LPIC・CCNA・AWSどれから取る?未経験インフラエンジニアの最適資格ロードマップ【2025】

こんにちは、インフラ系エンジニア専門の転職エージェントの中の人です。

インフラエンジニアを目指すうえで、多くの人が候補に挙げるのが 「LPIC」、「CCNA」、「AWS認定資格」 です。

どれもIT業界で高い評価を得ている資格ですが、出題範囲や学習内容、取得後に広がるキャリアは大きく異なります。

「Linuxを学ぶならLPIC」、「ネットワークならCCNA」、「クラウドならAWS」と単純に分けることもできますが、実際には キャリアの方向性や転職市場での需要 に合わせて選ぶことが重要です。

資格選びに迷ったら、無料相談を活用するのも一つの方法です。

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ここでは、それぞれの資格の特徴や難易度、学習時間、取得メリットを比較し、未経験者がどの資格から学ぶべきか をわかりやすく整理しました。

この記事を書いた人 
角田 壮史 株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

ITインフラエンジニア専門の転職エージェント。経済産業省採択事業の運営者であり、15年以上のエンジニアのキャリア支援実績を活かし、あなたのキャリアアップをサポートします。

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目次

なぜインフラエンジニアは、LPIC・CCNA・AWSで迷うのか?

インフラエンジニアを目指す人にとって、最初の大きな悩みが 「どの資格から勉強を始めるべきか」 です。

インフラの世界では、サーバーを扱う Linux(LPIC)、通信を理解する ネットワーク(CCNA)、そして今や欠かせない クラウド(AWS認定資格) の3領域が基盤となっています。

これらの資格は「基礎力の証明」として企業からも評価されやすく、未経験からインフラエンジニアを目指す際の キャリアのスタート地点 として位置づけられています。

これらはそれぞれ専門性が高く、取得することで確実にスキルの証明となります。

その一方で「Linuxから入るべきか?」、「ネットワーク基礎を押さえてからクラウドか?」、「いきなりAWSでも大丈夫?」と迷う方が少なくありません。

本記事では、未経験からインフラエンジニアを目指す人に向けて、LPIC・CCNA・AWSの特徴や違いをわかりやすく比較し、さらにキャリアパスに応じた最適な取得順序(ロードマップ)を解説します。

インフラエンジニアに必要な3大スキル(Linux/ネットワーク/クラウド)

インフラエンジニアの仕事は、システムを安定的に支えるための 「基盤づくり」 です。

具体的には、サーバーを構築・運用し、ネットワークを設計・管理し、クラウドを活用して柔軟なインフラを提供することが求められます。

そのため、インフラエンジニアに必要なスキルは大きく分けて3つに整理できます。

1. Linux(サーバー運用の基礎)

 ほとんどのサーバーはLinuxで動いており、ユーザー管理、ファイル操作、シェル操作などの知識は必須です。Linuxを理解することで、サーバー構築やトラブルシューティングの基盤が固まります。

2. ネットワーク(通信の仕組みの理解)

 サーバー同士やクライアントとのやり取りは、すべてネットワークを介して行われます。IPアドレス、ルーティング、セキュリティ設定などを理解していないと、安定したシステム運用はできません。

クラウド(新しいインフラの中心)

 近年のシステムはオンプレミスだけでなく、AWSを代表とするクラウド環境で構築されるのが主流です。クラウドを扱えることは、エンジニアとして市場価値を高める大きな武器となります。

