難易度を見極めて効率的にステップアップ
インフラエンジニア資格は、「難易度が高い=即年収アップ」ではありません。
大切なのは、自分のキャリア段階に合った資格を選び、実務経験と組み合わせて成長していくこと です。
■資格選びの重要ポイント:
・未経験者は基礎資格(LPIC-1/CCNA)から着手
・構築や上流を目指すなら、LPIC-2やCCNPへステップアップ
・クラウド志向ならAWS SAAを早めに取得
この流れで学習を進めることで、無駄なくキャリアを積み重ね、着実に年収アップにつなげる ことができます。
「どの資格から取るべきか迷っている、、」
「自分のキャリアに合った学習ステップを知りたい」
そんな方は、まずはインフラエンジニア専門のエージェントに相談してみませんか?
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