上記の「Linux・ネットワーク・クラウド」という3大スキルを、それぞれカバーする代表的な資格が LPIC・CCNA・AWS認定資格 です。

だからこそ、多くの未経験者が「どれから学ぶべきか?」で迷ってしまう、と言えます。

資格がキャリアのスタート地点として評価される理由

インフラエンジニアとしてキャリアをスタートする際、資格は「入り口の切符」として強く評価されます。理由は大きく、以下の3つです。

■資格がキャリアの入り口で評価される理由:
・基礎知識を体系的に学んだ証明になる
・教育コストを下げられる人材として見られる
・キャリアアップの土台になる

基礎知識を体系的に学んだ証明になる

未経験者の場合、実務経験がないため「何ができるのか」を採用担当者に伝えにくいという弱点があります。

資格を持っていれば、Linuxやネットワーク、クラウドといった基本知識を体系的に理解していることを客観的に示せ、弱点を補うことができます

教育コストを下げられる人材として見られる

 資格保持者は基本操作や基礎概念をすでに理解しているため、現場に配属前後の研修コストが大きく抑えられます。

採用担当からも「有資格者は入社後につまづきにくく、安心して現場に送り出せる」と評価されることが多く、未経験者にとって大きなアピールポイントとなります。

キャリアアップの土台になる

LPIC・CCNA・AWSといった資格は、それぞれがより上位資格や専門分野につながります

例として、LPICを取得すればLinuxサーバー構築やセキュリティ、CCNAを取得すればCCNPや設計・上流工程、AWSを取得すればDevOpsやセキュリティなどへとステップアップ可能です。

上記のように資格は「即戦力の保証」ではなくても、未経験からキャリアを始めるための最低限の信頼性を担保する役割を持っています。

だからこそ、多くの企業が資格を採用判断の材料として評価していると言えます。

資格ごとの特徴と難易度の違い

インフラエンジニアを目指す上で代表的な資格といえば、LPIC(Linux)・CCNA(ネットワーク)・AWS認定(クラウド) の3つです。

ここでは、各資格の特徴や取得メリット、そして難易度の目安について整理します。

LPIC(Linux):サーバーの基盤を理解する入門資格

LPIC(Linux Professional Institute Certification) は、Linuxの操作スキルを証明できる国際的な資格です。

サーバーエンジニアとして最も基本となる 「Linuxの仕組みを理解し、コマンドでサーバーを操作できる力」 を身につけられる点が大きな特徴です。

取得メリット

■LPICの取得メリット:
・Linuxサーバーの基礎力を証明できる:
 
→Webサーバー、メールサーバー、データベースサーバーなど、多くのシステムはLinux上で動いています。そのためLPICを学ぶことで、インフラの土台を理解できます。
・トラブル対応力がつく:
 →GUI(画面操作)ではなく、CUI(コマンド操作)での管理が中心となるため、障害発生時に柔軟に対応できるスキルが身につきます。
・キャリアの入口に最適:
 
→未経験からエンジニアを目指す人が「最初に挑戦する資格」として推奨されることが多く、転職活動でも「基礎力を持っている」と評価されやすいです。

※補足:日本国内では LinuC(リナック) というLinux資格も普及しています。出題範囲はLPICとほぼ同じであるため、どちらを選んでもLinuxスキルの基礎力を証明できると考えて問題ありません。

■関連記事:LPICとLinuCはどっちがいい?両方取得済みの筆者が、選び方を徹底比較
■関連記事:LPIC(LinuC)は転職で有利?資格のメリットと注意点、成功戦略を解説

難易度

LPICは3段階に分かれており、入門編は「LPIC-1」 です。特にLPIC-1は、未経験者がサーバーの基盤知識を理解するための 「登竜門」 的な資格といえます。

■LPICの難易度:
・LPIC-1(101・102試験):Linuxの基本操作、ユーザー管理、パッケージ管理、ネットワーク基礎など。未経験者の最初のゴール。
・LPIC-2:より高度なネットワーク・セキュリティ設定、サーバー構築。
・LPIC-3:大規模環境やセキュリティ、仮想化など専門分野。

■関連記事:【保存版】LPIC Level 1 合格へのロードマップ、勉強法・おすすめ教材

CCNA(ネットワーク):通信・設計スキルを証明する定番資格

CCNA(Cisco Certified Network Associate) は、世界的なネットワーク機器メーカーであるCisco Systems社が認定する資格です。

ネットワークの基礎から設計・運用まで幅広く学べるため、「ネットワークエンジニアの入門資格」 として定番となっています。

取得メリット

■CCNAの取得メリット:
ネットワーク全体を理解できる
 →IPアドレス、ルーティング、スイッチング、セキュリティ、トラブルシューティングなど、通信の仕組みを体系的に学べます。
実機操作のスキルが身につく
 →Ciscoルータやスイッチを操作するためのコマンドライン知識を習得でき、現場の実務に直結します。
求人市場で高い評価
 →ネットワークに強い人材は多くの企業で求められており、特にCCNAは「最低限ここまで理解していてほしい」という採用基準として扱われることもあります。
上位資格へのステップアップ
 →CCNAを取得すると、CCNPやCCIEなどの上位資格へ進み、より高度な設計・構築エンジニアを目指す道が開けます。

■関連記事:【断言します】CCNAは転職・就職で非常に有利になる資格です

難易度

CCNAは出題範囲が広く、未経験者にとってはややハードルが高い資格です。

■CCNAの難易度:
・学習時間の目安:未経験からだと200〜300時間程度(1日2時間で3〜5ヶ月)
・試験範囲:LAN/WAN、IPルーティング(スタティックルートOSPF)、ネットワークアクセス(VLAN、STP、無線LAN)、ネットワークセキュリティ、自動化の基礎
・試験方式:シミュレーション問題有、暗記だけでなく「実際に設定できるか」の理解も必要

「ネットワークを体系的に理解したい」、「将来ネットワークや、セキュリティのプロフェッショナルを目指したい」と考える人にとって、CCNAは強力な土台となります。

さらに、クラウドエンジニアを志す場合でも、ネットワーク基盤を理解していることは設計や運用の場面で強みとなります。

■関連記事:【初心者、未経験者、独学可】CCNAのおすすめ勉強方法

AWS SAA(クラウド):クラウド時代に必須の資格

AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA) は、Amazon Web Services(AWS)が公式に提供する認定資格です。

世界的に利用が広がるクラウドサービスの中でも、特にAWSはシェアが大きく、日本の企業でも導入が加速しているため、「クラウドエンジニアの入門資格」 として必須級の位置づけとなっています。

取得メリット

■AWS SAAの取得メリット:
クラウドの全体像を理解できる
 →EC2(仮想サーバー)、S3(ストレージ)、VPC(ネットワーク)、IAM(アクセス管理)、RDS(データベース)など主要サービスを体系的に学べます。
設計力を証明できる
 →単なる操作方法ではなく「要件に合ったクラウド設計ができるか」が問われるため、クラウド環境での設計スキルを証明できます。
企業からのニーズが高い
 →DX推進やオンプレからクラウド移行の需要により、AWSスキルを持つ人材は即戦力として評価されやすいです。
キャリアアップにつながる
 →SAA取得後は、上位資格(プロフェッショナル)やセキュリティ・ネットワーク・機械学習などの専門認定へと進む道も開けます。

■関連記事:インフラエンジニアがAWSを学ぶべき理由と勉強法、未経験からのクラウド転職

難易度

AWS SAAは、未経験者にとってやや難しい部類に入りますが、学習リソースが豊富なため独学でも挑戦可能です。

■AWS SAAの難易度:
・学習時間の目安:未経験からなら200〜250時間程度(1日2時間で3〜4か月)
・試験範囲:高可用性設計、コスト最適化、セキュリティ、VPCを使ったネットワーク設計、マルチリージョン対応など
・試験方式:選択式(シナリオベース問題が多く、暗記ではなく設計意図を理解する必要あり)

「これからのクラウド時代に必須の資格」として、AWS SAAを取得することで市場価値が大幅に高まります。

特に、LPICやCCNAで基礎を固めた上でSAAに進むと、クラウド設計を実践的に理解できるようになり、キャリアの選択肢が大きく広がります。

■関連記事:【未経験から目指す】クラウドエンジニアへの勉強ロードマップとおすすめ資格

それぞれの難易度・学習時間の目安

LPIC・CCNA・AWS SAAは、いずれも未経験者でも挑戦可能ですが、範囲の広さや問われるレベルに違いがあります。以下に学習時間と難易度の目安をまとめました。

資格難易度の目安学習時間(未経験)特徴
LPIC-1★★☆☆☆(やや易しい)約130〜180時間Linuxサーバー操作の基礎。未経験者の登竜門として最適。
CCNA★★★☆☆(中級レベル)約200〜300時間出題範囲が広く、シミュレーション問題もあり。ネットワークを体系的に学べる。
AWS SAA★★★☆☆(中級レベル)約200〜300時間設計力が問われる。クラウドの理解が深まり、即戦力として評価されやすい。

難易度の比較ポイント

LPIC・CCNA・AWS SAAは、いずれも未経験者が挑戦可能ですが、「どの分野を軸にキャリアを築きたいか」で難易度の感じ方も変わります

例えば、ITに初めて触れる人にとっては、Linuxコマンドを一から学ぶLPICがやや難しく感じるかもしれません。しかし、資格全体としては最も基礎的で取り組みやすい試験です。

一方で、CCNAは出題範囲が広くシミュレーション問題もあるため、暗記ではなく理解と実践が欠かせません。ネットワークを体系的に学びたい人にはやりがいのある試験ですが、途中で挫折しやすい一面もあります。

AWS SAAは用語やサービス数が多く、さらに「どの設計が最適か」を問われるシナリオ問題が中心です。基礎知識がないまま挑むと難しく感じやすく、ある程度LPICやCCNAで土台を作ってから挑戦すると効率的です。

このように、難易度は「資格そのもののレベル」だけでなく、学習者のバックグラウンドやキャリアの方向性によって大きく変わる点を理解しておくことが重要です。

「途中で挫折しないか不安、、」という方も多いです。
未経験からでも無理なく学べる学習計画を、一緒に立てることができます。

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■関連記事:インフラエンジニア資格の難易度は?おすすめ資格の一覧と選び方

資格学習でつまずきやすいポイントと乗り越え方

未経験者が資格勉強でつまずきやすいポイントは以下の通りです。

■つまずきやすいポイント:
・Linux:黒い画面(CUI操作)に慣れない
・CCNA:暗記量が膨大で、シミュレーション問題が難しい
・AWS:用語が多く、設計意図の理解が難しい

対策として、挫折を防ぐには「小さなアウトプットを積み重ねる」ことが大切です。例として、pingやtracerouteを打つ、VPCを作る、シミュレーション問題を1問だけ解く、などがあります。

さらに、転職を見据えるなら 「勉強と並行してキャリア相談」 を進めることで、モチベーションが続きやすくなります。

「どっちが転職に有利か?」転職市場での評価比較

資格を取る目的の多くは、「転職で有利になること」 です。では、LPIC・CCNA・AWS SAAのうち、未経験者にとってどの資格が最も評価されやすいのでしょうか。

ここでは、LPIC・CCNA・AWS SAAにおける評価を比較していきます。

■LPICの評価:
・位置づけ:サーバー運用・構築の基礎力の証明
・採用現場の評価:「Linuxを触ったことがある」と示せるため、運用監視・サーバー管理の求人に応募しやすくなる
・将来のメリット:インフラ全体を理解している人材として評価されやすく、トラブルシューティング能力など、現場で求められる根本的なスキルが身につく

■CCNAの評価:
位置づけ:ネットワーク基盤の知識を持つエンジニアの証明
・採用現場の評価:ネットワーク保守やヘルプデスクからのキャリアアップに直結しやすく、求人票でも「CCNAレベルの知識必須」と記載されるケースが多い
将来のメリット:ネットワークやセキュリティのプロフェッショナルとしてのキャリアを築く土台になり、将来の専門性につながる

■AWS SAAの評価:
位置づけ:クラウド設計・運用の基礎知識を持つ人材の証明
採用現場の評価:クラウド求人は増加傾向にあり、AWS資格は高く評価される。ただし、未経験者がSAAだけを持っていても「実務経験あり」とは見なされにくい
将来のメリット:クラウドエンジニアとしてのキャリアを最短でスタートできる。特に、IT業界のトレンドや求人需要を意識するなら、最初からクラウドに絞るのも有効な戦略

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■関連記事:【未経験でも安心】インフラエンジニア転職の始め方、仕事内容、おすすめ企業、学習ロードマップ

資格取得にかかる費用と学習環境【独学・スクール比較】

資格を取得する際には「受験料」と「学習コスト」の両方を考える必要があります。

■受験料の目安:
・LPIC-1(2科目):1科目16,500円(税込)
・CCNA:46,860円(税込)
・AWS SAA:22,000円(税込)

独学でも挑戦可能ですが、特にCCNAやAWSは出題範囲が広いため、効率よく進めたい方はスクールや研修サービスを利用するケースも増えています。

「独学で時間をかけるか」、「投資して短期合格を目指すか」 はキャリアプランに合わせて判断しましょう。

目指すキャリア別:どの資格から取るべき?

LPIC・CCNA・AWS SAAはいずれもインフラエンジニアを目指すうえで有力な資格です。しかし「どれから取るのが正解か?」という問いに、単一の答えはありません。

資格ごとに学べる内容やキャリアとの相性が異なるため、目指す方向性によって最適な選択肢は変わります。ここでは資格ごとを比較し、最適な取得順序を整理していきます。

■比較項目:
・LPIC と CCNA(サーバーかネットワークか)
・CCNA と AWS(基盤を学ぶか、クラウド直行か)
・LPIC と AWS(OS理解を優先するか、クラウドから始めるか)

これにより、未経験者が最初の一歩を踏み出す際にどの資格から挑戦すべきか、判断できるようになります。

LPIC と CCNA → サーバー基盤かネットワークか

未経験からインフラエンジニアを目指す際、まず悩むのが 「サーバーから入るか、ネットワークから入るか」 です。ここで検討されるのが LPIC(Linux)CCNA(ネットワーク) の比較です。

■サーバー寄りのキャリアなら、LPIC:
強み:Linuxサーバーの構築・運用スキルを習得できる。
活躍の場:Webサーバーやデータベースサーバーなどの構築・運用。
将来性:クラウド環境(AWS、GCP、Azure)でもLinuxが基盤となっているため、クラウドエンジニアやSREへの発展がしやすい。

■ネットワーク寄りのキャリアなら、CCNA:
強み:ネットワークの設計・ルーティング・セキュリティを体系的に学べる。
・活躍の場:ルータ・スイッチの設定、社内ネットワークの設計・運用、通信トラブル対応。
・将来性:セキュリティやネットワークスペシャリスト、上位資格のCCNPなどに進みやすい。

どちらを選ぶべきか?

迷った場合は、自分が「サーバー寄り」か「ネットワーク寄り」か、どちらの仕事に携わりたいかを基準に選ぶのがおすすめです。

■LPIC と CCNAの結論:
システム全体を理解し、将来クラウドにつなげたい → LPIC
ネットワークに特化し、セキュリティや通信インフラに強くなりたい → CCNA

■関連記事:CCNAとLPICを徹底比較、どっちを取るべき?難易度と順番を解説

CCNA と AWS → ネットワーク基礎を先に?クラウド直行でもOK?

クラウドエンジニアを目指す人が特に迷いやすいのが、「まずネットワークの基礎(CCNA)を固めるべきか、それともクラウド資格(AWS SAA)に直行すべきか」 という選択です。

■CCNAを先に学ぶ場合:
・強み:VPCやセキュリティグループなど、クラウドの設計にも必要なネットワーク基盤の理解が深まる
メリット:トラブルシューティングに強くなり、クラウド環境でも原因切り分けがしやすい
キャリア:ネットワークやセキュリティ分野に専門性を広げやすい

■AWS SAAを先に学ぶ場合:
強み:クラウドサービスを使った実践的なインフラ設計を早期に学べる
メリット:今すぐクラウドエンジニアを目指すなら、AWS知識がそのまま評価される
キャリア:クラウド関連の求人は豊富で、転職活動に直結しやすい

どちらを選ぶべきか?

最短でクラウドエンジニアを目指すならAWS直行も可能ですが、現場ではネットワーク知識も必ず求められます。

「クラウドを学ぶ中で理解が追いつかない」と感じたら、後からCCNAに取り組むのも現実的な選択肢です。

■CCNA と AWS SAAの結論:
ネットワーク基礎から理解し、安定した設計力をつけたい → CCNAが先
とにかく早くクラウド領域に進みたい/求人で強みを作りたい → AWS SAAが先

LPIC と AWS → OS理解が先?クラウドから入る?

クラウドが主流となってきた現在においては、「Linuxを先に学ぶべきか?」、「AWSから始めても問題ないのか?」 と悩む人は多いです。

この比較は、サーバー運用の基礎を固めるLPICと、クラウド環境を直接学ぶAWS SAAのどちらを優先するか、というテーマとなります。

■LPICを先に学ぶ場合:
強み:OSやファイルシステム、ユーザー管理、プロセス管理などの仕組みを理解できる
メリット:インフラ全体を理解している人材として評価されやすく、トラブルシューティング能力など現場で求められる根本的なスキルが身につきます。
キャリア:サーバー管理からクラウド、SRE、セキュリティへと広がる土台になる

■AWS SAAを先に学ぶ場合:
強み:クラウド設計の全体像を早期に理解でき、即戦力としてアピールしやすい
メリット:クラウドエンジニアとしてのキャリアを最短でスタートできます。特に、IT業界のトレンドや求人需要を意識するなら、最初からクラウドに絞るのも有効な戦略です。
キャリア:インフラからDevOps・クラウドアーキテクトへの道を早めに開ける

どちらを選ぶべきか?

■LPIC と AWS SAAの結論:
基礎力を重視し、トラブル対応やサーバー管理に強くなりたい → LPICが先
クラウドエンジニアを最短で目指したい/求人需要を意識したい → AWS SAAが先という選択もあり

現場のリアル:評価されるのは「資格+基礎力」

AWS SAAは転職市場で評価される素晴らしい資格です。ただし、現場の採用担当者から見ると、未経験者がAWS資格単体で「即戦力」と判断されることは少ない です。

なぜなら、クラウド上のサービスも、その下にあるLinuxやネットワークの知識がなければ、トラブル時に対応できないからです。

そのため、LPICやCCNAで基礎を固めたうえでAWSを取得することで、「インフラ全体を理解している人材」として評価され、資格の価値を最大限に活かすことができます。

資格を組み合わせることで得られる相乗効果

資格は単体でも価値がありますが、複数を組み合わせることで 「キャリアの幅」や「実務対応力」 が一段と広がります。

現場ではサーバー・ネットワーク・クラウドが連動して動いているため、片方だけでは解決できない課題に直面するケースが多いからです。

たとえばクラウド設計を任されたとしても、Linuxサーバーの仕組みやネットワーク通信を理解していなければ、安定した構成を組むことはできません。

逆に、複数分野を学んでいれば知識が「点」ではなく「線」としてつながり、設計力・トラブルシューティング力・市場価値が大幅に高まります。

LPIC × CCNA → サーバー+ネットワークに強いエンジニア

Linuxサーバーとネットワークの両方を理解できるエンジニアは、インフラの基盤部分を幅広く担える存在です。

■LPIC × CCNAの特徴:
強み:サーバー構築や運用を理解しながら、ネットワーク障害の切り分けや設計も可能
キャリアパターン:オンプレ環境を扱うインフラSE、SRE、社内SEなど

「サーバー運用もできるがネットワークも強い」人材は現場で非常に重宝されるため、安定した転職市場価値を持つ組み合わせです。

LPIC × AWS → サーバー基盤+クラウド設計に強いエンジニア

Linuxでサーバーの基盤を理解し、AWSでクラウド設計を学ぶことで「オンプレとクラウドをつなげられる人材」になれます。

■LPIC × AWSの特徴
・強み:オンプレ→クラウド移行プロジェクトに対応できる
キャリアパターン:クラウドエンジニア、クラウドアーキテクト、DevOpsエンジニア

クラウドの設計・運用にはLinuxの知識が欠かせません。「LPIC+AWS」で得られる強みは、クラウド案件でも一歩先の役割を担える力につながります。

CCNA × AWS → ネットワークに強いクラウドエンジニアを目指せる基盤

クラウドの世界でもネットワーク知識は欠かせません。AWSでVPCやセキュリティグループを設計する際に、CCNAで学んだ知識がそのまま活かされます。

■CCNA × AWS の特徴:
強み:クラウド環境でも堅牢なネットワーク設計が可能
キャリアパターン:クラウドエンジニアやセキュリティ分野に進みたい人にとって大きな武器

ただし、クラウドエンジニアとして活躍するにはサーバー(Linux)の知識も必須です。

そのため、「CCNA+AWS」で得られる強みは、あくまでクラウドキャリアを目指すための基盤であり、LPICなどでサーバー知識を補うことで、より実務に直結する力を身につけられます。

3資格を揃えたときの強み(インフラ全領域をカバー)

LPIC・CCNA・AWSの3資格をすべて揃えると、サーバー・ネットワーク・クラウドの全領域を理解できるエンジニアになれます。

■LPIC × CCNA × AWS の特徴:
強み:システム全体を俯瞰し、構築・運用・改善のすべてに対応可能
キャリアパターン:SRE、セキュリティエンジニア、プロジェクトリーダー

この総合力は、技術力だけでなくマネジメントや上流工程でも評価されやすく、長期的なキャリアの選択肢を広げます。

目的別!未経験者におすすめの資格取得ロードマップ

資格は単体でも役立ちますが、キャリアの方向性に合わせて順序立てて取得することで、相乗効果が生まれます。ここでは、目指すエンジニア像ごとに最適なロードマップを整理しました。

サーバーに強いエンジニアを目指すなら(LPIC → AWS → CCNA / LPIC → CCNA → AWS)

サーバーに強いエンジニアを目指す場合、最初の一歩は LPICでLinux基盤を理解すること です。

その後の順序については、「AWSを先に学ぶか」、「CCNAを先に学ぶか」 の2パターンがあります。

短期転職を目指すなら:LPIC → AWS → CCNA

このルートは、転職を早めに狙いたい人、クラウド求人にすぐ応募したい人におすすめです。

■LPIC → AWS → CCNAの特徴:
・AWS資格を早期に取得でき、転職市場での評価が高まりやすい
・「Linux+クラウド」のセットで即アピール可能
・ただしネットワーク基礎が後回しになるため、クラウド理解が浅くなるリスクもある

基礎を固めたいなら:LPIC → CCNA → AWS

このルートは、腰を据えて基礎を固めたい人、現場で長く活躍したい人におすすめです。

■LPIC → CCNA → AWSの特徴:
・Linux+ネットワーク基盤を理解した状態でAWSに進めるため、設計の理解がスムーズ
・入社後のトラブル対応や設計でつまづきにくい
・ただしAWS資格取得まで時間がかかる

どちらを選ぶべきか?

短期的に転職を狙いたい人は LPIC → AWS → CCNAが適しています。

一方で、基礎を盤石にして長期的に成長したい人は、 LPIC → CCNA → AWSが望ましいです。

■関連記事:【未経験者向け:3ヶ月で転職も】サーバーエンジニアの勉強法、順番、ロードマップ

ネットワークに強いエンジニアを目指すなら(CCNA → LPIC → AWS)

ネットワークに興味がある人は、CCNAからスタートするのが効率的です。その後LPICでサーバーの知識を補えば、通信とOS両方を理解した人材として評価されます。

最後にAWSを学ぶことで、クラウド環境にも対応できる総合力が身につきます。

■CCNA → LPIC → AWSのステップ:
ステップ1:CCNA → 通信・ルーティング・セキュリティの基礎を理解
・ステップ2:LPIC → サーバー運用・構築の基盤を習得
・ステップ3:AWS SAA → クラウド設計を学び、求人市場で武器に

クラウドエンジニアを目指すなら(LPIC+CCNA → AWS)

最終的にクラウドエンジニアを目指すなら、まずLPICとCCNAで基礎を固め、その後AWSに進む流れがベストです。

基礎を飛ばしてAWSから始めることも可能ですが、Linuxやネットワークの土台がある方がクラウド理解が深まり、転職後に即戦力として活躍しやすくなります。

■LPIC+CCNA → AWSのステップ:
ステップ1:LPIC & CCNA → サーバーとネットワークの基礎を習得
・ステップ2:AWS SAA → クラウド設計を理解し、求人市場で強みを作る

■関連記事:【未経験から目指す】クラウドエンジニアへの勉強ロードマップとおすすめ資格

あなたに合った最短ルートを一緒に設計します。資格取得だけで終わらせず、「転職成功」までつなげたい方は。

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キャリアパス事例:資格取得後のステップアップ

ここまで、未経験者が取るべき資格の順番と、目的別のロードマップを解説してきました。しかし、資格を取ること自体はゴールではなく、キャリアのスタートラインにすぎません。

実際の現場では、「資格をどう活かしてキャリアを広げるか」が最も重要です。ここからは、資格取得後のキャリアパス事例を具体的に紹介し、あなたの未来像をイメージしやすくしていきましょう。

運用・監視 → LPIC取得でサーバー管理へ

未経験からインフラに入る人の多くが最初に経験するのが「運用・監視」の仕事です。

ここでLPICを取得することで、手順通りの監視作業から一歩進み、サーバーの仕組みを理解して運用・管理に携われるようになります。

■運用・監視 → LPIC取得でサーバー管理
・Before:監視オペレーターやヘルプデスクとして、手順書通りの対応が中心

・ステップアップ:LPICを取得することで、Linuxサーバーの仕組みを理解し、ユーザー管理やログ解析を任されるようになる

・After:サーバー運用の現場に関わり、構築補助や改善提案ができるポジションに進める

ネットワーク保守 → CCNA取得で設計・構築にキャリアアップ

ネットワークに関わる運用・保守業務からキャリアを始める人も多いです。ここでCCNAを取得すれば、単なる障害対応だけでなく、ネットワークの構築や設計業務へとステップアップできます。

■ネットワーク保守 → CCNA取得で設計・構築
・Before:ネットワーク障害対応や回線手配など、保守・運用中心の業務

・ステップアップ:CCNAでルーティングやスイッチングを体系的に学び、ネットワーク構築や設計業務を担当できるようになる

・After:小規模拠点のネットワーク設計や、セキュリティ施策を含む上流工程にも関われる

LPIC+AWSでクラウドエンジニアへ

オンプレのサーバー管理からクラウドにキャリアを広げたい人におすすめのルートです。

Linuxの知識に加え、AWSを学ぶことでクラウド設計や移行プロジェクトにも関われるようになります。

■LPIC+AWSでクラウドエンジニアへ
・Before:サーバー運用に携わっているが、オンプレ中心でクラウド経験がない

・ステップアップ:Linux基盤の理解に加えて、AWS SAAを取得することで、クラウド移行や設計プロジェクトに参画可能に

・After:クラウドインフラの構築や運用、コスト最適化などを担えるクラウドエンジニアに成長

3資格を活かしてSRE・セキュリティエンジニアへ

LPIC・CCNA・AWSを揃えると、インフラ全体を俯瞰できる人材になれます。

この総合力を武器に、より高度なポジションであるSREやセキュリティ分野に挑戦できるのがこのルートです。

■3資格を活かしてSRE・セキュリティエンジニアへ
Before:インフラ運用や構築経験はあるが、役割が限定的

ステップアップ:LPIC・CCNA・AWSを揃えることで、インフラ全体を理解できる総合力を獲得

After:SRE(Site Reliability Engineer)やセキュリティエンジニアとして、システム全体の信頼性やセキュリティを設計・改善する立場へ進める

資格取得はゴールではなく、転職成功のスタート地点です。最短でインフラエンジニアとして活躍したい方は、今すぐ無料でご相談ください。

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まとめ:資格選びはキャリアゴールから逆算しよう

ここまで、LPIC・CCNA・AWS SAAの特徴や比較、組み合わせ方、ロードマップ、そしてキャリア事例を紹介してきました。

大切なのは、「どの資格が一番優れているか?」ではなく、「自分がどんなキャリアを歩みたいか」から逆算して選ぶこと です。

迷ったら「LPIC or CCNA」から着手

未経験者にとって最初の一歩は、サーバーかネットワークかの基礎固めです。

Linuxに興味があるならLPIC、通信やセキュリティに興味があるならCCNAから始めましょう。どちらを選んでも、その後AWSに進むことでクラウド時代に通用する人材になれます。

クラウド時代に必須のAWSは、必ず取得を目指す

AWS SAAは求人市場での評価が高く、今後もクラウド人材の需要は増え続けます。

LPICやCCNAを取得した後には、必ずAWS資格に挑戦し、クラウドエンジニアとしての市場価値を高めましょう。

資格取得後は、キャリア相談・転職活動へ行動をつなげよう

資格を取るだけで満足してはいけません。学んだ知識を実務に活かし、転職やキャリアチェンジに結びつけることが最も重要です。

特に、未経験からの転職はスピードが鍵になるため、資格取得と並行してキャリア相談や求人調査を始めるのがおすすめです。

本気でインフラエンジニアを目指す方は、インフラエンジニア専門のキャリア相談サービスを活用するのが最短ルートです。

私たちは、未経験者が最短で資格を取得し、運用・構築・クラウド領域へキャリアアップできるようサポートしています。

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角田 壮史

株式会社ソリューションパートナー 代表取締役

未経験からベテランまで、ITインフラのキャリア支援に特化、経済産業省採択事業(インフラエンジニア育成プログラム)も担うキャリアアドバイザーです。 経済産業省ロゴ

主な実績

  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)在籍時、事業部MVP受賞あり
  • リクナビ提携エージェントとして、顧客満足度1位/サービス満足度1位/紹介求人満足度2位などの受賞歴あり リクナビ 顧客満足度1位ロゴ リクナビ 紹介求人満足度2位ロゴ
  • キャリアアドバイザー歴15年以上、700社以上のIT企業訪問、3,000名超のエンジニア支援実績
  • LPI (Linux Professional Institute) より、トレーニングパートナー(プラチナ:最上位)/ハイアリングパートナーとして公式認定 LPIトレーニングパートナープラチナロゴ LPIハイアリングパートナーロゴ

保有資格

国家資格キャリアコンサルタント、AWS-SAA、CCNA、LPIC-3(最上位)、LinuC-1

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